小栗 旬 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「小栗旬」

2016/01/13

「完成した作品を観て、“サブロー、お疲れ様でした!”って、自分でも思えたので、良かったなって」

小栗旬

撮影/宮坂浩見

2014年にフジテレビの“月9枠”で放送され、高視聴率を記録した『信長協奏曲(のぶながコンツェルト)』。戦国時代へとタイムスリップしてしまった高校生・サブローが、織田信長の身代わりとして生きる姿を描いたSF時代劇として話題を呼んだ注目作がいよいよ映画で完結を迎える! ついに描かれる“本能寺の変”。公開直前に主演・小栗旬が想いの丈を語った。
小栗旬
――フジテレビ史上初の“月9枠での時代劇”として、大ヒットしてから約1年。ついに映画『信長協奏曲』が公開ですね。ドラマから映画まで、撮影期間も長かったと思いますが、公開直前の今のお気持ちをお聞かせください。
「包み隠さずに言うと、僕の中でも歴代1、2位を争うくらい、なかなかしんどい現場でした。ドラマの中盤以降くらいからは、前日に出来上がった台本をもらって、セリフを覚えて、翌日撮影、みたいなスケジュールになっていて。なかなかスタッフやキャストとのコミュニケーションが満足にできないまま撮影することもあって、本当にきつかった。でも、ドラマから映画の撮影までみんなでずっと戦ってきて、サブローにとってもすごい長い旅だったと思うんですけど、完成した作品を観たら、“サブロー、お疲れ様でした!”って、自分でも思えたので、良かったなって思いました」
――今作ではドラマと映画と通して、織田信長として生きることになる高校生の主人公・サブローと、信長が扮する明智光秀の二役を演じているわけですが、それぞれ役作りにおいて心がけたことはありますか?
「サブローに関しては、かなりの理想論を言い続けている人物なので、本当にそれを“純粋に信じているんだ”っていうことが見えないと、みんなサブローについていくのもなかなか難しいだろうなと思ったんです。彼は“いつか必ず平和な時代が来る”っていうことを、ああいう状況に置かれているからこそ、信じつづけている。でも、映画の方では、そこに矛盾が生じてきて、どうしても戦わないといけなくなったり、“誰かを傷つけなければ、その理想の未来を手に入れられないんだ”っていうことを知ったサブローが、“戦わなければいけない”ということを選択して、その大きな矛盾とずっと戦っていく姿も描かれている。その中で、一つ一つの戦いで、毎回傷ついていくサブローがいるという、そういう意識の下、作っていこうと思っていました」
小栗旬
――明智光秀に関してはいかがですか?
「光秀に関しては、ドラマのラストで、(藤木直人演じる)竹中半兵衛さんを殺してしまったので、軌道修正をするのが難しかった。原作では、もう少し、サブローと光秀がタイトル通り“協奏曲(コンツェルト)”という意味で、お互いに助け合うという時間を過ごしているからこそ、“そんな光秀がどうして、サブローを裏切らなければいけなくなるんだろう!?”ということを、原作を読んでいる人たちは追いかけてみていると思うんです。でも、僕達がこれまで作ってきた光秀のキャラクターだと、あまりサブローのことを助けていなくて、嫉妬にかられた人物というキャラクターでこれまで来てしまったので、光秀がああいう本能寺のシーンを迎えるためには、どうすればいいんだろう?というのは一番難しいところでした。なので、監督ともいろいろと相談して。人生、生きていたら一回の気の迷いや、太陽みたいな存在に憧れてしまう……みたいな気持ちの揺れみたいなものは理解できる……というようなことを、監督たちと話し合いながら作っていきました」
――映画では二人が対峙する場面もけっこうありましたが、演じ分けというか、切り替え方ってどのようにしていたんですか?
「もともと現代にいたサブローと、光秀は、ぜんぜん違う時代に生きている人たちなので、どっちかに引っ張られるとか、そういう難しさはなかったです。ただ、自分の意識の中ではそんな風に意識しているつもりは全然なかったんですが、サブローを演じている時には、スタッフさんもみんな気楽にしゃべりかけてきてくれるんですけど、光秀を演じているときは、みんなに『本当に話しかけづらい』って言われて。もしかしたら、覆面を被っているっていうものあるかもしれないけど、光秀のときは、誰も近づいてこない感じでした。そういうことで、自分の中で差別化しないとできなかったのかなっていう気がします」
小栗旬 小栗旬
――原作ではまだラストが描かれていないということで、映画版はオリジナルのエンディング。ストーリー面での見どころも非常に大きいですが、小栗さんはシナリオに関してどのようなアイディアを出されたんですか?
