猪野広樹 | インタビュー | Deview-デビュー

Deview LOGO

お知らせ

検索の条件設定はコチラ

Deview LOGO

検索の条件設定はコチラ

インタビュー「猪野広樹」

2017/03/01

「初主演ドラマは、自分の演技を見つめ直す時間も増え、一つの転機になったなと思う」

猪野広樹

デビューを夢見るアイドル候補生たちとのドキドキの共同生活を新人女子マネージャー目線で視聴者が楽しめる新感覚ドラマ『スター☆コンチェルト』で、連ドラ初主演に挑んだ猪野広樹。同作品をはじめ、ドラマ『クズの本懐』、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」にも出演するなど、今勢いに乗る若手俳優・猪野の魅力に迫る。


猪野広樹
主演ドラマ『スター☆コンチェルト』をはじめ、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」など、様々な作品で活躍されている猪野さん。デビューのきっかけは、スカウトだったとか。
「はい。中学3年生のときに初めて声をかけていただいて。まさか自分がスカウトされるなんて思ってなかったので、『自分はいいです』って断りながらも、“スカウトされちゃった”みたいな、ちょっとした優越感に浸る感じで。でも、実際にやろうとは思わなかったんです」
そこから“やってみたい”と心変わりしたのは?
「その後も何回かスカウトしていただいて。あれ?そんなに声をかけていただけるなら、やってみようかな?っていう最初は本当に軽い気持ちです。それと、いろいろな事務所に声をかけていただいていたんですが、親からは反対されて……でも、何度もスカウトされるうちにやりたくなってきて。ちょうどその頃、市原隼人さんが大好きで、TBSドラマ『 ROOKIES (ルーキーズ) 』のエキストラに応募して参加したんです。それで、その帰りに親に電話して『これから竹下通りに行ってくる。もしそこでスカウトされたらやらせてほしい。スカウトされなかったら、もう芸能界に入りたいとは言わないから』ってお願いしました」

猪野広樹
自らスカウトされに出向いた竹下通りで、宣言した通りスカウトされたんですよね。しかも、憧れの市原隼人さんが所属するスターダストプロモーションに。
「そうなんです。竹下通りを歩いていたら、たまたま今の事務所の方に声をかけてもらって。自分の中ではどこの事務所でも良かったんです。どういう事務所があるのかもぜんぜん知らなかったですし。スターダストプロモーションの名刺を頂いたときにも“どこの事務所だろう?”って疑問に思っていたくらいで。それで、名刺の裏面をみたら “市原さんがいる!”って興奮しました(笑)」
まさに運命的なスカウト!
「それで家に帰って、その名刺を見せて『スカウトされたので、やらせてください』と話したら、『わかった。じゃあ大学3年生までね』と言われて……」
期限つきでOKをしてもらえたんですね。
「高校1年生から大学3年生までという期限つきでした。親からは『ほかの高校生よりも先に大人の世界に入ることができるし、それがあなたのためになるならやりなさい』と言ってくれて。でも、認めてくれたものの、第一に勉強、第二に部活、第三にこの仕事っていう優先順位があったので、高校時代は普通に、学生生活を送っていました。ドラマの仕事があってもちょっとだけの出演とか、1日で終わるような仕事だったり、演技に深く触れる機会はなく、普通に高校生活を送って、大学に進学したという感じでした」

猪野広樹
初めてお芝居に深く触れ合ったのは大学に進学してから?
「大学1年生の冬に初舞台を踏んで、初めて演技と深く関わることができて。終わったあとにお客さんの顔を見て、拍手をもらったときにすごく嬉しくて、泣いてしまったんです。自分の中でやりきったなっていう感覚があったんですよね」
本気でやろうと決意した一方で、親と決めた大学3年生までというタイムリミットは近づいてきて。
「大学3年の冬、周りがみんな就活始めたくらいの時期に、一度マネージャーさんに『この仕事辞めるかもしれません』って言ったことがあったんです。でも、マネージャーさんが『俺がお前を売り出すから、もうちょっと頑張ろう』と言ってくれて。人に必要とされることがすごく嬉しかったし、何か恩返しができたらいいなと思って、頑張ろうと決意しました」
マネージャーさんの一言に背中を押されたんですね。
「その一押しで決心しました。それで、親に『自分のやりたいことをやって生きたい』って宣言をして。『その代わり自分で責任をとりなさい』と許しをもらって。そこからですね、この仕事ときちんと向き合い始めたのは。あのときに辞めていたら、今ここにはいないし、主演ドラマもCDデビューも経験しなかったし、「ハイキュー!!」にも出会ってなかったんだなって思うと不思議な感覚です」

