鈴木拡樹×荒牧慶彦 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「鈴木拡樹×荒牧慶彦」

2019/01/15

「『刀剣乱舞』だからこそ描けた歴史の新たな物語。刀剣が見て、刀剣が感じた歴史が描かれているところが魅力だと思う」

鈴木拡樹×荒牧慶彦 撮影/booro(BIEI) 取材・文/根岸聖子

人気PC&スマホアプリゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」を原案とした、初の実写化作品『映画刀剣乱舞』が、いよいよ1月18日(金)より公開される。『デビュー』では、舞台『刀剣乱舞』同様、三日月宗近を演じる鈴木拡樹&山姥切国広を演じる荒牧慶彦の二人にインタビュー。映画化への想いや本作ならでは見どころ、刀剣男士たちの撮影裏エピソードなどを語ってもらった。

鈴木拡樹×荒牧慶彦鈴木拡樹

――『映画刀剣乱舞』がいよいよ公開。改めてお二人が演じている刀剣男士について、教えてください。

鈴木拡樹「僕も演じるまでは刀剣についてはまったく知識がなかったのですが、僕が演じている三日月宗近は、天下五剣と言われる5振りの名刀の中でも、もっとも美しいといわれている刀です。なので、人の姿で顕現しているこのキャラクターも、とても美しく深い魅力を持っているキャラクターになります」

荒牧慶彦「僕は山姥切国広という、写しの刀、いわゆる“コピー”された刀です。オリジナルである山姥切長義という刀があって、その写しとして作られたんですが、それを作った刀工自身の最高傑作と言われています。そのため、美しいと言われるけれど、自分はオリジナルではないから……とコンプレックスを抱いていて、わざわざ少し汚れたマントをかぶって隠しているというキャラクターで、いろいろとこじらせているんです(笑)」

鈴木拡樹×荒牧慶彦荒牧慶彦

――舞台『刀剣乱舞』初演から同役を演じられているお二人ですが、映画化されると聞いたときの率直な感想を教えてください。

鈴木「舞台版をやっていたからこそ、映画化すると聞いたときは驚きました。自分が(舞台を)やっていなければ、“刀剣乱舞という作品を映画化するんだ”と普通に受け止めたと思うんですが、なぜか、とても意外に感じたんですよね(笑)」

荒牧「確かに、僕も驚きました。それに加えて、僕は最初、“映画になる”という情報だけを聞いていて、キャストが自分たちだということは知らなくて。“誰がやるんだろう?”って思っていたんです。なので、自分たちが同じ役として出演できるということに、驚きと喜びを感じました」

鈴木拡樹×荒牧慶彦

鈴木「舞台版のキャストが多いとわかったときは、またみんなで新しいものが作れるという嬉しさがありました。でも、その“新しさ”には難しさもある。刀剣それぞれの歴史やキャラクターはそのままのベースでありつつ、本丸に来てからの記憶というのは、舞台版と映画版とではまた別のものになるので。舞台で作り上げてきた関係性とは、また別に、新たに作り直さなければいけないなと思いました」

荒牧「特に、三日月宗近と山姥切国広の関係性の違いは、一番変化が大きいかも。あと、僕が感じたのは、現場でキャストの方々とコミュニケーションを築き上げる部分においては、舞台版のキャストが多い分できているし、自分のキャラクターも含め、他のキャラクターのこともわかっているし、作りやすいだろうなと思いました」

鈴木拡樹×荒牧慶彦鈴木拡樹

――映像作品になると、演出、見せ方も変わってくると思いますが、演じる上で、どのような意識の違いがありましたか?