「映画では初めてサブローが戦場の前線に立つんですけど、サブローはドラマでは一度も戦っていなかったから、これは何度もプロデューサーや監督と慎重に話し合いました。家臣たちが戦いに行って、みんなが戦っている戦況を聞く……みたいな感じだったので、そうなると、サブローは、何も手を出さないで、ただ理想論を掲げている人になってしまう。ドラマの最後に、(高橋一生演じる)浅井長政の首を初めて自分で斬って、改めて“この戦国という場所で生きなければならない”ということを確認したサブローが、その後の映画の中で、ずっと戦わないというのは、僕がもしお客さんだったら、その人の理想論にはぜんぜんついていける気がしないという話をして。それで、“じゃあ、戦おうか”という話になったんですが、“でも、映画で急に強くなっているのはどうなんだろう”とか、“かといって、戦場に出たときに、いつになっても、戦ってみよう…でも戦えない…みたいな感じなのも観ていてしんどいですよね”って、監督や山田孝之らと、どうしていくのがいいのかって、いろいろと相談しながら撮影していきました。監督が、撮影始まってからも、台本の直しとかをしてくださったので、その当時、自分たちの中で矛盾に感じた部分とか、ちょっとおかしいと思っていた部分は、何とかこういう形に持っていけたんじゃないかなと思います」
――山田さんをはじめ、個性豊かなキャスト陣が出演されていますが、共演者の方々とのコミュニケーションはどのようにとられていたんですか?
「ドラマの撮影のときは、家臣のみんなひっくるめて、(フジテレビの)湾岸スタジオにずっといることが多くて、そこで出来た空気があったし、映画の撮影まで3、4ヵ月空いたけど、それでもそんなに変わらずに、みんなすっと映画の撮影に入ってこれたっていう感じでした。でも、映画の撮影では家臣のみんなとは会う時間が少なくて。日数的にも5日くらいしか一緒にいなかった。今回は、山田孝之さんと一緒にいる時間が多かったし、それも京都での撮影だったので、孝之とはほぼ毎日酒を飲んでいました(笑)」
小栗旬
――柴咲コウさん演じる帰蝶とのシーンは、映画でも健在で、コミカルな場面も切ない場面もすごく見ごたえがありました。
「プラトニックな恋愛ですからね。自分としては、たとえば抱きしめ合うシーンの場合、帰蝶の正面の顔って僕は見られないので、出来上がった作品で初めて観たんですけど、“あ〜、コウちゃん、こんなに良い顔してくれてたんだな”って思って、ありがたいなと思いました。あと、この前、別のプロデューサーの方と話したんですけど、こういうサブローと帰蝶のような関係って、現代でやろうとすると難しいよねって。“なんでキスしないんだ”とか、“もう少し距離近いだろう”とか思う部分を、この時代だから可能にしているっていうことがすごくある。時代として、男と女がそんなに近くなることもなかっただろうし、男の人が戦いに行く際に送り出すとき、”この人はこの後行ってしまったら、もう帰ってこないかもしれない“という状況でも、それをわかった上で“行ってらっしゃい”と言えるって、戦国時代って、ラブストーリーを作るのにはなかなか良いかもね……みたいな話をして、そうなのかなって思いました」
――ちなみに、いきなり突然、小栗さん自身があの時代にタイムスリップしたとしたら、どうしますか?
「3日で死ぬと思います」
――え!? 3日ですか?
「当時の人間からしたら、なかなかの不審者ですし、間違いなく捕らわれて、わけわかんないうちに、“怪しい”って、斬られていると思うんですよね。映画の中では、今の自分たちが生きている中での時代劇の言葉になっているけど、500年前の当時の日本語って、もしかしたら、今の僕等が聞いてもわからない日本語かもしれないし。そこを無理やり抜け出せるほど、知恵を振り絞れる気もしないし、腕っぷしがいいかって言ったら、そんなこともない。必死に逃げようとしてもきっと斬られるでしょ? 従ったとしても斬られる。たぶん、何もしなかったとしても斬られるんじゃないかなって」
小栗旬
――でも、小栗さんは俳優ですし、アクターという特技を活かして、“実は強くて、ほかの国もたくさん治めてる”とか、芝居で乗り切るとか……。
「タイムスリップということに関しては、超現実的なんですよ。しかも、500年前の日本人って、あまりに違う人種だと思うんです。冗談も通じないだろうし(笑)」
――当時の人からすると、きっと小栗さんはかなりの大男ですよね?
「『鬼!』とか言われて追いかけられる可能性もありますよね(笑)。それで石とか投げてくるんですよ。しかも“痛い”とかそういうレベルじゃなくて、骨とかもやられるくらいだと思う。それはやっぱり怖い。マジでヤバそうだと思うし、ハッピーな方向を思い描けないです(笑)。でも、もし可能性があって、その人たちと仲間になれたとしたら、自分もぜんぜん違った生き方をできるようになるかもしれないですね」
Profile
小栗旬(おぐり・しゅん)●1982年12月26日生まれ、東京都出身。トライストーン・エンタテイメント所属。98年にドラマ『GTO』で連続テレビドラマ初出演。以後、ドラマ、映画、舞台等幅広く活躍中。主演映画『ミュージアム』が2016年に公開される。また、2016年4月29日公開予定の映画『テラフォーマーズ』にも出演。
映画『信長協奏曲(のぶながコンツェルト)』
1月23日全国東宝系にてロードショー
映画『信長協奏曲』