猪野広樹
そんな猪野さんが主演を務める『スター☆コンチェルト』。主演ドラマと聞いたとき、率直にどんな思いを抱きました?
「この話を聞いたときは、まだ現実味を帯びてなかったので、“主演”ということに対して、プレッシャーを感じる前に、“よし!やってやろう!!”というのが最初でした。撮り始めてから“あ、これって現実なんだ”って実感して、後からプレッシャーがついてきた感じです」
ドラマの中で乙女ゲームのような恋愛感覚が楽しめる、今までにないドラマになっています。
「僕が2.5次元作品に出始めたのが、『華ヤカ哉、我ガ一族 オペラカレイド』という乙女ゲーム原作の作品からだったので、ある意味、原点回帰だなって思いました。その舞台をやるにあたって、実際にゲームをプレイしましたし、“あ、これが乙女ゴコロか”となんとなく理解していたつもりではあったんですが……。それでも、乙女ゴロロというのがわからない(笑)」
舞台では、対役者さんとの芝居が多いですが、このドラマは、視聴者が新人マネージャーということで、カメラをその人と見立ててお芝居することも多かったと思うのですが。
「めちゃくちゃ難しかったです。“こう言ったら、きっとこう反応するだろう”っていう相手の反応もこっちで考えて演じないといけないので、最初は違和感でしかなくて。やるにつれて段々慣れていった感じです」
演じる瑛倉ヒロキに関しては、どんな人物だと捉えていますか?
「自分のことよりも人のことばかり気を遣っているキャラクターで、だからこそ、自分の気持ちに気づかない一面がある。鎌苅健太さんが演じる周(あまね)が、マネージャーを抱きしめているところをヒロキが目撃してしまって。ヒロキは“なんだろうこのモヤモヤ”って思うんですけど、それが恋だとは気づいてもいないくらい、自分のことに対して鈍感。あとは、一生懸命、まっすぐにしか向き合えないようなヤツだなって思います。けっこう自分と似ているところがいっぱいあると思うんですよね」

猪野広樹
たとえば、どんなところが?
「まっすぐにしか生きられないところとか。あと、物語が進むにつれて、『スタ☆コンメンバーにはそれぞれ輝きがある。でも、お前の輝きは何だ?』と問われたときに、ヒロキが答えられないっていうシーンがあるんですけど、去年の僕とけっこうリンクしていて。自分の武器って何なのかわからない自分がいて、台本を読むのが怖くなってしまったんです」
ヒロキが自分に似ているからこそ?
「自分に似ているキャラクターだったし、ヒロキがどういう判断をするのか、知るのが怖い部分があったんです。でも、読まないといけないし、覚えないといけないからって、恐る恐るめくっていました」
その後、“自分なりの武器”は見つかりましたか?
「スタ☆コンの撮影のときに、それではまずいなと思ったので、今年からリラックスすることを心がけるようにしました。もともと心理学とかが好きで。自分をさらに見つめ直すことができましたし、感情に振り回されなくなりつつあるなと感じています。自分だけの武器というと、あまり着飾らないことかな。背伸びしたら、僕、変な方向に行ってしまうので……経験済みなんですけど(笑)」
経験済みなんですね(笑)。
「たまに要らないプライドが邪魔してくるときがあるので、それを除くためにもリラックスを心がけてます。目や耳、触覚などの五感が優れることによって、それが演技のアプローチに繋がるんじゃないかなと思って。今年25歳になるので、ギブアンドテイクの自分がテイクできる部分を増やしてきたいなと。これを機会にと思って、心理学とかの本を大量購入したんですけど、けっこう芝居にも活かせる部分もあって、今度これを試してみようとか、ワクワクしていて、最近楽しいんです」

猪野広樹
同世代のキャストが集結した撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
「撮影自体はすごくタイトなスケジュールだったんですが、現場の雰囲気は悪いことが1回もなかったです。現場ではケンケンさん(鎌苅)や(永田)崇人が、日ごろからうるさかった(笑)。でも、自分は何かをして盛り上げるというようなタイプではないので、この2人にはすごく支えてもらいました」
さらに今作では、ドラマを飛び出して、スター☆コンチェルトとして主題歌でCDデビューも決定しています。
「そうなんです。まさかそんな日が来るとは思ってなかったので不思議な感覚です」
ドラマの中でも歌やダンスを披露していますが。
「歌もダンスもぜんぜん得意ではなくて、舞台で踊ったりすることはありましたけど、そういう振り付けとダンスはまた別でした。ステップとかが入ってくると“今どうやって足動かしたの?”みたいな。タイトなスケジュールの中、ちょうど撮影期間中に、舞台『私のホストちゃん』の稽古も重なっていて。両方とも歌とダンスがあって、これはやばいなと思いながら、先生のダンスの動画を撮って、それを観てイメージして、家に帰ってから近くの公園とかで練習して挑みました」
ドラマの撮影だけではなく、歌やダンスなど、やらなきゃいけない課題も多く、濃密な時間だったと思いますが、ご自身の中でどんな作品になりましたか?
「一つの転機になったなって思います。自分の演技を見つめ直す時間も増えましたし、まだまだ勉強不足だなとすごく痛感しました。昨年に撮影したスタ☆コンの現場を通して、今年の目標を立てた感じです。撮影中は喜怒哀楽が激しかったので、“あ、こういう自分もいたんだ”という発見もあったし、“じゃあ、改善していこう”というのを考えさせてくれた作品だったなと」