鈴木「舞台と映像との違いというものに関しては、撮る前からなんとなくわかっていましたが、実際撮ってみて感じる部分は多かったです。映像では同じシーンを繰り返し何度も演じて、それを違う角度から細かく撮影をするんですが、舞台では稽古は繰り返してそのシーンを演じたりはするけど、本番では1回だけ。普段、舞台での芝居に慣れている分、映像での気持ちの微妙な変化や気持ちの持って行き方が難しく感じました。でもそこに楽しさも感じていましたね」

荒牧「映画は撮影する順番が台本通りではなくバラバラなので、後半のシーンを撮ってから最初のほうを撮るとなったときに、“あ〜あそこはもっとこうすればよかったかな”と思うこともありました。もちろん、撮影時はその時のベストを尽くした結果ではあるんですが……。舞台の稽古だったら修正や変更して、本番の公演に向けて磨いていけるけど、映像は撮り直しがきかない。そこは難しかったですね」

鈴木拡樹×荒牧慶彦荒牧慶彦

――映像作品ならではの殺陣も、舞台版とはまた違った迫力がありました。

荒牧「舞台はしっかりとした床の上で殺陣をやりますが、映像では外で撮影する際、下が土の道や砂利道だったりするので、みんな足を取られたりすることもあって、難しさを感じました」

鈴木「そういうリアルさを感じたよね。僕は建物の中で戦うシーンがあるんですが、やっぱり狭い空間だと太刀は不利だなと思いました。これはゲームの中にもある設定なんですが、うまく反映されているなと。あと、アクション監督が、事前にクルーを起用して撮った、実際のアクションシーンを映像にして見せてくれたので、“こういう風に見えるのか”というのがわかったのはすごく助かりました。それに、映画版では、舞台版で描ききれなかったものを、映像で補填してくれる良さもあるのかなと。大勢が戦う合戦のシーンでは、戦いをリアルに表現されていて、舞うように戦う我々に対して、泥臭い合戦シーンの両方が堪能できると思います」

鈴木拡樹×荒牧慶彦

――撮影中のエピソードと、あとは撮影の準備が整うまでの間など、キャストのみなさんはどのように過ごしていたのでしょうか。

荒牧「たいちゃん(不動行光役の椎名鯛造)が、ブヨに噛まれていました(笑)。ちょうど春前という季節で、昼間は暖かい日もあったんです。撮影が山の中だったりしたので、衣裳で足が出ている組のたいちゃんときたむー(薬研藤四郎役の北村諒)は、虫に刺されたりしていて、対策が大変そうだったよね」

鈴木「朝方はすごく寒かったしね。“草木も凍る”って言いますが、本当に凍ってるじゃん!っていう(笑)。映像では違和感がないんですが、現場にいた人間からすると、この寒さでよく足を出しているなと思っていて。まぁ、もちろん仕事なんですけど(笑)。あと待ち時間は、スタッフさんが気を遣ってくださって、合間に遊べるようにとトランプとか雑誌とかいろいろと用意してくださっていて。撮影の合間はみんなで、衣裳のままトランプやUNOをよくやっていました。最初は普通に遊んでいたのに、だんだんとオリジナルのルールが追加されていって、新しいゲームに進化していたよね(笑)」

荒牧「しかもゲームに白熱しすぎて、ついつい声が大きくなってしまったことがあって。待機場所が撮影していた場所にちょっと近かったこともあり、僕らが熱中してワーワー騒いでいたら、スタッフさんに『すみません、うるさいので静かにしてくだい』と怒られるっていうこともありました(笑)」

鈴木拡樹×荒牧慶彦鈴木拡樹

――キャスト同士、とても和やかな撮影現場だったんですね(笑)。お互い、役者としてはどんな印象をお持ちですか?

鈴木「まっきー(荒牧)は、持続して1つのことにこだわるストイックさがありますね。舞台の稽古場でも、1つ気になったことがあるとそれを黙々と追求している。そういう姿を毎回、作品を一緒にやる度に見ているので、本番どんな風な完成を持ってくるんだろうっていう楽しみが共演者としてあるなと思っています。常に、ひとつの武器を磨き続けているようなタイプなのかなっていう風に感じます」

荒牧「拡樹くんは、視野がとても広い役者だなと。まわりが見えすぎていて、気の配り用が神がかっているんです。誰かが悩んでいると、いち早く察知して、相談に乗ったり、アドバイスしてあげたりしている姿をよく見かけます。なおかつ、自分のこともちゃんとできているという、すごい役者です!」

鈴木拡樹×荒牧慶彦荒牧慶彦

――普段はどんな関係性なんでしょう?

