黒羽麻璃央 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「黒羽麻璃央」

2017/10/04

「好きなことを突詰めてひたむきに頑張るアヤメくんを観て、夢を追うパワーにしてもらえたら嬉しい」

黒羽麻璃央

ミュージカル『刀剣乱舞』、舞台「黒子のバスケ」などの2.5次元舞台をはじめ、様々な作品で活躍中の若手俳優・黒羽麻璃央。足立梨花とW主演を務めた映画『アヤメくんののんびり肉食日誌』では、初のラブコメディに挑戦。本作の見どころや撮影エピソードをはじめ、芝居・役者業への想いを語ってもらった。


黒羽麻璃央
映画『アヤメくんののんびり肉食日誌』への主演が決まったときの心境は?
「最初は、マンガが原作のラブコメディということを聞いて、しかも主演だということもあってすごく嬉しかったんです。でも、W主演のお相手が足立梨花さんと聞いて、“えっ!?”て、驚いちゃいました。“やった!映画の主演が出来るんだ!!”という気持ちでいたのが、一気にプレッシャーになったというか。足立さんといえば、知名度の高い女優さんですし、“これは責任を問われるぞ”と思ってしまって、足立さんのお名前を聞いた時点で一気に緊張しました。お話を頂いてから原作を読んだんですが、“これ(菖蒲と椿の関係)を足立さんとやるの!?”と思って、勝手に頭の中で変換しながら読みましたね」
原作を読んでどんなことを感じましたか?
「映画では、どこまで描くんだろうなと。原作自体はまだ続いているし、どういう終わり方になるのかな?と率直に思って。映画だし、原作の展開は結構カットされちゃうのかなと思っていたんですけど、いただいた台本を読んだら、大事なシーンはしっかりと描かれていて。結末に関しては、この先の展開も見えるような終わり方だったので、今作で終わってほしくないな、続いてくれたら嬉しいなって思いました」

黒羽麻璃央
ラブコメディは初めてだったそうですが、実際に出演されていかがでしたか?
「初のラブコメディということもあって、作品に入る前にひたすら恋愛映画の予告編を見まくりました。特に同年代の役者さんがやられている恋愛映画を片っ端から見て、“何か活かせるものないかな?”“どうすればキュンキュンするんだろう”っていうのを考えながら勉強しましたね。撮影に関しては、コメディの部分のお芝居に関しては、僕自身はそこまでなくて。僕は結構、台本を通して監督とお話をしながらしっかりとお芝居を作っていった感じだったんです。面白いシーンとかアドリブの部分などは、僕以外のキャスト、特に研究所のメンバーが面白くやってくれていて。研究室のキャストのみんなは、普段からも仲が良かったので、その雰囲気が出ていたんじゃないかなと。劇中同様、大地くんをはじめ、実際にもちょっと変わった人たちが集まっている感じで、現場はすごく楽しかったです(笑)」

黒羽麻璃央
アヤメくんの恋のライバルとなる仁英先輩を演じた佐伯大地くんとは、共演経験もあったからこそやりやすかった?
「そうですね。大地くんという知っている存在がいたのは本当に良かったです。一から関係性を作る必要もないですし、すんなりとお芝居には入れたんですが、役柄としてはアヤメくんは仁英先輩のことはあまり好きじゃないですからね。原作では仁英先輩の可愛い部分もちゃんと掘り下げていますし、愛すべきキャラになっていくんですけど、映画はまたちょっと違った立ち位置になっていて、本当にグイグイくる肉食な男子なので。ずっと“この人、嫌だな”と思いながらのお芝居になっていましたね(笑)」
撮影期間中はアヤメくんの心情とシンクロしていた?
「今回の作品に関しては、ほとんどのシーンで出ずっぱりでしたし、あまり楽屋にもいなかったので、そういう部分はあったと思います。だからすごく色が分かれていました。研究所にいる自分、大地くんといるときの自分、足立さんといるときの自分。それはアヤメくんの心境だったんだと思います。ただ、何にせよ、お父さん(鶴見辰吾)とのシーンが一番緊張はしました。大先輩とのお芝居だし、NGは絶対に出しちゃだめだ!とすごく緊張しました」

