小出恵介 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「小出恵介」

2015/07/29

「久々の舞台作品。本番が待ち遠しいです。本番の舞台に立つことは何より楽しいですから」

小出恵介

撮影/横井明彦 取材・文/田中裕幸 ヘアメイク/須田理恵 スタイリスト/岡部俊輔(takahashi office)

爽やかな青年からクセの強い役柄まで、幅広いキャラクターを演じることで定評のある実力派俳優・小出恵介。そんな彼が、M&Oplays プロデュース『虹とマーブル』で約2年ぶりに舞台出演を果たす。久々の稽古の現場に若干とまどいつつも、舞台の本番が今から楽しみでならないという様子の彼に、舞台への意気込みを聞いた。
小出恵介
――8月から上演される『虹とマーブル』で、2年ぶりの舞台出演になりますね。今の気持ちはいかがですか?
「以前は舞台が続いていた時期もあったんですけど、久々に結構空いたので、今回とても楽しみにしていました。フレッシュな気持ちで臨めるんじゃないかと。稽古を繰り返す感覚も久々ですが、筋肉がちょっとなまっているというか、前よりもちょっと疲れそうだな……という気もしています(笑)」
――やはり、映像作品と舞台、それぞれ使う筋肉は違いますか?
「違いますね。ドラマだと、たとえばセリフを覚える筋肉とかスイッチを入れ替える筋肉とかを使う感じだけど、舞台の場合は、“長距離”筋のようなイメージ。稽古も繰り返しやるし、モチベーションをずっと保たなきゃいけないので。あと、舞台だと稽古以外の時間の体調管理も大事。たとえばドラマだと、日によって、勢いでできたりだとか、テンションでなんとかなることもあるんですけど、舞台はそうはいかないですからね」
小出恵介
――蜷川幸雄さんや野田秀樹さんなど、世界的にも有名な演出家さんの舞台に数多く出演されてきている小出さんですが、演出の倉持裕さんは今回初の顔合わせですね。
「はい。年齢も近いし、冷静で、建設的なやりとりができそうな演出家さんというイメージです。過去の作品では、無茶なことを言われる現場もありましたけど。理解ができず、五里霧中みたいな(笑)。倉持さんは、人間のデリケートな部分、深部を表現されるという印象です。今回の作品は1960年代からを描いた“時代もの”ではあるんですけど、普遍的な人間ドラマになってくると思うので、その部分をどう表現できるかが大事かなと思います。台本を読んで感じたのは、会話の転がし方が“煙に巻く”という感じで、ストレートじゃない言い方もするんです。そのセリフの裏にあるものをすくっていければ、立体的な芝居になるのかなと思います」
小出恵介
――この作品の中で、小出さん演じる紋次は、極貧からのし上がって事業で成功を収めるものの、一気にすべてをなくしてしまう、ジェットコースターのような人生を送ります。
「紋次は、きっと素直に生きるがゆえに、痛い目に遭うタイプだと思います。もちろんそれだけではやっていけないんすけど、自分の中にもそういう部分はある。決して夢想家ではなく、言ってることは現実的だけど、時代であったり、目に見えないものに翻弄されていく感じだと思います」
――紋次は、ブームに乗っかって攻めていくような、イケイケなところがありますが、その辺りの気持ちは理解できますか?
「紋次は現実か嘘かわからない、“現象”というものに向き合い、そこに取り憑かれていきますけど、実際の僕はそういう“現象”には懐疑的で、わりと冷静だと思います。けど、その状況自体はすごくわかる気がします。たとえば、『ROOKIES』(2008年)の時、社会的現象になったじゃないですか。人気が“現象”にまでになると、自分たちが想像できる範疇を超えてしまうんです。もう僕らの手許を離れていく感じ。現象ってこういうことなんだなって、そのとき初めて思っていました。それはいいと思うのと同時に、非常に危ういものでもあって。勝手に作り上げられた現象とそれが覚めたときのギャップは大きいですから。そういうのに乗っちゃう人もいるけど、当時の自分は“どうせこのブームはいつかは終わるんだ”っていう冷静なところがありました。その頃は興味がなかったんですよね。もしかしたら、今だったらそれに乗っかっているかもしれないですけどね(笑)」
小出恵介
