松岡広大 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「松岡広大」

2019/05/14

「11歳のときに“僕はこれしかない”と思って腹をくくりました」

松岡広大

――11歳からこの世界に飛び込んだ松岡さん。幼い頃からお仕事をされてきて、どのタイミングで“自分はこの仕事でやっていくんだ!”という決意をされましたか?

「それは11歳のときです。“僕はこれしかない”と思って腹をくくりました。自分が決めたことだから自分を貫こうと思ったんです。自分で決めたことだから、自分のタイミングで辞められるという可能性もはらんでいるんですけど、ただ僕はそれはやりたくなかった。自分でやるって決めたことだし、“これ1本で行くんだ!”と思わないと必死になれなかったのかなと。自分にプレッシャーを与えて、嘘をつけない状況を作り出したんだろうなと思います」

――芸能界を目指した11歳のときに、その覚悟を決めるってすごいですね。

「結局は、みなさんも自分で選択すると思うのですが、僕はそのタイミングが著しく早かっただけなんだと思うんです。小さいころからダンスをやっていて、途中から上手くなくなってきてもう辞めようかなと思ったけど、これを辞めたら何もできなくなると思い、始めようと思ったのが芝居なんです。あとは自分のことが嫌いな自分を変えたいし、変われることがないかなと思って、芝居をやろうと決意しました」

――デビューからこの10年間、様々なことを経験されてきたと思いますが、特に転機になったなと思うことは?

「一番大きいのは初座長を踏ませてもらった、ライブ・スペクタクル「『NARUTO-ナルト-』で海外公演を経験させていただいたことかなと思います。初演のときにすでに海外公演があって、マカオ、マレーシア、シンガポールの3ヵ国に行かせていただいて。そこで、海外で日本人が日本の作品をやるということに誇りみたいなものが芽生えましたし、シンガポールで大千秋楽終わったあとに、日本ってすごいなと実感して。海外で演じるということに対して、とても大きな意味を感じましたし、視野も大きく広がりました。その後、20歳になってすぐにニューヨークに行ったりして、そこでもいろいろと知れたし、海外に触れるということは、僕にとってとても大きな転機になったなって思います」

松岡広大

――21歳の今日まで、役者としてとても色濃い人生を送られている印象です。

「そうですね。その後も20歳のときに、劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 月で、360度客席が回るIHIステージアラウンド東京のステージに立つことができて。まさかその年齢で劇団☆新感線さんの舞台を経験できるなんて考えてもなかったですし、今回の作品も白井さんの演出作を21歳で経験できるなんて正直思ってなかった。なんか、濃密すぎて味がわからなくなっています(笑)。役者としてとても贅沢な経験をさせていただいているなと感じています」

松岡広大

――さきほど撮影のときに、松岡さんも『デビュー』を読んでくださっていたというお話をしてくださいましたが、そんな先輩から、読者に向けて、“夢を叶えるために大切なこと”とは、どんなことでしょう?

「これは僕もこの考えが慣れないようにという戒めも含めてなのですが、本当にこの仕事って一人では何もできないんです。一人ではできないということは、誰かがいるからこそお仕事ができているということなので、その人たちへの感謝を忘れてはいけないし、甘えるときはとことん甘えていいと思うんです。事務所に所属できたとしてもそこがゴールではない。事務所の人たちと関わって、その人たちへの感謝とか、謙虚さみたいなものも身に着けていかないといけないですし、最初はオーディション受けてもなかなか受からないとか、苦しいこともたくさんあると思います。僕も100回以上オーディション受けてきましたし、ずっと落ち続けていたこともありました。でも、どこかで絶対見てくれている人はいるので、自分を信じてやるしかないんですよね。それと、自分はどういう俳優になりたいのか、そのためにはどんなことをしたらいいのか、例えばこの舞台に出たい、じゃあ、そこの舞台をたくさん観ようとか、いろいろなことを1つ1つ段階を踏んでやることが大事だと思います。やりたいこととやるべきことの見極めも重要なのかなと。やるべきことって正直面倒くさいことだったりして、やりたいことを優先しがちですが、そこを省いてしまってはうまくいかなくなると思っていて。今何をやるべきかを見極めて行動に移すことが大切なのかなと思います」

――では最後に、デビュー読者のような若い世代に向けて、本作のアピールをお願いします。

「本作の題材を聞いて、“難しい作品なんじゃないかな”と思っている人がたくさんいらっしゃると思います。僕も最初はそうでした。でも、訴えたいこと・伝えたいことはとてもシンプルだと僕は思っていて。その表現の仕方みたいなものが演劇的になっているだけで、もともとの根幹はとてもわかりやすいと思います。なので、先入観をもたずに観に来てくださればと思います。兄弟(姉妹)が居る方はもちろん、どの世代の方でもエリザベートとポールの姉弟愛みたいなものをどこかで感じてもらえると思いますし、この作品を通して、“自分はいつ大人になったんだろう”みたいなことを考えるきっかけになれば、とても嬉しいです。ぜひ、劇場にお越しください」

PROFILE

松岡広大(まつおか・こうだい)●1997年8月9日生まれ、東京都出身。2009年、11歳のときにアミューズのオーディションに合格。『ファイブ』(CX)、ドラマ&映画『兄友』、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」主演、劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 月<下弦の月>、浪漫活劇「るろうに剣心」、「Boss&Police〜ガケデカ後藤誠一郎〜」などに出演。2019年秋にはライブ・スペクタクル「『NARUTO-ナルト-』〜暁の調べ〜」(再演)で再び主演を務めるほか、映画『引越し大名!』(8月30日公開)、『いなくなれ、群青』(9月6日公開)が控えている。

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Information

『恐るべき子供たち』
2019年5月18日(土)〜6月2日(日)KAAT神奈川芸術劇場 <大スタジオ>

原作:ジャン・コクトー [コクトー 中条省平・中条志穂:訳「恐るべき子供たち」/光文社古典新訳文庫]
上演台本:ノゾエ征爾
演出:白井晃

出演:南沢奈央、柾木玲弥、松岡広大、馬場ふみか
デシルバ安奈、斉藤悠、内田淳子、真那胡敬二

『恐るべき子供たち』

≪story≫
美しくも残忍で傲慢な姉エリザベート(南沢奈央)と、青白い肌の美しい弟ポール(柾木玲弥)。二人の母は病身でわがまま、父は姿を消している。ある日、ポールの学校で同級生たちが雪合戦をしていると、ポールが憧れるダルジュロス(馬場ふみか)という男子生徒の投げた雪の玉がポールに命中。ポールは雪を赤く染めて倒れてしまう。ポールの友人・ジェラール(松岡広大)はダルジュロスの投げた雪の玉に石が入っていたと主張するが、ポールは投げたダルジュロスをかばう。その怪我が原因で、ポールは学校に通うことが出来なくなり、家で自由気ままな日々を送るようになる。
やがて、病気の母が亡くなり、母の看護をしてきたエリザベートはモデルとして働き始め、そこで知り合ったアガート(馬場ふみか)という娘を時折家に呼ぶようになる。彼女はポールが憧れていたダルジェロスにそっくりだった。密かにアガートに思いを募らせるポールだったが、姉に悟られたくないポールは、あえて彼女を邪険に扱う。やがて、夫に死なれたエリザベートが夫の莫大な遺産を継ぐと、エリザベート、ポール、ジェラール、アガートの4人の奇妙な生活が始まる。

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