茂木忍(AKB48) | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「茂木忍(AKB48)」

2016/01/27

「止まらない1年にしたい。ここで頑張ったらきっと何かに繋がると信じているので」

茂木 忍

国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』とAKB48グループによるコラボ企画『AKB ShortShorts』のひとつとして製作された短編オムニバス映画『9つの窓』。その一本『赤い糸』の主演女優に抜擢されたAKB48チームKの茂木忍ちゃん。AKB48に入る以前からデビューの熱心な読者だった“もぎちゃん”は、昨年『ヤングマガジン』のグラビア企画で1位を獲得し、総選挙では57位にランクイン。さらに男装ではメンバーからもモテモテと、注目度急上昇中のメンバー。そんなもぎちゃんに、初主演映画の話、意識の変化、そして2016年に向けての意気込みを聞きました。


今回映画の話を聞いたときの率直な感想は?
「“え!? なんで私なんだろう?”って思いました。私、本当に演技が苦手で、演技経験もコントぐらいしかないのに、いきなり映画って…。何かの手違いかなって本気で思って。“本当ですか?”って聞いたら、“そういうお話をいただいたんだよ”って。それからずっと、すごく緊張していました。話を聞いてから撮影に入るまであまり時間がなかったし、状況が飲み込めないまま、ギリギリまでドッキリじゃないかって思っていました(笑)」
しかも主演女優ですよ。
「演技も初で、ましてコントですら主演をやったこともないのに…。でも私だけのカットを撮っていただけたりしているのが、すごくありがたくて、嬉しいことだなって思いました。その分“私、本当に演技ヘタだな”ってまざまざと感じて。これからはもっと自信を持って演じられるように、演技力も磨きたいなと思いました」
『AKBINGO!』の妄想ドラマなどでの男装だと、役に入りきっていて演技センスがあるなと思うんですけど。
「男装はみんながキャーキャー言ってくれるから、理想の男の子になりきろうって考えるので、演技とは感覚が全然違います。男装はやっていることも格好も思い切り男の子だからなりきれちゃうんですけど、今回の映画の役は自分と近い世代の女の子だと考えると、本来の自分との違いというか…自分には無かった“青春感”に戸惑いました(笑)」
“青春感”(笑)。それは自分の高校時代と比べて?
「う〜ん、高校時代はすでにAKB48のメンバーだったから、恋愛とも無関係。この映画は“ザ・恋愛”っていう感じではないんですけど、トキメキ要素があるから、ああこういうトキメキもそういえばなかったなぁって思って、切なくなりました(笑)。映画の中だけででも感じることができて良かったです」
演じた「藤田あずさ」という女の子との共通点はありますか?
「教室で寝ているシーンがいっぱいあるところが、私の高校生活と一緒だなと(笑)。だから映画みたいに、今のは夢なのか? ホントなのか?みたいなことも実際あったので…。あの寝方はリアルです」

