加藤 諒 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「加藤 諒」

2016/11/30

「最初にこのメイクをしてもらって鏡を見た時は、『ちゃんとパタリロになれたー!』って嬉しかったです」

加藤 諒

撮影/宮坂浩見 取材・文/熊谷真由子

舞台化決定&加藤 諒が扮するパタリロ殿下のビジュアルが解禁されるや否や「ハマリすぎ!」と大反響を呼んだ、舞台「パタリロ!」がいよいよ12月8日から開幕。座長を務める彼に、本作にかける想いを直撃インタビュー!
加藤 諒
――バッチリ、パタリロ・ド・マリネール8世という感じですごいお似合いですね!
「そうですか〜〜!? ありがとうございます! 嬉しいです!! つけまつげを2枚しているんです(笑)。金髪のカツラにオレンジ色のシャドーを入れているんですけど、こういう細かいところでもパタリロ感が出てきて、可愛いなと思いました。最初にこのメイクをしてもらって鏡を見た時は、『あー、ちゃんとパタリロになれたー!』って嬉しかったです。この衣装とメイクで気持ちも切り替わるので、パタリロになれたかなと思います。でも、実は最初、“眉毛問題”があって。今、僕は眉毛を野放しにしていますが、もともとパタリロには眉毛がないんですね。だから眉毛をつぶすかつぶさないかスタッフさんと迷っていて、僕は原作に近づけるためにつぶした方がいいんじゃないかと思ったんですけど、最終的にはスタッフさんから、加藤 諒が演じるし、僕のチャームポイントでもあるので、やっぱり眉毛を残しましょう、と言っていただきました」
――「パタリロ!」は、加藤さんの年代だとご存じなかったのでは?
「作品自体は知っていましたが、ちゃんと読んだことはなかったです。パタリロは細い目でふにゃ〜っとした線で描かれたイメージだったので、最初、オファーが来た時は、僕とは目が全然違うのに、大丈夫かな〜と思ったんです。でも、コミックの1巻を読んでみたら、キリッとする瞬間もあるので、これならまだ通じるところがあるかなと。それで改めて読んでみました。すごく面白かったです」
加藤 諒
――これを舞台化するのか!と思いました?
「ページをめくるたびに“これを生身の人間がやるんだ、しかも僕が……”ってなりました(笑)。映像ならCGも使えますけど、舞台でやるわけですから、お客さんの目の前で実際に起きている出来事にしないといけないということに不安がありました。でもその反面、どうやって表現するのかという点に興味が引かれましたし、面白そうだなと思いました」
――パタリロをはじめ、マライヒ、バンコラン、タマネギ部隊など、原作そのままのビジュアルが発表された瞬間、大反響でしたよね。
「びっくりしました。僕、エゴサーチをよくするんですが、『パタリロ!』が舞台化されるという情報が流れた時にネットのキャスト予想に僕の名前が挙がっていたので、“うわぁ〜バレてる、もっと意外性のあるキャストが来ないと盛り上がらないんじゃないかな”と心配になってしまって。でも、このビジュアルが解禁された時に、好意的な反響が多くて、盛り上がっていただけて本当に安心しましたし、ありがたかったです」
――これだけ期待が集まっていることと、主演舞台ということで、プレッシャーはありますか?
「最初はプレッシャーがあったんですけど、原作者の魔夜峰央先生とお話させていただいた時、『あなたならできると思う。気負わず、肩の力を抜いて、60%くらいの力でやってもらえたらいいと思う』と言ってくださったんです。それで、今までの不安が取り除かれて、もう座長としてやるしかないという覚悟ができました」
加藤 諒
――60%くらいって意外な言葉ですね。
「パタリロというキャラクター自体、いつも100%の力を出しているというより、ちょっとユルい感じので、そのくらい気持ちでやるとちょうどいいんじゃないかということだと思います」
――なるほど。加藤さんご自身はパタリロのキャラクターはどういうふうに感じましたか?
「ツボを押すと目が飛び出てきたりとか、人間離れしていることがい〜っぱい起こるんですけど、その中でも、バンコランやマライヒにかまってほしいという子どもらしさもあるので、そういうところがパタリロの魅力ですよね。すごくふざけたり、悪党と戦ったりするし、国王なんですけど、前提として彼はまだ子どもなので、歳相応の面がちょこちょこ見えてくるのがすごく可愛いし、愛おしい。そういう面も舞台で表現できたらいいなと思います。可愛くできるか不安ですけどぉ〜(笑)」
