土屋太鳳 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「土屋太鳳」

2017/06/21

「こういうタイプの少女マンガを読む機会がなかったので、“え、そこまで描くの!?”って、ドキドキしました」

土屋太鳳

撮影/加藤千絵(CAPS)

告白12連敗中の非モテ女子高生・橘せとかに、突然モテ期が訪れ“兄系イケメンズ”たちがラブバトルを繰り広げる人気コミックを実写化した『兄に愛されすぎて困ってます』。4月に放送された連続ドラマに続き、いよいよ映画版が6月30日より公開される。本作で主人公・せとかを演じた土屋太鳳に、本作への想い、役作りで苦労した点などを語ってもらった。オススメの胸キュンシーンとは!?
土屋太鳳
――兄系のイケメンたちが、せとかを巡ってラブバトルを繰り広げる人気コミックが原作ですが、台本や原作を読んでどんなところに魅力を感じましたか?
「コメディタッチでもあり、でも、本当に純粋な愛情を描いている作品だなと思いました。私はなかなかこういったタイプの少女マンガを読む機会が少なかったので、“今はこういうマンガが流行っているのか”と。“え、そこまで描くの!?”っていうシーンもけっこうあり、ドキドキしました」
――それぞれのキャラクターに対しては?
「お兄、高嶺さん、千秋さん、国光……一人一人すごく幸せな人生を過ごしていて、たくさんモテるんだろうなって思うんです。でも、それぞれがちゃんと弱さも持っているんです。たとえば、千葉(雄大)さんが演じた高嶺は、意外と本当の愛情を知らなかったり、草川(拓弥)くんが演じた千秋も『恋は女の子を落とすゲームだ』って言っていたり、みんな少しどこか愛情が欠けているんです。強い部分だけではなくて、弱い部分も持っているところが、すごくいいなと思いましたし、キュンとしました」
――主人公のせとかの役作りで苦労した点は?
「せとかちゃんは、私とは外見も中身も本当に真逆でしたので、こんなに可愛らしい子を自分が演じるというのは、失礼になってしまうのではないかなと、不安がありました」
土屋太鳳
――自分とは真逆だなと感じながらも、共感するポイントはありましたか?
「共通している点といえば、自分のことを自分でちゃんとわかってないところと、本物とは何か?というのを探しているところかなと思います。私も“自分ってなんだろう?”と思ったりしている部分があるので。せとかちゃんは告白12連敗しているんですが、それは“だた好きだから告白する”という軽さではなくて、誰か自分のことを受け止めて欲しいと思っていて、幸せなんだけど、何かが足りないなっていう不安みたいなものを本能的に感じていて。それがせとかちゃんと私に共通している部分かなと感じたので、そういう部分はしっかり想いを込めて演じようと思いました」
――たくさんの胸キュンシーンがありますが、ご自身でキュンキュンするシーンは?
「演じているときは、とにかく必死なので、キュンキュンする場面とか自分ではぜんぜんわからなくて。でも、一番キュンとしてほしいなと思うのは、終盤のシーンです。せとかとお兄が自分の気持ちに向き合うシーンなんですが、兄妹としてではなく、一人の男性として、一人の女性としてしっかり向き合った姿が描かれているので、キュンキュンしていただきたいです。そのシーンは、せとかちゃんとお兄の過去と今、そして未来をしっかり願って演じたので、伝わればいいなと思います」
――片寄涼太さんが演じるお兄とのシーンでは、普通の兄妹の接し方ではないお兄の態度に対して、少し戸惑うせとかの演技も印象的でした。
「お兄ちゃんなんだけど、何か違和感を感じているっていうのは、気持ちではザワザワ程度で。実はせとかちゃんは本能的には、血が繋がってないって、気づいているのではないかなと。でも、実際は兄妹として接しているわけで、そういう部分では難しかったです。それがきっと、せとかちゃんの不安の正体なのかなと思いました。告白で12連敗するというのは、何か不安があって、人に依存してしまうのかなとも考えました。本当の兄妹じゃないとわかったシーンで、お兄に対して『答えてよ!お兄!!』と言う場面があって、『赤の他人』というセリフが、何回やっても出てこなくなってしまうときがありました。覚えはいるのに、“あれ、なんだっけ?”となってしまって。妹としてはその事実を受け止められない……でも、一人の女性としては、やっと知ることができた!という気持ちが入り混じって、とても難しいシーンでした」
土屋太鳳
――そんなお兄を演じた片寄さんとは初共演でしたが、どんな方でしたか?
「片寄さんは、アーティストとして、ボーカルとしてずっと活躍されていて。周りから求められている自分と、自分が周りに表現したいものが、ちゃんとバランスが取れている方だなという印象です。それは千葉さんも一緒。本当にすごくストイックで、周りに気を遣ってくださる方です。片寄さんは、撮影初日にお扇子で風を送って涼しくしていただいたり、日傘を差していただいたり、お兄としてすごく歩み寄ってくださったんです。だからこそ、私も現場でしっかりと妹として居られたなと思いますし、お兄が片寄さんで良かったなって思いました」