茂木忍
主演した『赤い糸』は「運命の赤い糸が見えてしまう」というちょっとファンタジックなお話です。
「この物語の先がめっちゃ気になっています。最近は少女マンガが大好きなので、本当に赤い糸が見えたらいいなと。赤い糸を手繰り寄せてみて、自分の運命の人と出会ってみたいなと思います」
見えてしまうのが怖いという人もいると思いますけど。
「相手にバレないようにこっそり見に行きます。繋がっている人を見ちゃったら…そこから、その人との関係が始まるのかなって思うし」
撮影中のエピソードで印象に残っているのは?
「寝ているシーンの撮影中、ホントに少し寝ちゃったので、すごく反省してます! 寝ているシーンを撮られている間、“いつまで寝ていればいいんだろう…”って思っているうちにガチで寝始めちゃって、ハッ!て目が覚めたときに“なんかカメラの場所が変わっている!! どうしよう!!”って思って。スタッフさんに聞いたら“まだ寝ていても大丈夫ですよ”って。ごまかせていたのか…? 寝ているシーンだから放って置かれていたのか…? どのぐらい寝ていたのか分からなかったから、めっちゃ怖かったです。本当に反省しています! もしかしたら映画の中にガチ寝のシーンがあるかもしれないです」
ロケ撮影をしたのは本物の学校の校舎?
「高校を卒業して1〜2ヵ月くらいのときに撮ったんですけど、机や黒板の感じがすごく懐かしかった。個人的には、教室の廊下側がガラス窓だったことに高まりました。通っていた高校は、ドアのところに小さい窓があっただけで、廊下側が完全に壁だったので。少女マンガとかで、廊下側の窓から男子に声をかけられるシーンも憧れだったから、もし好きな人が廊下を通るのを窓越しに見たら、ときめいたりするのかな、とか思ったりして」
衣装の制服も可愛かったですね。
「制服も卒業してから初めて着たけど、短期間でこんなに似合わなくなるのか、って思いました。かちっとしたブレザーに赤いリボンが可愛かった。私の高校時代はスカートもメッチャ短かったから、今回の清楚な感じの制服に違和感があったし、似合わなかったのがちょっとショックでした(笑)」
映画のなかで青春っぽい高校生活を改めて体験できました?
「私、高校時代はホントに友達がいなかったんですよね〜。でも高校3年の夏休みぐらいから、友達が多い子と友達になって、それぐらいから学校が楽しくなりました。だからモォ〜本当に高校生をイチからやり直したいです…。もう一回やり直せるなら、映画みたいなトキメキがほしいなって思いました」
茂木忍
今はAKB48というグループのなかで青春を送っているわけですが、昨年はもぎちゃんを取り巻く環境が大きく変わりました。
「やっぱり総選挙でランクインしたのが大きいですね。そして『ヤングマガジン』のグラビア投票の1位。おかげさまで露出も増えたので、圏内に入るというのは、本当に大きな意味があるんだ、と実感しました」
着実にファンが増えている状況だと思いますが、自分の中ではどんな変革があったんですか?
「うーん。後輩と仲良くなって、明るくなったと思います。昔から推してくださっているファンの方も“2015年が大事だ”って、昨年の総選挙には特別な思い入れがあったと言ってくださったし。その期待に応えなきゃという気持ちはありました。今回の映画出演の話をいただいたのは総選挙の前だったんですが、映画が決まってから仕事も増えました。見てくれている人はいるんだなと思いました」
後輩達から慕ってもらえるようになったことの影響は?
「元々後輩は多分私のことを怖がっていて(笑)、私も人見知りだったのであんまり接点がなかったんです。でも私と同期(13期)の子と15期の(向井地)美音が仲良くなって、同期の子を挟んで私と美音も仲良くなったんです。その子が卒業してからも美音としゃべれるようになって、美音がきっかけで15期の後輩とも仲良くなれました。みんなと楽しくしたいから明るくなれたし、性格も前より、卑屈な部分が減ってきたかな(笑)。しゃべれたら自分が出せるんですけど、人見知りで緊張してしまっていたんですよね」
自分を出せるようになったことが2015年の躍進につながったんですね。
「“茂木宮シノブ”というキャラクターをいただいた『AKBINGO!』の男装企画も大きかったです。AKB48に入って4年なんですけど、一番充実して、一番いろいろといい方向に進んだ1年だなと思います。これまでは、映画のような特別なお話をいただくこともなかったですし、同期や後輩のほうがドンドン先に行っていたような気がします。もちろん今でも追いついているとは言えないけど、いろいろなことにチャレンジさせていただける機会が増えたのがすごく嬉しいです」

茂木忍
映画の公開が2016年の始めで、勢いがつきそうです。
「横山由依さんとか入山杏奈さんとか、他の8人のメンバーに負けないよう、私なりに頑張ったつもりではいるんですけど、演技に自信はないんです。 “茂木、演技下手だな”みたいに言われたら落ち込みますけど、でもそれをバネに頑張りたいです! これを機会に引き続きいろんなことにチャレンジして、自分がどの仕事を軸にやっていきたいのかを、改めて考えたいと思います」

