入江甚儀×井上小百合 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「入江甚儀×井上小百合」

2018/04/26

「原作であまり描かれていないからこそ、私にしかできない志奈子ちゃんではあるかなと」

入江甚儀×井上小百合

畠中恵の時代小説『若様組』舞台化シリーズの第2弾となる、舞台『若様組まいる〜アイスクリン強し〜』が、いよいよ4月27日(金)より開幕。旧幕臣の警官・長瀬健吾を演じる入江甚儀と、華族の令嬢・紫堂志奈子を演じる井上小百合(乃木坂46)に、開幕直前の想いを語ってもらった。


入江甚儀×井上小百合
第1弾の舞台『若様組まいる』から約2年。今回、井上さんをはじめ、新キャストが加わったカンパニーの雰囲気はいかがですか?
入江甚儀「とてもいい感じです」
井上小百合「すごく楽しいです」
入江「前作から引き続き出演しているキャストの仲は、もちろんいいですし、今作で新しく加わった人たちとも、僕は稽古2日目くらいから一緒にご飯を食べに行ったりしています。僕自身、舞台上だけ仲良くするとか、その場だけの付き合いっていうのがあまり好きではなく、僕は一緒にやるからには、そういう感じにはしたくないと思っているんです。今回の作品のテイスト的にも、普段からの仲の良さとか関係性が舞台上に出てくると思うし、お客さんにも伝わると思うので。だからこそ、普段からのコミュニケーションを大切にしていきたいなと思って、稽古をしてきました」

入江甚儀×井上小百合

入江甚儀

今作から参加の井上さんは?
井上「稽古場は楽しいです。いつもの私は、入江さんとは逆のタイプで、普段はあまりカンパニーの人たちとは仲良くしないんです」
入江「え、そうなの?」
井上「人見知りなので、普段の稽古場ではあまりしゃべらなかったりするんですが、この稽古場ではけっこうしゃべったりしていて。みなさんの雰囲気がすごくいいので、仲間に入りやすい感じなのかなと自分でも思っています。だから、すごくありがたいなと。顔合わせの時点で、前作のみなさんがとても仲が良い雰囲気だったので、“あ、いいカンパニーになるだろうな”って思っていました」
『若様組』シリーズ舞台化第2弾となる本作ですが、前作での手応えや今作でブラッシュアップしていきたいことは?
入江「前作をやった際に手応えみたいなものをは感じましたが、今回は同じ役でもキャストが変わっているキャラクターもいたり、脚本・演出の方も変わっているので……。前作をやったという変な自信を持つのではなく、改めて1からスタート地点に立ったつもりで、今回の舞台に取り組んでいこうかなという気持ちでやらせていただいています」
井上「私は、前作の公演期間中にちょうど別の作品をやっていたので、実際に舞台を拝見することはできなかったんです。でも、入江さんとはこれまでも他の作品で共演させていただいているせいか、入江さんファンの人が私の握手会に来てくださって、前作の報告をしてくれて。前作の劇中で、アイドルファンの方がやるヲタ芸をやるシーンがあって、そういうのが盛り込まれていて面白かったですよという話を言いに、私の握手会に来てくださる方がいらっしゃって、入江さんのファンの方々からそういう情報はもらっていました」
入江「素晴らしいね!」

入江甚儀×井上小百合

井上小百合

入江さんファンの方が、井上さんの握手会に行って、入江さんの活動報告をされるって、面白い現象ですね。
井上「その時は、その続編の作品に私が出るなんて思っていなかったので、不思議なご縁だなと。それに、私のファンの方も、入江さんの作品を観に行ったりしているみたいで」
入江「そうそう。ツイッターとかやっているとわかるんですよ。井上さんの写真をアイコンに使っている方とかが、コメントしてくださったりしていて、こういうことってあるんだなと思いましたし、面白いことですよね」

