鈴木伸之(劇団EXILE) | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「鈴木伸之(劇団EXILE)」

2016/05/18

「少女マンガ原作の作品は初めてなので、すべてのことが新鮮でした」

鈴木伸之

劇団EXILEのメンバーとして、『HiGH&LOW』などで活躍中の俳優・鈴木伸之。二階堂ふみ×山ア賢人W主演で、人気少女コミックを実写映画化した『オオカミ少女と黒王子』で、初のラブコメディに挑戦! 学校イチのプレイボーイ・神谷望役を演じた彼に、作品への想い、役づくりでこだわった点、芝居の魅力などを語ってもらった。

鈴木伸之
『ルーズヴェルト・ゲーム』や『HiGH&LOW』など、様々な作品に出演している鈴木くんですが、今回、ラブコメディに初出演! しかも人気少女コミックス原作ですが、作品の世界観についてはどのように感じていらっしゃいましたか?
「少女マンガ原作の作品は初めてなので、原作もしっかり読ませていただいたのですが、なかなか普段は触れる機会もなかったので、全てのことが新鮮でした。内容も王道のラブストーリーですし、キラキラとした明るくも“青春”という文字が浮かぶように……と意識して撮影していたので、すごく仕上がりも良かったですし、公開が楽しみです」
高校生役を演じるという上で、セリフの言い回しや制服の着こなしなど、何か意識されたことはありますか?
「物の言い方や制服の着こなしに関してはもちろん気にはしたんですが、今回はそういうところではなく、少女マンガでキャラクターも個性豊かなので、台本に書いてあるセリフを信じて、敢えて色をつけすぎず、ナチュラルに自然にやることを監督とも相談してやらせていただきました」
『HIGH&LOW』などで観る、ギラギラとした演技とは違い、今回はキラキラした演技。演じ分けで難しいところはありましたか?
「試写で拝見して、お芝居での反省点を感じる部分もあったんですが、それでもキラキラしているなというのは感じて。演じ分けているつもりはないんですが、髪型と衣装が変ってくると自然と身の入り方も変わってくる気がしています。あまり苦にならずにスッと役には入れたと思います」

鈴木伸之
鈴木くん演じる神谷望は、校内イチのプレイボーイという役柄ですが、役作りにおいて、どのようなアプローチをされたんでしょうか。
「キャラクターを見ていてごくたまに“こんな奴、普通にはいないだろう”と思うことがあるんですが、じゃあその役を自分が演じるにはどうしたらいいんだろうって考えて演技を作っていくんです。そう考えたときに山アくんと二階堂さんの二人の世界観に自分の役を引き出してもらいつつ、台詞を全く変えずに台本を信じてそのままに演じさせていただいたんです。自分としてはこういう作品が初めてでしたし、一個一個言い回しを変えた方が良かった場合があっても、やってみることでそこからの反省も活かしていこうと思ったのもあって。今回の作品では監督の指示を素直に聞き、台本のセリフもわりとそのままで、相手のお芝居を見て変わった部分では自分もそれに合わせて変えていくという芝居をしました。確かに、神谷はチャラいんですけど、だからといってチャラチャラやったかというとそうでもなく。その辺においても、今回はすごく勉強になりました」
マンガで見るよりも“こういう人、いそうだな”という印象を受けたんですが、そういった役作りからなんですね。
「そうかもしれません。(山アと二階堂の)お二人もすごく原作のイメージに近かったですし、山アくんなら山アくんにしか出ない個性、“山アくんだからこういう佐田恭也が生まれる”というものがあったので。そういう部分も大事にして、みんなが取り組んだのかなともすごく感じました」
鈴木伸之
神谷くんはどんな人だと感じますか?自分と重なる部分はありましたか?
「学校生活では色んなタイプの人がいると思うんです。“勉強ができる”“スポーツができる”“一生懸命に頑張る人”とか。神谷くんは多分、どうしようもなくモテる。だからそれを自信にして武器にして、学校生活を送っているんだと思うんです。僕の場合はそれが友だちだった。僕自身、振り返ると高校では友だちを大切にして過ごしていたけど、それが神谷は女のコだったりする。だからこそ、その良さを恭也に一生懸命アピールもするんだと思うんです。そこを自分と重ねて演じました」
今回共演された、二階堂さんと山アさんはどんな方でしたか?
「今回の作品では、誰かの母親や父親、先生という形で大御所の俳優さんの出演というのがなくて、菜々緒さんが最年長で、23歳の僕が2番目というくらい、若手のキャストが集まった現場だったんですが、二階堂さんも山アくんもすごく気さくで。二階堂さんに関してはお会いしたのも初めてだったんですけど、オンとオフの切り替えがちゃんとされている方で、“THE女優さん”というイメージのまま、すごくいい演技でこの世界に引き込んでもらいました。山アくんとは2回目の共演で、前回とはまた違うお互いの役どころだったんですけど、フランクで、相手にわからないように気を遣う場面も合間合間で見られて。そんなお二人が作り出した世界観の映画だなということはすごく感じました」
鈴木伸之
そんな二階堂さんや山アさんをはじめ、今作は若手キャストが多い現場だったと思うのですが、鈴木くんは、撮影現場ではどのようなポジションだったんですか?
「僕は要所要所での出演だったので、あまり現場で“盛り上げるぞ!”ということでもなく、待ち時間はみなさんと話したりしていました。みなさん若いんですけど、すごく大人っぽくて。学園モノというと、キャストがみんなでワー!キャー!みたいなイメージもあるんですが、そういう感じでもなく。みんな大人な対応の中でやらせてもらったような感じがします。現場の雰囲気はすごく良かったです」
今回、修学旅行のシーンがありました。高校生らしいシーンも多かったですが、実際の鈴木さんの高校時代はどんな時間でしたか?
「高校時代は本当に男友だちとつるんでいましたね。中学までは野球をやっていたんですが、高校では帰宅部だったので、学校が終われば近い家の友だちの家にみんなで集まって、ゲームしたりしていました」
その学生生活の中に甘酸っぱい思い出はあったんでしょうか。
「そうですね……、何かあったのかなぁ。学生生活は恋愛もそうですし、勉強も、先生との向き合い方でも悩むこともあると思うんです。結構、色々とぶつかりましたし、うまくいかないことだらけでしたけど、今、思い出すと、学生生活は全部が甘酸っぱかったな、と感じます。5年前くらいの話ではあるんですけど。今でも高校の友だちとは連絡も取っています。なかにはもう子供も生まれたヤツもいて。叔父のような気になります。これからも一生付き合っていくんだろうなとも思っています」