茂木忍
これまではチャレンジすらままならなかったのが、大きな変化ですね。
「以前は自信が持てずに“出来ないよ”と思っていたことがたくさんあって、尻込みしすぎて、前向きに捉えられなかったんです。でも昨年からは、性格が明るくなったこともあって、せっかくお話をいただいたんだから頑張らなくちゃいけない、やってみることが大事だと思うようになって。最初からやらずに諦めていた3年間ぐらいを少し後悔しました。もうそろそろ5年目なんですけど、先輩と比べたら若手だし、知名度もまだまだだから、些細なことでも何でもチャレンジしていきたいです」
まだAKB48のファンの方にさえ見つかっていない部分もありますしね。最近では番組でAKB48の腕相撲ナンバーワンになりました。
「そーなんですよ! 腕相撲はずっとやりたかったんです。地上波の『有吉AKB共和国』で闘わせていただけたことで、私の腕相撲の強さがアピールできて、満足です(笑)」
著名人がセットリストを考える特別公演『春風亭小朝公演』や『田中将大公演』にも選抜されました。
「小朝さんやマーくんが私のことを知って下さっているなんて思いもよりませんでした。お二方とも私を2人組のユニット曲に選んでくださって。美音と歌う『禁じられた二人』は百合要素のある曲なんですが、今まで自分達の妄想でしかなかったものを小朝さんが実現してくださったので、モチベーションもめちゃくちゃ高いです。『田中将大公演』でのユニット『友達でいられるなら』も、まさかこの曲が来るとは思わなかったし、ましてや(武藤)十夢さんと!?と思ったんですけど、元々すごく好きな曲だったので、これまたモチベーションはすごく高いです!」
今もぎちゃんは、男装と合わせて“おなべ疑惑”もありますけど、実際は…?
「違いますよ! そういえば、私にデレデレしてる美音がいいとか、二人のペアで好きだよって言ってくれるファンの方も多いですね」
そういう意味だけじゃなくて、『赤い糸』を感じたエピソードはありますか?
「人じゃないんですけど『男装』企画は、AKB48で活動のこの数年で一番ハマりました(笑)。それこそ『月刊デ☆ビュー』を読んでいた中学生の頃に、『AKBINGO!』で男装しているメンバーを見て“カッコいい!”って言っていたくらいだったのに、まさか自分が男装するとは思ってなかったんです。でもすっごくハマって、ファンの方にも喜んでいただけているし、メンバーにもカッコいいって言ってもらえた。男装とは運命の出会いかなと思います」
『じゃんけん大会』の応援席でのモテ方はすごかったですね。メンバーとイチャイチャしているのが取材席からも見えてました。
「バレてた(笑)。みんな集まって来てくれて、しゃべったことがない子も“カッコいいです”って話しかけてくれたり、ちやほやされて嬉しかったです(笑)。だから、ことあるごとに男装しています」
もぎちゃんのことを好きだと言ってるメンバーも多いので、『赤い糸』を感じるメンバーを挙げてもらいましょう。
「私の願いとしては、みーおんと繋がっていたらいいな。ここまで仲良くなれた後輩は初めてだし。最初は同期の子と繋がっていたかもしれないけど、そこから運命の糸が繋がって、みーおんと仲良くなれたのかなって思います」

茂木忍
そして2016年、2月17日には高橋みなみプロデュース公演の『お蔵入り公演』に出演が決定しました。
「ほかの公演は『ザ・アイドル』とか『カオス』とか、濃いテーマがあると思うんですけど、セットリストがメインの公演なんですかね。私、マイナーな曲が好きなので、今から楽しみ。あと私的に嬉しいメンバーがいて“茂木得”なんです。前田亜美さんとは、これまで一回も一緒の公演に出たことが無くて。新チームも違うし、著名人公演でも違ったので、残念だなって思っていたら、まさかここで!? わかっていらっしゃる!と(笑)。前田亜美さんに憧れていたのはAKB48に入る前からだから、もう5年、6年。とにかく楽しみです!」
2016年はいいスタートが切れそうですが、今年の抱負をお願いします。
「止まらない1年にしたいです。けっこう低迷期が長かったので、状況や環境が変わってきたここが頑張り時だなと。ここで頑張ったらきっと何かに繋がると信じているので、2016年はどんなこともどん欲に頑張りたいです。いい風が吹き始めたので、思いっきり強い風を吹かせられる年にしたいと思います!」

インタビュー・終

撮影/mika(f-me)

Profile

茂木忍
もぎ・しのぶ●1997年2月16日生まれ、千葉県出身。AKS所属。ニックネーム:もぎちゃん。AKB48のオーディションに3度落選した後、2011年、AKB48第13期研究生オーディションに合格してAKB48入り。2013年に正規メンバーに昇格する。2015年3月の人事異動でAKB48チームKに異動。5月『2015ヤンマガ専属! AKB48グループ グラビアモデルオーディション』で第1位を獲得。6月、第7回選抜総選挙で57位にランクイン。フューチャーガールズに選ばれる。

INFORMATION

『9つの窓』「赤い糸」
『9つの窓』「赤い糸」

映画『9つの窓』/『赤い糸』
1月30日(土)〜ブリリアショートショートシアターで先行公開。
2月6日(土)〜シネマート新宿ほか全国ロードショー

藤田あずさ(茂木忍)は退屈な日々を過ごす高校生。いつものように学校で居眠りばかりのある日、ふっと目を覚ますと不思議な現象が…。なんとあずさの目には赤い糸が絡み合うように広がっていた。そう、あずさには「運命の赤い糸」が見えているのだ。夢?それとも現実? そして自分の小指にも赤い糸が。そしてその糸は思いもよらぬ元へと続いていた。

茂木忍(AKB48)/谷内里早/菊地燎/瑠衣夏/工藤美桜/杉浦大介
監督・撮影:曽根剛 脚本:吉原れい

■『9つの窓』全国舞台挨拶ツアー開催

1月30日/ブリリア ショートショート シアター、シネマート新宿
2月6日(土)/ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート心斎橋、シネ・リーブル梅田
2月7日(日)/シネマート新宿
※詳細は公式ホームページにて

(c)AKS

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