山本涼介 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「山本涼介」

2017/04/19

「『リトル・ヴォイス』は、22歳になって初めての日に幕開けする舞台ですし、縁を感じます」

山本涼介

天才的な歌声をもつ少女が歌の力で自分の人生を切り拓いていく感動のドラマを描いた舞台『Little Voice(リトル・ヴォイス)』。大原櫻子ちゃんが演じるリトル・ヴォイスの心の支えとなる青年ビリーを演じる山本涼介くんに、本作の見どころなどを直撃インタビュー。


山本涼介
舞台『リトル・ヴォイス』への出演が決まったときはどのようなことを感じましたか?
「決まったときはこの作品のことを知らなかったんですが、出演が決まったことでいろいろと調べていく中で、以前から上演されてきた舞台であったり、映画化もされて、今回僕が演じるビリーをユアン・マクレガーさんが演じていらっしゃったことなどを知って、長い歴史のある作品に参加できることをすごく光栄なことだなと感じました」
物語の世界観に対してはどのような印象をお持ちですか?
「映画はもう4度ほど見たんですが、演じる側からすると“難しいな”と感じています。もともとが海外の作品ですし、でも演じるのは日本人の僕。考え方や価値観や生き方も全然違う人たちの感情を演じなければならない。今、台本も読ませていただいているんですが、どう演じようかを日々考え中です。物語の時代設定は少し昔の話なので、今では感じられないようなものがたくさん詰まっているんです。レコードが主体の話であったりもしますし。そういうところは見ていて楽しいです」

山本涼介
内気な青年・ビリーを演じるとなると、芝居の間や呼吸感での表現も増えそうですよね。
「そうですね。寡黙で内気な役ではあるんですが、それでも舞台での表現としては大きく演じなければならないですからね。日本人と海外の方とでは体を使ってのジェスチャーであったり、表情での表現だったりも違っているとも思うので、本当に一からの挑戦になるなと思っています」
映画を4回ご覧になったということですが、見ていくうちに新たに気づくものや深まったものはありましたか?
「まだ世界観を掴むのに必死ですね。自分とはかけ離れた話なので、“どういう気持ちでこの台詞を言っているんだろう”とか、“どうしてここで何も言わないんだろう”とか。そういうところを見るだけで今は精一杯な感じですね。主人公のリトル・ヴォイスも無口な女の子だし、ビリーもあまりしゃべらないので、何を思っているんだろうというのはすごく考えます」
そんな中でも「ここはすごく魅力的だな」「面白いな」と感じるのはどんなところですか?
「やっぱりリトル・ヴォイスとビリーの2人のシーンは、内気な者同士でありながらも言葉以外で通じているというか。表情だったり居方で2人独特の世界観というのが生まれているんですよね。そういう部分は映画版を参考にしながら、舞台の上で作らなきゃいけない空気感だなと思います」

山本涼介
実際に稽古に入って芝居をやってみないと、お互いの呼吸感のセッションはわからないところはありますよね。
「そうですね。見ているだけではわからないですし、稽古で初めて作り上げていくものだと思うので、稽古が始まるのが楽しみです。僕たちならではの、リトル・ヴォイスとビリーの関係性ができると思うので、そこは今から楽しみです」
ご自身が演じられるビリーという青年は、どんな人物だと思われますか?
「ちょっと内気で、繊細なものを持っていて、あまり感情を発しないですが、内に秘めているものは大きいんだろうなと感じています。それとリトル・ヴォイスに対しては、彼女の背中を押してあげる役柄なので、そこは舞台で表現する上で大事な部分ですし、難しい部分じゃないかと思います。大きな劇場でやらせていただくので、遠くの方から見てもわかるように、繊細な部分や表情でしか出せない部分をどう演じるかは悩みどころですね」
ビリーは、ふいに言う言葉が的確だったりもしますよね。すごくよく相手や周囲を見ているんだろうなと感じさせる人だなと。
「そうですよね。たまに発する言葉が本当に核心をついていて、的確にスパン!と言っていくので。それは僕が舞台上でも積み重ねていかないと出せない台詞でもあるので、周りをしっかり見て、芝居しないといけないなと思っています」