――また紋次は人の懐に入り込むのが上手く、周りの人が思わず応援したくなるような魅力のある人物像です。そこは小出さんにも通じるものがあるような気がします。
「倉持さんとも『人心掌握術があるようにやってみようか』と話していました。でもそれがあざとくなりすぎるとちっぽけな感じになるから、もともとそういう素養があるように表現したいです。自分で人心掌握が得意なタイプかどうかの自覚はないですけど(笑)」
――今回の舞台で共演する黒島結菜さんは、初舞台ということですが、一緒に稽古されてみての印象はどうですか?
「初舞台だけど、立ち稽古ですごく自然に芝居をされていたのが印象的です。僕が初舞台のときはもっと取り乱していましたから。過剰に大きな声を出したりとか、過剰に動き回ったりして(笑)。黒島さんは、とてもしっかりされていて、見ていて安心感があります。自分がリードしてあげなきゃ、というような意識も全然ないです」
――いよいよあと20日ほどで開幕です。
「本番が待ち遠しいです。本番の舞台に立つことは何より楽しいですから」
――小出さんが、雑誌『月刊デ☆ビュー』の『誌上オーディションPush!』のコーナーがきっかけで、アミューズに所属&俳優デビューしてはや12年。役者としてこれからやっていきたいことは?
「表現力をどんどん身につけていきたいです。表現の幅といいますか。一つの表現のなかでの、繊細な部分、細かいニュアンス、複合的なもの、そういうものを出していけるようになりたいです」
――最後に俳優を目指す人たちへ、メッセージをお願いします。
「常に敏感に、意識を持って普段の生活を送ることが大切だと思います。役者としての表現って、普段の生活の結集だと思うんです。周りにいる人間に注目したり、経験したことについてどう感じたのかを見つめ直したり。身の回りに、演技のヒントになるものはいっぱい隠れているものです。夢を掴むことは簡単なことではないと思うけど、自分からチャレンジしない限り、夢は現実にならない。やりたいことがあるなら、挑戦し続けてほしいです!」
Profile
小出恵介
こいでけいすけ●1984年2月20日生まれ、東京都出身。アミューズ所属。2005年、映画『パッチギ!』でデビュー。以後、映画『初恋』『僕の彼女はサイボーグ』『風が強く吹いている』『シュアリー・サムデイ』、ドラマ『ごくせん』『のだめカンタービレ』『ROOKIES』『-JIN-仁』『梅ちゃん先生』など多彩な作品で、幅広い役柄を演じる実力派俳優。ファッション雑誌『steady.』での人気連載を収録した著書『俺の同級生』(宝島社)が発売中。今秋公開の映画『十字架』に出演が決定。
M&Oplays プロデュース『虹とマーブル』
作・演出:倉持 裕 出演:小出恵介、黒島結菜、木村 了/小林高鹿、ぼくもとさきこ、玉置孝匡/小松和重、ともさかりえ
【東京公演】8月22日(土)〜9月6日(日)世田谷パブリックシアター
【島根公演】9月8日(火)島根県民会館大ホール
【広島公演】9月10日(木)広島アステールプラザ大ホール
【福岡公演】9月12日(土)そぴあしんぐう
【宮城公演】9月17日(木)電力ホール
【大阪公演】9月20日(日)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
【愛知公演】9月22日(火・祝)〜23日(水・祝)刈谷市総合文化センター 大ホール
【静岡公演】9月25日(金)アクトシティ浜松 大ホール(BS241/プレミアムサービス585)
『虹とプロデュース』
物語の舞台は、1960年代の戦後から高度成長時代に至る日本。社会の底辺から成り上がっていく男を中心に、激動の時代を生きた人たちの、アップダウンの激しいドラマチックな人生を描く人間ドラマ。 東京大空襲で両親を亡くした鯨井紋次(小出)は極貧のなかで少年時代を過ごすが、やがて成長し博打や恐喝に明け暮れる小悪党に。その後、貿易会社を立ち上げ商売を軌道に乗せ、さらに映画、プロレス興行などにも進出し成功を収め、パートナーの蘭(黒島)を女優としてスターダムに押し上げる。だが、とある興行での出来事がきっかけで失速をはじめ、人々は紋次から離れていく。追いつめられた紋次は起死回生を狙って打った一手が、やがて国を揺るがす一大収賄事件の引き金となり……。

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