谷内里早 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「谷内里早」

2011/04/28

私は“妹萌え”じゃなくて“ツンデレ萌え”です

谷内里早
魔法が使えなくなった「元魔法少女」はみんなの記憶の中から消えてしまう…。青春ファンタジー映画『魔法少女を忘れない』で、ヒロインの「元魔法少女」みらいを演じる谷内里早ちゃん。難しい設定の役を、せつなく、瑞々しく演じ切った里早ちゃんにインタビュー! 役への想いや、漫画好きの素顔ものぞいちゃいました。



Q この物語の途中で、千花ちゃんがお兄ちゃん(悠也)に対して「昔の自分を忘れている」というシーンがあって、「元魔法少女はみんなに忘れられる」という設定だけれども、現実の世界でも誰かに忘れられてしまえば、その人のなかでは存在がなくなってしまうわけで。

谷内里早

谷内里早

「そうですね、そのシーンはすごく好きです。人の記憶って何がどこでどう印象に残っているか分からないじゃないですか。ある人にとってはすごく大きい人生を変えるエピソードだったとしても、別の人は全然そんなの忘れちゃうようなものだったり。だからこそ一秒一秒、大切にできたらいいなと思いました」

Q せっかく経験した出来事もなかったことになっちゃうみたいな。

「私、結構物忘れが激しいんですよ。だから、そういうのももったいないって思いますね。せっかくここまで来た過程があるのに、ほとんど忘れちゃうんですよ、私(笑)。だから、記憶って大切だなって思います」

Q 女優さんの仕事では、これまでの経験を思い出して演じることもあるでしょう?

「やっぱり、自分が経験したことから手繰り寄せなくちゃいけないから大変でしたね。本当に特別な役だったから、どこで自分の経験を使えるんだろうって、悩みました。忘れられちゃうっていう感覚も、結構難しかったですね。誰か大切な人を失ったことがまだないので……想像でしたね」

Q クライマックスはいろいろな解釈ができる感じだよね。

「あれは幻だったのか、本当に魔法を使ったのか、みたいな。自分でもいろいろ考えちゃって。一番ラストのシーンだって、映画を観た人に感想を聞いたら、あーっそういう見方もあるのかと思って。どう捉えてもいいんじゃないかなと私は思います」

Q こういうファンタジックな物語は、漫画好きの里早ちゃんとしては入りやすい?

谷内里早

(C)しなな泰之/集英社・『魔法少女を忘れない』パートナーズ

「そうですね、原作もすごく面白くて。でも原作と映画は少し違っていたので、それはそれで台本に近く演じられればいいかなと思って、あまり原作のほうは気にしませんでした。でも原作を読むと、結構裏設定がわかるんですよ。前田亜季さんが演じる先生が、実は元魔法少女だったんじゃないかとか。原作では先生が魔法少女を見張る監視役なんですよ。そうやって見比べるのも面白いですよ」

Q いわゆる“妹萌え”みたいな雰囲気も漂っていたりして。

「初めてお話をいただいたときに、私に“妹萌え”っていうか、“萌え”の要素がないからどうしようと思って(笑)。私、見るのは好きなんですよ、“妹系”とか結構漫画が大好きなので、そういうのいっぱい見てきたんですけど、自分にまさかこんな“妹系”の役が来るとは!って思いましたね(笑)」

Q 里早ちゃん的には“何萌え”が好き?(笑)

「ツンデレが好きです。めっちゃかわいいです、ツンデレ」

Q すぅちゃん(森田涼花)が演じた千花に比較的「ツンデレ的」要素があったね?

「あ、そうですね! 最初原作の絵を見たときに、みらいは目がクリックリしてて、私はどっちかっていうとツリ目なんで、千花ちゃんのほうなんじゃないかなと思って、何回も確認しました。“私、こっち(千花)じゃないですか?”って。“こっち(みらい)のほうがすぅちゃんじゃないですか?”って(笑)」

谷内里早

(C)しなな泰之/集英社・『魔法少女を忘れない』パートナーズ

Q これまで魔法少女モノで自分がハマッたものってある?

