早見あかり | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「早見あかり」

2016/03/09

「“早見あかり号泣”のニュースが出たあと、いろんな人から連絡が来ました(笑)」

早見あかり

撮影/mika(f-me)取材・文/永堀アツオ スタイリング/大石 裕介(DerGLANZ) 衣装協力/コート/¥42000(税別)、シャツ/¥24000(税別)、パンツ/¥22000(税別)3点全て≪n o o y≫03-6231-0933、パンプス≪スタイリスト私物≫

NHK 連続テレビ小説『マッサン』、映画『忘れないと誓ったぼくがいた』主演など、女優として着実にステップアップを遂げている早見あかりが、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『夢の劇−ドリーム・プレイ−』で、本格舞台に初出演&初主演に挑む。制作会見で思わず涙してしまうほど、プレッシャーを感じているという彼女が、今の想いを赤裸々告白。
早見あかり
――先日行われた、『夢の劇−ドリーム・プレイ−』の制作記者会見での号泣が、いろんなところでニュースになりましたね。
「“早見あかり号泣”のニュースが出たあと、いろんな人から連絡が来ました(笑)。みんなに『ももいろクローバーでいろんなステージに立っていたし、度胸もあるから大丈夫だよ』って言われたりしたんですけど、私の中では怖さの方が大きくて。本格的な舞台が初挑戦で、しかも初主演ということが嬉しいっていう心持ちは全くなかったし、正直、4月が来ないで欲しいとも思っていました(苦笑)。稽古が始まったら、腹を括らなきゃ!と思っているんですけど、正直、まだ括り切れてないところがありますね。こんな後ろ向きなことばっかり言ってられないんですけど」
――舞台にはどんなイメージを持っていたんですか?
「単純に“舞台をやりたい”と思ったことが一度もなかったんです。もちろん、舞台を観に行って、すごく面白いなとは思うけど、そのステージに自分が立ちたいと思ったことが一度もなかったんですね」
――『ウレロ☆』シリーズの舞台版にも出演されてますが、そのときの経験は?
早見あかり
「『ウレロ☆』は、もともとスタジオでの一発本番という形で、50人くらいのお客さんの前でやってたんです。なので、舞台版はその規模が増えただけで、ホーム感もあったし、今回のような恐怖感は全くなかったんです。コントと演劇は全然別物だし、感覚も違う。本当に今回が初めての舞台だと思ってます」
――その、これまでずっと避けてきた舞台に初挑戦しようと思ったのはどうしてですか?
「演出の白井晃さんから指名していただいたことと、マネージャーさんにも『やってほしい』と言われて。自分から『やりたい!やらせてください』って言ったわけではないけど、正直、自分がどうして舞台をやりたくないのかを詳しく言えないし、私がなぜこの作品で出演を決めたのかも分からないです」
早見あかり
――しかも初舞台の作品が、精神世界の迷宮のような混沌とした内容で、演じるのは神様の娘であるアグネス役。スタートとしてはやや難解そうな題材ですよね。
「そうなんですよね。しかも、この素晴らしいキャストの真ん中に私がいるっていうことも未だに疑問で。ただ、基本的に面白いと思うことが好きなので、本番を終えた後とかに、この分かりにくいと言われる題材を一番最初に選んだ自分、やっぱり面白いなと思っていたらいいなと思います。白井さんからは『アグネスって早見さんに似ていると思うんだよね』って言われたんです」
――共通点が見つかりましたか?
「アグネスは何に対しても興味が湧く子で、大人であれば発しない言葉も素直な気持ちで人にぶつけてしまうんですね。普通は言えないことを平気で言っちゃうというか。私も、大人であれば納得できることが納得できない。“なぜなんだ? どうしてこうなるんだ?”って気になるし、気になったことは言葉にしてしまう。興味のあることがどんどん変わっていっちゃうところも似ているなと思います。台本に関しても、異空間の話だから難しいのかなって思っていたけど、場面転換が不思議なだけで、別に難しいことはない会話劇なんだなっていう気づきもありました」
――いよいよ稽古が始まりますが、どんな心境でいますか?
「2月中はちょっと腹を括るのを待ってもらって(笑)、3月に入ったら、もう本当にやるしかないと思っています。これまでもいろんなことにチャレンジしてきていると思うんですけど、この段は高すぎるというか、よじ登らなきゃいけないような感覚でいます」
早見あかり
――女優としての活動を始めて5年になりますが、この舞台も転機になりそうですね。
「これまでも転機って、いくつもあると思うんです。私の場合で言えば、この仕事を始めたこと、ももクロに入って、そして辞めたこと、高校卒業時に大学に行くか行かないかを決めたこと……。全部が転機として話せるくらい、大きな決断を何回もしてきていて。今回は、ずっと避けてきた道を通ってみて、それがどう転ぶかはまだわからないですけど。1年に1回は舞台をやるって決めるかもしれないし、やっぱり映像が好きだって思うかもしれないし、逆に舞台の魅力に取り憑かれて、舞台しかやりたくないって感じるかもしれない。自分がどのパターンに属するのか。正直、舞台に関しては食わず嫌いだったので、終わった後にどんな景色が見えるのか、本当にまだわからないです」
――その大きな決断に対して、早見さんは全て自分の意思を貫き通していますよね。
