松岡茉優 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「松岡茉優」

2012/08/08

イヤなヤツの役で目が釣り上がってお母さんも「近づかないで!」と(笑)

松岡茉優
元「おはガール」から女優活動を始め、今年は映画出演が続いてる松岡茉優ちゃん。すべてオーディションで勝ち取った役とのこと。8月公開の『桐島、部活やめるってよ』では、イヤな感じのギャルっぽい役で、リアルな存在感を醸し出してます。



松岡茉優

松岡茉優

Q 茉優ちゃんのデビューのきっかけを教えてください。

「もともと小学2年のときに、3歳だった妹(松岡日菜)がスカウトされたんです。それで、お母さんと事務所の面接に行ったんですけど、私も小さかったから家に1人で置いてけないということで、連れて行かれて。そしたら『お姉ちゃんもやる?』みたいな感じで、ついでに事務所に入れてもらいました。だから、妹に頭が上がりません(笑)」

Q 最初の頃は、日菜ちゃんの方が仕事が多かったんですよね?

「そうなんです。家にお仕事のファックスが来ても“ああ、また日菜だ……”っていう。妹はクールですけど、私はギラギラしていて“チキショー!”みたいなものは、ずっとありました。『おはスタ』ぐらいから、やっと自信がついて、今はゆっくり行けばいいかなと。そんなに焦りはないです」

Q 最近は映画出演が続いてますよね。話題作『桐島、部活やめるってよ』の公開も近づいてますが、オーディションは最初から沙奈役で受けてたんですか?

「それが、よくわからないんです(笑)。何回かオーディションがあって、途中でうっすら沙奈ちゃん役で受けてると聞いたんですけど、普通に質疑応答とかをしていたから。沙奈ちゃんがあんなイヤなヤツとも知らなくて、台本を読んで“ウワーっ!”と思いました (笑)。そういうつもりでオーディションに行ってなくて、いつも通りにやらせていただいてたら、イヤなヤツの役になったんだな……って(笑)」

Q そういう役は初めてでしたっけ?

「ここまでイヤなヤツは(笑)。というか、考えれば考えるほどイヤなヤツではないんですけど、見た感じがそういう役は初めて。頭のなかで一生懸命、役を構築して演じたのを覚えてます。監督もリハーサルから、キャスト1人1人に1から付き合ってくれて。『そうだね。こうだね』ってキャッチボールをたくさんして、役が出来上がった感じでした」

Q 茉優ちゃん的には、どのへんで沙奈を「イヤなヤツ」だと思ったんですか?

「ギャルですよね。ギャルがイヤというわけではないですけど、最初にウワッと思ったのは、部活をやってる子をバカにするんですよ。『そんなの楽しいの?』みたいなことを言って。相手の気持ちを深く考える子じゃないんだなと」

松岡茉優

『桐島、部活やめるってよ。』

Q 彼氏がいますけど。

「イチャイチャしてても大好きなわけではなくて、ステイタス。クラスでいちばんカッコ良くて、学校でも目立つ人が私の彼氏。すごいでしょう? という。アクセサリーみたいな感覚だと思いました。親友の梨紗も、同じように校内一の人気の女子だから……という、偽りの友情みたいなところがあって。本当にイヤなヤツです(笑)」

Q でも、そのイヤな感じが映画の中ですごく出ていたのは、茉優ちゃんがなり切っていたということですよね?

「そうだといいんですけど。リハーサル中から、家に帰っても、お母さんに『近づかないで!』と言われてました(笑)。目が釣り上がってピリピリしていたみたい。撮影は1ヵ月間、高知でやって。試写会でプロデューサーさんに会ったときも、『茉優ちゃんが沙奈から戻ってる』と喜ばれました(笑)」

Q 茉優ちゃん自身とは、かけ離れていた役だったと。

「私も中学時代、派手な女の子のグループにはいました。梨紗みたいな目立つ子がいて、かすみみたいな落ち着いた子もいて、そのなかで私は、おちゃらけたお笑い的な子で(笑)。今も学校帰りに、友だちと喫茶店でガールズトークとかはよくしてます」

Q 沙奈を演じるに当たって、仕草とかにも気を配ったんですか?

