松田 凌×宮崎秋人×安西慎太郎 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「松田 凌×宮崎秋人×安西慎太郎」

2017/01/11

「“若手の舞台役者がドラマ業界に飛び込んでいく”。チャンスを頂いたからには『勝ちにいってやる!』という想い」

松田 凌×宮崎秋人×安西慎太郎

撮影/草刈雅之 取材・文/えびさわなち

競泳をテーマに、男子高校生たちが本気でぶつかり合う青春を描いたマンガ『男水!』を原作とした、ドラマ&舞台の連動企画が始動。2.5次元舞台を中心に活躍する若手俳優が多数集結した『男水!』で、幼馴染を演じる榊秀平役の松田凌、篠塚大樹役の宮崎秋人、藤川礼央役の安西慎太郎の3人を直撃インタビュー。
松田 凌×宮崎秋人×安西慎太郎
松田 凌
――『男水!』で幼馴染を演じるみなさん。まずは、役者としてのお互いの印象を教えていただけますか。
宮崎秋人「凌は付き合いも長いので、改めて印象というのもなんですけど。ただ今回、久しぶりにすごく長い時間を共有してきて、変な奴になってきたな〜と思います(笑)。出会った頃から“変な奴だな”とは思っていたんですけど、自分に素直になってきましたね。昔も素直ではあったんですが、素直さに磨きがかかった。自分には出来ないんです。周りばっかり気にしちゃう性分なので。そこは羨ましいなと思っていた部分で、そこがより増していて、いいんじゃないかなと思います」
――安西くんはこの作品を通して、松田くんに対してどんなことを感じましたか?
安西慎太郎「今回、主演ということだけではないと思うんですが、自分のやらなきゃいけないこともある中で、知らないところで色んな人たちに声をかけてくれていて、作品作りに向けていい空気感を作ってくれているのは凌くんだなと感じています。そこはやっぱり僕には絶対に出来ないことですし、すごいなって思っています。お芝居にしても“この人とまた共演したい”と思える役者さんとはそう出会えないと思っているので、そう感じさせてくれる凌くんはやっぱりすごい役者さんだなと」
松田 凌×宮崎秋人×安西慎太郎
宮崎秋人
――安西くんに対してはいかがですか?
宮崎「シンタは“いい空気を持っているな”と思っていて。今回の役ともすごく合っているというのを凌とも話していたんですけど、すごくパワーがある。自分も今まで“熱量だったら負けない”という気持ちでやってきたんですが、初めて“すごい熱を持ってる役者さんだな”と感じました」
松田凌「持っている空気がいいんですよね。誰とも違う、卓越した空気感を持っているなと感じています。それがお芝居に対する姿勢なのか、自分の中の思考なのかはわからないんですけど、今までの経験や身についてきたもの、人生経験の全てがお芝居の質や役者の顔になるわけで、そういったものが少しずつ確立してきているのかなと」
――では宮崎くんについては。
安西「最高です。何がすごいって身体能力ですよ!」
松田「確かに!」
安西「元々持っている身体能力の高さというものに甘えず、もっと厳しくしていくんです。そういう意味でも意識のレベルが異常に高い。今回の『男水!』で言えば、バタフライ初挑戦なのに、“上達”というレベルではなく、本当にバタフライの選手に見えましたし。あとはお芝居をやっているときもそうなんですが、空気づくりがうまくて、みんなから愛される人なんだな、ということを感じていました」
松田 凌×宮崎秋人×安西慎太郎
安西慎太郎
――宮崎くんと共演回数も多い松田くんは?
松田「そりゃもう、僕から言っても最高です。久しぶりに今作で関われたことですごくいろいろな話が出来ましたし、共演もさせてもらって、自分が出会ったときに持っていた頼りがいのある感じというか、“周りから信頼される役者だな”というイメージを3倍にも5倍にも変えてきた感じがします。今回の現場で、自分が変えたいもの、したいことは各々が持っていたと思うんですが、そういうものに秋人はしっかりと甘えず取り組んでいた上に、周りの力にもなっていたので。本来自分に注がなきゃいけないパワーを周りにも注ぐ余力があったのはすごいなというのは特に思ったかな。それは役者面だけではなく人間性としてもすごく大きかったですね」