入江甚儀×井上小百合
なんだか素敵な交流ですね。改めてお二人の役についてもお聞きしたいのですが。
入江「前作では、元徳川方の身分高き若様たちが、身分だけでは生きていけない時代になり、家を支えるために警官になろうと決意して教習所に通い、警官になるまでのサクセスを描いた作品だったんです。なので、どちらかというと、男子校の学園もの的な感で、汗を流しながら大声を出すみたいな、そういう熱が非常に高い舞台でした。でも、今回は、ミナ(玉城裕規が演じる皆川真次郎)がメインで描かれていく作品なので、教習所を卒業して巡査として働いている若様たちの有様をどうやってみせようかなと思っています。若様たちは巡査にはなったけれども、安月給だし虐げられている。そんな中で、明治という時代を自分たちなりに生きている姿をどう表現していこうかなと。ミナの西洋菓子店に入り浸ったり、調理を手伝ったり、前作みたいな人と人のぶつかりあいというよりは、より普段の若様たちというのが見られる作品になっているなと思うので、警察らしさを残しつつも、若様同士でふざけあったりするような普段の関係性も見せていけたらと思います」
井上さんが演じる志奈子はどんな風に役作りを?
井上「志奈子ちゃんは原作にはあまり出てきていないので、観に来てくださるお客さんもあまりイメージがないまま観に来ると思うんです。だからこそ、どう見せようかなとまだ迷いがある感じではあるんですけど。単純に脚本を読んだだけのときは、志奈子ちゃんはとても悪い子だなって思ったんです」

入江甚儀×井上小百合

入江甚儀

ちょっとかき回したりする役柄だったりしますからね。
井上「悪い役を演じるのって楽しいじゃないですか。だから、最初は志奈子ちゃんを演じるのは楽しそうだなって思っていたんですけど、いざ稽古してみると、志奈子ちゃんの奥の深さがいっぱいあることがわかって。そしたらどんどん難しくなってしまったんです。自分が思っていた志奈子ちゃんと、演出の村上さんが思っていた志奈子ちゃんが違っていて。“あ、なるほどな”と思いながら、毎日稽古しています。稽古が進むにつれて、志奈子ちゃんは意外といろんなことを考えていて、意外といい子なんだなって思えてきて、それをどう舞台上で表現しようかなと悩んでいる最中です。でも、原作であまり描かれていないからこそ、これは私にしかできない志奈子ちゃんではあるかなと思ったので、頑張りたいなと思っています」
今作は前作とは違い、オムニバス的なショートストーリーで物語が展開されていきますが、本作ならではの見どころは?
入江「やっぱり、(宮ア香蓮演じる小泉)沙羅と志奈子の女同士のバトルじゃないですか?」
井上「確かに。私が今まで出演してきた舞台ではヒロインが1人ということが多くて、同い年くらいの女の子と共演するというのが初めてだったので、とても不思議な感覚なんです。でも、女同士のバチバチという感じではなく、志奈子ちゃん沙羅ちゃんの二人で伝えられることがあったらいいねという話し合いをしながらやっています。毎回、『ここどうしようか?』って、二人で協力しあいながらできているので、楽しいです」

入江甚儀×井上小百合

井上小百合

けっこう複雑な関係性ですよね。
井上「そうなんです。なので、やっていてとても難しいです」
入江「あとは、病気が流行っていたり、戦争が近づいているとか、僕たち若者がちゃんとアンテナを張って気にしなくちゃいけないっていうのも描かれているので、時代は違うけど、現代にも教訓になるようなことがたくさんある作品じゃないかなと思います」
井上「特に、この時代は女性の地位が低くて、女性の生き方の難しさがあるなとも思っていて。許婚がいたり、自分の好きなことができなかったり、そういうことを志奈子ちゃんが具現化している気がしているので、それを今の女の子たちが観てどう感じるのかなって思いました。すごくポップにけっこう重たいことをやろうとしているので、どう面白可笑しく伝えられるかなと思いながらやっています」
入江さんと井上さんは、これまでも共演経験がありますが、お互いどんな印象をお持ちですか?
入江「印象か……逆にないな(笑)。前回一緒にやったときは、さっき本人も言っていましたけど、人見知りなのかなって思っていました。でも、意外と毒を吐く人なんだなと気づいて。この前もケンケンさん(鎌苅健太)が井上さんから毒を吐かれていて、『嬉しいわ〜』ってすごく喜んでいました(笑)」
井上「ケンケンさんはすごく優しい方ですからね(笑)」
入江「あとは、すごくストレートな人だなって思います」
井上「入江さんは、仕事に対してすごく熱心な人だなって思います。私はプライベートと仕事を分けてしまう人間で、プライベートのときはただただダラダラしちゃうんです。でも、入江さんは普段から真面目で作品をいっぱい観ていたり、すごく勉強熱心な方だなって思います」

