植田圭輔 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「植田圭輔」

2016/06/08

「石田三成は自分と近いものがある。僕も自分の信念みたいなものをいつも持ってやっているので」

植田圭輔\

昨年5月に上演された、舞台「戦国無双」〜関ヶ原の章〜から1年。新たなキャストを迎え、舞台「戦国無双」 〜四国遠征の章〜として再びステージに蘇る。今作で座長を務める植田圭輔くんに、前作での手ごたえ、引き続き演じる石田三成についてなどを語ってもらった。そして、デビューから10年を迎えた役者人生について、今、想うこととは!?

植田圭輔\
今回、約1年ぶりに、舞台「戦国無双」が上演となりますが、まずは前作を経験してみて、手ごたえや反響など、いかがでしたか?
「『戦国無双』は、爽快系アクションゲームでは珍しく、キャラクター同士の関係性もいろいろ描かれていて。前回はそういうそれぞれの物語などを重視してやっていきたいというのをみんなで話していたんです。ありがたいことに連日満員で、カーテンコールに立ったときも、客席の空気感がすごく素敵で。この作品が続くのであれば、また絶対やりたいなと思っていたので、今回また演じることができて光栄です!」
それでいうと、今作はどこを目指していきたいとかはありますか?
シリーズ化の2作品目は一番難しいと言われますよね。前作を超えなきゃいけないし、お客さんもそれを超えてくると思っている。もちろん超えなきゃいけないんですけど……。もともと僕自身はプレッシャーというのをあんまり感じない人間ではあるんですけど(笑)、力みすぎないように気をつけたいなと思っています」
植田圭輔\
今回はどんなストーリーになるんでしょうか?
「自分が演じる石田三成の周りで言えば、藤堂高虎(秋元龍太郎)、大谷吉継(和田雅成)との関係性や、秀吉子飼い衆である、三成・加藤清正(岸本卓也)・福島正則(章平)の3人組の関係性は、前回よりも色濃く描かれるのではないかなと思っています。前回は真田兄弟の話であり、真田幸村・直江兼続・石田三成の三人 が中心だったので、今回はちょっとフォーカスチェンジじゃないですけど。三成を中心に描く、それぞれの武将の生き様やドラマ性、そして三成が真っ直ぐに自分を貫き、秀吉に忠誠を尽くした男っていうところを見せられたらと思います」
“座長”としてのプレッシャーはありますか?
「そこは一生懸命やるだけです。結局、番手がどこであっても変わらないと僕は思っていて。主演であっても、2番手、3番手であっても、一生懸命やらなきゃやりがいも感じられない。ただやっぱりかたち上、自分が座組の座長っていう形で入るからには、中途半端なことは絶対したくないし、こんなに大きな劇場で真ん中を張らせてもらえることも、そうあることではないので感謝の気持ちと初心を忘れずやっていきたいです」
物語の中心ということで石田三成のキャラクター像も深く掘り下げられるかと思いますが、役作りはゲームからもヒントを?
「やりました! 前回の稽古場には、PlayStationと『戦国無双』が置いてあって、ちょっと面白い稽古場だったというか。ストーリーも全部見られる状態にしてあったので、自分のシーンの稽古がないときは、片隅でヘッドホンしながらゲームしている人がいたりして、一見、知らない人が見たら“さぼってるの?”みたいな感じに見えるんですけど、決してふざけてるわけじゃいなんですよ(笑)。みんな勉強熱心なので、掘り下げ方の一つとして、ゲームに熱中してました」

植田圭輔\
想像するとちょっと面白い稽古場ですね(笑)。石田三成と自身とで共感する部分は?
「わりと自分に近いかなと思います。根底に持っているものというか、僕はこうしたいと思ったらなかなか曲げないタイプなので、そこは似ているなと。もちろん人の意見を聞いて“あ〜そうだな”って納得して変えることもありますけど、自分の信念みたいなものをいつも持ってやっているので、三成の貫きたいものがあるっていうところは似てるかな」
じゃあどちらかというと演じやすい?
「近いからやりやすいとも思わないんですけど……。石田三成にも、周りに何を思われても彼なりの貫いた理由というものがあったと思いますし、 豊臣家に忠誠を尽くしたいとずっと思い続けて、最後までそれを貫き通した三成の生涯もカッコイイなと思うので、そんな三成に負けないように生きようと思って演じていましたし、本作でもそう生き貫きたい」