「学校にもギャルの集団がいるので、観察して、“ああいうしゃべり方をするんだ”とか学びました。ケータイのいじり方とか、ガムをクチャクチャ噛む感じとか。あと、メイクさんやスタイリストさんも、すごく工夫をしてくれて。髪型とか、ネクタイのユルさとか、厚底のヒールアップローファーとか、そういうものにも助けられました」

Q けど、さっきちょっと「考えれば考えるほどイヤなヤツではない」という話も出てましたが。

「だんだん、一生懸命過ぎてイヤなヤツになってることに気づきました。心根がイヤなヤツではなくて、すごく友だちが欲しい。彼氏が欲しい。どこかですごく愛されたがってるから、こういうことをしてるんだなと思ったんです。そしたら沙奈ちゃんのことがいとおしくなってきて、実際に沙奈ちゃんがいたら、私は友だちになりたいと思うところまで来ました。表面的にイヤなヤツに見えるようにはいろいろしましたけど、私としては沙奈ちゃんは全然嫌いじゃないです」

Q 高知に1ヵ月いたなかで、覚えてることはありますか?

「ホテルの門限が9時だったんですね。よく同じグループ役の橋本愛ちゃん、山本美月ちゃん、清水くるみちゃんでごはんを食べに行ったんですけど、高知はおいしいものがたくさんあるし、ついつい話し込んじゃって。『ちょっと待って! もう8時だよ』って、ウワーッと走ってギリギリセーフ! みたいなこともありました(笑)。本当に合宿みたいで。沢島亜矢役の大後寿々花ちゃんたちともみんな仲良くて、今でもよくメールしてます」

Q 寿々花ちゃんとは、役柄的には対立関係でしたけど。

「そうですね。“すずぽん”と呼んでますけど、心を許して話せるようになったのは、現場が終わってからです。やっぱり撮影中は、心のなかにバチバチしたものがあったので」

Q 本当に女優体質というか、役に浸るタイプみたいですね。

「どうですかね? 切り替える訓練ができてないから。ちゃんと切り替えられるようにならないと、家族にも迷惑かけちゃいますけど、今回は高知で1ヵ月、ずっと沙奈の気持ちでいられたらから、ありがたかったです」

Q 秋からも出演作が公開になっていきますが、プライベートでしたいことはあります?

「バンジージャンプをしたいです(笑)! 何年か前から毎年やってます。最初はよみうりランドの小さな規模のでやって、飛んだら気持ち良さが凄まじくて。全部がふっ飛ぶ感じ。“落ちる落ちる……”という最強の恐怖から、『3、2、1』で飛んだら、怖かったものが全部バッと飛んでいく。それが楽しいんですよね」

Q そういうフッ切れる感覚は、女優業と通じるところもありますか?

「お芝居も『ヨーイ、スタート!』の前はいろいろ考えるじゃないですか。“これがあって、ああして、こうして……”とか。でも、パン!とスタートしたら、それを消して役に入る。そこは確かに似てますね。こじつけると(笑)」

インタビュー・終

取材・文/斉藤貴志


『桐島、部活やめるってよ。』
バレーボール部のキャプテンで、成績も優秀な学校のスター桐島が、部活を辞めるニュースが校内を駆け巡った。彼女の梨沙でさえ連絡が取れず、姿を現さない桐島。波紋は校内のあらゆる生徒へ広がっていく……。梨紗といつも一緒にいる沙奈(松岡茉優)は梨紗の感情の変化に合わせていこうとするが、次第に女子グループの間にも溝が広がっていき……。原作は朝井リョウによる第22回小説すばる新人賞のベストセラー。8月11日公開。
まつおかまゆ●1995年2月16日生まれ、東京都出身、160cm。ヒラタオフィス所属。『悪の教典』(三池崇史監督:11月10 日公開)、『鈴木先生』(河合勇人監督:13年1/12公開)、メ〜テレドラマ『ギャルバサラ外伝』(ヒロイン)が8/29にO.Aされるなど話題作が続々と公開・O.A予定。
公式blog「松岡茉優のクローゼット」
『桐島、部活やめるってよ。』
バレーボール部のキャプテンで、成績も優秀な学校のスター桐島が、部活を辞めるニュースが校内を駆け巡った。彼女の梨沙でさえ連絡が取れず、姿を現さない桐島。波紋は校内のあらゆる生徒へ広がっていく……。梨紗といつも一緒にいる沙奈(松岡茉優)は梨紗の感情の変化に合わせていこうとするが、次第に女子グループの間にも溝が広がっていき……。原作は朝井リョウによる第22回小説すばる新人賞のベストセラー。8月11日公開。

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