映画『信長協奏曲』

映画『信長協奏曲』

「織田信長が、実は現代からタイムスリップした高校生だったら…?」原作は、奇想天外な着想とポップな世界観から話題を呼んだ大ヒットコミック『信長協奏曲(のぶながコンツェルト)』。 主人公の高校生・サブローと織田信長の一人二役に挑む小栗旬を筆頭に、柴咲コウ、向井理、山田孝之ら豪華キャスト陣が集結し、2014年に月9枠で放送されたドラマ版は、幅広い層に支持され高視聴率を記録。そして遂に、“サブロー信長”による、笑って泣ける冒険活劇が劇場版で最終章を迎える。
<story>
安土城の完成と天下統一を目前にしたサブローは、ふと手にした教科書で織田信長は間もなく死ぬ運命にあることを知る。その運命に戸惑い、苦悩するサブローだったが、帰蝶や家臣たちの力強い支えのもと、運命に抗い、この時代で生き抜くことを誓うのだった。そして、愛する帰蝶との結婚式を計画するサブロー。場所は京都・本能寺―。
時を同じくしてサブローの周りでは不穏な企てが水面下で動き出していた。周囲から愛されるサブローに嫉妬心を抱く光秀。積年の恨みを持ち、信長暗殺の機を伺う秀吉。果たしてサブローは織田信長の歴史を変え、彼の望む平和な国を築くことができるのか!? 1582年、本能寺で彼を待ち受けるものとは―!?

(C)石井あゆみ/小学館 (C)2016 フジテレビジョン 小学館 東宝 FNS27社

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