中村優一×相馬圭祐 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「中村優一×相馬圭祐」

2017/08/02

「役者という職業は、役を通していろんな人生に触れられることが魅力」

中村優一×相馬圭祐

8月9日より幕を開ける舞台「少年社中・東映プロデュース『モマの火星探検記』」。宇宙飛行士の毛利衛が書いた児童文学を原作に、少年社中の過去作「ハイレゾ」をミックスして2012年に上演された本作が、新たなキャストを迎えて上演される。同舞台に出演する中村優一と相馬圭祐に、本番への意気込みを聞いた。


中村優一×相馬圭祐

中村優一

まずは、少年社中・東映プロデュース『モマの火星探検記』への出演が決まったときのお気持ちを教えて下さい。
中村優一「僕は今年2月の『アマテラス』で少年社中さんの舞台に出演をさせていただいていたので、まさか連続で出演させていただけることになって驚きました。もともと少年社中さんの作品が大好きで、ずっと舞台も観てきていたので、好きな劇団さんの作品に2回連続出させていただけることが、すごく嬉しいし、幸せだなって思っています」
前回の『アマテラス』で、好きな劇団の舞台に実際に出てみていかがでしたか?
中村「楽しかったです。自分が客席から観ていたときと、舞台の上で演じてみても、大好きな少年社中さんの印象は変わらなかったです。毛利(亘宏)さんもそうですし、井俣(太良)さんにしても、劇団員のみなさん優しいですし、気配りがとても細やかで、本当に楽しかった。みなさん個性豊かなお芝居をされる方々ばかりなので、毎日違うことが繰り広げられて、刺激の多い劇団さんだなと思いました」

中村優一×相馬圭祐

相馬圭祐

相馬くんは、休業期間を経て、6月に西田大輔さんが主宰する「ディスグーニー」の公演『SECOND CHILDREN』で復帰されて、今作が復帰後2作目になりますね。
相馬圭祐「公演の順番的には、この舞台が復帰後2作目になるんですが、実は、復帰しようと決意ときに、最初に声をくださったのが毛利さんだったんです。毛利さんから今回のお話を伺ったとき、“毛利さんとまた一緒にできる”という安心感があってホッとしました。本当に信頼できる演出家さんですし、共演のみなさんも過去に共演経験もある方たちも多かったので、とにかく安心感がありました」
その安心感はどこから出て来たのでしょうか。
相馬「単純に“人”ですね。演出の毛利さんとは、以前30-DELUXさんの『ディスティニー』ご一緒させていただきましたし、共演者の鈴木勝吾は『侍戦隊シンケンジャー』でも一緒でしたし、矢崎(広)くんも過去に共演させていただいたときに本当に素敵な役者さんだと感じていましたし。お話をいただいたときは、芝居は久しぶりなので、その部分に関してはあまり考えず、人を見て“安心するな”と思いました」
それぞれ毛利さんとお芝居を作ってきた経験のあるお二人。毛利さんに対してどんな印象を抱いていますか?
中村「常に満足をしていなくて、どんどんいいものにしたい、という想いを抱いている人なんだろうと思います。その中でも、毛利さんのクシャっと笑う笑顔が、僕は大好きです!(笑)」
相馬「僕は6年くらい前にご一緒させていただいて、その後も毛利さんが演出された舞台を拝見したこともあったんですが、久しぶりにしっかりお話をさせていただいたときに、いい意味で変わってないなって思ったんです。一見すると、物静かな方なのかなという印象があるけど、誰よりも強い熱量を秘めているし、どこまでも満足しない、上昇志向やあくなき探究心がすごくある方だなと。きっとその想いが少年社中を大きくしているんだろうし、そこに惹かれて仲間が集まってきて素敵な空間を作っているんだろうなと思いました。毛利さんは、本当に熱い男だなと思います。すごく冷静そうに見えるけど、心の中はとても熱い。見た目とのギャップがある人です」