――先日の舞台挨拶とかを拝見していても、きっと現場の雰囲気も良かったんだろうなというのが伝わってきました。
「同世代が多い現場だったので、みんなで爆笑したり、変な写真を撮り合ったりなど、とてもコミュニケーションが多い現場でした」
――片寄さんは、土屋さんのことを『天然が入っている』とおっしゃっていましたが。片寄さん自身も天然だから、そういう部分が似ているかもと。
「天然というか、私はただ理解するスピードと、考えるスピードが遅いだけかなって思うんですけど……。自分では自覚はないです。だって、天然って、聞こえはいいですけど、ちょっと抜けているってことじゃないですか(笑)」
――初恋の相手・高嶺役の千葉さんとは何度か共演されていますよね?
「千葉さんと初めて共演させていただいた作品が、お互い今回の作品とは真逆の役柄で。千葉さんはハニー先輩という本当にハイテンションな役で、私が演じた役はドSなキャラだったので、今回、そのときとは真逆な役柄で共演するという面白さもありました」
土屋太鳳
――『桜蘭高校ホスト部』ですね。
「そうです。千葉さんは、台本の流れをしっかりと読まれている方で、今回、最後のほうのシーンで、初めて共演させていただいたときに、私が千葉さんにやった“ほっぺをつねる”という芝居を入れてくださったんです。しかもサプライズで。そういう過去の作品で出会ったこととかも、しっかりと今に繋げてくださっていて、本当に男らしい方だなと思いました」
――お風呂場でお兄の髪の毛を洗うシーンとか、すごく楽しそうな雰囲気が伝わってきましたが、思わず素が出たシーンとかありましたか?
「お肉食べているところは、気がついたら本気で食べていて、そこは素が出てしまいました(笑)。あと、お兄と花火で遊んでいたところもそのままかも。お風呂でお兄の髪の毛を洗ってあげるシーンは、とにかく、お兄の目にシャンプーが入らないようにと注意してやっていました。でも、弟の髪の毛とか洗ってあげたりしていたことがあったので、懐かしかったかもしれないです」
――男の兄弟に対してはどんな想いがありますか? 土屋さんには弟さんがいらっしゃいますよね。
「弟とは1歳しか違わないんですけど、今もすごく可愛くて大好きなんです。小さい頃の1歳って、できることが全然違うじゃないですか。だから、弟の面倒をよく見ていて、その延長で、今もずっと“可愛い、可愛い”ってなっています(笑)」
――たくさんのイケメンが登場しますが、土屋さんのが好きなタイプは?
「本当に迷うんです、みんなそれぞれ良さがあるので。逃げるわけではないんですが、それぞれにちゃんと強さと弱さを持っていて、本当に素敵だなって思うんです。でも、やっぱり小さい頃から同じ女性を思い続けているお兄が良いです。そういう人に会ってみたいです」
土屋太鳳
――理想のお兄ちゃん像はありますか?
「私の弟みたいなお兄ちゃんがいいです。弟はすごくしっかりしていて、考えたことは絶対実行に移すし、可愛らしさもあって、ギャクセンスも高いので、面白いんです」
――今作ではせとかにモテ期が到来しますが、土屋さんの一番のモテ期は?
「まだ来てないです!!(笑)。自分にはモテ期あるのかなって思ったりもしますけど。でも、一番は、本当に自分の大切な人と出会えたらいいなって思います」
――兄系と弟系だったら、どっちが理想ですか?
「私自身、考える時間が必要で、理解する時間も必要なタイプの人間なので、そんな中でもお互いのことをしっかりとコミュニケーションとって、理解し合える方であれば、年上・年下は関係ないかなって思います」
――“兄こま”をはじめ、少女マンガ原作の作品のオファーも多く、高校生役も続いています。そのことについては、ご自身でどのように感じていますか?
「なんで恋愛初心者の私が、こんなにたくさんの恋愛映画をやらせていただけるんだろうって、すごく考えます。でも、何か役割があるんだろうなと。私が制服を着て、キラキラした恋愛映画をやらせていただくというのは、“何か人に伝える役目、宿命みたいなものがある”と思ってやるようにしています。いつまで制服を着られるのかな?というのはもちろん考えます。でも、高校を卒業してからも高校生役をやれるというのは、いろんな役を演じるという上で、女優だからできることだと思っているので、求められたものをきちんとやりたいなと思っています」
――自分の役割というのを意識してやっているということですね。
「少女マンガ原作の世界を求められているのであれば、全力でやりたい。私もきちんとした意味を持ってその役とちゃんと向き合いたいですし、“少女マンガ原作”であっても、一つの作品として考えたら同じなので、きちんと向き合って、伝えて生きたいなと思います」
――映画のタイトルにかけて、“最近コレに困ってます”っていうものは何かありますか?
