学校のみんなには、“天然”だって言われます

16歳にして、豊富なキャリアと実績を持つ女優、大後寿々花ちゃん。昨年、松山ケンイチさんと共演した大作映画『カムイ外伝』の話題はもちろん、ハリウッド映画『SAYURI』に出演した時の知られざるエピソードも聞いちゃいました。大人びた雰囲気の彼女だけど、実は“天然キャラ”だという意外な事実も明らかに！

Ｑ　　『カムイ外伝』では、松山さん演じるカムイに恋心を抱く少女・サヤカ役でした。演技する上で意識したことは？

「サヤカは素直で、ストレートに自分の気持ちをぶつけていく女のコだったので、なるべくサヤカの気持ちを大切にしようと思っていました。最初は役作りについて、すごい考えたんです。いつもは自然体でいようと思っていて、役作りとかはしないんですけど。今回は自分の中でサヤカという役について、物語について、けっこう考えてやってみたんです。だけど、なかなかうまくいかなくて……」

Ｑ　そこをどうやって乗り越えたの？

「崔洋一監督に“全部、演じなくてもいいんだよ。サヤカとは同い年だし、時代は違っても恋をしたりとかはあるものなんだから、半分は自分を出して演じれば、成立するんじゃないか”って言われたんです。それを聞いて、今まで自然体でやってきたのは間違っていなかった、やっぱり、自分にはそっちの方が合っているんだと確認できました。そこからは、これまでに考えてきたことを全部忘れて、本当に撮影現場で、その時に感じたまま演じていこうと決めました」

Ｑ　ということは、カムイを慕う気持ちには寿々花ちゃん自身の思いも入っていたのかな？

「半分は常に自分だったと思います。撮影中も監督からはスピーカーで“カムイのことが大好きなんだ！ カムイが大好きなんだ！”って声を掛けられていました。カムイが大好きで大好きで、だからじーっと見てしまう……。思いを表現する演技は、変に作らないで、カムイをただ見つめていたことが逆によかったのかなって思います」

Ｑ　一途な演技がとても印象的でした。

「ただ、心にずっと残っているシーンは全然違うところで。父親(小林薫)を陥れた吉人(金井勇太)に怒って、包丁を持って怒鳴るシーンなんです。普段の私は怒ったとしても、あそこまで怒鳴ったりできないのに、サヤカだとできてしまう。だからなのか、撮影が終わった後もずっとドキドキが止まらなくて。いつもはすんなり、役が抜けちゃうんですけど。そのシーンを撮影した日だけは、あまり抜けなかったのをすごい覚えていて。何か不思議な気分で、心にずっと残っています」

Ｑ　本当に女優というお仕事は大変なんだね。普段、女優として心がけていることはある？

「美容に気をつけようと思ってはいるんですけど、自分の思うようにいってくれないことが多くて……(苦笑)。日焼けは避けようと思っています。とか言って、よく日焼け止めを忘れてしまうんですけどね(笑)」

Ｑ　あれ、しっかり者に見えるけど、意外と……？

「おっちょこちょいです(笑)。学校のみんなには“天然”だって、よく言われます。聞き間違いをよくしちゃうんですよ。例えば、友達が“コンタクト(レンズ)”と言ったのに、私は全然違う言葉だと勘違いしてしまっていたり。“視力の話をしているんだから、『コ』から始まる言葉はコンタクトしかないでしょ！”って笑われました(笑)。あと、見ているだけでおかしいってよく言われるんです。何なんだろう……、行動ですかね(笑)。学校では髪を二つ結びにしているんですが、席について結び直すときに、左右の結び目の高さがずれるのがイヤで、いつもこうやって(両手を頭のてっぺんに持っていき、結び目に向かってゆっくり左右同時に手を下ろして)確認するんです。これが面白いみたいで」

Ｑ　(笑)。寿々花ちゃんは真剣なんだよね。

「真剣です！ だから、なんで笑われるのかよく分からないんですよね。なのに、みんなは私が髪を結び出すと、“ほら、名物が見られるよ”って(笑)」

PART2へつづく・・・
Text／新保克哉(日刊編集センター)