入江甚儀×井上小百合
この舞台はたくさんのスイーツが出てきますが、お二人が一番好きなスイーツは何ですか?
井上「私はショートケーキが一番好きです。果物とかは食べるけど、そもそもスイーツとかお菓子系ってあまり食べないんです。なので、スイーツといえば、昔から変わらずにショートケーキしか食べないくらいショーとケーキが大好きです」
入江「僕はモンブランかな。僕もコンビニとかデパ地下とかで好き好んでスイーツを買うっていうことはあまりないんですが。モンブランって、スイーツの中でもちょっとした変わり者っていう感じがしていて、あの見た目もなんか好きなんですよね」

入江甚儀×井上小百合
最後に、芸能界を目指している読者に向けて、以前『デビュー』を読んでくださっていたという先輩のお二人が思う、夢を叶えるために大切なことを教えてください。
井上「なんだろう。難ししいな……お先にどうぞ!」
入江「僕の好きなミュージシャンの歌の中で“Dream は Come して True にならず、Dream は Go して True にして行く”という歌詞があって。確かにそうだなって思ったんです。待っていても始まらないし、いつか周りが何かをしてくれるって期待するだけじゃダメ。何事も自分から挑戦していくことが大事なんだなって。それと、常に挑戦していくことも大切なのかなと思います。僕も昔『デビュー』を読んで履歴書を書いたりしていましたけど、事務所に所属することとか、何かに合格するっていうのが、ゴールって思ってしまうことがあると思うんです。でも、そこからがスタートだし、スタートしたと思ったら、周りには経験者がいっぱいいるし、今まで以上により頑張る必要がある。1つ達成したから終わりではなくて、常に模索して挑戦していくという、それくらいの覚悟がないと、やりたいことができないのかなって思います」

入江甚儀×井上小百合
確かに。常に努力と挑戦が大事というのは、どのジャンルのお仕事でも共通することかもしれません。では、井上さん締めをお願いします!
井上「え〜!!」
入江「俺に譲ったからね」
井上「そっか〜。先に言えば良かった!(笑)。私は乃木坂46に入る前は役者になりたくていろんなオーディションを受けている時期で、一人で頑張ろうって思っていたんです。でも、アイドルを経由して、グループの中に入ってみたら、ほかにもいっぱい頑張っている人たちが身近にいたんですよね。それで、自分だけじゃないんだなって思ったときに、いろんな世界が見えてきて。自分一人の力で頑張ろうと思うと、なかなか難しい。でも、ちゃんと周りを見たら一緒に頑張ってくれる人とか助けてくれる人とかいっぱいいると思うので、自分の周りにどれだけ大切な人がいるかということに気づいたらきっと、もっと強くなれると思います。なので、みなさんの周りにいる人たちを大事にして、頑張ってください!」

インタビュー・終
撮影/草刈雅之

Profile

入江甚儀
いりえ・じんぎ●1993年5月18日生まれ、千葉県出身。研音所属。近年の主な出演作は、映画/『ピンクとグレー』、『さらばあぶない刑事』、『恋妻家宮本』、舞台/パルコ・プロデュース『夜が私を待っている 〜ナイト・マスト・フォール』、演劇集団Z-Lion『きっといいKotoあるravel』學蘭歌劇『帝一の國』シリーズなど。『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(テレビ朝日)に出演。今年8月には、所属事務所の研音が主催する舞台『大きな虹のあとで〜不動四兄弟〜』に再び出演。

井上小百合
いのうえ・さゆり●1994年12月14日生まれ、埼玉県出身。乃木坂46合同会社所属。2011年に乃木坂46の1期生オーディションに合格。乃木坂46のメンバーとして活動する一方、學蘭歌劇『帝一の國』シリーズ、『すべての犬は天国へ行く』、『墓場、女子高生』、音楽劇『夜曲』nocturnなど、女優としても活躍中。

INFORMATION

『若様組まいる〜アイスクリン強し〜』
©2016 Media Mix Japan All Rights Reserved.
©畠中恵/講談社

舞台『若様組まいる〜アイスクリン強し〜』
2018年4月27日(金)〜5月6日(日)サンシャイン劇場

<story> 時は明治二十三年。お江戸が東京へと変わり、ビスキット、アイスクリン、チヨコレイトなど、西洋菓子が次々お目見え。
築地の居留地で孤児として育った皆川真次郎は、念願の西洋菓子屋・風琴屋を開いた。今日もまた甘いお菓子目当てに、元幕臣の警官たち「若様組」や、マドンナ的存在の小泉沙羅がやってきて大忙し。
華族の令嬢・紫堂志奈子や、皆川や若様たちを執拗に嗅ぎまわる新聞記者・丹羽など、個性的なキャラクターも続々と出現。さらに大商人・小泉琢磨の仕掛ける試練が襲いかかる…!

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