村井良大 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「村井良大」

2018/07/11

「このメンバーでまたやれるということが、とにかく嬉しい また毎日楽しい日々が始まるんだなと感じています」

村井良大

撮影/mika ヘアメイク/舟生美帆 スタイリング/吉田ナオキ 衣装協力/lot holon、wjk

韓国で2006年に誕生して8年ものロングランヒットを飛ばし、ロマンチック・コメディ・ミュージカルのジャンルを確立したミュージカル『キム・ジョンウク探し』。2016年に、村井良大・彩吹真央・駒田一の3人で日本版初演として上演された人気作が、2018年夏に待望のオリジナルキャストによるニューバージョンでの上演が決定。日本版初演に続き、ミニョクとキム・ジョンウクの2役を演じる村井に、初演を振り返っての想い、本作ならではの見どころ、ミュージカルの面白さ・魅力などを語ってもらった。

村井良大

――オリジナルキャストが再集結して、2年ぶりの再演となる『あなたの初恋探します』ですが、初演を振り返ってみて、どんな公演でしたか?

「めちゃくちゃ大変で、めちゃくちゃ楽しかったっていう思い出があります。でも、人間の悪いところでもあると思うんですけど、めちゃくちゃ大変だったっていうのを忘れてしまうんです(笑)。楽しいことだけ覚えている。美化された記憶だけが残って、大変だったことや悪いことって全部忘れてしまうんですが、この作品ではとにかく楽しかったことがたくさんあったんですよね。あと、全部の公演が終わったあとに、風邪をひいて倒れたこともすごく覚えています」

――集中していた糸が一気に切れたような感覚でしょうか?

「そうですね。終わったあとに一気にきました。自分では、やっているときはそこまで気づいていなかったけど、終わったあとに“けっこう根詰めてやっていたんだな”って思いました」

――濃密な時間を過ごした作品の再演、しかも初演メンバーでの上演と聞いたときはどのように感じました?

「このメンバーでまたやれるということが、とにかく嬉しかったです。初演メンバーというのもありますし、また毎日楽しい日々が始まるんだなって感じています」

村井良大

――キャストが3人だけということで、初演のときにはとても密な関係性を築かれたのではないですか?

「まさにそうですね。公演が終わったあとも3人で飲みに行ったりしましたし、(歌唱レッスン初日の)今日もこのあとご飯に行こうという約束をしていて。本当に仲の良いカンパニーだと思います」

――駒田一さんと彩吹真央さん、それぞれ共演されてみて、役者としてどのような印象をお持ちですか?

「一さんは、とても温かい空気を持っている人だなと思います。もちろん厳しい部分もあるけど、それは全部愛情からくるものなんですよね。だから、一さんに言われた言葉とか意外といろいろと覚えていたりして。あと、一さんは、いい意味でふざけることが大好きな人。ちゃんと魂もってやってらっしゃる感じがすごく伝わってくるし、素敵な人だなって思います」

――いい意味でふざけるのが大好きというのは、この作品の中でもすごく活きていますよね。“マルチマン”駒田さんが演じられる22役ものキャラクターが本当に多種多様で思わず笑ってしまうシーンがたくさんありました。一方の彩吹さんに対してはいかがですか?

「ゆみこさんは、すごく優しくて可愛らしい方だなって思います。人を言葉で表現するって難しいですけど、ゆみこさんはすごく頭もいいし、心情が深い人だから優しさに溢れている方だなっていうのをすごく感じました。一緒にお芝居をさせていただいて、いろんな人を尊敬してお仕事をしてきた方なんだろうなというのを感じましたし、ゆみこさんってどんな役者さんとでもうまくできるというか、水みたいな存在の役者さんだなって思ったんです。何にでも合うし、自らも変化するし、味をつけられる。本当に物腰が柔らかくて、温かい役者だなって思います」

村井良大

――村井さんが思う、この作品の魅力とは?

「たった3人であれだけのことをやるっていうのは面白いポイントだと思います。一さんはとにかく着替えが大変でしょうけど、こんなに着替えばっかりの作品ってないと思うんですよね。一さんは何役もやっていて、それぞれキャラクターが全部違うし、一さんがはけて出てくると他の人になっているっていうのも観ていて単純に面白いと思います」

