ホラー作品はいちばん苦手だなって思ってたんです

7月2＆9日放送のドラマ『怪談新耳袋スペシャル』(BS-TBS)で主演を務める山下リオちゃん。12代目“リハウスガール”として脚光を浴び、ドラマなどで活躍。出演映画2本の公開も控えるリオちゃんは、ピュアな魅力たっぷりな女のコ。そんなリオちゃんが役作りの秘話や撮影の舞台裏などをたっぷりと明かしてくれました。

Ｑ　『怪談新耳袋スペシャル』に主演してみてどうだった？

「ふたつとも、自分の中では違った感覚の物語だなって思っているんです。『まえ「すごい顔」』(7月2日放送)で演じるやよいは、等身大の女のコで、ちょっと霊的なモノを感じやすい。“すごい顔”の女の人にひたすら追いかけられる話なんですけど、私はその女の人の死ぬ前とかをいろいろ想像しちゃいました。対照的に『うしろ「記憶」』(7月9日放送)で演じるみさきは、霊的なモノには全く鈍感で、なにも気付かない。あと(自分より)年上の18歳って設定だったので、それを意識して演じました。この話では、肝試しのシーンの撮影で本物の廃校を使ってるんです。そういう部分のスリル感も出ているんじゃないかなあと思います」

Ｑ　廃校での撮影となると、何か怖い出来事とかあったんじゃない？

「監督のダウンジャケットが真っ赤になっちゃったことがありました。監督も“なんで真っ赤になったか分かんない”って言って、みんなで“すごい心霊現象が起きた！”って騒いでました。怖かったんですけど、実はペンキが付いてただけで(笑)。“もうなんだよー！”ってみんなですごく笑っていました(笑)」

Ｑ　(笑)。普段の生活で恐怖体験をしたことはある？

「高校生になってから自宅で金縛りに遭ったことがありました。“何が起こったんだろう？”って不思議な感じで、夢か現実か分からなくなってくるんです。でも、そのまま寝ちゃって。朝起きたら元通りでした(笑)」

Ｑ　(笑)。怖い話をするのは好き？

「大好きです。女のコ同士で集まると怪談話をしたり。自分の周りであった怖い話や都市伝説みたいなのを話します(笑)。あとは、キャーキャー言いながらみんなでホラー映画を観たりだとか。そういうのは楽しいですね。でも、演技面的にはホラー作品はいちばん苦手だなって思っていて…」

Ｑ　それはどうして？

「無意識のうちにビックリする動きと、叫び声を一緒に演技するのが難しくて。それでホラーが苦手みたいな話をしていたら…(苦笑)」

Ｑ　今回の主演の話が来た、と(笑)。

「はい(笑)。でも、本当にいろいろ試練を与えてもらっているような感じです。だから、いただいた役はしっかりと演じたいと思います」

Ｑ　実際に怖いシーンを撮影していたとき、リオちゃん自身も怖さを感じたりした？

「全く怖くなかったです(笑)。観る側は怖いと思うんですけど、実際に撮影していると、お化け屋敷のお化け役をやっているみたいな感覚なんですかね。でも実際のお化け屋敷は怖いです(笑)」

Ｑ　実際に怖くておびえる時は、とても気持ちが張り詰めてしまう。それを演技で表現するのは大変じゃない？

「そうですね。怖いときの心理状態って、カタッて音がしただけでもパッて振り返っちゃうくらい、本当にいろんな感覚が研ぎ澄まされているじゃないですか。たくさんの人がいる現場で、そういう緊張状態を保つのが難しかったです」

Ｑ　そのために工夫したことはある？

「普段から“タンスの中から手が出てきたらどうしよう”とかを考えるコトがあるんですけど、そういうのを思い出したりして、すごく想像しながら演じていました」

Ｑ　リオちゃんが目指している役者像は？

「私は、テレビや映画を観てすごく影響されちゃうタイプなんです。例えばアクション映画を観たら、自分が強くなった気がしますし(笑)。なので、今度は自分が(テレビなどに)出て、観た方に夢や元気を与えられるような、そういった“影響させる側”になりたいなと思っています」

Ｑ　これからチャレンジしたいことは？

「時代モノというか、昔の時代の作品が好きなので、いつかはそういうものを演じてみたいです」

PART2につづく…

Text／西村祐哉(日刊編集センター)