山本涼介
「今、悩んでいる」という役作り。どう進めていかれるんでしょうか。
「稽古前なので、不安な部分はまだありますが、自分とはかけ離れた役という部分に関しては、僕は自分とかけ離れている方が演じやすいというのもあって。自分に似ているところがない分、イメージを作りながら演じていけるんです。あとは周りのキャストのみなさんと、稽古をしていく段階での積み重ねを経て徐々に修正していきながら、自分が思うビリーを出せればいいなと思っています。周りが結構、キャラの濃い方たちばかりなので、そこでどう自分のビリーを立たせるか。パワーだったら他の強烈なパワーを持つ方たちに負けてしまうので、どう自分が思うビリーの強みを出していけるか。それが大事になってくるんじゃないかなとも思います」
同じ男性として、身近にいたならどんな風に付き合っていくと思いますか?
「面白いですよね。あまり話をしないけど、たまにしゃべったと思ったらすごく的確なことを言いますし。僕の周りには本当にいないタイプなので、輪の中に1人いれば場の空気も変わりそうですよね。一歩引いてみんなのことを客観的に見ている立ち位置だと思いますし、すごく信頼できますよね」
リトル・ヴォイスを演じられる大原櫻子さんの印象は?
「今の時点では、まだお会いしていないので、僕が一方的にテレビで拝見しているだけなんですが、僕が毎年見ている“全国高校サッカー選手権大会”の応援歌を担当されていたとき、決勝で泣きながら歌っていらしたのがすごく印象的で。歌手の人は本当に凄いなって思うんです。お芝居じゃなく、歌で、声だけで心に刺さることを届けていらっしゃるので、尊敬しています。なので、大原さんとどう2人のシーンを作っていくのか、楽しみです」

山本涼介
お二人が演じるリトル・ヴォイスとビリーが物語の「恋愛パート」を担っていますしね。
「僕自身、これまであまり恋愛モノはやってきていないので、僕としては一つの挑戦でもありますし、またちょっと形の違う恋愛というか。リトル・ヴォイスの背中を押してあげたり、気持ちを伝えるだけではない居方もあるので、そこにやり甲斐を感じています。日本のドラマや映画で描かれる恋愛とは違った形だと思いますし、アプローチの仕方も全然違いますし、色んな角度から芝居ができる可能性があるので、稽古が楽しみになる要因の一つです」
本作の初日(5月15日)が、山本くんのお誕生日当日だそうですね。
「そうなんですよ! 22歳になって初めての日に幕開けする舞台ですし、縁を感じますよね。前日まで21歳で、また一つ大人の階段を上っての初日。舞台の初日というだけでも少し緊張するのに、22歳初めての仕事というのも乗っかってきて、余計にプレッシャーも感じます(笑)。22歳という一年が、その日の出来に掛かってきそうですよね」

山本涼介
昨年11月には主演舞台を経験されましたが、舞台の魅力とは何だと思いますか?
「特に去年の舞台で感じたんですが、主演ということもあってほぼ舞台に上がりっぱなしだったんです。その中でちょっと台詞のニュアンスを変えてみたりとか、間を空けて言ってみようとか、自分の中でも本番の公演の中でチャレンジを入れていっていたんです。それをすることで、お客さんが全然笑わなくなったり、逆にすごく笑ってくれたり……。一緒の台詞でもニュアンスを変えるだけで全然違う空気感になって、まったく違うものになったんです。舞台は毎公演同じ物語だけど、言い方一つで全く違うものになるので、そういうところが一発勝負の映像とは違った楽しさですし、魅力なんだと感じます」
まさに「ナマモノ」な表現を味わえるんですね。
「急に周囲の共演者さんからアドリブを入れられたり、その日限定のものが来たりするので、そこは面白い部分でもあって。お客さんの立場からも、何回見ても面白いんじゃないかと思います。映像は何回見直しても同じものでしかないですが、舞台は日によって全然違うものになるので」
主演をやられたことで、舞台に臨むときのご自身に変化はありましたか?
「今回が、主演舞台の後の初舞台になるので、まだ変化はわからないんですが、その前後ではやっぱりお芝居をしていても精神的な余裕を持てるようになりましたし、自分の間もそうですし、現場でもいやすくなったので、メンタル的なものは自分の中で大きな成長があったんじゃないかと思います」