中村優一×相馬圭祐
その毛利さんのお人柄はカンパニーに出ていると感じられますか?
中村「出ていると思います。井俣さんもそうですし、本当に劇団のみなさん全員が優しいんです。“みんなでいいものを作ろう!”というのをすごく感じる劇団さんなので、それは主宰として一番上に立つ毛利さんのお人柄もあるんだろうなと思いますね」
出演経験がある、中村くんから見た、少年社中さんの稽古場の雰囲気は?
中村「笑いの絶えない稽古場だと思います。ただ、今回は笑いというよりも真面目なストーリーなので、それほど笑い声は出てこないかもしれないですけど、それでもやっぱり、みなさんが絶対に面白い空気を作って下さるので、楽しいと思います。あっという間に稽古が進んでいくような感覚もあります」
では、今回の『モマと火星探検記』で演じる、ご自身の役について教えてください。
中村「今作は、父との約束を果たすために人類初の火星探検に挑む・モマ(矢崎広)と、宇宙で行方不明になった父親にメッセージを送ろうとロケットを作る・ユーリ(生駒里奈)の2つの物語が軸になるんですが、僕は子供の役で、どちらかというと生駒さん演じるユーリのチーム。僕は今年30歳になるんですが、全力で子供を演じようと思っていて、可愛い感じになるといいなと思っています(笑)」
相馬「僕が演じる役は、初演時はあまりフィーチャーされていなかったキャラクターで、そこまで深く描かれていなかった役らしいんです。それをありがたいことに、僕用にあてがきしてくださって。だから、セリフの一つ一つが自分にとっての、“もう一度始めるんだ!”という想いに当てはまるというか。本当に今の自分の気持ちに近いので、僕は等身大で演じていいんじゃないかなと感じています。台本を読んでいてもグッとくるような言葉が多いですね」

中村優一×相馬圭祐
今回の公演で楽しみにしていることは何でしょうか。
中村「僕は、矢崎くんのモマがすごく楽しみです。少年社中の『贋作好色一代男』で矢崎くんのお芝居を見て、“めちゃくちゃカッコいいな”という印象を受けて、その作品を観て感動して泣いてしまったんです。今回も、モマを矢崎くんが演じるということで、勝手に想像しては“最後はヤバいだろうな”とか “これはすごくいい作品になるな”と思っているところです」
相馬「僕は、単純に鈴木勝吾と一緒に仕事ができることが嬉しいですね。ほぼデビューも一緒ですし、『シンケンジャー』で長い時間一緒に過ごしましたし、いろんな期間で様々な話もしていて。『また一緒にやりたいね』というのはよく会話の端々で出て来ていたんですが、それが叶えられることが本当に嬉しい。しかも、このタイミング共演できるというのが単純に楽しみですし、鈴木の稽古場での様子はどういう居方をしているのかなとか楽しみなんです。役柄的にはあまり絡まないんですけど、それはそれでいいかなとも思っていて。とにかく鈴木勝吾とできることが嬉しいです」
初共演となるお二人ですが、お互いの役者としての印象はいかがですか?
相馬「実はさきほど初対面して……」
中村「会ったばっかりなんです。でも僕にとっては『シンケンジャー』のイメージが強いですね」
相馬「僕も、(中村は)『仮面ライダー電王』のイメージです」
中村「これからが楽しみですよね。同じシーンはないんですが、稽古を通して仲良くなっていきたいなって。僕も一度休業して、芸能界への復帰をしているし、復帰仲間ですからね」
相馬「人見知りがすごいので、よろしくお願いします(笑)」
中村「僕も一緒なので、大丈夫です!」

中村優一×相馬圭祐
先ほどのイメージにもあるように、同じ東映の特撮出身という共通点もありますしね。東映作品への思い入れもひとしおではないかと想像しますが。
中村「僕は東映さんがなかったら今の僕はいない。みなさんに注目していただいたのも『仮面ライダー』ですし、復帰作も『仮面ライダー』で、ほかでもいろいろな作品に携わらせていただいているので、ホントに東映さんありきの僕ですよ!」
相馬「僕は『シンケンジャー』を最後のオーディションにしようという覚悟で受けました。受からなかったら、役者を辞めようと思っていましたからね。そういう意味では僕も東映作品には思い入れはすごくあります」