鈴木「実は、まっきーの人との接し方を見て、学んでいる部分が結構あるんだよね」

荒牧「えー! そうなんですか!?(笑)」

鈴木「先輩でも後輩でも、いい距離感でナチュラルに接しているから。特に後輩への教え方が、上からいく感じではないから重圧がなくとても上手い。僕はあまりそういうのが得意じゃなくて、考え込んでから話しかけたりする方なので、相手もその固さを感じてしまうだろうなと自分でも感じる瞬間があって。自然に接することができて、押しつけじゃなくいろんなことを与えてあげることができるというのは、理想だし、いいなって思う」

荒牧「僕はジョークを挟んだり、ふざけたりするのが好きなんですが、拡樹くんも結構好きなんだろうなって思う(笑)。舞台の通し稽古で、なぜかお互いへ、エアーで手紙を読み出したりして」

鈴木「共演しているのに、劇中で全然会わなかったから(笑)」

荒牧「その場の即興で、“こちらは今、こういう状況です”って手紙をエアーで読み合っていたんです」

鈴木拡樹×荒牧慶彦鈴木拡樹

――即興も息が合っていたと(笑)。様々なメディアミックスが展開されている『刀剣乱舞』ですが、『映画刀剣乱舞』の魅力とは!?

鈴木「『刀剣乱舞』だからこそ描けた、歴史の新たな物語だなと思いますし、刀剣が見て、刀剣が感じた歴史が描かれているところが魅力なのかなと。歴史に興味のある方が観たら、きっと歴史の見方が変わるんじゃないかなと思うので、ぜひ観ていただきたいですね」

荒牧「僕はもともと歴史が好きで、その中でも特に日本史がすごく好きで、いろんな武将とかに興味があって。でも、刀剣についてはぜんぜん詳しくなくて、この『刀剣乱舞』で刀剣のルーツを知り、その視点から観る歴史や物語、関係性がおもしろくてハマりました!」

鈴木拡樹×荒牧慶彦荒牧慶彦

――では最後に、読者へのメッセージを。芸能界デビューを夢見る読者に向けて、お二人が思う“夢を叶えるために大切なこと”とは?

荒牧「僕は行動あるのみだと思います! 夢を抱いているのなら、何歳からでもいいから、その夢のために行動したほうがいいんじゃないかなと。失敗しても、恥をかいてもいい。そうしないと、経験を積むことができないですから。僕自身、初めての現場や初めてのことに挑戦するときは、すごく緊張するし、尻込みしちゃうときもあります。でもやってしまえば、案外なんとかなるもんなんですよ。まあ、時にはなんとかならないこともあったりしますけど(笑)。なので、何でもいいから、まずは1回でも挑戦する、何か行動してみることが大事なのかなと思います」

――荒牧さんは、行動力があるほうですか?

荒牧「そうですね。昔はぜんぜんなかったんですけど、今はわりとあるほうなんじゃないかなと。大学生のとき、周りのみんなが就活している中で、僕は就活をせずに、俳優をやろうと行動を起こしたんです。親との約束で、(芸能界に入るのは)大学を卒業してからと約束していたので。実際に、この仕事を始めたのが23歳なんですが、あのとき行動して良かったな、この世界に飛び込んで良かったなって思うことがすごく多いなと感じています。少々スタートが遅くても、きっと叶うものは叶えられるんじゃないかなと。僕、以前は一人でどこかに行くことすらできなかったんですよ(笑)。映画館にも一人で行けなかったし、ラーメン屋くらいしか一人で入れなかった。友達と一緒じゃないとダメなくらい行動力なかったんです。でも、俳優をやって度胸がつきましたね」

鈴木拡樹×荒牧慶彦

――鈴木さんはいかがでしょうか。

鈴木「夢を叶えるために大切だと思うのは、目標を見つけることと、その目標に向かって自分のペースで成長していって歩んでいくこと、ですかね。どうすればいいかわからない場合は、きっと周りを見ればヒントが見つかると思うんです。周りの人のことも見て、いろんなことを吸収しながら、その目標に進んでいってほしいなと。ただ、成長の速度は人それぞれだと思うので、周りの人と比べたりするのではなくて、自分のペースで一歩ずつ進んでいくことが大切だと思います」

――鈴木さんご自身は、デビュー当時、どんな目標を立てて心がけてやってきましたか?