「最近は……スーパーが好きすぎて困ってます! 買い物をするときもあれば、見ているだけのときもあるんですけど、本当にいろんなものが売っていて。たとえば、ここのスーパーだとコレが高いけど、こっちのスーパーは安くてしかもいい品が置いてあるなど、いろいろ見るのが楽しいんです」
土屋太鳳
――土屋さんは10歳のときに受けたオーディションがきっかけで、芸能界デビューを果たされていますが、“この世界でやっていくんだ”と決心した瞬間はいつごろでしたか?
「1年前、エランドール賞(2016年エランドール賞 新人賞)をいただいたときです」
――ごく最近の出来事ですね。
「ちょうど、“このお仕事は続けていきたいけど、続けていけるのかな?”という風に思っていた時期で。お仕事がまだ少なかったときは、仕事への想いが届かないことの悔しさや不安があったんですけど、お仕事をいただけるようになって、たくさんの役柄を演じさせていただくようになって、自分の出来なさをすごく痛感するようになったんです。それを埋めていきたいから、必死に努力はするけど一方通行状態で。こんな状態で続けられるのかなと、いろいろと考えてしまったんです」
――エランドール賞を受賞したことで、どんな変化があったんですか?
「エランドール賞の授賞式で、私が演じてきた、いろんな作品の動画が流れたんです。それを観たときに、“あ、そんなことを思っているなんて失礼だなと思って。この作品にたくさんの愛情をかけて、いろんな方が参加して、それがあるからこそ、今こうして自分がエランドール賞をいただけているんだと改めて感じたんです。それまではずっと『女優さん』と言っていたんですが、そのときは『役者でも表現者でもなく、女優として生きようと思います』と話をして。なんでかわからないですけど、『さん』を取ることで、本気で覚悟を決めようという感じだったんだと思います」
土屋太鳳
――改めて、女優の面白さ、魅力をどんな点で感じていますか?
「今の時点での私では、楽しさよりも難しさのほうが感じることが多いです。お芝居のためにプライベートを削ろうとすると自分の引き出しが少なくなっていって、プライベートを充実させようとするとお仕事が50%になってしまいがちで……。1日50時間くらい欲しい!と思うくらいです。でも、大変だったとしても、今は観てくださった方が『楽しかったよ』とか、『感動した』と言ってくれる、その声が一番嬉しいですし、やりがいを感じています」
――では、最後に芸能界を目指している『Deview』読者に応援メッセージをお願いします。
「私が今まで出会ってきた夢を叶えられている方の中で、努力をしていない人っていないなって思います。どんなに運が強そうな方でも、どんなにスタイルが良い方でも、どこかでものすごく努力をされているんですよね。だからこそ覚悟が必要だと思います。全力で努力している人たちが集まっているのがこの世界なので。でも、頑張った分、たくさんの方に観ていただけるし、声をかけていただけたりするので、そういう部分が魅力なのではないかと思います。一つ一つの小さな夢を積み重ねて、大きい夢に辿りついて欲しいなと思います」
Profile
土屋太鳳(つちや・たお)●1995年2月3日生まれ、東京都出身。ソニー・ミュージックアーティスツ所属。近年の主な出演作は、映画/『orange』、『青空エール』、『金メダル男』、『PとJK』、ドラマ/『下町ロケット』(TBS)、『カッコウの卵は誰のもの』(WOWOW)、『お迎えデス。』(日本テレビ)、『IQ246〜華麗なる事件簿〜』(TBS)、『兄に愛されすぎて困ってます』(日本テレビ)など。今後、映画『フェレシーと夢のトウシューズ』(8月12日公開)日本語吹き替え、主演映画『トリガール!』(9月1日公開)、主演映画『8年越しの花嫁』(2017年冬公開)、主演映画『となりの怪物くん』(2018年公開)が控える。
映画『兄に愛されすぎて困ってます』
6月30日(金)全国ロードショー
兄に愛されすぎて困ってます
兄に愛されすぎて困ってます
©2017「兄こま」製作委員会
©夜神里奈/小学館
『Sho-Comi』(小学館)連載中の夜神里奈による人気コミックを実写映画化。
高校2年生のせとか(土屋太鳳)は、初恋から現在まで告白12連敗中。そんなせとかの前にいろんなタイプのイケメンが現れた。1人は他校の先パイ・美丘千秋(草川拓弥)。女子全員をお姫様扱いしてくれるホスト系スウィートBOY。もう1人は大学病院院長の息子で研修医、せとかの初恋相手でもある芹川高嶺(千葉雄大)。セレブ系でののしりタイプだけど大人の色気にドキドキがとまらない。せとかは、高嶺の弟で幼なじみの国光(杉野遥亮)や千秋の妹・千雪(大野いと)も巻き込んで、突然のモテ期到来に大パニック。
そこになんと血の繋がらないツンデレお兄・はるか(片寄涼太)も参戦してきて――!?
兄系イケメンズ・フェスティバル、ついに開幕!
王子様みたいな彼と天然系な親友、そして、ずっと憧れていた初恋の人といつも一番近くで見守ってくれる兄。
せとかが、本当に好きな人は一体誰──!?