――そんな3名を含め、舞台を中心に活躍中の若手俳優が集結した「男水!」プロジェクト。この企画への参加が決まったときの気持ちは?
松田「“やったるで!”という気持ちですね。この作品のプロジェクトが立ち上がった時には、“若手の舞台役者がドラマ業界に飛び込んでいく”というのも、一つテーマとしてあったので、こういったチャンスを頂いたからには、勝ちにいってやる!という気持ちは大きかったです。自分たちが始めることで広がるものもあるでしょうから」
宮崎「“制作のスタッフさんたちも勝負に出ているんだ”ということがひしひしと伝わる現場でもあったので、“その勝負、勝ちに行きたい”と思いましたし、その中の一部になれるというのは、こんな幸せなことはないなという気持ちでした。初めての挑戦ですし、不安もありましたが、それは自分たちキャストだけではなく、スタッフさんもみんな新しい挑戦を持ってこの作品に挑むんだと思い、ワクワクしました」
安西「2.5次元の役者さんが占める中でドラマと舞台の連動というのは、なかなかある機会ではないと思ったので、単純に嬉しく感じました」
松田 凌×宮崎秋人×安西慎太郎
――今回は水泳に特化している作品ではありますが、登場人物たちは普通の男子たち。演じるにあたってはどのようなことを感じていらっしゃったんでしょうか。
松田「僕が演じる榊秀平に関しては、彼自体が成長する物語でもあったので、そういった青臭さや若さは自分もそんなに違いはないというか。自分が精神的に年を重ねている感覚もあまりなかったので、当時とまではいわないですけど、葛藤する様であったり、周りに影響されていく自分と、そうじゃないと感じてしまう自尊精神の低さだったりも、青春の一ページなんだとしたら、役作りをすることもなく、今でもそれを感じたりする自分をそのまま投影して役に繋がっていけばいいかな、という感覚でした」
宮崎「普段の舞台では“見せる”という作業がかなりウェイトを占めると思うので、役作りに関してはかなり作りこんでやっていくんですけど、今回はドラマということで、どれだけナチュラルに出来るかなということを考えました。いろいろと作りこんでしまうと、逆に自分がぎこちなくなりそうだったので、原作の篠塚大樹というキャラクターのことをあまり意識しすぎず、彼をリスペクトした上で、ドラマで宮崎秋人が篠塚大樹を演じるとこうなるというのを見せられたらいいと思ったので、台本を読んだ印象そのままに演じました。大樹は原作ではあまり顔に気持ちが出なかったりもするんですけど、普通に高校生らしく、喜怒哀楽するだろうし、話し方も一辺倒ではなくなるだろうし」
安西「僕は必要最低限、水泳をやる上での役作りと、あとはみんなから貰うもので役作りをしていこうと思っていました。それと原作モノということもあるんですが、いかに魅力的にカッコ良く見えるかが重要になると思ったので、そこを足し算引き算掛け算割り算しながらやっていきました」
松田 凌×宮崎秋人×安西慎太郎
――競泳の選手を演じるということで、水泳も猛特訓されたそうですが、練習はいかがでしたか?
宮崎「初めて水泳とちゃんと向き合いました」
安西「水泳は難しいです。上達するのに時間の掛かるスポーツなんだなと改めて感じました。普段、オリンピックなどで水泳競技を見ていて、後半の接戦のときとかに“あと10mだ、粘れ!”とか思っていたんですけど、そのラストの10mがどれだけキツいかを、今回知りました。見ているのと実際にやるのとではすごく違う、どれだけ大変なスポーツなのかと思い知りましたね」
松田「慎太郎は水泳が苦手って言っていたけど、今は違うよね。撮影残り2日くらいのときに、泳ぎを見たら最初の頃とは比べものにならないくらいの泳ぎで」
宮崎「『誰だあれ?』っていうくらいだったよね」
松田「上手いだけじゃなく速くなっていたもんね」
松田 凌×宮崎秋人×安西慎太郎
――どんどん上達していったと。
安西「実は撮影終わっても水泳は今も続けています。やっているだけで体が自然と作られていくので、今後の役者生活にも活かしてもいけますし、これからも続けて行こうと思っています」
松田「俺も絶対に続ける。実際問題、水泳を始める前までは自分なりの体作りの方法があったんですけど、水泳って体に負荷をかけつつ、やっていくうちに健康になっていくのがわかるので、だからこそ水泳は続けていきたいと思いますね。それこそ『男水!』を見て興味を持って下さったなら、みなさんにもぜひ水泳をやってみてもらいたいです」
