逢沢 優 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「逢沢 優」

2017/01/11

「遠回りしつつも着実に叶えてきた。『Deview』の単独取材も目標の一つでした」

逢沢 優

『Deview』を10代のころから愛読し、『冬の特別オーディション2015』がきっかけで、現事務所「エヌウィード」に所属が決まったという逢沢 優くん。1月19日から上演される、ミュージカル「しゃばけ」では、主人公・一太郎の親友で、あんこ作りが苦手な菓子屋の跡取り息子・栄吉を演じる。本作にかける想いはもちろん、芸能界を目指したきっかけ、役者としての熱い想いをたっぷりと語ってもらいました!


逢沢 優
そもそも芸能界に憧れたきっかけは何だったんですか?
「中学1年生のときに見た、劇団四季の『キャッツ』がきっかけです。小さいころからずっとバレエをやってきたので、最初はバレエの世界に行きたかったんです。留学などいろいろと考えていたんですが、自分は顔も大きいし手足も短いしっていう身体的なコンプレックスで諦めかけていたときに、出会ったのが『キャッツ』でした」
『キャッツ』がきっかけだったんですね。
「そのときは、芸能界に入りたいという希望もあったし、劇団四季に入りたいという夢もあって、中2の頃に、たまたま本屋さんで『Deview』に出会ったんです。そこからオーディションをたくさん受けたんですが、ぜんぜん受からなくて。第1回D-BOYSオーディションの最終選考まで残ったり、『Push!』(『Deview』のオリジナルオーディション)で書類で受かって面接まで行ったりしたけど、結局ダメで……。その後に受けた『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』に合格して、約3年間キャストとして活動していました」
上京するきっかけは?
「USJを辞めた後に、『Deview』の冬特か夏特のオーディションで合格したことがきっかけで、上京しました。その事務所で映像などのお仕事をやらせていただいて、契約満了で事務所を離れた後、オーディションを受けて劇団四季に入りました」

逢沢 優
昔から抱いていた“劇団四季に入りたい”という夢も叶えたと。
「実は高校生のときにも劇団四季を一度受けていて、合格していたんです。でも、上京するお金もなかったし、親にも反対されて、一旦は諦めていて。でもやっぱり自分の夢でもあったので、事務所を離れたと同時にオーディションに挑戦しました。劇団四季で活動して、その後、スカウトしていただいた事務所を経て、2015年の冬特を受けて、今の事務所に所属が決まったという流れです」
親御さんからの反対もあったんですね。
「最初は反対していました。『バレエも続けていいけど趣味程度にして、就職しなさい』と言われていて。でも、USJで主演をやらせていただいたときに、両親が見に来てくれて、感動してくれたんです。『25歳までにそれで食べていけないのであれば辞めなさい』って言われていたけど、それがきっかけで認めてもらえて、今は応援してくれています」
中学のころから芸能界を目指し、オーディションを受け続けてきて、なかなか受からない時期もあったということですが、心折れることはなかった?
「なかったですね。不安というものが全然なかった。というのも、自分がやりたいと思っていたことに対して、遠回りはするけど着実に自分が思い描いていたところに行けていたんです。USJや劇団四季に関してもそうですが、遠回りしつつも、自分が行きたいと思っていた到着地点には必ず行けていたので、“絶対イケる!”というのが自分の中にはありました」
遠回りはしつつも、着実に夢を叶えていったんですね。
「今回のミュージカル「しゃばけ」に関しても、『こういう作品をやりたい』とずっと言い続けていて、今の年代でやっと栄吉という役に出会えました。『Deview』の単独取材を受けるというのも目標の一つだったんです!」

逢沢 優
単独インタビューという目標も本日叶いました。そんな逢沢くんが出演する、ミュージカル「しゃばけ」。主人公の一太郎の親友で、和菓子屋の跡取り息子・栄吉という役どころですが、どんな人物だと捉えていますか?
「佐助や仁吉らが一太郎を過保護にお世話するなか、一太郎と対等の立場で接して、唯一、一太郎が心を開ける相手が栄吉なんです。なので、一太郎の支えになれるような、そんな栄吉を演じたいと思っています」
役作りはどのように?
「自分なりに役作りとして原作を読んだり、実際に和菓子屋さんに行って、和菓子作りの勉強をさせていただいたりました。一度、自分でレシピを参考にして1からあんこ作りに挑戦したんですが、上手くできなくて。その後に、近くの和菓子屋さんであんこ作りの見学をさせていただきました」
稽古が始まってみての手ごたえは?
「実際に稽古に入ってみると、自分が想像した栄吉像と、演出家さんが求める栄吉像が若干違っていて。ベースは変わらないのですが、表現の仕方や、声の出し方、一太郎との関係性など、より深く演出家さんに教えていただいて、稽古場では自分では気づけなかった新たな発見があります」
カンパニーの雰囲気はいかがですか?
「今回、初めて共演させていただく方ばかりで、最初は、僕は人見知りなので上手いことやっていけるかな?という不安があったのですが、みなさんすごく気さくな方々で。とても楽しいカンパニーです。特に、中村誠治郎さんがめちゃくちゃ面白いんです。一つ一つやっていることが神レベルで、カンパニーのムードメーカー。でも、締めるところは締めるし、そのギャップがすごいなと思います」