公式サイト: http://anikoma-movie.jp/
ソニー・ミュージックアーティスツ全国オーディション
SMAティーンズオーディション2017 みかんせいじん大募集!!!
みかんせいじん
西野カナ、二階堂ふみ、土屋太鳳、成田凌ら、アクター、モデル、タレント、シンガー、など、多彩な所属者を擁するソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)が、今夏全国の10代(22歳まで)に会いに行く「ティーンズオーディション2017」を開催!!

タイトルに“みかんせいじん大募集!!!”とあるとおり、現在の完成度や経験値、実力は一切不問。「絶対デビューしたい」という本気のチャレンジはもちろん、「ちょっと興味ある」ぐらいの気持ちで参加してもOK。7月下旬から8月の夏休み期間に、全国主要都市で二次審査が行なわれるので、腕試しのつもりで参加してみよう。

オーディション受付は終了しました
SMA ソニー・ミュージックアーティスツ
アニメ大好きオーディション Anistoteles vol.6
Anistoteles
アニメが好きであれば誰でも応募可能(年齢、性別、国籍不問)のオーディション「アニストテレス」が今年も募集を開始。アニメ大好き! アニソン大好き! 声優になりたい! 声優アーティストになりたい! アニメ作品に関わりたい!という人を募集。

「アニメが好き」という気持ちを持って臨めば、審査のなかで、よき仲間も出来るのがこのオーディションの特徴。アニメ作品にとにかく関わりたいという人はチャレンジを!!

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