「寿命は決まっているし、まだまだ先かもしれないけど、いつか死ぬわけじゃないですか。自分の人生だから、誰かの言いなりになりたくないし、自分がやりたくないことを人に『やれ』って言われて生きたくないっていう想いがあるんです。もしも誰かに『やれ』って言われれたことをやって、結果が悪かったとしたら、あの人のせいで私の時間を無駄にしたって思っちゃう。でも、自分で決めたことはうまくいっても行かなくても自分のせいだし、自分のおかげだって思うから、それなら自分で決めたいっていうだけですね」
早見あかり
――全て自分の責任にすることは勇気がいることですよね。ドラマ、映画、舞台、バラエティ、モデルと、活動のフィールドを広げていくことに対してはどう考えていますか?
「私は小さい頃から飽き性で、エアロビとこの仕事しか続いたことがないんです。すごい飽き性だし、絶対に会社とかには属せない、ある意味、社会不適合者なんです。例えば、理不尽な理由で上司に怒られたら、黙って受け止められず“どうして? なんで?”ってなっちゃう。それが世の中だっていうこともわかるけど、言葉に出して言っちゃうと思うんです。このお仕事は、芝居とか役者という括りだと一生やり続けることかもしれないけど、ドラマだったとしたら、だいたい3ヵ月で違う役に変わるじゃないですか。いろんな人になれるから飽きないし、面白いし、この仕事に向いているんだなって思っていて(笑)」
――人生の中で初めて飽きないことを見つけたわけですね。
「そうですね。でも、この5年間でいろんなことがあって。本当にただただ楽しいだけで進んできたわけではないし、辞めたいと思ったこともあったりして。でも、だからこそ、余計に今は、楽しいんですよね。この世界に必要とされなくなった時に、しがみついてまでいたいとは思わないけど、自分が楽しいと思っている限りはやっていたいし、とりあえず今は、この仕事を一生懸命にやって、ご飯を食べていけたらいいなって思っています」
――未来に対する不安もありますか?
「うーん……この世界は限られた人しかお仕事がもらえない、競争社会だと思うんです。同世代にはいい俳優さんがいっぱいいて。そこにちょこっと肩を並べさせてもらってるのはありがたいんですけど、私は闘う気は1ミリもないので、“ちょっと別世界でやらせてもらっていいですか?”って思っています(笑)。“ま、なんとかなるよ”っていう感じでふわふわしていたら生き残れるんじゃないかって思っていますね。もしもダメになった時はダメになった時。普通の女のコに戻った時に、私は何もできないなっていう怖さもあるけど、そうなったら考えればいいやって思っていて。それくらいの気持ちでいた方が私には向いているみたいです」
早見あかり
――最後に、今回の舞台のテーマ「夢」ということで、夢を叶えるために必要不可欠だと思うことを聞かせてください。
「『Deview/デビュー』さんには何回か出させもらっていて、いつも言っているんですけど、これを読んでる皆さんには、本当に誰かの言いなりにはならないでほしいなって思います。自分の思ったことは言うべきだし、自分の夢に向かってまっすぐに進んでほしいです。今の時代、自分のやりたいことを素直にやれる人って少ないと思うんですよ。何か保険をかけることも大事だし、自分よりも長く生きている大人の言う意見は正しいってことも理解できるようになった。前は理解できないこともあって、『この人たち、何言ってるんだろう?』って思ってたたけど(笑)、最近は“大人の人が言ってることは間違いではない”っていうこともわかるんです。そこで、正解を言っている人達を押しのけてまで、自分のやりたいことを貫きたいのか?『やります!』っていうことで自分にもプレッシャーになるし、大人の意見に反発してまでやるんだから、余計に頑張らないといけないけど、それくらいの気持ちで夢を掴みにいってほしいなと思います」
Profile
早見あかり(はやみ・あかり)●1995年3月17日生まれ、東京都出身。スターダストプロモーション所属。『ウレロ☆無限大少女』(テレ東系)出演中。『A-Studio』(TBS系)アシスタントMC。主な出演作に、NHK 連続テレビ小説『マッサン』、映画『百瀬、こっちを向いて。』(主演)、映画『忘れないと誓ったぼくがいた』(村上虹郎とのW主演)など。
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『夢の劇-ドリーム・プレイ-』
【神奈川公演】4月12日(火)〜30日(土)KAAT神奈川劇術劇場<ホール内特設ステージ>
【松本公演】5月4日(水・祝)、5日(木・祝)まつもと市民芸術館 実験劇場
【兵庫公演】5月14日(土)、15日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
『夢の劇-ドリーム・プレイ-』

近代演劇の先駆者ともいわれるヨハン・アウグスト・ストリンドベリが描いた、精神世界の迷宮のような混沌とした“夢”の世界を、白井晃×長塚圭史のタッグにより舞台化。
神インドラの娘アグネスが、雲のてっぺんに立って、眼下の世界=地球を見ている。そこは、月に照らされた陰気な世界。父はアグネスに、地上へ降りて人々の不満や嘆きを見聞きしてこい、と娘を送り出す。
地上に降り立ったアグネスは、恋人を一途に待ち続ける士官、来る日も来る日も劇場の入口に座り続ける楽屋番の女、自分が扱った犯罪・悪行を反映し苦悶に満ちた弁護士など、苦難に満ちた人間たちと出会い、人間の存在の痛みを経験しながら成長していく。
しかし、それらは現実なのか、夢なのか……
そして、ついにアグネスが天空へ戻る時が訪れる。それはまるで、人が“夢”から目覚める合図のようにも見えるのだ。

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