田村芽実 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「田村芽実」

2017/05/10

「本田美奈子.さんが大好きだったし、一生分の運を使い果たしたんじゃないかなと」

田村芽実

かねてからの夢であった女優の道を志すため、2016年5月にアンジュルムを卒業した田村芽実が、舞台『minako-太陽になった歌姫-』主演・本田美奈子.役に抜擢され、いよいよ女優としての活動を開始する。幼い頃から憧れていたという本田美奈子.の役を演じることへの想い、歌や芝居への熱い想いを赤裸々に語ってくれた。

田村芽実
アンジュルムを卒業してちょうど1年。どんな日々を過ごしてきましたか?
「卒業してすぐは、地元に帰ってゆっくりしていました。その後は歌やダンスのレッスンを受けていました。アンジュルムとして活動していた約5年間は、夏休みや冬休みがまったくなかったので、夏に家族でバーベキューと花火をしたのがすごく楽しかったです。プールや家族旅行にも行けたのでとても嬉しかったです」
歌やダンスのレッスンを始めたのは、ミュージカル女優の夢を叶えたいという明確な夢を現実にしていこうという気持ちから?
「そうですね。基礎をしっかりしなければと思って。ダンスはクラシックバレエを中心に、歌は腹式呼吸の呼吸法から始めて、毎日酸欠になっていました(笑)」
その第一歩となる作品が、今回の『minako-太陽になった歌姫-』という、めいめいの憧れの本田美奈子.さんの生涯を描いた作品なんですよね。主演に抜擢された時の気持ちはどうだったんですか?
「暑い夏の日にご連絡を頂いたのですが、私は本当に美奈子さんが大好きだったので、まず驚きました。でも、私は迷わず『絶対にやりたいです!』と即答しました」
脚本・演出の野沢トオルさんは本田美奈子.さん役のキャストについて『一番最初にめいめいの顔が浮かんだ』とおっしゃっていましたね。しかも、いろいろと運命的なモノがあったとか。
「ありましたね!エグゼクティブプロデューサーの高杉(敬二)さんが、 私が美奈子さんのことを好きだということを知らずに、 『アップフロントにいた田村芽実がいいんじゃないの?』と言ってくださったみたいなんです。それもすごく嬉しかったですし、野沢さんは以前スマイレージやアンジュルムのコンサート演出をしてくださっていた方で、野沢さんも『田村芽実がいい』とおっしゃってくれていて。本当に、一生分の運を使い果たしたんじゃないかと思うくらいでした」
満場一致だったんですね。
「白紙の状態で、一からやりたいという気持ちでアンジュルムを卒業したので、“これからどうしよう?”と思っていたときに、まさかのお話をいただいて、もうビックリです」

田村芽実
そもそも本田美奈子.さんに憧れたキッカケはなんだったんですか?
「美奈子さんが亡くなられた際に、病室で歌われていた『アメイジング・グレイス』がテレビでよく流れていて、すごくキレイな声だなぁと思いながら聴いていたんです。そしたら母が『この人はもともとアイドルで、「ミス・サイゴン」とかいろんなミュージカルに出て、クラシックにいった人なんだよ』と教えてくれて。それで、美奈子さんの歌を聞くようになり、好きになりました。でも、その前に『明日のナージャ』というアニメの主題歌を歌っていたのは知っていたので、好きになった最初のキッカケは『明日のナージャ』だと思います」
それからミュージカルに興味を持つように?
「そうですね。美奈子さんのCDをよく聴いたりしていました。美奈子さんが演じた『ミス・サイゴン』のキムや『レ・ミゼラブル』のエポニーヌは、私にとって憧れの役で、絶対に演じたい目標なんです」
めいめいは小さい頃、『本田美奈子.さんになれますように』って毎日お祈りしていたって本当?
「ハイ、本当です(笑)。小学校2〜3年生の時、お母さんに『芽実がいつか本田美奈子.さんの役をやりたいんだったら、神様じゃなく本田美奈子.さんにお願いしてれば、本田美奈子.さんがいつか芽実を選んでくれる時が来るんだよ』って言われて。“あ、そうなんだ!”と思って、いつも心の中で美奈子さんにお願いしていました。あと、今思い出したんですけど“私の守護霊になってください”とお願いしてました!」
そうだったんですね。でも、念願の本田美奈子.さんの役を演じられるって、本当に見守ってくれてたみたいですね。
「ハイ!今回のお話を聞いたときは、ちょっと恥ずかしいんですけど本当にそう思いました」
嬉しい気持ちはもちろん、同時にプレッシャーとか責任感も湧いてきたんじゃないですか?
「それはもちろんありました。これまで出演してきたミュージカルや、ハロー!プロジェクトで活動していた時はポップスを歌っていたので、やっぱりクラシックとなると私はまったく歌ったことがなくて。クラシックは基礎が大事ですし、日々の努力しかないなと思いました。それに美奈子さんの歌声は、何年も何年も努力を積み重ねて掴んだものだと思うので、“それを私が表現できるのだろうか?”という不安が一番最初にありました。先日の制作発表で『アメイジング・グレイス』を生で歌わせていただいたんですけど、実は人生で一番緊張しました(笑)。本番ではちゃんと歌えたので、美奈子さんも一緒に歌ってくれたのかな?って思いました」

