舞台に立つと、“私を見て！”って素直に思えたんです。

舞台『オアシスと砂漠〜Love on the planet〜』(1月21〜25日、東京・青山劇場)、映画『GIRLS LOVE』(2月7日公開)と、出演作がめじろ押しの下宮里穂子ちゃん。大人気の舞台のヒロインに抜擢されるなど、確かな演技力で注目を集めている彼女が、お芝居への思いなどを語ってくれました。

Ｑ　舞台『オアシスと砂漠〜Love on the planet〜』の公演が間近に迫ってきましたね。

「私が演じる役は、親がいなくて、お兄ちゃんと2人で生きてきた女のコ。でもお兄ちゃんにすごく守られているから、自分の考えがなくて、いいなりになっているんです。それにだんだん違和感を覚えてきて、お兄ちゃんから解放されたいというのがあって……。暗い女のコをイメージしていたんですが、演出の方からは明るく強い女性を演じてほしいと言われました。頭のいい子だし、お兄ちゃんが自分を守ってくれていることも理解していると思うんです。うまく言葉では表現できないのですが……、とにかく強い女性を演じたいです」

Ｑ　主演の鎌苅健太さんの印象は？

「すごく面白い方です(笑)。同じ関西出身なので関西弁でべちゃべちゃしゃべっていたりするんですが、突然面白い顔をして笑わせてくれるんです。演技についても、たくさんお話をします。ほかの共演者のみなさんも、とても親身になって相談に乗ってくれるんです。実はまだ今は、楽しむことよりもプレッシャーが大きいんです。でも会場の青山劇場は今回が初めて！　客席も多くて、せりもあるから、本番では楽しみたいと思います」

Ｑ　里穂子ちゃんは、中学・高校で演劇部だったんだよね。お芝居にハマるきっかけは何だったのかな？

「小学校の頃、地元でアマチュアの人たちによるミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』に出たんです。それが初めての演技でしたが、本当に気持ちが良くて、楽しかったんですよね。まだ小さかったので緊張なんかはなくて。普段の自分には自信がなかったけど、舞台に立つと、“私を見て！”って素直に思えたんです。それがきっかけで中学、高校と演劇部に所属しました。だけど、まさか、本当に演技の道に進むとは思ってなかったです」

Ｑ　では、デビューのきっかけになった、角川春樹事務所×エイベックスによるオーディションに応募したのは？

「お父さんがオーディションの記事を見つけて、知らないうちに応募していたんです(笑)。私は“東京に行ける！”っていうワクワクした軽い気持ちで受けました」

Ｑ　オーディションではやっぱり緊張した？

「最終審査では特技のピアノを披露したんですが、もう緊張を通り越して開き直って、“恥はかき捨て！”という気持ちが芽生えたんです(笑)。実際に舞台に立ったらもうやるしかないですしね。多分、その度胸はピアノで磨かれたんだと思います。実は私は３歳から、ずーっとピアノ一筋だったんです。たくさんの発表会やオーディションを受けているうちに鍛えられました。ピアノは弾き始めたらもう止まれない。開き直りが大事なんです。その経験は自分にとって大きかったですね」

Ｑ　音楽の経験があるなら、ミュージカルの舞台も楽しくできそうだね。

「それが、私はダンスが苦手なんですよ(笑)。2007年に『劇団EXILES』のミュージカルに出させていただいた時は、段取りに追われて感情がついていかなくて、演技が単調になってしまって……。ダンスは苦手意識があって、できないと決めつけちゃっているのかもしれません。歌は大好きなので、あとはダンスですね。今ずっとレッスンを受けているので、ダンスを克服したらミュージカルもまた、やってみたいですね。『オアシスと砂漠』でもダンスがあるのですが、1シーンだけなので安心しています(笑)」

PART2につづく…

Text／新保克哉(日刊編集センター)