清水くるみ | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「清水くるみ」

2016/02/17

「劇団☆新感線に参加することが目標だったこんなに早く叶って、言葉にできないくらい嬉しかったです」

清水くるみ

3月5日より上演される2016年劇団☆新感線春興行 いのうえ歌舞伎≪黒≫BLACK『乱鶯(みだれうぐいす)』で、念願の劇団☆新感線の舞台に挑む、清水くるみ。ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』以来2度目の舞台出演となる彼女が、稽古真最中の今の想いを語った。


清水くるみ
2016年劇団☆新感線春興行 いのうえ歌舞伎≪黒≫BLACK『乱鶯』で、劇団☆新感線に初参加となりますね。劇団☆新感線にはどんなイメージがありましたか?
「私、舞台作品をちゃんと見たのがこの仕事を始めてからなのですが、初めてみた作品が劇団☆新感線だったんです。2008年の『五右衛門ロック』だったんですけど、すごく衝撃的でしたし、面白くて感動しました。その時、自分にはまだまだ実力がないけど、いつか絶対舞台に立ちたいと思って、その時から目標は“劇団☆新感線に参加すること”でした。だからオファーをいただいた時は、“え、今の私でいいんですか?”という感じで驚いて(笑)。自分の中では、もっと経験を積んで歳をとってから出演させていただくものだと思っていたので、こんなに早く願いが叶ってしまって、言葉にできないくらい嬉しかったです。でも、それ以上に緊張と不安が大きいです。今は稽古中ですが、まだまだ着物の所作ができていませんし、通し稽古もこれからなんです。本物の機材が入って、衣装をつけたらどうなるんだろうと思っていて。でも本番までに、その時代に本当に生きていた人のようになろうと頑張っています」
今、お稽古中ということですが、雰囲気はどうですか?
「すごくアットホームです。皆さん優しいですし、関西弁なので柔らかい感じがします。(演出家の)いのうえ(ひでのり)さんが、『とりあえずやってみて』と言っただけで、最初からもう劇団☆新感線の舞台になっていてすごく面白いんです。劇団員の皆さんはさすがだなと驚かされることばかりです」
いのうえさんの演出はいかがですか?
「舞台に出演させていただくのは、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(2013年)以来、2回目なのですが、『ロミオ&ジュリエット』は、ミュージカルですし、再演だったので、初演のビデオを見て参考にしながら作っていきました。今回は1から自分で作り上げていく感覚なのですが、経験が少ないので、どうしても映像のお芝居みたいになってしまうんです。例えば、映像だったらカメラが抜いてくれるので、セリフは止まって言った方がいいんですけど、舞台はすごく広い空間を活かさないといけないので動いた方がいい。そういうこともやっとわかってきたばかりなのですが、いのうえさんは、実際にやって見せてくださるのですごくわかりやすいです」
演じる“おりつ”は呉服屋の女中さんという役どころですが、どんなふうに演じようと思っていますか?
「女中たちの中でも新入りなので、初々しく居るよう心がけています。でも大東駿介さん演じる勝之助にはズバズバっと何でも言いつつも、彼の真っ直ぐなところにドキッとするみたいな、中学生の恋愛要素を出せたらなと思っています。同じ新感線の舞台で森田剛さん主演の『IZO』では、ヒロインだった当時の戸田恵梨香さんが私と同じ歳なので、DVDを買って研究もしています」

清水くるみ
古田新太さんはじめ、共演の方々の印象を教えてください。
「皆さん、とても優しくて親切です。古田さんはテレビなどで見ていた時は、いつも飲んでいるイメージだし、怖い方だと思っていたんです(笑)。でも、古田さんの娘さんが私と同い年というのもあって、すごく優しくしてくださっています。私はまだ緊張してしまうのですが、すごくフレンドリーに大阪弁で話しかけてくださいます。橋本じゅんさんも記者会見で緊張している私に、『大丈夫だよ〜』って話しかけてくださって。稲森(いずみ)さんも、(高田)聖子さんも親切にいろいろ教えてくださっています。たぶん、私が稽古場で挙動不審なんでしょうね、『大丈夫だから落ち着いてね』という温かい感じで見守ってくださっているのかな(笑)」
劇団☆新感線と言えば、ポスターやパンフレットなどのイメージビジュアルがいつも凝っていますよね。
「そうなんです! イメージビジュアルを見ただけで、何も書いていなくても劇団☆新感線だってわかるのがすごいと思います。私も昔からポスターがすごくカッコイイと思っていて、“いつかここに自分も載りたい”と思っていたんですけど、いざ自分が載ってみると、“これが本当に世の中に流れているのか!”と驚くというか、初めて自分がテレビや映画に出ているのを見た時に、まるでホームビデオを見ているような感覚になったのと同じで、夢のようでした。撮影自体は普通のポスター撮影と同じような感じだったんですけど、出来上がってみたら、モノクロになっているし、凝っているし、他人事みたいな感じで“すごい!”と興奮していました(笑)」
清水さんにとって、舞台の魅力や面白さはどんなところだと思いますか?
「やっぱり舞台は生ものなので、本番はお客様と作っていくものだと思っているんです。『ロミオ&ジュリエット』の時は、ミュージカルだったので音楽に乗せてセリフを言っていたし、シリアスなシーンが多いということもあって、あまりお客さんの反応を含んでという感じではなかったんです。東京と大阪では反応が違うということも当時の共演者の方が言っていたんですけど、それもあまり感じられなかったんです。でも『乱鶯』は、ミュージカルではなく、お芝居が中心の作品なので、きっとお客さんの反応を感じることができると思うんです。それによって臨機応変に芝居を変えていくことが大事になってきますし、そのことで自分も成長できる場だと思っているので楽しみです」