――加藤さん、女子力高いですし、可愛くなりそうです(笑)。
「女子力高いってよく言われます(笑)」
――物語の世界観についてはどう思いましたか?
「実際はありえない世界だとは思うんですけど、僕たちが演じることによって、この地球上のどこかに『パタリロ!』の世界が存在して、パタリロとマライヒとバンコランが生きているんだと感じてもらえるように、僕たちは舞台をやりたいと思っていて。ファンタジーの中でも、人間味のあるキャラクターと現実離れしたところのバランスが面白いなと思います」
加藤 諒
――加藤さんは、他にもいろいろな舞台作品に出演していらっしゃいますけど、舞台の楽しさはどこにあると思いますか?
「毎日、同じ作品を演じるわけですけど、お客さんの反応も含めて毎回、違うので、そこは魅力ですよね。舞台作品もDVDになっていますけど、やっぱり生で観た方がいいなと思うんです。ただ、止められないので何が起こっても続けないといけないという怖さがあります。次の人にパスしてシーンを途切れさせないようにしていくのが、やっていくうちに恐怖より楽しさが上回っていくんです(笑)」
――映像作品もたくさん出ていますよね。どちらも面白い?
「ハイ、そうですね。でも、映像ですとリハーサルやってテストやって本番やって終了ですけど、舞台は1ヵ月くらいみんなで稽古を積んでやるので、じっくり作っていく感じが自分には合っているなと思います。それに映像だと同じ作品に出演していても会わないキャストさんがたくさんいて、打ち上げの時に初めてお会いするみたいなことがあるんですけど、舞台は最初から最後までみんなで一緒にやりますから、カンパニーの温かい感じもすごく好きです」
――演技の他にバラエティでも活躍されていますよね。このお仕事全体の魅力や楽しさを教えてください。
「自分がやったことに対してのレスポンスが返ってくるのを見るのが励まされます。エゴサーチをするので(笑)、ネットやSNSでちゃんと見て意見や感想を参考にさせていただいています。それに何よりもいろいろな人に出会えて、いろいろなことを体験できるのが楽しい。例えば工場の職人さんに会って、出来立てのソースを舐めさせてもらったりとか。役者とバラエティとどちらかだけやっていたのでは会えないような方に会えるのが貴重だなと思っています」
――エゴサーチのお話ですが、良いことだけではなく、悪いコメントを見てしまうこともありますよね。
加藤 諒
「そういうことに対して共感しちゃうんですよね。『キモーイ』とか『生理的に受け付けない』とか書いてあるのを見たら、『普通そうだよねー!』って思っちゃうんです(笑)。そういうコメントもパワーになったりします。一番怖いのは何の反応もされなくなることなので、アンチもいてこそ保たれる感じがしています」
――お強いですね。人によってはすごく凹んじゃう人もいるかと思います。
「世の中、褒めるだけが全てじゃないですから。でも知らない間に写真を撮られてSNSにアップされたりするのはちょっとびっくりするし、嫌な想いをしてしまいます。そういう時に限ってメイクしてないからヒゲが濃かったりするんですよ。フル装備の時に声をかけられて撮られるんだったらいいんですけど(笑)。こないだは新幹線で寝ている顔を撮られてネットにアップされていて傷つきました」
――芸能界でやっていくか迷った時期があるそうですが、今現在のご自身の活躍はどのように考えていらっしゃいますか?
「大学受験の時期に、保育士になるかそのまま芸能界の道に進むか迷ったことがありました。志望の多摩美術大学に合格しなかったら、保育士になろうと思っていたんです。でも多摩美に合格したので芸能界を続けようと思って。“自分はやっぱりこれしかない”と覚悟を決められたというか。今、バラエティ番組やドラマなどいろいろなところで呼んでいただいていてすごく楽しいですけど、この状況がずっと続くかはわからないのが芸能界なので、不安はあります。バラエティ番組ももちろんすごく大好きですけど、やっぱり役者を続けたいと思って続けてきたので、お芝居はずっとやっていきたいですね。それと、いつかはバラエティでのMCなどもできたらいいなと思っています」
加藤 諒
――演技とバラエティとどちらもできるってすごいことですよね。
