岡山天音 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「岡山天音」

2016/12/28

「ダメなタイプの役をもらうことが多いので(笑)、自分としても新鮮でした」

岡山天音

数々の映画やドラマで唯一無二の存在感を放っている俳優・岡山天音。主演映画が続々と控えている2017年は、中島裕翔×新木優子のラブストーリー『僕らのごはんは明日で待ってる』が1月7日(土)に公開。着実にキャリアを積み上げている若き個性派俳優が、独自の芝居への取り組み方を語ります!


岡山天音
2017年1月7日(土)に公開される映画『僕らのごはんは明日で待ってる』。キュンとするシーンがありつつも、心が暖かくなるようなラブストーリーでした。演じてみてどんな作品だと感じましたか?
「僕自身、好きなタイプのラブストーリーだなと思いました。スクリーンの中で起こっていることが信じられるというか、もしかしたらどこかで実際にこんな恋愛をしているカップルがいるんじゃないかなと思えるような。こういう作品って観終わって現実に戻ったときにも、どこか映画の気配が残るから好きなんです。それこそ壁ドンみたいな派手な仕掛けはないんだけど、こういう現実に希望が持てるようなラブストーリーに自分が参加できるのが嬉しかったです」
個性的な役を演じることの多い岡山さんですが、本作で演じている塚原は、中島裕翔さん演じる主人公・葉山亮太の友人という等身大の大学生。演じる上で何か意識したことはありますか?
「一見、あまり特徴がない人間なので薄くなってしまうかな、という懸念はありました。だけど、出演シーンは少なくても、主人公の亮太を支える大事な役なので、他の大学生なんだろうな、そしてそういう人間であるということは、人には言わないけど、実はとても傷ついた経験があるのかもしれない……といった彼の過去なんかもイメージしていました」
塚原についてはそこまで細かく描かれないけれど、そういう取り組みはいつもするんですか?
「いえ、メインのときはそういうことも出演シーンで説明してくれるのでそこまで考えなくてもよかったりするんですが、今回みたいな脇で支えるような役のときは、描かれない時間を埋めるような作業を一人で黙々とやることが多いですね」
岡山天音
たしかに塚原自身は、登場シーンは少ないけれど、ストーリーの時間経過とともに亮太との距離感は確実に近くなってますよね。
「実生活でもそうですよね。友だちとの関係性って、初対面のときと何年か経ったときとでは明らかに変わっていて、その間には何かしら、関係性の転機になるような出来事ってあったはずなんです。本作ではそこまで描かれないですけど、自分の出ていないシーンも含めて台本を何度も読み返してみて、“なぜこの役が必要なのか”、“なぜこの場面に登場するのか”、“メインの人たちにどういう影響を与える役なのか”といった映画全体の中での役割については自分なりに考えて用意していきました」
本作の役割といえば亮太を支えることですよね。それも押し付けがましくなく、とてもさりげなくて、絶妙な距離感を表現されていました。男同士の友情ってこんな感じなのかなと。
「塚原はいいヤツですよね。普通に周りにいたら友だちになりたいなと思うような。わりとダメなタイプの役をもらうことが多いので(笑)、自分としても新鮮でした」
亮太にかけるさりげない言葉とか、カッコイイなと思いました。
「本当ですか? “カッコイイ”って、自分としては一番苦手というか、演じる上で悩む表現なんです。ビジュアル的にも不利ですし。まあ、今回はそこまでカッコ良さを求められる役でもなかったですけど」
岡山天音
むしろ本作では、亮太のほうがダメなタイプかもしれないですよね(笑)。自分にいっぱいいっぱいで、周りが見えてないというか。
「でも、ダメなタイプの人間って愛おしくないですか? ダメさが愛しくなる感じの役柄は演じていても楽しいですし、僕は好きです」
たしかに、亮太もまっすぐで応援したくなるタイプですよね。
「そうそう。でもそれを表現できているのも、中島くんの人柄によるところが大きいと思うんですよ。亮太を支える塚原、というのが本作の二人の関係性ですが、実際の中島くんも何をするでも何を言うでもなくても、自然とこっちが何かしてあげたくなるような、追っかけたくなるような不思議な魅力があるんです。だから僕も役として底上げしなくても、自然に塚原の気持ちになれたってところは大きかった。中島くんが亮太じゃなかったら、僕もぜんぜん違う塚原になっていたと思います」

岡山天音
中島さんとは初共演でしたが、現場ではお互いどう過ごしていたんですか?
「役や芝居に関しての話はほとんどしなかったですけど、中島くんが初日からすごくフラットに接してくれたおかげで、セッティング中とかも普通に友だちとしゃべるのと変わりない雰囲気で話していました。どうやって距離感を縮めたらいいのかなと最初は僕のほうが構えちゃっていたんですけど、ぜんぜんそんな必要なかったです」
ところで、2017年春は主演映画の公開が2作控えています。今回はいわゆる脇を固める役ですが、メインを演じる役にはないやりがいや難しさはありましたか?
「さっきも言ったような自分で考える要素が多いことが、難しさでもあり、やりがいでもあり。それと理想ですけど、メインの役者さんが意としてなかったような要素を、自分の芝居によって引き出せたらいいなという思いはあります。メインの人が立って見えるそのための一役を担いたいという感覚はあります」

岡山天音
では最後に、着実にキャリアを積み上げている岡山さんから、デビューを夢見る『Deview』読者に「夢を叶えるヒント」をいただけますか?
「よくオーディションを受けていた頃に感じたのは、自由でいたほうがいいということです。そうすると結果はどうあれ、後でモヤモヤが残らないんですよね。逆に“相手に失礼になっちゃいけない”とか、“よく見せよう”、“うまくやろう”とか、そういうことばっかり考えて凝り固まってしまったときほど、後悔が残ることが多かったように思います。なので、心も頭も自由に、その場を楽しむということは今も大切にしています」

インタビュー・終
撮影/草刈雅之 取材・文/児玉澄子

Profile

岡山天音
おかやま・あまね●1994年6月17日生まれ、東京都出身。ユマニテ所属。最近の主な出演作に、ドラマW『この町の命に』、映画『雨にゆれる女』、映画『セトウツミ』、『ディストラクションベイビーズ』、『ライチ★光クラブ』『合葬』など。auシリーズのCMがオンエア中。荒井敦史とW主演の映画『神さまの轍-checkpoint of the life-』(2017年春公開)、第10回田辺・弁慶映画祭記念映画『ポエトリーエンジェル』では武田玲奈とのW主演を務める。

INFORMATION

『僕らのごはんは明日で待ってる』
『僕らのごはんは明日で待ってる』

映画『僕らのごはんは明日で待ってる』
2017年1月7日(土)全国ロードショー

瀬尾まいこのロングセラー小説を、中島裕翔×新木優子で贈る、“うるキュン”ラブストーリー。
高校のときに出会い、付き合い始めた亮太と小春。無口でネガティブ、他人に心を閉ざす亮太と超ポジティブだけど風変わりな魅力を持つ小春。正反対の性格ではあるものの、少しずつ距離を縮めていく二人。しかし、大学生になったある日、突然小春は亮太に別れを切り出す。
亮太は理由もわからず思いを伝え続けるが、小春は全く取り合わない。実は、小春は亮太にいえない秘密を抱えていた。社会人になり、小春の秘密を知った亮太は、再び彼女のもとに走り出す。出会いから7年、運命の恋が再び動き始める――。

(C)2017『僕らのごはんは明日で待ってる』製作委員会

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