足立梨花 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「足立梨花」

2017/02/01

「10年あっという間だった。最初は女優はやりたくなかったけど、今はめちゃくちゃ楽しい!」

足立梨花

映画『傷だらけの悪魔』(2月4日公開)で、思いもよらない理由でイジメの標的にされる、主人公の転校生・葛西舞を熱演している足立梨花。衝撃の話題作のみどころはもちろん、『ホリプロタレントスカウトキャラバン』グランプリから10年を迎える彼女に、改めて女優・芝居への想いなどを語ってもらった。


足立梨花
映画拝見させていただきましたが、高校生役、まだいけますね!
「いけないですって!(笑)。いけないけど、今回は大人っぽい一面を持っている女の子の役だったので、ギリセーフかなと。前髪を作ったおかげで幼く見えますけど、もうそろそろダメだろうなって思っています(笑)」
という実年齢ではありつつ、葛西舞役が来たということは、逆にそれだけハマリ感があったとか?
「最初にイジメられる役と聞いたとき、“私は違うんじゃない?”と一瞬思ったんです。みなさんの印象的にも“違うだろう”と思われそうで、不安もありました。観ていて感情移入できなかったらダメだと思うので、イジメられる役もやってみたいと思いましたが、私にはあまり似合わないのかなって」
つまり、梨花さんは強そうに見えるから?
「そういうイメージを持たれがちなので“イジメられてなさそうに見えたらイヤだな』という、心配はありました。でも、原作や台本を読んでいると、舞はただイジメられているだけじゃなくて、強い心や反骨心を持っている子だし、もともと東京で詩乃ちゃんをイジメていたグループにも所属していた子でもあるので。だから、私がキャスティングされたのかなと理解しました」
今まで、イジメについて考えたことはあります?
「なかったと言えばウソになります。何と言うか、今回の映画でも『傍観者も悪い』というのが出てましたけど、私も傍観者だったかもしれない……とは思いましたね」

足立梨花
原作を読んでいかがでしたか?
「読んでいて辛いし、苦しくなるし、すごく重いんですけど、リアルに感じました。今の時代、SNSが普及していて、こういう陰湿なイジメが起きているだろうなと。“これをどう実写化するんだろう?”というところもあって、ある意味楽しみでしたけど、撮影は大変だろうなと思いました」
実際、イジメられる役は演技とはいえキツかった? 
「自分からあえて『撮影期間中は共演のみんなと一切話さない』と宣言しちゃったんです。だから、ずっと1人でいて、寂しい気持ちになったりはしました」
劇中の舞が弁当をプールで1人で食べていたように?
「同じ控え室にいても、女子グループの島と男子グループの島があるところに、足立だけの島を勝手に作って。みんなには完全に背を向けて、窓に向いて1人でごはんを食べていました」
ストイックに役作りをしようとして?
「今回は、現場の空気感が出てしまう映画だと思ったんです。みなさん女優さんだし、俳優さんだから、切り替えはできるでしょうけど、ちょっとした空気が見えそうな気がして。だから、あえてしゃべらず、私自身が“この人、何を考えているんだろう?”という謎の存在になったほうが、よりリアルになるかなと思いました」
なるほど。顔にペンキを塗られたり、頭から墨汁をかけられるシーンもありました。
「イヤな気持ちにもなりましたけど、そこは1回しか撮れないので『一発でキメなきゃ』という緊張感のほうが強かったです。でも、自分で話さないと決めて、演技でもそういうふうにされて、孤独を感じる現場ではあったので、撮影期間中はプライベートが荒れていたっぽいです。自分では気づかなかったんですが、周りの人が見たら怒りやすくなっていたり、すぐイライラして情緒が不安定だったらしくて。知らないうちに追い込まれていて、ため息をつくこともとても多かったと思います。『ハーッ……。疲れた……』みたいな感じで、疲労感がすごかったです」

足立梨花
それだけ役とシンクロしていたんでしょうね。ただ、この映画って単にイジメられていた子が負けずに頑張る話ではなくて。反撃を始めた舞にも、ちょっとイヤな感じがしました。
「まあ、舞ちゃんも同じことをしていると言われれば、そうかもしれません。でも、舞ちゃんは自分も悪いことはわかっているし、『周りの人間も悪いんだ』と気づいてほしいからこそ、他の人たちを使ってやり返したのもあると思います」
男子に健気なことを言ってから、裏でニヤッとするのは、まさに“悪魔”っぷりが出ていて。
「男子に対しては、ヤバイですね(笑)」
思わせぶりに鼻をツンツンとか。
「そういう手も使って。詩乃ちゃんにやられたのと同じように周りを使って追い込むのは、演じるうえでは面白いと思いました。でも、実際にこんなことをされたら、本当にムカつきます(笑)」
元から舞は裏・表がある子でしたよね。転校してきて、先生に対してはすごく良い子っぽい作り笑いをしていたり。
「そうですね。力を持っている人にはイイ顔をしておくというか、そうしたほうが“人生、スムーズに行く”という考え方をする子なので。クラスメイトの前でも作った自分を出して、本心は言わない。でも、詩乃ちゃんやお母さんの前では本音が出る。そんな二面性があって、案外、自分のことも周りのことも客観的に見られる女の子だと思います。そこはしっかり伝わるように演じたいと思いました」
最後にクラスメイトの前で胸の内を爆発させるところは、足立梨花史上でも屈指の名場面になったのではないでしょうか。
「ハハハ(笑)。どうなんだろう? この作品がどう伝わるか決まる一番大事なシーンで、原作もまだそこまで進んでないし、何を伝えたいかと言われると難しいんですけど、観て何かを感じ取れるようにはしたかったんです。“イジメはダメですよ”みたいにしても、何も響かない。観た方が考えて行動できるようなラストにはなったかなとは思います」

