――窪塚さんはケンタとの共通点を感じたところはありました？

窪塚愛流「僕はケンタとの共通点はあまりなくて、今パッと思い浮かんだのはフレンドリーなところかなと。転校生が来たとしたら、それが男の子でも女の子でも声を掛けると思います。実際に学校でもすれ違った全然知らない人に気軽に『おはよう』『バイバイ』って声を掛けてしまうタイプなんです（笑）。僕もそういうフレンドリーさはあります。ただあまり女性慣れしていないので、ケンタみたいに女の子の扱いは上手ではないです。そこは演じる上で苦戦したところでもありました」

――それぞれの役を演じるにあたり意識したこと、また監督さんとお話ししたことはありますか？

藤原大祐「弥白は基本的にナチュラルに演じましたが、中身が入れ替わった“ヤシロ”と“カグラ”を演じるために、桜田ひよりさんと共通認識を持って、お互いに擦り合わせるようにしました。なので、入れ替わった後のヤシロ（中身が神楽の弥白）を演じるための研究はものすごくしました」

――中身が神楽の弥白は、女の子らしい言動になるから難しそうだなと思いました。

藤原大祐「弥白は“二番目意識”を持っているし、神楽も変わった女の子なんですよね。だから女の子に振り切ることはできないし、僕が女性的に演じ過ぎても間違った捉えられ方をされるかもしれない。そこが難しいところではありました。なので自分の中でちょうどよい塩梅を探りつつ、女性には女性ならではの力の入れ方や物の持ち方があると思ったので、ひよりさんの動きを見たり、街中を歩く人を観察して研究しました。そうして女性らしい動きを意識した上で、現場ではやりすぎないように“抜く”ことを意識して演じました」

――女性らしさってどんな動きから生まれると思いました？

藤原大祐「僕は指先の動きにこだわってました。適切な表現ではないかもしれないけど、男はガサツで女性はキレイ。もちろん人によって違うけど、それが一番わかりやすい表現になるのかなって思います」

――そんなヤシロの動きを間近で見た感想を教えてください。

窪塚愛流「“スゴイ！”って思いました。中身が神楽になると、ちょっと上目遣いになって表情も仕草も女性っぽくなるんです。でも弥白になるとちゃんと男の子で。ヤシロの時は顔の表情や細かい仕草もすごく女性らしくてビックリしました」

藤原大祐「配信前にハードルを上げないで！（笑）。でもありがとう。観て下さる方はヤシロが出てくるのを楽しみにしていてください！」

――どんな感じになっているか楽しみです。窪塚さんはケンタを演じるにあたり意識したことありますか？

窪塚愛流「僕は台本とずっと向き合って何度も読んで、まずセリフをちゃんと（自分の中に）入れました。そしてセリフの練習をしている時にパッと感じたことを台本に書いたりしました。ケンタはチャラ男なんだけど、まっすぐで弥白想いなんです。だからどのシーンを演じるにも弥白を大切にしていました。“ここは弥白関係ないでしょ”っていうシーンでも、心のどこかで弥白を想って、観ている方には伝わらないかもしれないけど、弥白を想う気持ちは大切にして演じました。あと……僕、キュンキュンシーンを演じるのも初めてだったんです」

――そうなんですね。キュンキュンシーンを演じるのは大変でした？

窪塚愛流「キュンキュンシーンって、実際には練習もできないじゃないですか。クラスの女の子をいきなり壁ドンするのも違うし（笑）。だからいろんなキュンキュンシーンの動画を見て感覚をつかむようにしました」

――現場の窪塚さんからはモテ男子感は出てました？

藤原大祐「撮影期間に入る前にひよりさんと愛流のリハーサルがあり、僕も見ていたんです。愛流が女性をエスコートするシーンや急接近するシーンで、その仕方がわからなかったみたいで。エスコートする時もガイドさんみたいに片手を差し出して“あちらです！”みたいな感じになっていて。それを見て可愛いなって思いました（笑）」