「私の時代は、『おジャ魔女どれみ』ですね。でも観たことは何回もあるんですけど、実際はあんまり。私、どっちかっていうと、戦隊モノのほうが好きで、こうやるのが好きだったんですよ(戦隊の決めポーズ)。男のコと混じって、ごっこ遊びをするのが好きだったんで、おままごととかも全然しなかったんですよね(笑)」

Q 確かに読んでる漫画のジャンルも広くて、少年漫画も多いよね。そういえば、映画のお兄ちゃんの部屋に『ジョジョの奇妙な冒険』が全巻ずらっと並んでて。

「はい!ありました!! それは原作にも書いてあるんですよ、『ジョジョ』が。みらいは『ジョジョ』の漫画が大好きで、へえーと思って、借りて読みました、はい(笑)。3巻まで読みましたね。実際はすごく長いのでビックリして。でも聞くところによると4巻まで読むと止まらないっていうんですけど、私、まだ3巻までしか読んでなくて(笑)。この先を読むか悩み中です。でも、面白かったです!」

Q 今後自分が演じてみたい漫画とか、実写化してほしい漫画は?

谷内里早

(C)しなな泰之/集英社・『魔法少女を忘れない』パートナーズ

「『冷たい校舎の時は止まる』(原作/辻村深月 作画/新川直司)っていう漫画があって、それを実写化したら面白いと思います。実写に向いていると思うので、ぜひ!やってほしいです。学園ミステリーなんですけど、始業式に学校に行ったら、みんな学校から出られなくなっちゃって、窓も割れないんですよ。実はその学校でかつて自殺した子がいて、その子を思い出すまでは出られないんです。で、自殺したその子からヒントが来るんですけど、みんななぜか思い出せない。そんな衝撃的なことがあったのに、なんで思い出せないんだろうって考えるんですけど、10人ぐらいいる登場人物がひとりひとり消えて行っちゃうんですよ。その生徒それぞれの思い出もフラッシュバックされていって、だんだん秘密が明かされていくんです…」

Q 今、里早ちゃんの語りを聞いただけでもう面白いね!

「本当に面白いんですよ! これも『魔法少女を忘れない』みたいに結構“記憶系”ですね」

Q 里早ちゃんのデビューのきっかけは?

「知り合いの方の紹介で、映画『火垂るの墓』に出演しました。その後、映画の公開前にピチレモンの専属モデルが決まりました」

Q その前から女優になりたいという気持ちはあった?

「人前に出るのが苦手だったんですけど、演技にはすごく興味があって。でも自分はとても自虐的でネガティブなので、どうせ無理だろうって思ってたんです。だからチャンスをもらったときは、わぁっと思って、考えるより先に“やりたい!”って出たので、自分でも驚きました」

谷内里早

(C)しなな泰之/集英社・『魔法少女を忘れない』パートナーズ

Q ちなみにお父さんがブレイクしたドラマ『噂の刑事トミーとマツ』は観ました?

「あれ、面白いですね! DVDで観ました」

Q どういう感じなんですか? 娘として自分のお父さんの若い頃って。

「なんか、お父さんって感覚じゃないです。若すぎて(笑)。国広富之という若手俳優ですね。あのドラマ、ワンパターンなのに、毎回すごく面白いですよね!」

Q (笑)。では最後に読者にメッセージをお願いします。

「『魔法少女を忘れない』は、青春ものだけどファンタジーだったり、でも本当に現実として考えることがいっぱいつまった作品だと思うんです。記憶は人の中で、どう動いていくものなのかってわからないので、本当に今を一秒一秒を大切にしてほしいです。若いときには気付かないことだけど、歳を重ねてしまうと、その時代はもう取り戻せないので。この映画で青春を一緒に体感してもらえたらいいなって思います」

インタビュー・終



たにうちりさ●1993年12月11日、東京都出身。俳優・国広富之の次女。08年よりファッション誌『ピチレモン』の専属モデルとして活躍。同年映画『火垂るの墓』本城昭子役で映画デビュー。映画では『好夏zerφ3 パンプキンレクイエム』(主演)、『少女戦士伝シオン』(主演)、ドラマでは『チャレンジド』(NHK)などに出演。NHK『すイエんサー』のレギュラーメンバーとしても出演中。映画『魔法少女を忘れない』は4月23日より、池袋テアトルダイヤ他にて全国ロードショー。


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