松岡広大 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「松岡広大」

2019/05/14

「白井晃さんの作品を21歳で経験できるなんて思っていなかったし、役者としてとても贅沢な経験をさせていただいている」

松岡広大 撮影/booro(BIEI)

ライブ・スペクタクル『NARUTO -ナルト-』主演・うずまきナルト役、 劇団☆新感線『髑髏城の七人 Season月』霧丸役など、高い身体能力を活かし躍動感溢れる芝居で魅了する若手俳優・松岡広大。5月18日より上演の、KAAT芸術監督・白井晃が手掛ける“近現代戯曲シリーズ”最新作『恐るべき子どもたち』では、初ストレートプレイに挑む。愛情と憎悪、そして嫉妬に満ちた、思春期の姉弟の歪んだ関係を描いた本作への見どころ、稽古を通して見えてきた新たな課題、そして芝居への熱い想いを明かした。

松岡広大

――本作が松岡さんにとって初のストレートプレイとなるわけですが、稽古に参加されてみていかがですか?

「今まで経験してきた舞台は、踊ったり歌ったりアクションしたり、身体を使っていろいろと表現するということが多くて。それも”表現“という意味では芸術の一つの技法だと思うんです。そんな中で、今回初めて挑戦させていただくストレートプレイは、より“言葉”というものを大切に扱わないといけないんだなと感じています。原作や上演台本に書かれている言葉というのは、あまり日常生活では耳にしないような、口語ではないものが書かれていたりしていて難しいんですよね。だからこそ、言語というものに対してこれまで以上に関心を持たないといけないですし、その言葉の感覚をキャッチするというのはとても重要だなと感じているので、ちゃんと言葉で人を動かすということを大事にしていて。そこでの難しさも感じていますし、自分の心を大事にしないといけないなと感じています」

――稽古が始まってみえた新たな発見は?

「言葉で見たイメージをそのままやってみるというのは、なかなか難しいのですけど、稽古2日目に本読みの延長で、本を持ちながら立って稽古をしたときに、”思っていたよりも動けるな“という感覚になったというか。ジェラールはエリザベートとポールの姉弟の板挟みみたいな状態で、間に立ってお互いをなだめるような立ち位置なのですが、その姉弟に対して、基本的には下手に出ているので、ジェラールという役になって立って演じてみると、間に僕が立つことでそういう関係性というのも視覚的にわかるなというのが発見できましたし、1回立ち稽古をやってみて、また台本の読み方も変わりました」

松岡広大

――役に対してより理解も深まった?

「そうですね。ジェラールはエリザベートとポールという姉弟をずっと見ている第三者で、どちらかというと観客の方に近い存在だと思うんです。俯瞰してみている立ち位置なので、立ち稽古を通して、遠くから二人を見ているとかというのを実際にやってみて、”だから、ああいうセリフが出てくるのか“という新たな発見があったりしました」

――今回初めて白井さんの演出を受けられてみて、白井さんに対してはどんな印象をお持ちですか?

「白井さんはとても紳士的な方だなと思います。本読みをやっているときも、たとえば僕のセリフが3行あるとしたら、1行読んだら『ちょっとゴメンね。そこなんだけど……』と、その1行のセリフに対してとても丁寧に思っていることを伝えてくださるんです。1つの文としての意味を1つ1つ丁寧に捉えていらっしゃっていて、単語1つとってもとても意味を持っている方なんだなと感じています。ストレートプレイにおいて”言葉“というのは非常に大事なものなんだなとより感じましたし、その言葉を言うときの感情や声が、切迫したものなのか、それともリラックスしたものなのかというのが白井さんの演出ですごくわかります。上演台本を読んでいたときは、“ここはシリアスなんだろうな”と思っていたけど、自分のセリフはちょっとユルくなっていたり……。僕も全体で見てしまいがちなのですが、一人ひとり各々に適材適所というか、登場人物一人ひとりの感情を知っている方なんだなと思います。なので、白井さんから要求されることというのは、正直難しいなと感じることもあります。でも、そこはポジティブに考えていて、できない人にダメ出しはしないなと思っていて。可能性があるからダメ出しをしてくれているんだろうなと思っていますし、白井さんの演出には厳しいながらもそういう愛をすごく感じます」

松岡広大

――演じられるジェラールという少年に対しては、どんな人物像だと捉えていますか?

「ジェラールは、正義感に溢れていて誠実で、博愛精神を持った男の子だなと思います。それと、子供ながらにある程度の一般的常識を持ち合わせていて、世間一般の子供なんだけど、どこか少しだけ頭一個抜きんでているような子なのかなと。白井さんは『子供と大人の中間くらい』とおっしゃっていたのですが、だからこそ、語り部として、姉弟の状況をお客さんに伝えるという役目でもあるのかなと思っていて。でも、それがとても難しいなと感じています。ある意味、ジェラールって彼らの証人みたいなところもあって。彼らが生きていた証を僕が忘れたらみんな忘れてしまうというか、僕がお客さんにそれを伝えて、追体験してもらうみたいな感じなんだろうなと思うんです。僕が語り部として話すときには回顧して言っていたりしていて、“あのときの僕はこんな感覚で、こんな気持ちでいたんだよな”というのを表現しているので、けっこう難しいんです。姉弟たちと普通に話をしていたかと思ったら、急に前を向いて、お客さんに話すとか、そういう切り替えが非常に難しいなと感じています」

――ジェラールに対して共感できる部分はありますか?