猪野広樹
そして3月24日からは、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」″勝者と敗者″も幕を開けます。
「始まりますね、大変な舞台が……(笑)。半年に1回という早いペースでやっていることもあって、ライフワークみたいな感じにもなっています。この作品を通して、人間として成長させてもらえたなって感じていて。今の自分があるのは「ハイキュー!!」のおかげだなって思っています」
どんな成長を?
「僕が演じる菅原は、暴走する部員たちのストッパー的な役割でもあるので、すごく周りを見るようになりました。「ハイキュー!!」のキャスト陣は、(須賀)健太や(木村)達成をはじめ、個性的な人の集まりなので(笑)。それだけたくさんアイディアが出てくるのはすごいなと思います。たとえば、初演、再演のときの坂ノ上商店のシーンとかはけっこうアドリブも多くて、こっちも何が起こるかわからないから、毎回楽しく新鮮にやっています。それが、演劇「ハイキュー!!」ならではだなって思います」

猪野広樹
カンパニーの雰囲気もとても仲良さそうですもんね。
「体力的にもきついですし、戦友みたいな感じです」
今作で楽しみにしている、課題だなと思っていることは?
「僕は余裕がないと、自分のセリフに追われたりしてしまうので、もっと人と会話をするようにしたいなと思っています。最近、いろんな方面からアプローチをかけて勉強をしているので、それを試そうかなと。それと、菅原がついに公式戦に出るのか、出ないのか……。そこも見どころの一つですし、劇場がAiiA 2.5 Theater Tokyoから、TOKYO DOME CITY HALLになるので、やれるギミックの可能性も広がっていますし、どんな風になるのか、楽しみです」
では最後に、猪野さんの“夢を叶える秘訣”を教えていただけますか。
「夢を口にすることは大事だと思います。あとは周りに嫉妬したりせず、自分のやるべきことにまい進すること。そして、謙虚に生きる気持ち。この3つかな。実際に僕も市原隼人さんが大好きで、事務所に入ったときに『共演したい』って言っていたら、舞台『最後のサムライ』で共演させていただくことができました。ピュアな想いで夢を口にすること、そして謙虚な姿勢、僕はこれからもそう生きようと思います」

インタビュー・終
撮影/加藤千絵(CAPS)

主演ドラマ『スター☆コンチェルト』などで活躍中の猪野広樹から、芸能界デビューを夢見る『Deview』読者へ応援メッセージ!

Profile

猪野広樹
いの・ひろき●1992年9月11日生まれ、神奈川県出身。スターダストプロモーション所属。近年の主な出演作は、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」、舞台「ROCK MUSICAL BLEACH」〜もうひとつの地上〜、舞台『私のホストちゃんREBORN』など。連続ドラマ『スター☆コンチェルト』(メ〜テレ・TOKYO MX)で、連続ドラマ初出演にして、初主演を果たす。連続ドラマ『クズの本懐』(フジテレビ系)タクヤ役で出演中。3月24日から上演される、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」″勝者と敗者″にも出演。

INFORMATION

『スター☆コンチェルト』
©「スタ☆コン」製作委員会

ドラマ『スター☆コンチェルト』
メ〜テレ:毎週月曜 深夜0:20〜
TOKYO MX:毎週水曜 よる22:00〜

一軒家で共同生活を送ることになったアイドル候補生たちが、デビューに向けて、時にぶつかり、時に助け合いながら成長していく新感覚ドラマ。今作品の“新感覚”とは、主人公である新人マネージャー=視聴者であるところ。アイドル候補生たちとのドキドキわくわくな共同生活を、自分目線で楽しむことができる。“壁ドン”“近距離シーン”などメンバーの魅力をふんだんに味わえる“キラキラシーン”も満載で、ドラマの中でゲームのような「恋愛感覚」が楽しめる。 また、ドラマに出演するキャスト8人が歌う主題歌『So Distance』が3月8日にCDリリースされることも決定。
≪story≫
「ここにいる6人の新人男性タレントをアイドルグループとしてデビューさせろ!」と言われ、突如始まった、アイドル候補生と新人マネージャーとの共同生活。目指すはデビュー!軌道に乗りかけた6人とマネージャーだったが、ある日、ネット配信で人気の二人も加入するように言われ…
果たして、彼ら8人は試練を乗り越え、デビューすることができるのか!?

最近のインタビュー

インタビュー一覧

ア行のタレント
カ行のタレント
サ行のタレント
タ行のタレント
ナ行のタレント
ハ行のタレント
マ行のタレント
ヤ行のタレント
ラ行のタレント
ワ行のタレント
×