池田純矢×夏川アサ | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「池田純矢×夏川アサ」

2022/10/12

「今回は曲も変わるし、踊りも何もかも変わるっていうのが毎公演起こります」

池田純矢×夏川アサ

―― “即興音楽舞踏劇”という新たな演劇表現につながるんですね。

池田純矢「お芝居もそうだと思うのですが、基本的には即興とリアクションの連続だと思っていて。それをシームレスに、音楽もダンスも感情表現をそのままに、セリフというツールを使うのか、音楽というツールを使うのか、体というツールを使うのかっていうだけの違いではあるのですが、いかに即興的に刹那的に表現できるか。今起こったことは1秒後には二度と来ない。今この瞬間もそうだと思いますけど、それって人間が生きていたら当たり前のことなんですよね。そういう作品を作りたいなと思いましたし、33公演あったとしたら33公演分の1本がある。演劇って、セリフの言い回しとかは変わることはあるとしても、基本的にセリフは変わらないし、音楽もタイミングも変わらないじゃないですか。でも、今回は曲も変わるし、踊りも何もかも変わるっていうのが毎公演起こります。パターンを作るのではく、本当に即興でそれをやるっていうことをすれば、たぶん僕の目指している作りたい演劇に、そして僕が思うアート・芸術作品になるんじゃないかなと」

池田純矢×夏川アサ池田純矢

――その日、その瞬間でしか見られない公演が33公演分あると。どのような舞台になるのか、まったく想像がつかないので、幕が上がるのが本当に楽しみです。

池田純矢「ただ、毎公演違う感じにはなるけど、粗のある即興を見せてしまうとただのお遊戯会になってしまうので、完璧な即興を演じないといけないなとも思っています。完璧な即興というのは、ある意味即興に見えないということなので、“完成された振付に見える”とか、“完成された音楽に聞こえる”、“何が即興だったの?”って思われたら勝ちかなと。2回目観に来ていただいたら、まったく違うものになっていると思います」

――夏川さんはこの作品に対して、どのような印象を抱きましたか?

夏川アサ「初めて台本を読んだときに、人間の核みたいな部分に触れているような作品だなと感じて、“面白かった”“すごくスッキリした”っていうような爽快感とは真逆の、ちょっとドロっとした気持ちになりました。なんとも言えない読後感だったのですが、(中山優馬演じる)主人公のテオというキャラクターの死生観だったり、生きることへの不安だったり、周りから良く見られたくて繕ってしまう姿勢だったりが、自分とすごく似ているなと感じました」

池田純矢「似てるよね〜。でも、僕もテオだから、僕とアサちゃんはきっと似ているんだと思う」

夏川アサ「そうなんですよね。私も池田さんとお話しているときに、私たちって似ているんだろうなって感じることは多々あって。でも、私はその自分が正しいって思ってずっと生きてきたので、疑問に思ったこともなかったんです。ずっとモヤモヤしたものを抱えたまま生きてきて、そこの部分をテオがきれいに言語化してくれているというか、自分に寄り添ってくれているようなセリフがいくつもありました。漠然とした孤独みたいなものを抱えながら生きてきたような気がするけど、この作品の台本を読んだときに、“あ、わかってくれるんだ”というか、すごく寄り添ってもらえるような感覚になりました。受け取り方は十人十色だと思いますが、見てくださるお客様にも、寄り添うきっかけだったり、考えるきっかけになったらいいなと思います」

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Information

エン*ゲキ#06 即興音楽舞踏劇『砂の城』

東京公演:2022年10月15日(土)〜30日(日)紀伊國屋ホール
大阪公演:2022年11月3日(木・祝)〜13日(日)ABC ホール

砂の城

作・演出:池田純矢
出演:中山優馬
岐洲匠 夏川アサ 野島健児 池田純矢 鈴木勝吾
升毅
佐竹真依 高見昌義 永森祐人 真辺美乃理 森澤碧音
ピアノ演奏:ハラヨシヒロ

■ストーリー
「僕らは、間違いを犯した―。」

颯爽と吹き抜ける風が、右に、左に、軋む大木に吊られた亡骸を揺らす。
その瞳は虚無だけを映すようで、しかし生を渇望するようでもある。
それでも"今"は彼を置き去りに、なにもなかったように過ぎていく−。


国土を砂地に覆われた大海の孤島、アミリア―。
街はずれの農地に暮らすテオはこの日、人生の門出に立っていた。
領主・アッタロスの娘で、幼馴染のエウリデュケと念願の婚礼を迎え、晴れてひとつの夫婦となるのだ。 共に育った親友のアデルらも歓声を挙げ、全てが幸福に満ち溢れていた。
時を同じくして、宮廷では国王崩御の報せが舞い踊っていた。
王位継承権を持つ太子・ゲルギオスはこの機を逃すまいと、最高文官である宰相・バルツァと共に邪な策を練る。 しかし、先王の遺言によってこれまで隠匿されていた「王家の血を継ぐ庶子」の存在が公然の事実となる。 玉座を確たるものにせんと、ゲルギオスは秘密裏に謀殺を企てるが…。
そんな折、テオらの暮らす地に王国からの勅令軍が訪れた事で、エウリデュケの従者で奴隷の男・レオニダスこそが、王家の血を継ぐ高貴な者であることが判明する。
この日を境に、交わる事のなかったテオとレオニダスの運命は強く結びつき、次第に幸福だった日常は"砂の城"のように脆く、崩れ堕ちてゆく…。
誰もが迷い、誰もが苦しみ、抗いようのない悲哀と憂いに縛られながらも其々が選んだ道は、果たして正しかったのか、それとも―。

◆公式サイト
https://enxgeki.com/

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