鈴木伸之
今作は、映画『ストロボ・エッジ』や『余命一カ月の花嫁』など、ラブストーリーに定評のある廣木隆一監督作品ですが、監督との撮影はいかがでしたか?
「衣装合わせで初めてお会いしました。前もって作品も拝見していたんですが、そのときは、監督のお年的にも“恋愛モノを撮られるんだ”と驚くようなイメージだったんです。でも映画を観ると、引きと寄りの使い分けの映画になっていて、色も鮮やかだし、ごはんの魅せ方も面白いなと感じて。廣木監督からも『やりすぎず自然でいいから』といっていただいたので、それを意識してやらせていただきました。僕のシーンで言うと、恭也との最後のシーンはすごく引きでずっと撮っている感じの絵なんですけど。その堂々とした絵に感銘を受けて、すごく好きな監督のお一人になりました」
今作に限らず、鈴木くんが演じる時に心がけていることはなんでしょうか。『HIGH&LOW』のヤマトとはあまりにもかけ離れた神谷くんではありましたが。
「『かけ離れている』と言われれば言われるほど、役者冥利に尽きますし。僕の役作りへの意識は全く変わっていないですが、スタッフさんや監督さんの手腕で変えてくれているので、そこに感謝しつつ、見た目だけではなく癖や着こなしをもっと掘り下げてやっていきたいと思っています」
鈴木伸之
役者として“お芝居の魅力”は、なんだと感じられていますか?
「お芝居は嘘のことをやっているけど、それが見ている人の心に届いたときが面白いなって思います。例えば笑ってくれたり、泣いたり、怒ったり。僕でいうと、ここ最近、すごくダークな役が多かったんですが、バスに乗っているときに50代くらいの男性が乗って来て『君、あの悪い役、いいよね!めちゃくちゃ応援しているから!』って声を掛けて下さったんです。ほかにも『アイツだけは許せない』ってお手紙を頂いたりして。それも嬉しいなって思いました。そんな風に思わせられる職業って面白いなと」
では、最後に映画を楽しみにしている読者へメッセージを。
「恋愛モノの王道でもあり、二階堂さんという恋愛モノに新しい風を吹かせてくれるような方が参加していますし、山アくんは、今すごいたくさんの作品に出られている人気の方なので。そして吉沢亮くんや菜々緒さんも一人一人の個性やこの作品に対する想いみたいなものが絵に出ていると思うので、そこを観て頂きたいです」

インタビュー・終

撮影/草刈雅之 取材・文/えびさわなち

Profile

鈴木伸之
すずき・のぶゆき●1992年10月14日生まれ、神奈川県出身。LDH所属。2010年に『第3回劇団EXILEオーディション』に合格し俳優デビュー。主な出演作は、ドラマ/『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS系)、『水球ヤンキース』(フジ系)、大河ドラマ『花燃ゆ』(NHK)、映画/『桐島、部活やめるってよ』、『ストレイヤーズ・クロニクル』、舞台/『真田十勇士』など。現在放送中の『HiGH&LOW Season2』(日テレ系)に出演中。7月16日には、映画『HiGH&LOW THE MOVIE』が公開される。

INFORMATION

『オオカミ少女と黒王子』
『オオカミ少女と黒王子』
『オオカミ少女と黒王子』

映画『オオカミ少女と黒王子』
5月28日(土)より新宿ピカデリー他全国ロードショー

『別冊マーガレット』(集英社)で連載中の人気少女漫画を二階堂ふみ×山ア賢人W主演で実写映画化。
高校1年生の篠原エリカ(二階堂ふみ)は、彼氏いない歴=年齢なのに、恋愛経験豊富な友達に見栄を張り、彼氏がいるふりをしている“オオカミ少女”。本当に彼氏がいるのかと友達に疑われたエリカは、街で盗撮したイケメンの写真を見せて、自分の彼氏だと言い張り、その場をしのぐ。ところがその彼が、同じ学校に通う学校イチのイケメン・佐田恭也(山ア賢人)だと発覚。事情を打ち明けると、彼氏のふりをしてくれるという優しい恭也に、エリカは「王子様みたい…!」と大感激。しかし、実はドSな面を持つ“黒王子”が出した条件は、エリカが恭也に“絶対服従”することだった。
ときには心が折れそうになりながらも一途な思いを抱くエリカと、素直な気持ちをうまく言葉にできない恭也が、ぶつかりあいながらもお互いを知っていく。そんな恋愛のキュンキュンがつまった、この春一番のラブストーリー。

(C)八田鮎子/集英社 (C)2016映画「オオカミ少女と黒王子」製作委員会

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