田村芽実
さすが本番に強いですね! では、今の時点ではどんなふうに演じたいと思っていますか?
「美奈子さんを演じるにあたって、本を読んだり、高杉さんからお話を聞くことがあるんですけれど、美奈子さんがよく『舞台の上では演じないからね。私は生きるからね。』とおっしゃっていたそうです。それを聞いたときにすごく心に響いて。その言葉を簡単に使っていいのかわからないんですが、私もステージで本田美奈子.をしっかりと生きたいなと思っています」
その言葉を聞いて、めいめいの舞台観って変わりました?
「変わりました!“生きる”という言葉にはとても重みがあり、“演じる”とはまったく違う捉え方になるので。“生きると決めたら生きるんだ!”と、私も今から思っています」
野沢さんから何かお言葉はありましたか?
「野沢さんがおっしゃるには、私と美奈子さんがとても似ている部分があるらしく。台本を書いていて、私に当て書きをしているワケじゃないのに、当て書きをしている感覚になるくらいに似ていると言ってくださって。変に演じようとせずに自分との共通点をしっかりと見つけていけば、美奈子さんと一緒にステージ上で生きることができるんじゃないかな?と思っています」
ハロー!プロジェクトのみんなも応援してくれているみたいですね。
「この前、アンジュルムのコンサートに行ったんですが、みんなが舞台をすごい楽しみにしてくれていて。アンジュルムのステージもすっごいカッコ良くなっていて。“みんなが頑張っているんだから、私も頑張らなきゃ!”って励みになりました」

田村芽実
めいめいが感じている、舞台の魅力って何ですか?
「やっぱり“生”というところですね。目の前で役者がリアルタイムで演じているので、席に座るだけでいろんな国にもいろんな時代にも行けるっていうのは、舞台の一番の魅力だと思います。舞台に立っている役者たちはみなさんいきいきしていて、観ていると、物語だけじゃなくて俳優さんの魂まで受け取れる感じがするんですよ。そこも生の醍醐味ですかね」
めいめいはこの春、高校を卒業しましたけれど、生活は変わりましたか?
「変わりました! 3月で学生生活が終わってしまうということで、3月のうちにいろいろと学割を使いました。でも、もう今は学生ではないので、映画とかカラオケとか学割が使えなくなっちゃって、今のところマイナス面しかないです……」
(笑)。でも、ファッションやメイクも新しいことに挑戦できるんじゃないですか? 今日のお洋服も大人っぽくて春らしいワンピースですし。
「そうなんです! 春らしい大人っぽいワンピースを着たくて。今は少し大人っぽいメイクや髪型にチャレンジできるのが嬉しいです」
これから挑戦したいことはありますか?
「お料理に挑戦したいです。一応できるんですけど、いつも簡単なものばっかりで。だから、カフェとかで出てくるようなプレートに乗ったオシャレなお料理を作れるようになりたいなって思います」

田村芽実
そして、早くも次の舞台も決定していますね。『グランギニョル』はTRUMPシリーズの最新作。
「以前、同じTRUMPシリーズの『LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-』でマリーゴールド役で出演させていただいたことがあり、私はTRUMPシリーズの大ファンなので、またこうやって出演できることを嬉しく思っています。それこそ席に座っただけで、怖〜い怖〜い世界に連れていってあげられるので楽しみです」
今後の目標は何ですか?
「私の夢は、いつか帝国劇場の舞台に立つことです。美奈子さんも演じてきた『ミス・サイゴン』のキム、『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役は子どもの頃からの夢なので、ぜひ叶えたいです! それと、舞台上で“生きる”ことができる女優さんになりたいです」
では、最後に芸能界を目指す『Deview』読者へ、めいめいの夢を叶える秘訣を教えてください。
「叶えたい夢、なりたい自分を明確に思い描く事で、今自分に何が足りないのかが見えてきます。その足りないところを努力して頑張れば、きっと夢は叶うんじゃないかなと思っていますて。私は“アンジュルムを卒業して、1年後にはステージに絶対戻ってくる”という目標がありました。それに合わせて歌もダンス頑張ってきています。以前読んだ本に『あなたはブロードウェイのステージに立ったときに、どのドレスを着てどの靴をはいていますか?』と研究生に聞くという事が書かれていました。それから私も、逆算法を意識するようになりました。だから、とにかくイメージを明確にして、そこから今の自分には何が足りないのかをしっかりと把握して、それを努力していくことが大切なんじゃないかなと思います」

インタビュー・終
撮影/mika 取材・文/三沢千晶

元アンジュルム・田村芽実、女優への第一歩を踏み出す舞台への想いを語る

Profile

田村芽実
たむら・めいみ●1998年10月30日生まれ18歳。群馬県出身。ビーエムアイ所属。2011年8月Hello!Project・スマイレージ・サブメンバーとしてデビュー。同年10月に正式メンバー昇格。2014年12月、スマイレージからアンジュルムにグループ名が改名。2016年5月30日の日本武道館にて行われた卒業公演をもって、兼ねてからの夢であった女優の道を志すため、同グループを卒業。本作を機に女優への第一歩を踏み出す。

INFORMATION

『minako』

舞台『minako-太陽になった歌姫-』
5月17日(水)〜21日(日)CBGKシブゲキ!!

2005年に急性骨髄性白血病で逝去した歌手「本田美奈子.」。日本の歌姫と呼ばれた彼女の生き方を通して描く愛と夢と希望の物語「minako-太陽になった歌姫-」が、本田美奈子.を発掘してその生涯を見守り続けた人物、高杉敬二氏の総合監修と野沢トオルの脚本・演出により舞台化。
2016年5月にアンジュルムを卒業した田村芽実が、主人公・本田美奈子.役に抜擢され、兼ねてより夢だった女優として活動を開始する。なお、公演期間中は、本田の着用衣装などが展示される回顧展も開催される。

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