鈴木亮平 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「鈴木亮平」

2015/10/21

「猛男のような主人公だと自分に重ね合わせられるし、応援したくなる。だから、この映画は男性でもスッと入っていけると思います」

鈴木亮平

撮影/草刈雅之 取材・文/熊谷真由子

高校生には全く見えない超いかつい顔面と屈強な肉体をもつ“男の中の漢”が主人公の少女コミック『俺物語!!』が、鈴木亮平主演で実写映画化! わずか1ヵ月で30kg増量を果たし、剛田猛男として、“優しさこそ本当の強さ”という本作のテーマを見事に体現。世代を超えて楽しめる純愛青春ラブストーリーに挑んだ彼に、作品への想いを語ってもらった。さらには、甘く苦い初恋の思い出話も明らかに!?
鈴木亮平
――また痩せられましたか?
「まだ、『俺物語!!』後遺症が残っているので(笑)、今、(自分の標準に)戻している最中なんです」
――そうなんですね。では、原作と脚本を読んだ印象を教えてください。
「オファーをいただいてから原作と脚本を読んだのですが、物語の核の部分を失わないようにしつつ、実写映画として2時間の中に成立させていてとてもおもしろいと思いました。マンガで描かれる出来事をそのまま実写化したら荒唐無稽になってしまうようなシチュエーションもとてもうまくアレンジしていて、映画的にも映えるように作られている。仙台のとてもキレイな新緑の季節の中で撮影していたんですが、そういう背景も手伝ってリアリティとフィクションのバランスが絶妙なので、そこはさすが監督だなと思いました。原作では、猛男と大和が付き合ってからの話もたくさん描かれていますが、今回の映画では、猛男と大和が付き合うまでの話に焦点をあてたのも、映画という枠で完結させるためにベストだったと思います。原作をただ模倣しているわけではないのに、すべてのところですごく『俺物語!!』になっているので原作ファンの方も納得していただけるんじゃないかな。もちろん原作を知らない方でも映画として面白い作品に仕上がっているので期待してほしいです」
――少女マンガ原作でロマンチックコメディという世界観は、30代男性としてはいかがでしょうか?(笑)。
鈴木亮平
「僕、けっこう好きなんですよ。特に映画ではロマンチックコメディと呼ばれるものは好んで観ます(笑)。ただ、あまりにも美男美女が出てくる作品は、男としてはなかなか共感しにくいので、猛男のような主人公だと自分に重ね合わせられるし、応援したくなります。だから、この作品も男性のお客さんでもスッと入っていけると思います。今までよっぽどモテる人生を送ってきた人じゃなければ、みんな少なからず猛男のような想いをしてきているはずなんですよね。少女マンガだと、主人公の女の子はごく普通の子で、たいてい校内一の人気者とかイケメンと付き合うっていうストーリーが多いですよね。それで、その女の子の傍には昔から見守る幼なじみの男の子がいて……みたいな(笑)。でもその幼なじみも結局、美男だったりするじゃないですか。でも猛男は外見が強烈ですから、それだけでも普通の少女マンガとは異なりますよね」
――猛男の親友・砂川誠役の坂口健太郎さんとの共演はいかがでしたか? 鈴木さんは以前、坂口さんが好きな武将になぞらえて、『石田三成っぽい』とおっしゃっていたことがありましたが。
鈴木亮平
「撮影中に、坂口くんとは音楽の話などの他に、好きな武将の話をよくしていたんですが、坂口くんは石田三成が好きなんですよ。僕も外見的にも細身でシュッとしているイメージがちょっと重なると思いました。すごく真面目で義に厚そうで、しっかりした芯があって、結果よりも過程を大事にする、そういう内面も石田三成っぽいのかなと思います。ちなみに僕が好きな武将は本多忠勝です」
――相手役となる大和凛子を演じた永野芽郁さんの印象はいかがでしたか?
「天性の可愛さで、試写を観た方からも『芽郁ちゃんがすごく可愛かった!』という絶賛の声をよく聞きます。カメラの前に立つと誰でも少しは緊張しますし、普段よりは硬くなってしまうことが多いと思うんですけど、芽郁ちゃんは普段の可愛い雰囲気をそのままカメラの前で素直に出せるので、すごい才能だと思います。それに芽郁ちゃんは芸歴が長いので、現場での居方が実はとても大人なんですよ。撮影当時15歳だったんですけど、自分がはしゃいだらいけない局面もきちんとわかってる。もし自分が15歳の時に映画の現場に参加していたら、嬉しくて調子乗ってすぐはしゃいじゃったりしていたと思うんですけど、芽郁ちゃんはいい感じにキャピッとしつつも、きちんとその場に合わせて真面目に自分を戻せるんですよね。遊園地でのロケ撮影の時、僕は、主役だしこれくらいしたいと思って、共演者のみんなにジュースをごちそうしたかったんですよ。だから芽郁ちゃんにも何を飲むか聞いたら、『いいです、いいです!』って遠慮するんです。もし俺が15歳だったら『マジっすか!』って普通に甘えちゃうと思うのに、すごいなと思いました。彼女の周りの同級生役の子もみんな遠慮していたんですが、そういう世代なんでしょうか。そこでちょっとジェネレーションギャップを感じました(笑)」
鈴木亮平
