岸井ゆきの | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「岸井ゆきの」

2017/08/16

「演じることの面白さを初めて知ったのが、舞台でした」

岸井ゆきの

NHK 大河ドラマ『真田丸』の“たか”役など、そのナチュラルな存在感とたしかな演技力で注目を集める女優・岸井ゆきの。そんな彼女が、劇団☆新感線の代表作である『髑髏城の七人』Season風に抜擢。映画やドラマに引っ張りだこの彼女が「自分の原点は舞台」と語るその理由や、行動する中で自分の道を見出していった20歳の頃を語ってくれた。


岸井ゆきの
360°客席が回転する新劇場「IHIステージアラウンド東京」において、“花・鳥・風・月”4シーズンに分けて上演されることで注目を集めている劇団☆新感線『髑髏城の七人』。“Season風”のメインキャストの一人・沙霧役に決まったときの気持ちはいかがでしたか?
「マネージャーさんから聞いたときは、『やりたいです!やりたいです!』と大興奮して。演劇をやっている人ならきっと誰もが出たいと思うけど、なかなか叶わない作品の一つだと思うので、最初はただただ夢のようでした。だけどその後、“花”と“鳥”と観させていただくうちに、だんだん現実的になっていって、すごいことに関わっているんだなと実感が湧いてきました」
“花”と“鳥”はご覧になったんですね。ダイナミックな演出もさることながら、IHIステージアラウンド東京という最新の劇場、すごくなかったですか?
「びっくりしました。『360°回る劇場だよ』とは聞いていて、てっきり舞台が回ると思っていたら、まさか客席が回るなんて!と驚きました。スクリーンに投影するCGもすごいスケールで。でも出演者の方に聞いたら、あの映像って舞台に立っている側には見えないらしいんですよ。その中でお芝居するって、いったいどんな感じなんだろうって、何もかもが未知の世界です」
今回は“花・鳥・風・月”の4シーズンすべて、キャストはもちろん脚本や演出も変わるそうですが、“風”のどんなところが見どころになりそうですか?
「何より、主人公の捨之介と敵の天魔王を松山ケンイチさんが一人二役で演じるところですね。“風”の脚本は、影武者というキーワードがとても重要な意味を持っていて──。これ以上言ってしまうとネタバレになるので言えないんですけど(笑)」

岸井ゆきの
松山ケンイチさんとは初共演となりますが、俳優としてどんなイメージをお持ちですか?
「先日の“風”の製作発表で初めてお会いさせていただいたんですが、その少し前に映画『聖の青春』を観ていたので、わかってはいてもその容姿の変わりように、まずやっぱりびっくりしてしまって。あそこまで役作りにアプローチできるって、ちょっと怖いくらいですよね。今回は絡みの多い役なので、いったいどんなふうに来るのか……。松山さんもですけど、パンフレットの顔ぶれを見るだけで、観客として観たい!というくらいワクワクしちゃっています。そこに私が並んで写っているだけで、本当に幸せです」
沙霧という役もこれまでさまざまな女優さんが演じてきたわけですが、岸井さんの沙霧はどんな女の子になりそうですか?
「やっぱり、いろんな方が演じてきた役をやるというプレッシャーがないと言ったら嘘になります。捨之介の相棒としての沙霧の役割は、どの『髑髏城の七人』でも変わらずあるわけですし。ただ台本を読んだ限りの印象では、“風”の沙霧は、これまでのものと比べて捨之介への思いがちょっと違うような気がしたんですね。実はまだ稽古に入っていないので、早くその真意を(演出の)いのうえ(ひでのり)さんにお伺いしたいです。とにかくいのうえさんを信じて、自分なりの沙霧を作りたいと思っています」

岸井ゆきの
いずれにしても、沙霧はかなり舞台狭しと動き回る役ですよね?
「そうですね。今回の脚本でもとにかくワンパクに、跳んだり跳ねたり走り回ったりしてます。いのうえさんからも『体力つけておいてね』と言われていたので、今年の4月くらいからトレーナーの方についてもらって鍛えてきました。まずは走り回るために下半身の強化と、あとは筋トレも重点的に。筋トレってやったらやった分だけ結果が出るので楽しくなってしまって、ジムだけでなく自宅でもやっています」
4月から始めたということは、かなり結果が出てるんじゃないですか?
「はい、少しづつですが。お腹とかもタプッと柔らかいところがなくなりましたし、体中のそこかしこで『ここにこんな筋肉があったんだ!』みたいな発見があって。パンフレットの撮影のときはまだそんなに変わる前だったので、パワーアップして稽古に臨めそうです」
もともと岸井さんは運動神経がいいんですよね? じゃないと沙霧という役に抜擢されることもなかったと思うんですが。
「器械体操を小1から中3までやっていたんですが、きっとその情報が独り歩きしちゃっているんです。いのうえさんからも『側転できるんだよね?』とか聞かれて。でもやっぱりブランクがあるので、『訓練させてください』と答えたら、『うん、死ぬほど練習してもらうから大丈夫』って言われました(笑)。なので、稽古場では誰よりも汗をかくことになるんじゃないかと、心構えだけはしています」