黒羽麻璃央
演じられたアヤメくんに対してはどんな印象がありますか?
「雲みたいな人だなと思うんです。目の前にいるのに掴めないような、そんなイメージでした。本人には悪気もないですし、何も考えていないからこそ少年のような部分があって。疑問に思ったことは“なぜ?”って思うし、触りたいと思えば『触りたい』と言うし、そこにストッパーがない。だからこそ、椿先輩に『おっぱい触らせてもらってもいいですか?』なんていう、すごいセリフをストレートに言えたりとか、好きな人にはまっすぐに向かって行く強さもある。意識せずに『好きだ』とかポロッと言えて、肉食スイッチが入れば急に男らしさを見せる。なんだかズルいなって思います」
共感する部分や似ているなって思う部分は?
「自分自身はあまり自覚がないんですが、大地くんとかに『すごく似ている』って言われて。自分的にはむしろ、遠い距離にいる存在かなって思っていたんです。でも、僕もちょっとフワフワしているところがあるし、人に左右されたくないっていう部分もあったりするから、一致はしてないけど、近いものはあるかもしれないですね」

黒羽麻璃央
そんなアヤメくんが、恋に落ちる椿先輩を演じた足立梨花さんとの共演はいかがでしたか?
「現場を明るくしてくださったり、お姉さん気質な方だなって思いました。役柄もそうでしたけど、存在感の強い方だなと。キャリアもあるし、いろんなメディアで活躍されている方なので、最初の頃は、僕の中で“わ、芸能人の方と仕事してる”みたいな感じで。テレビで見ていた人が自分の目の前にいて、一緒に演技をしているっていうような不思議な感覚でした。これまでもいろいろな方とご一緒させていただいていますが、初心を忘れずに、そういった方とご一緒できるという喜びや感動をいつまでも持っていたいなと思っています。ただ最近、足立さんが、僕の扱いに対して雑になってきているような気がしていて……(笑)」
先程、特に緊張したシーンはお父さん役の鶴見辰吾さんとのシーンだったというお話でしたが、同世代のキャストとの絡みが多い中で、鶴見さんとの親子のシーンはいかがでしたか?
「鶴見さんは、そこにいるだけで雰囲気や存在感があって、醸し出すオーラもそうですし、芝居のリアリティにしてもすべてにおいて圧倒されました。上手い方とお芝居をすることで、自分も引き上げてもらえるというか。お芝居の中で引っ張ってくださって、鶴見さんのリアリティある演技に乗っかる形で僕自身の演技もリアリティを持たせて頂けたかなと。鶴見さんのように、あんな風なお芝居が出来るようになれたら、やりがいも今以上に出てくるだろうし、すごく楽しいんだろうなって思いました」
黒羽麻璃央
アヤメくんは恐竜が好きで夢中になっているとスイッチが入ってしまう役柄でしたが、黒羽くんが今同じく夢中になっているもの、ハマっているものは?
「今、ハマってるのはコンビニの100円で買える冷凍餃子。店に入って、あったらあっただけ買っちゃうんですけど、今まで食べた餃子の中で一番美味くて。もう、なんだったら買い占めたい(笑)。それくらい好きなんです。電子レンジが餃子臭くなるくらい、食べています。あとは、『楽天イーグルス』オタクです。地元の球団でもありますし、いつか始球式をやってみたいなって」
今作のみならずドラマ、舞台など様々なジャンル活躍されている黒羽くんが思う、“役者”の魅力、面白さは何だと思われますか?
「いろいろな人の人生を歩めることは面白いなと思います。普通に生きていたら、今回のアヤメくんのように、化石発掘をする人の人生に触れることもなかったと思うんです。もともと、僕の夢は体育教師だったんですが、それを役として味わうこともできる。そうやっていろんな人になれるし、様々な職種を体験することができる。それってすごい経験だなと思っていて。さらにいえば、役者として生きていく中で経験したいろいろなことを、次の芝居や表現で活かすこともできる。だからこそ、いろんなことを経験していくことが大切だなと思います。あと僕は純粋に、芝居をしている自分を客観的に見ることが好きなので、すごく楽しいです」