――1つの舞台で22役も演じられるわけですからね。出てくる度に、違ったキャラクターで、たった3人でやっている舞台という感覚がありませんでした。

「今回は舞台上で着替えができないかなって思っていたりしていて。はけて出てくるっていうのは、最初の3,4回目までは効くんですけど、それ以上になってくるとそれが当然になってしまうから、だんだんと効かなくなってしまうんですよね。なので、今回は何か違った手法を試したいなというのはあります。ただ、そうなってくると3人だけではできなくなってくるので、難しいところではあるんですけど……。前に中村勘九郎さんのお芝居を観に行かせていただいた時に、勘九郎さんが一人3役くらいやっていた演目での着替えが、イリュージョンみたいにすごく早くて。舞台上を走ってきて人とぶつかって交差したら違う人になっているとか、早着替えの手法にすごく衝撃を受けたんです。何かそういうものを僕らもやれたらなとは思いますが、あれはそうとう匠にやらないといけないし、練習とかもそうとう必要だろうなと」

村井良大

――今回はニューバージョンでの上演ということで、演出面での変化も楽しみなところではあります。

「(演出の)菅野さんをはじめ、みんなそれぞれ絶対に何かを考えていると思いますし、僕ら3人も2年間という時を経ての再集結なので、新たなことにもチャレンジしていきたいなと思っています」

――村井さんが演じるのは、何をやってもダメダメな男「ミニョク」と、リタの初恋の相手「キム・ジョンウク」の2役。それぞれどんな人物だと捉えていますか?

「ミニョクは、元気で頭もよく働くけど、ちょっとおバカなところがいいなって思います。あと、ちょっと頑固というか、こだわりが強い部分があって、そこをあまり隠さずにいる人間らしいところがミニョクのいいところだなと。一方のジョンウクは、カッコつけている感じが、やっていて面白い。古典に近い感じですけど、カッコイイ人を二枚目に演じるというのが面白いなと思います」

村井良大

――今回は2役ですが、普段、演じ分けや役づくりで特に心がけていることはありますか?

「それはオーディションに受かる云々の話に近いのかなって思うんですが、役作りというのは努力でしかないのかなって思っていて。努力に加えて、50%以上はその人が持っているものだと思うんです。どんなに技術を持っていてもどんなに実力があっても、"この役はこの人しかいない“っていうのがハマる人って必ずいると思っていて。それはだんだんと努力していくことによって、実は役を手繰り寄せられるエネルギーを持っているのかなとも感じています。役がその人を呼び寄せるのか、その人が役を呼び寄せるのかはわからないけど、僕もこの仕事をしていて、この役と運命的に出会ったんだなって感じることはけっこうあるんですよね。今回の作品に関しても、2年前に出会ったときにそう思ったし、2年経って自分的にもいろいろと変化した部分があったからこそ、この役にまた出会って、さらに役者として変わるきっかけにもなるのかなとも思ったりしていて。今回は役に引き寄せられたよりかは、自分が役に近づいていくのかなって思っています」

村井良大

――以前、『RENT』(2015年)の時のインタビューでは、”ミュージカルは畑違いだと思っていた“というお話をされていましたが、その後、この作品もそうですが、様々なミュージカル作品にご出演されています。改めて思う、ミュージカルの楽しさとは?

「歌っていて楽しいっていうのはあります。あと、物語的にすごく重たい作品であっても、ミュージカルだと歌だから、リズムや流れもあるし、そこまで重たく感じないっていうのはあるかなって思います」

――歌を歌うことに関して、最初から“楽しい”という感覚でしたか?

「最初はぜんぜんなかったです。むしろ”なんで歌わせるんだろう“って思っていたくらい(笑)」

――歌が好きになっていったのは、やはりミュージカルを経験したことが大きい?

「そうですね。いろいろな作品に出させていただくようになってから楽しいと感じるようになったというのもそうだし、自分の中で、歌が少しずつレベルアップしていくのを感じるとき、”また新しい表現ができる“っていうのがわかりやすいのかなと思います。お芝居って、レベルアップしていく段階を自分で感じることってすごく難しいんですよね、果たしてこれでいいのか? 悪いのか?とかって、実は自分ではそんなにわからないので。けど、歌には音程とかリズムとか多少の正解があるし、上手くなっていく過程を感じることができるので、それが楽しさにも繋がっているのかなと思います」

村井良大

――村井さんの歌は、歌い方に変な癖みたいなものがなくて、ストレートな感じでセリフがすんなり入ってくるイメージがあります。

「それはけっこう心がけていることですね。ミュージカルなのに、歌で何を言っているかわからないって、観ている側はどう受け取っていいかもわからないじゃないですか。極端なことを言うと、歌がすごく上手くなくても何を言っているのかがわかって、その人が何を思って歌っているのかをきちんと感じることができれば、すごく感動できるんですよ。これって、ストレートの舞台でも一緒で。心がない状態でセリフを言っているのを見ると雑音にしか聞こえないっていうときがあって。だから、何を感じて、何を大切にしてセリフを言うのかってすごく大事だなと。だからこそ、歌でも何を言いたいのか観ている方にきちんと伝えたいというのはあります」

村井良大

――デビューから12年。様々な作品にご出演されていますが、これまでの役者人生を振り返って、特に転機になったなと思うお仕事や出来事は?

