東野絢香 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「東野絢香」

2024/01/04

「2023年はこれまであまり演じたことのないタイプの役が多く、今だからこその挑戦がたくさんできた年だったなと思います」

東野絢香撮影/厚地健太郎 取材・文/児玉澄子

2023年の第36回東京国際映画祭で最優秀監督賞、観客賞を受賞した映画『正欲』のメインキャストの1人として鮮烈な印象を残した俳優・東野絢香さん。そのほかドラマや舞台と充実の1年となりました。18歳から俳優養成機関「トライストーン・アクティングラボ」で学び、21歳で現事務所トライストーン・エンタテイメントに所属。順調にステップアップしてきた東野さんの歩みには、俳優を目指す人たちのヒントがたくさんありました。

東野絢香

──2023年の東野さんのトピックスといえば映画『正欲』の神戸八重子役。東京国際映画祭のレッドカーペットや舞台挨拶でのドレスもとてもステキでした。

「作品を一緒に作ったみなさんと再び集まって、映画好きな方々の前でお披露目できる──。緊張はしましたが、ただただ幸せでした。大好きな映画に携われたばかりか、こんなご褒美までいただいてなんとありがたいことだろうと、あの熱気あふれる会場でひたすら幸福感に浸っていましたね」

東野絢香

──撮影は2022年の半ば頃だったそうですが、改めてご自身の演技を観ていかがでしたか?

「だいぶ時間が経っていたこともあって、ほかの登場人物のストーリーも含めて感情が揺さぶられましたね。もう少し早い公開だったら『こんな芝居のアプローチもあったんじゃないかな』とか、観ながらいろいろ考えていたかもしれません。いまだにセリフは覚えていますし、ふとしたときに八重子のことを思い出すこともありますから」

──男性に対するトラウマを抱えた役どころ。中でも諸橋役の佐藤寛太さんと対峙するシーンは、映画のハイライトの1つでもありました。

「岸善幸監督はとてもキャストを信頼してくださる方で、うまく演じるよりもその場で生まれた感情を大切にしてくださるんです。特にあのシーンは感情をトップにまで持っていかなければならなかったんですが、何度も反芻すると自分の中で感情の鮮度が落ちてしまうこともあって──」

東野絢香

──役作りをしすぎると、感情がウソっぽくなってしまうこともあるということでしょうか?

「もちろん八重子のこれまでの人生、彼女の転機になった出来事などを自分の中に入れておくことは大切でしたが、その上で、その場で湧き上がった感情を吐き出すには、その瞬間の心が大きく動いていないといけないんです。それでも感情をずっとトップにキープしておくのは、なかなかしんどいもので。そんなときには『お芝居を止めていいよ』と声をかけてくださるんです。新人が現場を止めるなんて──と思いながらも、そういった監督の細やかなフォローのおかげであのシーンができたところが大きかったです」

──2023年後半は映画『正欲』への反響が大きかったですが、その他のお仕事も充実。振り返ってどんな1年でしたか?

「これまであまり演じたことのないタイプの役が多かったです。その分、完成形が見えず『こういうやり方もあるかな』とか、ひたすら考えていました。ただそれが不安というよりも、『初めてだし、失敗して怒られてもまた頑張ればいいや』というワクワク感のほうが大きかったです。初めてのことって年齢を経るごとに減っていくと思いますし、今だからこその挑戦がたくさんできた年だったなと思います」

東野絢香

──特に印象深かった出来事を教えていただけますか?

「夏に出演させていただいた舞台『メルセデス・アイス』の演出・白井晃さんに、『不思議な女優さんだよね』とおっしゃっていただいたことが心に残ってます。児童書が原作の大人から子どもまで楽しめるファンタジーで、私が演じたのは少女から太っ腹母ちゃんまで。しかも常にハイテンションに、舞台上を動き回る役だったんですね。これは今までの引き出しでは何もアイデアが出てこないなと思って、とにかく童心にかえって誰よりも元気に稽古場を過ごしていました」

──普段、落ち着いて見える印象の東野さんが平場でハイテンションに? 

「白井さんもびっくりされたとおっしゃっていました。2022年に出演させていただいた舞台『温暖化の秋 -hot autumn-』をご覧になっていたから、普段は温度感が低いタイプだと想像されていたそうで。その上で私にこの役を充ててくださったのもうれしかったですし、その期待に応えたいというところも大きかったです」

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小栗旬や田中圭、綾野剛、木村文乃、坂口健太郎、間宮祥太朗、赤楚衛二、原菜乃華といった、人気・実力を兼ね備えた俳優が所属する芸能プロダクション、トライストーン・エンタテイメント直営の俳優養成/演技研究所。演技の未経験者から、演技術の向上を目指すプロの俳優まで、幅広く門戸を開いている。講師陣は多数の俳優を指導してきたエキスパートぞろい。また、映画や舞台の製作者、監督、演出家、俳優などによる特別講義も実施している。映画『クローズZERO』シリーズや『ルパン三世』そして『新宿スワン』といった大型映画を自社製作しているのもトライストーン・エンタテイメントの特色。TSAL生にもこれらの作品への出演の機会を提供している。もちろん、外部の映画、ドラマ、舞台のオーディションへも積極的に送り込んでおり、TSAL在籍中から俳優として現場に入る人は多い。レッスンで有望と認められたり、人一倍の努力が評価された場合には、トライストーン・エンタテイメント所属に向けて推薦が受けられる。若手バイプレーヤーとして連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合ほか)にレギュラー出演した前原滉も、演技未経験でTSAL入所〜レッスンを経てトライストーン・エンタテイメントに所属をした一人である。

トライストーン・アクティング・ラボの詳細は下記まで
TEL:03-5433-2195
WEB: http://www.tristone.co.jp/tsal/

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