山本涼介
そんな山本くんにとって、転機になった作品というと何でしょうか。
「『サムライフ』(2015年)という映画が僕の中ではすごく大きくて。この作品が決まる前までは本当に悩んでいたし、壁にぶつかっていたんです。“もう辞めたい……”というくらいまで落ち込んでいた時期だったんですが、ちょうどその頃に『サムライフ』のダイスケという役が決まったんです。ダイスケという役柄も“自分って何だろう”と自分探しをしていて、それが自分にすごくフィットしたんです。それでオーディションの時に森谷雄監督にその時の気持ちを全部伝えたら『ダイスケにすごく似ている』と言っていただいて、出演が決まって。それまではお芝居をやっていても“ここで台詞を言わないと”とかすごくとらわれていんですけど、この作品で監督に『自分の間で、自分の言いたいように台詞を言えばいい』と言っていただけて。本当に楽な気持ちでお芝居をやらせてもらったんです。お芝居をやっていて初めて“楽しい!”と思えて、“もっともっとお芝居をやっていきたい”、“もっと上手くなりたい”と思わせてもらえた作品です」
日々お芝居に真摯に向き合っている様子が伝わる山本くん。今回の『リトル・ヴォイス』では、どんな成長をしたいと考えていらっしゃいますか?
「今までやったことのないお芝居のジャンルになると思うので、これまでの経験で培ってきた選択肢では多分、できないですし、もっと自分の中で引き出しを増やさないとこの役を演じることはできないと思っています。表情とか芝居の感情の出し方とか、そういう部分はこの作品で成長出来るかなと思っています」
では、最後に『Deview』読者へのメッセージを。
「画面というフィルターを通しての芝居を見るドラマとは違って、舞台は目の前で役者さんが息づかいもそのままに芝居をしています。その迫力はもちろん、細かい仕草など、映像では感じきれないものだと思いますし、“生”でしか感じられないものがたくさん詰まっているので、それをこの舞台で感じてもらいたいと思います。その場所で必死に生きている人たちの物語で、舞台でしか感じられないエネルギー、芝居にもなっていると思うので、ぜひ観にきていただければと思います!」

インタビュー・終
撮影/mika 取材・文/えびさわなち

Profile

山本涼介
やまもと・りょうすけ●1995年5月15日生まれ、奈良県出身。研音所属。2011年にドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』(フジ系)で俳優デビュー。その後、ドラマ『理想の息子』(日テレ系)、『あすなろ三三七拍子』(フジ系)映画『好きっていいなよ。』、映画『神さまの言うとおり』、『仮面ライダーゴースト』(テレ朝系)などに出演。主演作品Vシネマ『ゴーストRE:BIRTH 仮面ライダースペクター』のDVD&Blu-rayが4月19日に発売。8月29日から上演される舞台『大きな虹のあとで〜不動四兄弟〜』に出演。『MEN’S NON-NO』専属モデルとしても活躍中。

INFORMATION

映画『暗黒女子』

舞台『Little Voice(リトル・ヴォイス)』
東京公演:5月15日(月)〜5月28日(日)天王洲 銀河劇場
富山公演:6月3日(土)、4日(日)富山県民会館 大ホール
北九州公演:6月24日(土)北九州ソレイユホール

1992年にロンドンナショナルシアターにて、サム・メンデス演出により初演され、 LV役のジェイン・ホロックスの抜群の歌唱力で話題となった舞台『リトル・ヴォイス』。1998年にはマーク・ハーマン監督により映画化され(日本公開99年)、ビリー役をユアン・マクレガーが演じ、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞受賞、アカデミー賞助演女優賞ノミネートなど、大きな話題を呼んだ。 自分の殻に閉じこもり部屋から出られない少女リトル・ヴォイスが、歌の力で自分の人生を切り拓いていく過程が魅力的に描かれた感動のストーリー。

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