宮崎「『男水!』以外ではバタフライはもうやらない気はしていますけど(笑)。でも奥深いですよね。撮影前からずっとバタフライの練習はしていましたが、撮影に入ってみたらターンも飛び込みも必要で。今まで学生時代から運動はいろいろとやってきて、一回出来たらだいたい体が忘れなかったのが、水泳は初めて“さっきできたことがどうして今できないんだろう”というのがあったので、撮影中も悔しい想いをしました。やっていて体が言うことを聞かなくなるっていうのも初めて経験しましたし、気合ではどうにもならないという想いも初めてでした。だからこそ楽しかったですし、やりがいがすごくありました」
松田 凌×宮崎秋人×安西慎太郎
――撮影でも水泳では苦労しましたか?
松田「撮影となるとカット数との戦いにもなってきて。最高のコンディションで臨みたいんですけど、テストの方が良かったりもして。水中ってイメージもしづらくて、カット数を重ねていく中で集中力も途切れてきたのは大変でした。今ここで搾り出さないと駄目だ。決めないと今までの練習が無駄になる!って」
宮崎「レースシーンで並んで泳いでいるシーンは大変でしたね。一人で泳ぐよりも並んで競っているシーンは、他の人と合わせなといけないので本当に大変だった」
松田「ちょっとでもズレると大変だしね」
宮崎「横並びで泳いでいる中で、『このあたりで少し前に出て下さい』という指示もあるので、あれは大変でした。先に出てしまえばまたリスタートだし」
安西「とにかく水泳のシーンは大変でしたよね」
――『男水!』からスタートする2017年。みなさんはどんな年にしたいですか。
宮崎「一からお芝居を見直したいと思っています。『男水!』のクランクイン前には、映像の仕事は経験がなかったのでワークショップにいったりもしましたし、自分の芝居を見直すことが多くなって。自分の中でクリアできていると思っていたものが、実はそうではなかったことも知れて、だったら全部取り払って一から作り直したいとも感じたんですね。年も変わりますし、改めて“役者・宮崎秋人”を構築し直したいと思っています」
安西「いろんな武器を持つための年にしたいです。今回水泳をやって壁にもぶちあたりましたが、アクションも歌も、いろんなことにチャレンジして、5年後10年後に開花させられるようにしたいなと思っています」
松田「敢えてガムシャラでいきたいです」
松田 凌×宮崎秋人×安西慎太郎
――それはどういう思いで?
松田「このあいだ業種の全然違う知人と話をしていたんですが『満足することなく仕事を続けていくのって何なんですかね』と質問をしたら、『ひたむきにやっているからじゃない?』ってお返事をくださって。それって自分にもっと必要なものだと思ったんです。もう一つ上がるためには役者としての技術や技量もそうなんですが、そのために自分が何をするのかを把握したくて。その時に“ひたむきさ”はなくしちゃいけないなって思ったんですね。『男水!』もそうなんですが、仕事をする1日が始まって現場に到着してからの時間帯って、一瞬でも仕事から離れちゃいけない。一日24時間しかなくてその全てを仕事に使ってもおかしくないけど休んでもいる。だったら仕事をしている時は頭から一切離れないくらいに仕事に集中しなきゃって。そうじゃないと自分の想像しているビジョンには近づいていけないって感じたんです。ひたむきでいなければ言葉だけになってしまう。2016年は学びの多い年だったんですが、おそらくは2017年に向けていた年だったので、2017年はだからこそひたむきでやっていかなきゃいけないと思っています」
Profile
松田 凌(まつだ・りょう)●1991年9月13日生まれ、兵庫県出身。キャストコーポレーション所属。ミュージカル『薄桜鬼』斎藤 一 篇で初舞台初主演を果たす。その後『仮面ライダー鎧武/ガイム』、ドラマ『ニーチェ先生』、映画『ライチ☆光クラブ』、舞台『曇天に笑う』、『瞑るおおかみ黒き鴨』など、様々な作品に出演。1月26日から上演される舞台『幸福な職場』、3月26日から上演されるミュージカル『花・虞美人』に出演。