鈴木「僕の場合は、舞台を観劇しに行った際、唐突に役者業というものに興味を持ちまして。最初は目標といわれても難しかったんです。ただ、役者をやるようになって、お手紙をいただいて。そこに『頑張ってください』って書いてあったんですね。とっても単純な話なんですけど、その『頑張ってください』というフレーズに対して、“頑張らなきゃ”、“その気持に応えたい”という思いが生まれたのが、僕の最初の目標であり原点なんです。今も作品ごとに“今回はこういうことを学ぼう”とか、目標立てて参加はしていますが、人に見せることを重視している根本は、やっぱり、あのときに生まれた“応えたい”という感情なのかなと思います」

PROFILE

鈴木拡樹(すずき・ひろき)●1985年6月4日生まれ、大阪府出身。オウサム所属。2007年、TVドラマ『風魔の小次郎』で俳優デビュー。翌08年に舞台『最遊記歌劇伝-Go to the West-』で初主演を果たして以降、舞台を中心に数多くの人気作で主演を務める。近年の主な出演作は、【TV】WOWOW『2.5次元男子推しTV』、NHK Eテレ『マリーの知っとこ!ジャポン』、【舞台】『弱虫ペダル』シリーズ、舞台『刀剣乱舞』シリーズ、劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月<下弦の月>、「No.9 ―不滅の旋律―」など。今後、TVアニメ「どろろ」(2019年1月7日よりTOKYO MX、BS11ほかにて放送開始)、舞台「どろろ」(2019年3月上演予定)、WOWOWオリジナルドラマ「虫籠の錠前」(2019年3月より放送予定)などが控える。

荒牧慶彦(あらまき・よしひこ)●1990年2月5日生まれ、東京都出身。トキエンタテインメント所属。2012年12月、ミュージカル『テニスの王子様』青学vs比嘉 甲斐裕次郎役で本格的に俳優デビュー。その後、人気アニメ・漫画・ゲーム原作の2.5次元舞台を中心に活動中。近年の主な出演作は、【舞台】『あんさんぶるスターズ!』シリーズ、『K』シリーズ、音楽朗読劇「ヘブンズ・レコード 〜青空篇〜 」、【映画】『お江戸のキャンディー2』、『シュウカツ3』、【TVアニメ】『戦刻ナイトブラッド』、『その時、カノジョは。』など。2019年1月〜3月に上演される、MANKAI STAGE『A3!』〜AUTUMN & WINTER 2019〜への出演も決定。

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Information

『映画刀剣乱舞』
2019年1月18日(金)公開

『映画刀剣乱舞』 ©2019「映画刀剣乱舞」製作委員会 ©2015-2019 DMM GAMES/Nitroplus

原案は、名立たる刀剣が戦士へと姿を変えた“刀剣男士”を率い、歴史を守るために戦う刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」。今までに、アニメ、ミュージカル、舞台など数多くのメディアミックスを成功させ、エンタテインメントを席巻する大人気コンテンツが、ついに初の実写映画としてスクリーンへ登場。日本史最大のミステリーとも言われる“本能寺の変”を舞台に、新しい【本丸】での、全く新しい物語を描く。
≪story≫
天正十年六月二日 京・本能寺。 明智光秀が織田信長を襲撃した“本能寺の変”に、歴史改変の魔の手が迫っていた。 燃える寺から信長を逃がし歴史を変える、そんな時間遡行軍の計画は、刀剣男士たちの活躍により打ち砕かれた。
ところが、無事任務を終えて帰還した彼らに届いた「織田信長生存」の一報。 本来の歴史に戻すため、刀剣男士たちは織田信長暗殺を目的に再び過去へと出陣するのだった。
どうやって信長は生き延びていたのか、怪しい動きをする影、そして立て続けに歴史介入をしてくる時間遡行軍。彼らの本当の狙いに気付いた三日月宗近は…
正しい歴史とは何か。“守るべきもの”を守る戦いが、今始まる!

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