舞台化不可能と言われていた自転車競技を「ハンドルと役者のマイム」で再現させた革命的手法と、レースシーンでの演技の先を行く「本気の走り」で熱狂的なファンを生み出した舞台『弱虫ペダル』。3日間にも及ぶインターハイ2日目の激闘を描く舞台『弱虫ペダル』THE DAY 2が、3月1日より天王洲 銀河劇場にて幕を開ける。
『デビュー』では、主人公・小野田坂道役の島村龍乃介、鳴子章吉役の北乃颯希、田所迅役の滝川広大の総北高校キャスト3人に、同作への意気込みや演じるキャラクターへの想い、お互いの印象などを聞いた。

――インターハイ2日目を描く「THE DAY 2」、まずは本作で楽しみにしていること、そして意気込みをお願いします。

島村龍乃介「僕は今回、（滝川演じる）田所さんと走ることが楽しみです。序盤の見せどころでもあり、そこでバーンと勢いをつけていかないと、みんなのスピードもつかないのかなと思うので、頑張らないとっていうプレッシャーでもあるのですが、その反面、すごく楽しみなところです。また、今回から登場する新キャストも加わるので、さらに熱量を倍増させて、良い舞台にしたいなと思っています」

北乃颯希「僕に関して言うと、「THE DAY 2」は、どちらかというとサポートのほうに回るのですが、前回の総北、箱根学園、京都伏見の御堂筋に加えて、今回から京都伏見の他のメンバーも新しく加わるということで、新キャストのふたりがどういう風に「ペダステ」をさらにパワーアップさせてくれるのかなという、期待も込めた楽しみがすごくあります」

滝川広大「（島村演じる）坂道が田所をどうやって引っ張っていくのかというのが、僕個人としても、田所としても楽しみというか、今までとはまた違った熱量を持って演じなければならないという部分も含めて、すごく楽しみです。それと前々回の「The Cadence！」と前回の「THE DAY 1」で活躍する場面が少なくて、力を溜めてきたキャストがいっぱいいるので、その溜めてきたパワーをどんなふうに発揮してくれるのかというのも僕としては楽しみであります」

――「The Cadence！」、「THE DAY 1」に続いて、3回目のご出演となるみなさん。ご自身が演じられているキャラクターに対して、どんな人物像か、そしてご自身の性格と比較して、似ている部分や似ていない部分などを教えてください。

島村龍乃介「小野田坂道は、スイッチが入ると真っ直ぐに突き進むタイプだと思うのですが、僕もけっこうガッと集中するタイプなので、そこはすごく似ている部分だと思います。ただ、小野田はアニメがめちゃくちゃ好きなオタクなんですが、僕はそこまで熱中する趣味がないので、演じる前はオタクの気持ちというのがわからなくて、それを掴むのが難しかったです。オタク感を出しながら演じるというのが毎回僕の課題でもあります」

北乃颯希「僕が演じる鳴子章吉に関しては、似ていないところがないくらい、スッと役に入り込めました。本当に似ていないところがない！（笑）」

滝川広大「確かにね（笑）」

――特にどんなところに共感できますか？

北乃颯希「自転車に対する想いはもちろん、友達や仲間をこういうふうに愛する男って自分で言っちゃうくらい、それに自信を持てるっていう部分はすごく共感できます。僕も友達をすごく大事にするタイプですし、友達もめっちゃ多いと思うので。何事に対しても熱を持って、愛を持って接するという部分はめっちゃ似ているなと思います」

滝川広大「僕と田所迅の共通点は、今回でも描かれている部分ではあるのですが、あまり周りに心配をかけたくないというか、周りに弱さを見せない部分はちょっと似ているかなと思います。逆に似ていないなと思うのは、思ったことを恥ずかしがらずに言える部分。その言葉の力というものをストレートに相手に届けられるっていう姿はすごいなと思いますし、とても素敵だなと。坂道とかに言ったりする言葉なのですが、自分自身にも言ってもらっているかのような、前向きになれる力を持っているなと思います」

――それぞれ演じる上で、特にこだわっている部分というのは？

島村龍乃介「僕はハンドルを持つ時の角度に、すごくこだわっています。「The Cadence！」の時に初代・小野田坂道役の村井良大さんから『小野田坂道は、こうやってハンドル持つんだよ』って、（ハンドルを持つ）角度を再現した写真を送ってくださったんです。村井さんからハンドルの角度を教えていただき、それを崩さないように、すごくこだわって頑張っています」

北乃颯希「鳴子章吉は、いかに“THE 王道の少年っぽさ”を出せるかというのを意識しています。総北の信号機（小野田坂道・今泉俊輔・鳴子章吉）の小野田がちょっと気弱な感じで、今泉（俊輔）がちょっと大人っぽい感じなので、それらと対称的な感じで少年っぽく見えるように、立ち方やセリフの言い回しなど、いろんなところで意識してやっています」

滝川広大「原作をもとにした2.5次元作品というのは、そのキャラクターを演じるにあたって、もともとの原作のファンの想いというものを壊したくないという気持ちはもちろんありますが、自分たち役者がモノマネをするのは違うなと思っていて。できる限り応援してくださっている人が好きなキャラクター像というものを壊さずに、でも、『この人がやるこのキャラクター、良いよね』って言わせたいなと。『滝川広大がやる田所迅って、なんか良いよね』って言ってもらえるように演じたいという気持ちで臨んでいます。そこに達せたときに、自分は認められたのかなっていう気持ちがあるので「ペダステ」もそうですが、いろんな作品を通してこだわっている部分です」