宮崎秋人(みやざき・しゅうと)●1990年9月3日生まれ、東京都出身。ワタナベエンターテインメント所属。ライブ・ファンタジー『FAIRY TAIL』主演、舞台『青の祓魔師 京都紅蓮篇』W主演、Dステ17th『夕陽伝』、舞台『つかこうへい七回忌特別公演「引退屋リリー」』、BSスカパー!オリジナル連続ドラマ『弱虫ペダル』など、様々な作品に出演。2月9日から上演される舞台『柔道少年』では主演を務める。

安西慎太郎(あんざい・しんたろう)●1993年12月16日生まれ。神奈川県出身。スペースクラフト・エンタテインメント所属。主な舞台出演作に、『エドワード二世』、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン、『戦国無双〜関ヶ原の章』(主演)、『もののふ白き虎』(主演)、『僕のリヴァ・る』(主演)、『アルカディア』、『幽霊』など。また、1/26から、主演舞台「幸福な職場」、1/30からNHKオーディオドラマ 『帝冠の恋』(全10回)が控えている。
ドラマ『男水!』
2017年1月21日(土)より日本テレビほかにて放送スタート
毎週土曜24:55〜
(※放送時間は変更になる場合がございます)
男水!
男水!
(C)男水!製作委員会
白泉社・花とゆめ「花LaLaonline」で連載中の木内たつやによる競泳マンガ『男水!』を原作としたドラマ&舞台連動企画。競泳をテーマに、男子高校生たちが本気でぶつかり合う青春を描いた、恋愛要素一切ナシ!のピュアな高校生たちが織り成す<超>体育会系ストーリー。5月にはほぼ同キャストで舞台版が上演される。
また、ドラマのエンディングテーマを、キャスト10人の“男水!オールスターズ”が担当。同曲を含むキャラクター・ソング4曲とオリジナル・サウンドトラックを1枚にまとめたスペシャルアルバム『We are swimmers 〜男水!キャラクター・ソング&オリジナル・サウンドトラック〜』が2月22日に発売決定。
≪story≫
「より速く泳ぎたい」ピュアな思いを持った秀平・大樹・礼央の3人は、水泳界の名門私立「龍峰高校」の推薦テストをきっかけに、純粋さ故に傷つけあってしまう…。 1人は名門私立「龍峰高校」水泳部へ、2人は廃部寸前の都立「東が丘高校」水泳部へ。もう交わることがないと思われた3人の運命は、彼らがかつてあこがれた選手・川崎亮也が現れ、東が丘高校水泳部のコーチを引き受けたことで大きく動き出す――。

公式サイト: http://www.ntv.co.jp/dansui/
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