清水くるみ
では観客側の視点で、今回の舞台をオススメするとしたらどんな感じでオススメしますか?
「この仕事をしていない友達や、大学の友達でも劇団☆新感線を知っていて、“『乱鶯』を観たい”と言ってくれるんです。でも、私のインスタグラムを見てくれている中学生・高校生くらいの女のコたちは、あまり知らない世代なんですよね。でも、まさにそういう方たちにこそ、“本当に面白い舞台なんだよ”って言うことを伝えたい。チケットは安くはないけれど、頑張ってお金を貯めて観に来てほしいんです。学生ってお金がなくてバイトしてやっと貯めたお金で旅行に行ったり、娯楽に遣ったりするので、だからこそこのチケット代の価値がすごくわかるんです。でも劇団☆新感線の舞台はその分の価値は絶対あると思います!」
『Deview』読者もまさに同じ世代です。
「私も中学生の時に初めて劇団☆新感線を観たことで、目標もできましたし、『Deview』読者さんのように、こういうお仕事を目指している方は、特に観に来ていただきたいです。私も劇団員の皆さんの足を引っ張らないように一生懸命ついていっている状態なので、自分で言うのも恥ずかしいですが、演劇としても本当に面白いです!」
清水さんのように、この業界で夢を叶えるために必要なことは?
「ありのままでいることがすごく大事だなと思っています。オーディションを受ける時、求められているキャラクターに無理やりなろうとしてしまうことがあると思いますが、オーディションって、その人の素を見たいんだと思うんです。だから、もし落ちてしまっても、人格を否定されているわけではなくて、“今、求めている人じゃなかった”ということなので、1回1回に落ち込まなくても大丈夫です。無理せずにありのままでいったら、いいと思ってくれる人や、必要とされている役柄と合致することがあると思うので、どんどんいろいろなことに挑戦していってほしいです。もう一つは、やりたいことはきちんと口に出すこと。やりたいと思っていても言わないと周囲には伝わらないし、言わなくて叶わなくて後悔するより、絶対言った方がいいと思います。例えば、『女優になりたい』と言ってしまった方が、叶えるためにより努力するし、自分の道を拓くチャンスになるし、そういうことで自分自身も向上していきますよね。劇団☆新感線の舞台も、ずいぶん以前に、いのうえさんにお会いした時『いつか、劇団☆新感線に出たいから頑張ります!』って言っていたんです。そういう真剣な想いは相手にも伝わるから、言った方がいいと思います。この二つのことは今でも自分への教訓でもあります」

インタビュー・終

撮影/高橋依里 取材・文/熊谷真由子

Profile

清水くるみ
しみず・くるみ●1994年7月16日生まれ、愛知県出身。アミューズ所属。2007年に開催されたアミューズ30周年全国オーディションにて、6万5368人の応募の中からグランプリを獲得。主な出演作に、映画『桐島、部活やめるってよ』、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』、ドラマ『She』(フジテレビ系)、映画『orange-オレンジ-』など。

INFORMATION

『乱鶯(みだれうぐいす)』
『乱鶯(みだれうぐいす)』

2016年劇団☆新感線春興行
いのうえ歌舞伎≪黒≫BLACK『乱鶯(みだれうぐいす)』
【東京公演】3月5日(土)〜4月1日(金)新橋演舞場
【大阪公演】4月13日(水)〜30日(土)梅田芸術劇場 メインホール
【北九州公演】5月8日(日)〜16日(月)北九州芸術劇場 大ホール

結成35周年を『五右衛門vs轟天』というひたすら賑やかなお祭り騒ぎで飾った劇団☆新感線が、2016年に放つ一発目は、劇団初の“本格派時代劇”。演出を手掛けるいのうえひでのりにとっても大きなチャレンジとなる今作。脚本は、自らが主宰する「劇団ペンギンプルペイルパイルズ」以外にも、テレビドラマや映画でも脚本を手掛けるなど、活躍の幅を広げている倉持裕。
主演を務めるのは、いのうえ歌舞伎シリーズでの主演は久しぶりとなる劇団の看板役者・古田新太。共演には、いのうえ歌舞伎『蛮幽鬼』(2009年)以来の出演で古田とは初顔合わせとなる稲森いずみ、『港町純情オセロ』(2011年)以来の参加となる大東駿介、劇団☆新感線初参加の清水くるみ、そして、劇団☆新感線の作品に数多く出演している“準劇団員”的存在の山本亨、重みと渋みのある演技で他を圧倒する存在感を放つ大谷亮介が、劇団☆新感線に初参加する。
さらに、劇団☆新感線の劇団員も勢揃いで、江戸庶民を力強く生き生きと演じる。立ち回りあり、サスペンス色もあり、ちょっぴり大人の恋模様もあり、の新境地!江戸の市井の人々の生きざまもリアルに描く、人情味溢れる人間ドラマ。

(C) 2016 いのうえ歌舞伎≪黒≫BLACK『乱鶯』/松竹・ヴィレッヂ・劇団☆新感線

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