足立梨花
そのシーンの撮影前は緊張しました?
「スタッフさんも気を遣ってくださって、私がMAXを出せるような撮り方もしていただいたので、あまりプレッシャーを感じないでやったつもりではあります。完成したものを観て“これで良かったのかな? こういうやり方もあったな”とか考えましたけど、お芝居は正解があるわけではないですし、あのときの自分ができるものは出せたと思います」
叫びながら、自然に湧き上がった感情もありました?
「あのシーンの台詞を言っていたら、何か泣きそうになってしまって。なぜかはわからないんです。感情がすごく溢れちゃって。でも泣くシーンではないし、泣いたら説得力がない。我慢するのに必死でしたね」
「クソだろ、マジで」とか、言葉は台本のまま?
「全部台本通りです。舞ちゃんはちょっと口が悪いんですよね(笑)。私はそんな言葉、使ったことがないので、それをいかにリアルに、舞ちゃんが普通にしゃべっているように見せるかも頑張りました」
そして、今年は梨花さんが2007年のホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを獲ってから、10年になります。
「あっという間でしたね〜」
最初はあまり“女優をやりたい!”という感じではなかったですよね。
「女優は全然やりたくなかったです(笑)。自分でない自分を見られるのが恥ずかしすぎて、“なんでやらなきゃいけないんだろう? 絶対にイヤだ”くらいに思っていました」

足立梨花
それが今では『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』などドラマ出演も続いて、今回の映画は主演です。
「今はお芝居もめちゃくちゃ楽しいです! バラエティもやっていきたいので、どっちが中心とかはなく、どっちもできるようになりたくて。演技もちゃんとできて、バラエティでも面白いと思ってもらえるのが理想です」
最初はイヤだった演技については、どこかの時点でスイッチが入ったんですか?
「本当に“イヤだな”と思っていたら、最初に来た仕事が女優のお仕事だったんです(笑)。『愛流通センター』という映画で、リハのときは大変だなと思っていたんですけど、実際に撮影に入ったら楽しくて。かと言って、そのときは“女優さん一本でやっていこう!”とは全然思わず、ここまでガッツリやるとは想像もしませんでした。ちゃんと考えようと思い始めたのは、初めて連ドラで主演をやらせていただいた『大東京トイボックス』からですね。けっこう最近ですけど(笑)」
3年前のドラマでした。
「要潤さんからシリーズを受け継いでの主演で、要さんの現場での様子を見て素敵だと思っていたから、あそこでガラッと女優としての姿勢が変わりました。もちろんそれまでも真面目に取り組んでいましたけど、演技だけでなく現場の雰囲気とかも考えるようになったのは、あれ以降です」
今は夢が叶っている手応えはあります?
「ありますね。いろいろな仕事をさせていただけるようになって。あとは声優さんやアニメ関係の仕事もいっぱいできるように、頑張っていきたいです」
足立梨花
そういう夢を叶えるために必要だと思うことは何でしょう?
「夢や目標を持つこと自体が大事だなと思います。私は中学生の頃は夢とか全然なくて、どこの高校に行きたいとかもなく、進路どうしようかな?と悩んでいて。そんなときに『ホリプロタレントスカウトキャラバン』を受けて、この世界に入ってから初めて夢ができました。だいぶ人生が変わりましたね。自分で“こうしたい”“こうなりたい”というものを持っていれば、人は絶対それに向かって努力すると思うんです。努力していれば、変わっていくし、ちゃんと真面目に取り組んでいたら、見てくれている人は必ずいます」

インタビュー・終
撮影/mika  取材・文/斉藤貴志 ヘアメイク/杉村理恵子 スタイリング/山本真里江 衣装協力/シャツ/Lois CRAYON、ワンピース/LIFE WITH FLOWERS.、その他/スタイリスト私物 ≪問い合わせ先≫株式会社クレヨン TEL0120-134434

Profile

足立梨花
あだち・りか●1992年10月16日生まれ、長崎県生まれ、三重県育ち。ホリプロ所属。2007年に『第32回ホリプロタレントスカウトキャラバン』でグランプリを受賞。その後、ドラマ・映画・バラエティ・CM等、幅広く活躍中。近年の出演作は、映画『でーれーガールズ』主演、『劇場霊』、ドラマ『水族館ガール』(NHK)、『営業部長 吉良奈津子』(フジ系)、『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(日テレ系)など。

INFORMATION

『傷だらけの悪魔』
『傷だらけの悪魔』
(C)2017 KIZUAKUフィルムパートナーズ

映画『傷だらけの悪魔』
2月4日(土)より角川シネマ新宿ほか全国ロードショー

コミック・ノベルアプリ「comico」にて現在も連載中で、ティーンから圧倒的人気を誇る、澄川ボルボックス原作のコミックが衝撃の実写映画化。
物語の主人公は、親の都合で田舎の高校に転校してきた葛西舞(足立梨花)。ダッサいクラスメイトとどこまでも続く田園風景にうんざりしながらも、そこそこ楽しんでいこうと決めた舞の前に現われたのは、中学時代に同級生だった小田切詩乃(江野沢愛美)。舞は詩乃のことを覚えていないものの、舞のグループから酷いイジメに遭っていた詩乃は復讐を決意。詩乃の策略によってイジメの標的にされた舞のスクールライフは、地獄の日々へと変化していく。でも、いつまでも泣いているわけにはいかない。孤立無援のなか、ついに反撃を開始する舞だったが……。

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