岸井ゆきの
素晴らしい殺陣も本作の見どころの一つですよね。
「そうなんです。松山ケンイチさんも向井理さんも身長が高いので、殺陣のシーンではすごく舞台映えするんだろうなと思っています」
一方、岸井さんはお会いしてみると、意外にコンパクトでちょっとビックリしました。
「はい、私、身長が150cmないんです。お二人は180cm以上で、私より30cm以上大きい。ということは私は30cm分、大きく動かなきゃいけないなって。今はまだそんなことをいろいろ想像する段階なんですけど、早く稽古場に入りたいですね」
稽古場が好きなんですね。最近はドラマ、映画と映像での活躍が注目されていますが、岸井さんにとって舞台とはどんな場ですか?
「原点です。もともと私は18歳のときにカメラマンの方に声をかけてもらって、今の事務所に入って、デビューしたんです。ただちゃんと名前のある役をいただくことはそんなになくて、“いつまでこの仕事を続けられるのかな”なんて漠然と思っていました。20歳くらいの頃に、好きだった劇団のワークショップに自分で応募して参加したことがあって。それがご縁で、初めてと言っていいくらい名前のある役をいただいたんです。そうすると取り組まなきゃいけないこともぜんぜん違ってきて、演じることの面白さを初めて知ったのが舞台という場でした」
岸井ゆきの
きっかけはスカウトだったけど、自分で行動したからこそ掴むものがあったんですね。
「そんな大それたことではないけど、好きなものに対してはそんなに怖がることなく、自分から向かっていっていたような気がします。そういう積み重ねの一つ一つが今につながっているのかなと思っています」
女優にとっての舞台の魅力、そしてそこで培えるものってなんだと思いますか?
「映像と絶対的に違うのは、目の前にお客さんがいるということですよね。舞台って規模に関係なく、お客さんの素直なリアクションが伝わってくるんです。それって演じる者にとってとても貴重で、お客さんからもらえるもので成長できるのが舞台の魅力だと思います。映像でお仕事させていただくことも増えましたが、やっぱり舞台で学んだことを引き出している部分は大きいですね。稽古は長いですが、舞台に臨んでいるときは、気持ちも充実しているなと感じています」
岸井ゆきの
今回もたくさんのものを掴みそうですね! 今回の“Season風”もこれまで同様、チケット争奪戦になりそうですが、最後に改めて、岸井さんが思う『髑髏城の七人』の魅力を教えてください。
「まず演出に衝撃を受けました。劇団☆新感線じゃなきゃ考えられないスケール感に、役者陣一人一人が負けじと素晴らしい芝居で挑んでいて。そして見た目の演出だけではない物語性の強さ。いっぱい笑っていっぱい泣けて、舞台が終わったあとも余韻がいつまでも消えないんです。持ち帰るものがたくさんある作品なので、ぜひ生で観ていただきたいです」

インタビュー・終
撮影/mika 取材・文/児玉澄子 ヘアメイク/藤垣結圭 スタイリスト/岡本純子(Afelia)

Profile

岸井ゆきの
きしい・ゆきの●1992年2月11日生まれ、神奈川県出身。ユマニテ所属。2009年に ドラマ『小公女セイラ』(TBS)で女優デビュー。以降、映画・ドラマ・舞台と幅広く活動し、16年のドラマ『99.9-刑事専門弁護士-』(TBS)で注目を集める。9月スタートのドラマ『予兆 散歩する侵略者』(WOWOW)に出演。今秋には初主演映画となる『おじいちゃん、死んじゃったって。』の公開を控える。

INFORMATION

美少女戦士セーラームーン

ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 風 Produced by TBS
9月15日(金)〜11月3日(金・祝)IHIステージアラウンド東京(豊洲)

【作】中島かずき
【演出】いのうえひでのり
【出演】松山ケンイチ 向井理 田中麗奈/橋本じゅん 山内圭哉 岸井ゆきの/生瀬勝久 ほか

360°客席が回転する新劇場「IHIステージアラウンド東京」において、1年3ヵ月にわたり“花・鳥・風・月”4シーズンに分けて上演されることで注目を集めている劇団☆新感線『髑髏城の七人』。“花”“鳥”に続く第3弾のSeason風は満を持して、2004年版の『アカドクロ』『アオドクロ』以来、13年ぶりに<捨之介>と<天魔王>を一人二役で演じるオリジナルバージョンが復活。初心に返りつつ、さらに華やかに軽やかにグレードアップしたまた新たな『髑髏城の七人』がこの秋、堂々お目見え!!

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