逢沢 優
栄吉としては一太郎との関係が重要になってくると思いますが、一太郎を演じる植田圭輔くんの印象は?
「真面目で芝居に対しても熱い人。初めて2人が絡むシーンの稽古をしたときに、お芝居をすごく楽しんでいる感じがしました。刺激をたくさんいただきました」
例えば、どんな刺激を?
「僕は自分の中でガチっと固めたものを持ってきて挑むというスタンスで。USJでも劇団四季でもそうだったから、応用がきかないんです。違う台詞を言われたとき『どうしよう?』ってなってしまう。でも、圭輔くんは柔軟に対応できる力を持っていて、圭輔くんの芝居をみて、自分の気持ちが固まっていたところが解けた。もっと演技を楽しんでいいんだなっていうことを教わりました。もっと吸収したいという気持ちは強いですし、本番までにブラッシュアップしていきたいと思います」
そんな植田さん演じる一太郎と栄吉のデュエットソングもありますね。歌に関してはいかがですか?
「今まではミュージカルの発声で歌っていたんですが、今回はそうではなく、16、17歳の当時の少年が大人になりかける前の気持ちで歌う、感情で歌うということで、発声方法が異なるんです。それが今は自分の中の課題の一つで、演出家さんからも『優はそこを抜かないとね』と言われて、どういう風に気持ちをつめていったらいいか、稽古で模索しています」

逢沢優
これまでも様々なミュージカルに出演されている逢沢くんが思う、ミュージカルの魅力とは?
「芝居や舞台装置、衣装などで、現実とは異なる世界に連れていってくれる。それはミュージカルではない舞台でも一緒ですが、芝居だけで魅せる舞台とは違って、そこに歌と踊りが入ってくることによって、総合的なエンターテインメントになるところが魅力だと思います。ミュージカルは、自分自身でも演じていて楽しいですし、観ていても楽しいです」
この作品をどのように観てもらいたいですか?
「時代は江戸時代の話ですが、時代が変わっても大切にしなきゃいけないものというのは、根本的に、変わらないんだなと感じました。人に対する想いとか、人を愛するからこそ自分が動けるというのが、一太郎と栄吉、佐助や仁吉、ほかの妖たちから伝わってくるんです。なので、お客様にもこの時代に生きている一太郎や栄吉、妖たちの生き様をみていただいて感じていただければなと思います」

逢沢 優
現在『Deview』では、冬の特別オーディションを開催中なのですが、逢沢くんがオーディションで心がけていたことは?
「10代からずっと『Deview』を読んできていて、履歴書の書き方とか写真の撮り方とかすごく参考にしていました。『芸能界ベストセレクション』も毎年購入していて、それぞれの事務所がどういう人材を求めているかというのもある程度把握していたくらい、本当に愛読していて。2015年の冬特では、エヌウィードをみたら、個性を大事にしてくれると書いてあって。募集年齢が27歳までだったので、ダメかなと思っていたんですが、具体的にどういうことをやっていきたいのか、将来像や誰を目標にしているかも具体的に書いて、あとはこれまでの経歴を書いて応募しました」
逢沢くんが思う、夢を叶える秘訣とは?
「諦めないことだと思います。願っていれば、遠回りはするかもしれないけど、叶うと思うんです。どんなに遠回りをしても、自分の中で強い思いがあれば、その思いを貫くために“コレをしないといけない”という目標ができたりもする。たとえば、“劇団四季に入るためにはどうしたらいいか……バレエをもっと上手くならないといけないな”とか。僕も1年ごとに手帳に一つ一つ課題を書いています。自分でもチャンスが来たときに掴めないのは、自分自身の努力不足だと思っているので。信念を持つことと、諦めないこと、努力することは大切だと思います」

インタビュー・終
撮影/mika

Profile

逢沢 優
あいざわ・ゆう●1985年11月16日生まれ、兵庫県出身。エヌウィードグループ/ヴィクトリーロード所属。主な出演作に、ブロードウェイミュージカル特別版『WICKED』、劇団四季ミュージカル『はだかの王様』、ミュージカル『ザ・ビューティフル・ゲーム』、ミュージカル『カルメン』、ミュージカル『ファントム』、CM/アサヒフードアンドヘルスケア MINTIA WILD&COOL『ミンティアのち喝采』篇など。

INFORMATION

ミュージカル「しゃばけ」

『しゃばけ』15周年祭Presents ミュージカル「しゃばけ」
2017年1月19日(木)〜29日(日)
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

畠中 恵の大人気ファンタジー小説『しゃばけ』シリーズ第1作目(新潮文庫刊)を、15周年を記念してミュージカル化。
時は江戸時代。主人公は、江戸の大店長崎屋の一人息子である一太郎ぼっちゃま(通称若だんな)。 めっぽう身体が弱く、両親がそれはそれはかわいがっている。 そんな若だんなを守っているのが、長崎屋の手代である仁吉と佐助。 この二人、日頃は人間の姿をしているが、実は、白沢(はくたく)、犬神(いぬがみ)という妖。 二人にとっては、若だんながこの世の全てであり、両親以上にかわいがり甘やかしている。そんな若だんなを取り巻く人々と共に、周りで起こる事件を解決していく。

(C)2001 畠中恵/新潮社 (C)2017 CLIE

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