中村優一×相馬圭祐

中村優一

様々な作品を経験されているお二人が思う、舞台作品の魅力とは?
中村「生で最初から最後までやるところかな。映画とかドラマは1日で、物語のすべてを撮るわけではないんですよね。でも、舞台は始まりから終わりまでを見せる。何もない状態のところから最後の場面まで、約2時間程度の時間の中で自分を作り上げなきゃいけない、というところが魅力でもあるし、難しいところでもあるなと、最近やっていて感じますね」
相馬「舞台ってだいたい1ヵ月間の間、時間を使って、役であったり世界観を作れるというのがすごく贅沢だなと思っていて。僕が最初に主演をやらせていただいた舞台で、演出家さんに『圭祐は不器用だから映像は向いてないかもな。でも、だからこそ、1ヵ月ずっと考えて役を作っていく舞台は多分、向いているよ』って言われたんです。確かにそうだなって自分でも感じていて、その言葉をずっと憶えていて。稽古に入ってやっていくうちに“なるほどこの役はこんな風に感じるんだ”という感情の動きを掴んでいける、そんな贅沢な時間を1ヵ月過ごせるから舞台が好きだし、全員が同じ気持ちでいるからこそ、稽古から本番が終わるまで幸せな時間を過ごせるのが魅力だなと常々思っております」
「復帰仲間」というお話も出ました。一度この世界を離れて、再び戻ってきたお二人はよりこの世界の魅力を知っていると思います。役者という仕事の「これがあるからやめられない」と思う、魅力とは?
中村「刺激的だなと思います。役を通していろんな人生に触れられる。それって役者じゃなかったら、なかなかあり得ないことだと思うので、それは、魅力だなと思いますね。僕は5〜6年という少し長いお休みをして復帰したということで、今はがむしゃらにやるしかない、と思ってもいます。欠けている時間をいかに取り戻すかみたいなものを考えながら頑張っています」

中村優一×相馬圭祐

相馬圭祐

相馬くんは?
相馬「全く同じですね。僕も2年半お休みをして。その間、別の仕事もしたりしたんですけど、どこか物足りないなって感じる部分もあったり、やっぱり役者に想いを馳せてしまうんです。役者は、演じる人物を通して自分を知ってもらえるチャンスでもあると思っていて。僕自身は人見知りだし、人と話すのは苦手なんですが、でも自分のことを知ってもらいたいですし、愛してもらいたかったりもする。そういうのを出していい世界でもある。褒められることもあればお叱りもある。でもそれは自分として勝負をするので、楽しくもあり、苦しくもあり、刺激的で。それを忘れられなくて戻ってきたので。だからこそ今は覚悟を持って復帰したっていう感じです」

中村優一×相馬圭祐
そんなお二人が思う「夢を叶えるのに重要なこと」は何だと思われますか?
中村「とにかく諦めないことかなと思います。僕は17歳のときに『デビュー』に載っていたオーディション(誌上オーディション『Push!』)に応募したことがきっかけで。その時に履歴書を送っていなかったら今の僕はないし、『仮面ライダー』もやれてなかったと思う。事務所に入ったときも、正直最初は仕事が全然なかったんですが、“とにかく頑張ろう”と思ってやり続けたら、初めてオーディションでちゃんとした役を得ることができて、それが『仮面ライダー響鬼』だったんです。なので、あの頃“仕事がないから”と諦めなくて良かったと思うんです。前を見て努力を続けることが大事なんだと思いました。休業中も諦めない気持ちを持ち続けていましたけど、正直、復帰後にこんなにたくさんの作品に出演させていただけるなんて、思ってなかったので、本当に今幸せだなと思っていて。だからこそ、俳優として『中村、頑張ってるね』って言ってもらえるように、諦めず毎日頑張っていきたいと思っています」
諦めずに努力を続けることが大事だと。
相馬「僕も“諦めない”という想いはすごく大事だなって思いますね。僕個人としては、一人で考えたり、一人で走ろうと思ったら、多分、夢には届かないんじゃないかなと思うんです。休業する前は、何事も一人で頑張って、言葉にしないことが美徳だと思っていたところもあったんですが、先日、復帰して舞台をやらせていただいたときに、“人に頼っていいんだな”って思ったんです。一人で頑張り過ぎず、時には周囲の人に頼ったり甘たりすることで、背中を押してもらったり、手を引っぱってもらう方が速く走れる。一人で抱えこまない方がいいなということを、改めて感じるようになりました。だから一人で抱え込まないことも大切だと思います」