――今回演じられているのは、15歳の猛男ですが、鈴木さんが15歳の頃、どんな少年でしたか?
「こんなに“男の中の漢”というか、他人のことを思いやれるようなデキた人間ではなかったです(笑)。こんなに運動神経も良くなかったですね。僕は中の上くらい(笑)。ただ、恋愛において全てが初めてのことばかりということは、僕も同じだったので共感できました。僕も初めてお付き合いしたのは高校1年生の頃だったんですよ。自分が好きな人が、自分のことを好きだって初めてわかった時の喜びや、自分のために手作りのお弁当を持ってきてくれた時の感動、初めて手を繋ぐ時のドキドキする気持ちとか、そういう全てのことが初めてだから、傷つきやすいし、傷つけることも怖かったし、敏感だったなということを思い出しながら演じました」
――ちなみに鈴木さんご自身の初恋は何歳くらいだったんですか?
「小学校5年生です」
――意外と遅めかもしれませんね。幼稚園くらいの時に、“あの子可愛い!”とかありませんでした?
「そういうことはありましたけど、それは僕は恋とは呼ばないです。やっぱり恋は苦しくないと(笑)。そうです、苦しかったんです(笑)。小学5年から中学3年まで5年間、片想いをしていて、さらに中3の時に友達と付き合っていることが判明したんです。小学校低学年くらいの時までは、“仲がいいから好き”とか、“可愛いから好き”とか、そういう無邪気な感じでしたけど、“初恋”になると目も合わせられない、ちょっと話せたらすごく嬉しいけど、自分からは話しかけられない。近くにいるだけで普段の自分でいられなくてキョドってしまって、それがさらに恥ずかしいから、あえて距離をとってしまうみたいな気持ちで。そうこうしていたら友達と付き合っていたっていう(笑)」
鈴木亮平
――それは聞いているだけでも苦しいです(笑)。前から、その友達にその子のことが好きとか聞いていたわけではないんですね。
「中3の時に、仲のいい友達数人と話していて、『みんな彼女とかいるの?』みたいな話題になったんです。で、そいつが『俺はいるよ』って言った時、モテるヤツだったし、僕はすぐにあの子と付き合ってるんじゃないかと予感したんですよ。そう言われてみれば、そいつと僕の好きな子の見えないラインが見えるような気もして。でも、その友達は自分からは付き合っている子の名前を言わないので、周りのみんなが『誰?誰?』っていろんな子の名前を順番に出していって、僕も『あいつ? それともあいつ?』って聞いていくんですけど、好きな子の名前だけは出せずにいて。でも消去法でどう考えてもその好きだった子しか残ってなくて、最後に『もしかして○○?』と聞いたら、『おぅ』って言われて。その日の夜は枕を涙で濡らしましたね(笑)」
――来年が役者デビュー10周年の鈴木さんですが、改めて思う役者という仕事の魅力を教えてください。
「たくさんあるんですが、今、思う魅力のひとつは『さまざまな人の考えを理解できるようになって、人間的な幅広さを持てるようになったこと』です。役者はいろいろな人を演じるので、いろいろな人に共感して理解しようとするクセがついてくるんです。例えば、悪役を演じる場合だったとしても、悪役が何故そういう悪事をするのか、その人なりの正義を考えてみるんです。だから他人を否定しなくなりました。人間愛と言ったら大袈裟ですけど、いろいろな人を否定せずに理解するという姿勢は平和的でもありますし、自分の人間性を高める上でもいいことなのかなと思います。それが役者の最大の魅力とは言わないですけど、続けてみて最近わかったことです」
Profile
鈴木亮平
すずき・りょうへい●1983年3月29日生まれ、兵庫県出身。ホリプロ所属。06年にドラマ『レガッタ〜君といた永遠〜』で俳優デビュー。13年には『HK/変態仮面』で注目を集めその後もNHK 連続テレビ小説『花子とアン』、映画『TOKYO TRIBE』、『風に立つライオン』、『予告犯』、『海街diary』、『天皇の料理番』など、数多くの作品に出演。現在、ドラマ『結婚式の前日に』(TBS系)に出演中。来年3月には主演舞台『ライ王のテラス』(演出・宮本亜門)に出演が決まっている。
映画『俺物語!!』
10月31日(土)東宝系にて全国ロードショー
映画『俺物語!!』

映画『俺物語!!』
(C)アルコ・河原和音/集英社 (C)2015映画「俺物語!!」製作委員会
『別冊マーガレット』で現在も大人気連載中の大ヒット少女コミックが“男気”全開で完全実写化。主人公の剛田猛男は高校1年生。全く高校生には見えない顔面と巨体を持ち、豪傑・硬派なまさに日本男児。いかつい風貌と不器用さで女子から恐れられているが、情に厚くいつ何時も人助けをする包容力で男子からの信頼はアツイ。これまで好きになった女子はみんな、猛男の隣家に住む超イケメン・砂川誠を好きになった。ある日、猛男と砂川は街中で危機に遭っていた女子高生・大和凛子を救い、猛男は大和に一目ぼれをしてしまう。再び3人で会おうことになったある日、ふとした大和の仕草で「大和は砂川のことが好きなのだ」と猛男は気づく。落ち込みながらも大和のために一肌脱ぐことを決心し、仲を取り持とうとする切ない猛男だが――。

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