インタビュー「加藤大悟」

ボーイズグループ・Hi☆Fiveのメンバーとしても活動する一方で、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stageやミュージカル『刀剣乱舞』などの人気作で活躍中の若手俳優・加藤大悟。5月27日（土）より劇場公開される、累計500万部を超える人気BL小説を原作とした映画『タクミくんシリーズ　長い長い物語の始まりの朝。』では、映画初出演にして初主演（森下紫温とのW主演）に抜擢、さらにはソロアーティストとして主題歌も担当！
今回、『Deview／デビュー』のインタビュー初登場ということで、初主演に抜擢された際の想いや作品の見どころはもちろん、芸能界デビューのきっかけとなったスカウトのエピソードや俳優業への想いなどを語ってもらった。

――高校３年生のとき、東海地区のご当地イケメンボーイズを発掘する「TOKAIスクールボーイズ」オーディションを特集していた番組のロケ企画でスカウトされたということですが、声をかけられたときは、どんな気持ちでしたか？

「最初は正直、恐怖しかなかったです（笑）。地元を歩いていたときに全然知らない人から、いきなり声をかけられたので。番組の企画で芸人さんだったんですけど、トントンと肩を叩かれて振り向いたら、いきなりカメラを向けられて。ビビリながらも聞かれたことに答えて、最後に放映してもいいかという書面に署名したんです。そのときに、今のマネージャーさんに、今、僕が所属しているHi☆Fiveっていうグループの『「TOKAIスクールボーイズオーディション」を受けてみませんか？』と言われました。スカウトなんだってわかった瞬間、じわじわと恐怖からハッピーに変化していった感じですごく嬉しかったです（笑）。もともと僕は消防士を目指していたので、芸能界を目指していたわけではなかったのですが」

――急に、違う将来の可能性が出てきた。

「親には言っていなかったんですけど、歌手になりたいなっていう夢はあったんです。大好きなNissyさんみたいな、かっこいいアーティストになってみたいな〜って。でもそんなことは口に出せず、母からは中学生の頃からずっと、『あなたは正義感と責任感が強いから、消防士になったらいいと思う』と言われていて、実際、消防士を目指していたんです」

――スカウトされたことで、もう１つの夢を打ち明けたんですね。

「はい。それまで、アーティストさんや音楽は好きだったけど、テレビや芸能関係にはあまり興味がなかったんです。だから芸能事務所とかもよくわからず、“ワタナベエンターテインメントって何？”みたいな。でも、マネージャーさんからいただいた名刺の裏を見たら、イモトアヤコさんなど、芸能に詳しくない僕でも知っている方々の名前が表記されていて。特に僕は音楽が好きだったので、Little Glee Monsterさんの名前をみつけて、めっちゃテンションが上がりました。それでもう舞い上がっちゃって、入りたくなっちゃったんですよね（笑）」

――急にコロッと変わっちゃった（笑）。

「子どもでしたから。今だったら、絶対に消防士のほうを選んでいたと思います。今は18歳のときと違って、大人の、親の気持ちがわかるようになったから。消防士の試験対策のためにビジネススクールにも通わせてもらっておきながら、親の期待を裏切って、そんな簡単に進路を変えるわけにはいかないという、分別がつくわけです。でも当時は子どもだったから、スカウトされたあとすぐに『お母さん、こんな事務所からスカウトされたんだけど』って、名刺の裏表を写真に撮って、母にメールしたんです。そしたらもう、母は激おこでした。『は？』っていう２文字だけの返信で、“ヤバい、これは怒ってるぞ”と。でも親としては、そうなりますよね。帰宅後も静かに、『急に何を言ってるの？ 消防士になるんじゃないの？』って詰められました。『いやでも、人生一回きりだから、やってみたい』って、決り文句を言ったら、そこからブワーって説教されました。そのやりとりを見ていた父が『大悟のやりたいことをやらせてあげたらどう？』ってサポートしてくれて。母も、どこかにそういう気持ちはあったと思うんですよ。でも、僕があまりにも簡単に進路を変えたものだから、そう簡単には納得なんてできないですよね。消防士の試験まで、あと2ヵ月ってところでしたし」