中村優一×相馬圭祐
では最後に、今作の見どころアピールをお願いします。
中村「『モマの火星探検記』は、何と言っても親子の話なので、家族の絆をすごく感じられると思います。誰しもが親子じゃないですか。それは全員が共通していること。それがこの作品のテーマになっているので、ぜひ大人も子供も観ていただきたいなって。観た後に心に何かしらかのいい影響を与えられるお芝居だと思いますし、夏休み期間に上演するので、ぜひ親子で観に来ていただきたいです」
確かに。夏休み期間ですもんね。
相馬「宇宙を考えるときに、ロマンがあると僕は思うんです。その言葉自体にロマンがあって。“何のために生まれて来たのか”というのも、絶対にみんな考えた事があると思っていて。そのロマンや自分の存在に対する答えを、すごく多種多様に、それぞれのキャラクターや関係性が表現していることから受け取れると思います。多分、観終わった後に、漠然とであっても“こういうことか”と感じると思いますし、ある種の気持ちの良さを感じられるとも思います。『モマの火星探検記』という演目を“銀河劇場”で観られる……というのもオシャレでロマンティックですし、東京だけじゃなくて、大阪でもやれる。素敵な縁を作れる舞台になると思うので、楽しみにしていてもらいたいです」

インタビュー・終
撮影/宮坂浩見 取材・文/えびさわなち

Profile

中村優一
なかむら・ゆういち●1987年10月8日生まれ、神奈川県出身。G-STAR.PRO所属。2005年、ドラマ『ごくせん』第2シリーズ(日テレ系)で俳優デビュー。2007年、『仮面ライダー電王』で桜井侑斗/仮面ライダーゼロノス役を務め、注目を集める。その後、ドラマや映画、舞台、バラエティ等、幅広く活躍。近年の主な出演作は、舞台/『ダンガンロンパ THE STAGE 2016』、『ReLIFE』、『警視庁抜刀課 Vol.1』、『BRAVE10』、映画/『スレイブメン』、『八重子のハミング』など。11月に上演される舞台『HELP MAN!』では主演を務める。30歳の誕生日である10月8日に、月刊「中村優一×小林裕和」を発売。

相馬圭祐
そうま・けいすけ●1986年10月30日生まれ、神奈川県出身。2009年、『侍戦隊シンケンジャー』で 梅盛源太/シンケンゴールドを演じ、注目を集める。その後、ドラマ、映画、舞台等で活躍。主な出演作に、ドラマ/『BAD BOYS J』、『鉄子の育て方』、映画/『ギャルバサラ-戦国時代は圏外です-』、『俺たち賞金稼ぎ団』、『太陽からプランチャ』、舞台/『真田十勇士』、『広島に原爆を落とす日』、『Being at home with Claude 〜クロードと一緒に〜』など。

INFORMATION

少年社中・東映プロデュース『モマの火星探検記』
【東京公演】8月9日(水)〜13日(日)天王洲 銀河劇場
【大阪公演】8月19日(土)、20日(日)サンケイホールブリーゼ

宇宙飛行士の毛利衛氏が書いた児童文学「モマの火星探検記」を原作に、少年社中の過去作品「ハイレゾ」をミックスし、新たな物語として2012年に舞台化した本作を、新キャストを迎えて上演。 宇宙飛行士のモマが、父との約束を果たすために人類初の火星探検に挑む物語と、火星探検に旅立ち、行方不明になってしまった父親にメッセージを送るため、仲間とともに小型ロケットを作り始める少女・ユーリの物語という、宇宙をめぐる2つのストーリーが交差し絡み合い、“宇宙とは何か?”を解き明かしていく。

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