「いっぱいあるので難しいですけど……。その中でも大きいのは、中村勘九郎さんとの出会いかな。もちろん、勘九郎さんが背負っているものの大きさも違いますし、やらなきゃいけない使命とか、僕らとはまったくレベルが違うとは思うんですが。それでもあれだけハートフルですごくラフにできるっていうのはすごく衝撃的でした。あの人を超える感動を出す役者さんってなかなかいないなって思います。毎回、公演を観に行かせていただいても、毎回“すごいな、なんなんだろう、あの人は…”ってなる。『真田十勇士』で共演させていただいた時にも、ものすごく刺激を受けました。やっぱりすごい方なんだなと。日本の演劇界においては、レベルが1個違う次元にいるくらい、本当にすごい方だなと思いますし、すごすぎてちょっと引くぐらい(笑)、偉大な方だなと思います」

村井良大

――そして、7月といえば、村井さんが芸能界デビューのきっかけをつかんだ、「夏の特別オーディション」を開催中の季節でもあります。最後に、後輩たちに向けて、応援メッセージをお願いします!

「楽しそうだなって思ったら、この業界に挑戦してみたらいいんじゃないかなって思います。一回体験してみて、違うなって思ったら別の道に進めばいいし、面白いって思ったら極めたらいいし、就職の一つくらいの感覚でやってみたらいいんじゃないかなと。僕自身も、高校生の時に”楽しそうだな“って思ったからやり始めたことで、まさかこんなに続くとは思わなかったので。それとオーディションって、その人の個性が大事だと思うので、落ちた時に”なんで落ちたんだろう”ってくよくよする必要はないのかなと思います。落ちたとしても“自分とは合わなかったんだ、じゃあ、次に行こう”って切り替えることも大切だなと。歌の審査とかダンスの審査とかがぜんぜんダメだったとか、落ちた事に対して明確な理由があるなら、それを努力すればいいと思いますが、落とされたからといって、あなたが否定されたわけではない。落ち込んでいる時間がもったいないと思うので、気にせずどんどんチャレンジしてみてください」

Profile

村井良大(むらい・りょうた)●1988年6月29日生まれ、東京都出身。ウェーブマスター所属。近年の主な出演作は、舞台『いい人チャーリーブラウン』主演、ミュージカル『RENT』主演、『アダムス・ファミリー』、『TENTH』、舞台『99才まで生きたあかんぼう』、映画『TOKYOデシベル』 など。今秋上演の日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』に出演が決定。

Information

ミュージカル『あなたの初恋探します』

【東京】2018年7月21日(土)〜28日(土)オルタナティブシアター
【福岡】2018年8月4日(土)〜5日(日)大野城まどかぴあ 大ホール
【愛知】2018年8月14日(火)〜15日(水)穂の国とよはし芸術劇場PLAT
【大阪】2018年8月18日(土)〜19日(日)サンケイホール ブリーゼ

村井良大

村井良大

村井良大

韓国で2006年に誕生して8年ものロングランヒットを飛ばし、ロマンチック・コメディ・ミュージカルのジャンルを確立したミュージカル「キム・ジョンウク探し」。2010年には映画化され日本でも公開、その後2013年には日本でもKミュージカルとして上演。2016年には、村井良大、彩吹真央、駒田一の3名のキャストで日本版初演として上演し、好評を博しした本作。そしてこの度、満を持して日本版のリニューアルしたニューバージョンとして、初演時のオリジナルキャスト3人がカムバック!!
物語は、何をやってもダメダメな男・ミニョクが始めた「初恋探し株式会社」に、ヒロインのアン・リタが、忘れられない初恋の人“キム・ジョンウク”を探しにやって来るところから始まる。しかし、手掛かりはキム・ジョンウクという名前だけ。果たして初恋の人を無事に探し出すことができるのか…? リタの記憶を頼りに、ミニョクとリタの2人で初恋の人を探し出す過程をロマンチック・コメディ・ミュージカルとして描く。

Present

村井良大 サイン入りポラを1名様にプレゼント!

村井良大

【応募のきまり】
件名:村井良大 サイン入りポラプレゼントと明記し、本文:[名前]、[年齢]、[都道府県]、[インタビューの感想]、[今後インタビューしてほしい人・要望]を記入して、下記メールアドレスに送信して応募。

【応募メールアドレス】
deview-oubo@oricon.jp

【応募締切】
2018年7月25日(水)23時59分まで。

※抽選の上、当選者のみにメールでご連絡いたします。当落のお問い合わせにはお答えできませんので、ご了承ください。
※当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。

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