「ホントですかー!? 嬉しいです。でもお芝居の仕事とバラエティを両立してできているのは僕の力ではなくて、マネージャーさんがちゃんとスケジューリングをしてくれているからなんです。でも今思うことは、場数をたくさん踏ませていただいていますけど、このままじゃいけないなということ。出演番組などを見ていて、面白いって思われるのかなと毎回、反省しています。テレビに出ることに慣れてきて緊張がちょっとほどけてきているというか。前よりドキドキする感じが減ったというか。同じような時期に出てきた他の同年代の子たちを見ていると、本当に面白いなって思うし、そういう子たちと比べて自分は全然面白くないと思っちゃう。でも自分を信じてやるしかないんですけどね」
――転機になったお仕事を教えてください。
「事務所の若手たちでやった『押忍!!ふんどし部!』という舞台があるんですけど、その時に演出の河原雅彦さんにたっぷりしごかれまして。でも第二弾をやった時に、河原さんが『お前、役者になったな』と言ってくださって、そこから河原さんが演出する他の舞台にも呼んでいただけるようになったんです。それに河原さんが『お前はバラエティも向いているんじゃないか』ともおっしゃってくれたこともあって。僕の中のキーパーソンですし、すっごく尊敬する大先輩です」
――芸能界デビューを目指す読者に、加藤さんから夢を叶える秘訣をアドバイスお願いします!
「夢を叶えるのであれば、諦めずに続けることが大事です。僕も学業優先だったりして仕事ができなかったこともあったし、大学卒業後も、十分仕事ができていたかというとそういうわけではなかったし、本当にやめた方がいいかもしれないと悩んだ時期もありました。でも続けていなかったら、今みたいにパタリロ役で主演をやらせていただくなんてことにはならなかったので、やっぱり継続が大事だと思います」
――諦めかけても続けられた原動力は何だったんですか?
加藤 諒
「同じ夢を目指している子たちが周りに多かったからですね。落ち込んでいる時はお互い励ましあったりして、頑張れました。それに親の存在も大きかったです。仕事がない時期は、親に電話して『どうしよう』って愚痴を聞いてもらって。ある時、事務所から呼び出されたんですけど、クビかもしれないって思って、親に『覚悟しておいてね』と言ったくらいで。でも、事務所に行ったら『連ドラ出演が決まった』という話だったんですけど(笑)。何も仕事がない時期は、マネージャーさんに『何か仕事ないですか?』っていつも聞いてましたし、ダンスやボーカルレッスンにも通ったり、お芝居のためにワークショップも参加して。映画監督の方に声をかけて、『役者をやっているんですけど、こんな感じなので使いにくいかもしれないですけど、何かあったらよろしくお願いします』と直接お願いしに行っていました。ずっと続けて努力していれば報われるんだと思います」
Profile
加藤 諒(かとう・りょう)●1990年2月13日生まれ、静岡県出身。キューブ所属。5歳からダンスを習い始め、2000年、10歳のときに『あっぱれさんま大先生』(フジ系)でデビュー。その後、ドラマ『主に泣いてます』(フジ系)、『怪盗 山猫』(日テレ系)、『ゆとりですがなにか』(日テレ系)、連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(NHK)、映画『金メダル男』、舞台 残酷歌劇『ライチ☆光クラブ』など。NHK 大河ドラマ『真田丸』、NHK Eテレ『で〜きた』、『シャキーン!』レギュラー出演中。映画『本能寺ホテル』への出演も控える。
舞台「パタリロ!」
12月8日(木)〜25日(日) 紀伊國屋ホール
パタリロ!
(C)魔夜峰央/白泉社(別冊花とゆめ・メロディ・花LaLa online)
1978年に『花とゆめ』(白泉社)で連載が始まった魔夜峰央のギャグ漫画(現在はWebマガジン『花LaLa online』で連載中)が初の舞台化。
マリネラ王国の国王、パタリロ・ド・マリネール8世(通称:パタリロ)の巻き起こす騒動を描く。主人公・パタリロ役の超個性派俳優・加藤 諒をはじめ、バンコラン役の青木玄徳、マライヒ役の佐奈宏紀らの舞台ビジュアルが解禁されるや否や、各方面で大反響を巻き起こした注目作。

公式サイト: http://www.nelke.co.jp/stage/patalliro/
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