黒羽麻璃央
これまでのお仕事で転機になったと思われるお仕事は何ですか?
「間違いなくターニングポイントだったのは、ミュージカル『テニスの王子様』、ミュージカル『刀剣乱舞』、『歌姫』。“テニミュ”でたくさんの方々に知っていただき、“刀ミュ”で一気に知名度や経験を広げてもらって、『歌姫』で改めて“役者とは”という演劇観を学ばせていただいて。節目節目で僕はすごくいい作品に出会えていると思います。なので、今回の『アヤメくんののんびり肉食日誌』もそんなポイントになったら嬉しいですね」
ターニングポイントを経て、さらなる夢へと向かっている黒羽くんが思う「夢を叶えるために必要なこと」とは。
「自分の実力を磨くことは大事だと思います。今はいろいろなお仕事をさせていただいていますし、お仕事をしていること自体が楽しいんです。でも、若い新しい俳優さんが次から次へといっぱい出てきているし、自分自身、20代中盤に差し掛かった今、ちょっと焦りも感じていて。実力を磨かずに、“まだ大丈夫だろう”って過信していたら、いつの間にかいなくなってしまうかもしれないし、怖い世界でもあるなと。僕らは“この人に出て欲しい”“この役にはこの人しかいない”と、誰かに求められて成立するお仕事だと思うんです。だからこそ、“また一緒にお仕事したい”と思ってもらえるような存在になりたいし、“一現場に一人黒羽麻璃央ほしいよね”と思われるような役者でありたい。そのためにも自分を磨き続けていきたいなと思います」

黒羽麻璃央
では、最後に映画を楽しみにしてくれている読者へメッセージをお願いします。
「僕自身がアヤメくん中毒者の一人で、アヤメくんの人となりに惚れてますし、また自分本人でもある、という感覚もあるのでとても思い入れのある作品なんです。これで終わりにしたくはないというくらいの熱を持っているので、たくさんの人に見てもらいたいですし、一人でも多くアヤメくん中毒者が増えてほしいなって思います。応援の声をいただけたら、もしかしたらまたアヤメくんのその先にも出会えるかもしれないので、この映画を観て、想いをぜひ飛ばしていただきたいです。それと好きなものをとことん突き詰めながらひたむきに頑張るアヤメくんを観て、夢を追うパワーにしてもらえたら嬉しいです」

インタビュー・終
撮影/booro(BIEI)取材・文/えびさわなち

Profile

黒羽麻璃央
くろば・まりお●1993年7月6日生まれ、宮城県出身。ヴィズミック所属。2010年『第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』で準グランプリを受賞。2012年にミュージカル『テニスの王子様』で俳優デビューを果たす。その後、ミュージカル『刀剣乱舞』、舞台『黒子のバスケ』、タクフェス第四弾『歌姫』、舞台『熱海殺人事件』NEWGENERATION、ドラマ&舞台連動企画『男水!』、ドラマ『レンタルの恋』(日本テレビ)、『ファイブ』(フジテレビ)など、様々な作品に出演。2018年2月には映画『SeaOpening』の公開が控える。

INFORMATION

映画『アヤメくんののんびり肉食日誌』
映画『アヤメくんののんびり肉食日誌』

映画『アヤメくんののんびり肉食日誌』
10月7日(土)より、シネリーブル池袋/ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場 ほか全国ロードショー

『第6回 anan マンガ大賞』準大賞を受賞し、話題となっている町麻衣の同名マンガ(『FEEL YOUNG』で連載中/祥伝社)を、黒羽麻璃央&足立梨花のW主演で実写映画化。
本作の舞台は、とある大学の生物学科の研究室。一見「草食系男子」のような、のんびり屋のアヤメは、好奇心旺盛で恐竜オタクな優等生。しかし、先輩の女子大生・椿と出会ったことで恋に目覚め、感情をストレートに表現する肉食系の猛アタックを仕掛けていく。恐竜の化石や骨が大好きな少々変わり者の美女・椿は、一筋縄じゃいかないアヤメからの猛烈なアプローチに、最初は戸惑い、振り回されながらも、自分に対する真っ直ぐな気持ちに、次第に心惹かれていく。
アヤメと椿のもどかしくもおかしな恋愛模様が、二人を取り巻く研究室の仲間とともに、瑞々しくスクリーンに映し出され、観る人の心を幸せに包んでいくこと間違いなしの胸キュン研究室ラブコメディ。

©2017 町麻衣/祥伝社/映画『アヤメくんののんびり肉食日誌』製作委員会

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