「正義感というものは当てはまるかなと思います。あと、彼はとても真面目なんですよね。冗談も真面目に考えてしまう人なんですけど、そういうところも僕と似ているなと思います。僕自身も、相手が冗談のつもりで言ったことに対して、『今のは冗談だよ』と言われてもなかなかそれを冗談として受け止めきれず、傷ついたりするという経験もあったりしたので。そういうところにもシンパシーを感じます。それと、エリザベートとポールの姉弟のために下手に出るということに対しても、そういうことあるよねとわかる部分が多いし、彼とリンクする部分はたくさんあるなと感じています」

松岡広大

――松岡さんご自身の子供時代は、どんな感じの子だったんですか?

「落ち着きがない子だったと思います。あと、何でも自分で試してみないと気が済まないタイプの子だったというか、何か危ないことに対して、実際にやってみて怪我をして、“これは痛いからやっちゃいけないんだ”と、傷を負ってそのことを知るような子で。普通は“これをやったらどうなるんだろう?”と一度立ち止まって考えると思うのですが、その考えが面倒くさかったんだと思います(笑)。とりあえず何でも試しにやってしまう子で、これをやったらどうなるんだろう?という先見の目はなかった。小さい頃の僕は、そういうものを痛覚とか触覚みたいなそういうもので知ろうとしたのかなと」

――とても動物的な感覚ですね。

「そうですね(笑)。なんでもやってみて身体で覚えるという子でした(笑)」

――メインキャストのみなさんの印象もお伺いしたいのですが、みなさんとは初共演ですよね?

「はい。(南沢)奈央さんに関しては、僕が普通に観に行った舞台に何本も出られていて、舞台で毎回色濃く印象を残している女優さんだなっていう印象があって。(柾木)玲弥くんは映像でも活躍されているし、(馬場)ふみかさんも映像をはじめモデルとしても活躍されていたり、いろんなフィールドで活躍されている方がギュっと集まった現場だなと感じています。稽古をしていて、奈央さんと玲弥くんの姉弟のエネルギーのすごさに圧倒されますし、白井さんから演出を受けて、白井さんの指導を通して次にもう1回やってみたときのエネルギーの放出の仕方、ギアのかけ方にすごく刺激を受けています。ジェラールはそんな二人に対して、あまり抵抗できない役柄ですし、そのエネルギーを受けざる得ないポジションなので、日々二人のエネルギーをバシバシ感じています」

松岡広大

――馬場さんは、一人二役でダルジュロスとアガートという全くタイプの異なる役を演じますが。

「ダルジュロスは、悪い子の代表みたいな子なのですが、もう一方のアガートは僕が演じるジェラールと一緒で一般的な純真な女の子で。まったく違う役柄なので、もちろんふみかさんも声色を変えていたりするんですけど、稽古を見ていてすごく面白いなと思います。一人二役を演じるってすごいなと思いますし、本番までにもっともっと変わっていくと思うんですが、それが楽しみでもあります」

――本作をはじめ、様々な作品に出演されていますが、この仕事の楽しさや魅力はどんなところで感じていますか?

「正直話すと、僕は自分のことがあまり好きではないんです。普通に生きていたら“自分”で生きるしかないですよね。でも、芝居をしているときは役で生きるので、自分のことを考える時間がなくなるんです。それが楽しいのかなと。芝居の中だったらどんな役でもどんなことでもできるという可能性がある。それに、芸術に触れるということは自分の人生を豊かにもできるなと感じています。僕は人のことは好きですし、接するのも大好きなので、そういった点においても、この仕事は常にどの現場でもはじめましての人に出会える。その中でどんどん大きい輪が生まれて人脈も広がっていく魅力的な仕事だなと思います」

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Information

『恐るべき子供たち』
2019年5月18日(土)〜6月2日(日)KAAT神奈川芸術劇場 <大スタジオ>

原作:ジャン・コクトー [コクトー 中条省平・中条志穂:訳「恐るべき子供たち」/光文社古典新訳文庫]
上演台本:ノゾエ征爾
演出:白井晃

出演:南沢奈央、柾木玲弥、松岡広大、馬場ふみか
デシルバ安奈、斉藤悠、内田淳子、真那胡敬二

『恐るべき子供たち』

≪story≫
美しくも残忍で傲慢な姉エリザベート(南沢奈央)と、青白い肌の美しい弟ポール(柾木玲弥)。二人の母は病身でわがまま、父は姿を消している。ある日、ポールの学校で同級生たちが雪合戦をしていると、ポールが憧れるダルジュロス(馬場ふみか)という男子生徒の投げた雪の玉がポールに命中。ポールは雪を赤く染めて倒れてしまう。ポールの友人・ジェラール(松岡広大)はダルジュロスの投げた雪の玉に石が入っていたと主張するが、ポールは投げたダルジュロスをかばう。その怪我が原因で、ポールは学校に通うことが出来なくなり、家で自由気ままな日々を送るようになる。
やがて、病気の母が亡くなり、母の看護をしてきたエリザベートはモデルとして働き始め、そこで知り合ったアガート(馬場ふみか)という娘を時折家に呼ぶようになる。彼女はポールが憧れていたダルジェロスにそっくりだった。密かにアガートに思いを募らせるポールだったが、姉に悟られたくないポールは、あえて彼女を邪険に扱う。やがて、夫に死なれたエリザベートが夫の莫大な遺産を継ぐと、エリザベート、ポール、ジェラール、アガートの4人の奇妙な生活が始まる。

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