植田圭輔\
ちなみに、今作で植田さん自身楽しみにしていることは?
「演じている僕ら個人の話になってしまうんですけど、僕と藤堂高虎役の秋元龍太郎、大谷吉継役の和田雅成とは、プライベートでもホントによく一緒にいるんですよ(笑)。なので、この3人でまた舞台「戦国無双」で共演できるのは嬉しいです」
お二人とはいつから仲が良いんですか。
「龍(秋元)とは、以前にも共演経験があったので前からでしたけど、和田雅成とはこの作品がきっかけなんです。前回の稽古のときに『共演できて嬉しいです!!!』ってすごい“圧”で来られて(笑)。『(植田と)誕生日が一緒で、(同じ)関西出身で、舞台『弱虫ペダル』も観てるんです! どうですか!?』って迫ってきて」
どうですか(笑)。
「最初こそ“こいつなんやねん”って思いましたけど(笑)。すごく芝居が好きで一生懸命で、『志高く』っていう彼のブログのタイトル通り、ホントに志が高い人間なんですよね。それがすごく『戦国無双』の世界感に合っていて。 龍の演じる藤堂高虎と石田三成は割と敵対するので、今回その3人がどう絡んでいくのかと楽しみにしています。この3人が軸になって演じられることってなかなかないと思うので、でも馴れ合わずにやっていけたらいいですね」

植田圭輔\
今回の役もそうですが、ここ近年で、植田くんが演じる役の幅が一段と広がったように思うんですが。今年役者としても節目の10年を迎えます。この10年で意識の変化ってありましたか?
「まったくないんですよね(笑)。最初の頃は、ずっといわゆる少年っぽい役だけしか求められてこなかったので……。ホントのところを言えば、自分自身は負けず嫌いですし、声もそんなに高い方ではないので、石田三成のような役や、舞台『K』で演じた八田美咲のようなエネルギッシュな役に憧れてはいました。でも、それはやっぱり求められているその時期にしかできなかったことだったと思うし、それを一生懸命やってきた結果が、今いろんな作品に出させていただいていることにつながっているのかなと」
一生懸命やってきたことが繋がってきた感じですね。
「今回も自分自身がちゃんと仕事をしてなかったら、巡ってもこない話だとも思うんです。正直、キャスティング側からも、僕に石田三成という大役を任せるのは挑戦だったと思うんです。プロデューサーに『僕で本当に大丈夫ですか?』って聞いたくらい、三成は今まで僕が求められていたものとまったく違った役だったんです。でも、『大丈夫、何とかしてくれるでしょ?』って言われて(笑)。僕にとっても挑戦でしたし、すごく大事な出会いでした」

植田圭輔\
“自分はこの世界で生きていくんだ”と、役者という仕事に本気で向き合うようになった作品は?
一番最初に出演した作品です。芝居のことなど何も知らない中、演出家に『台詞がなまってる』、『声が小さい』、『何言ってるのか伝わらない』、とか、とにかくいろんなことを言われて。僕はその頃は少し生意気だったんで、“なんでそんな言われ方をしないといけないんだ”って思っていましたけど (笑)。でも本番ではお客さんが感動して泣いてくださる姿を見たりして、芝居って素敵だなって思っている矢先、演技中に脱水症状で気を失って倒れちゃって、気づいたら楽屋で横になってました。。そのときに、“こんな中途半端な気持ちで続けちゃダメだ”って、本気になったんです」
では、10年続けてこれた武器っていうのも。
「“全力でやらなかったことはない”ってことですかね。当たり前のことなんですけど。僕が演出家に言われてすごく嬉しかった言葉があって。僕の芝居を見ていて、『たぶん植田くんは舞台上で死ぬ人間だよね』って言われたんです。なりふりかまわず、今一生懸命やれたらそれでいい、あんまり後のこと考えてないっていうのが僕の中にもあるんです。もちろん芝居をする上でのルールなどもあるので、冷静ではあるんですけど、そういうことも加味した上で、『そういう風に見える、そういう風に生きている姿がすごく好きです』って。そのときに“じゃあその姿勢は絶対に守っていこう”と思ったんです。それを意識し続け、行動し続けられたことが今に至るんじゃないかなと思います」

植田圭輔\
そんな植田くんの今後の役者としての展望は?
「求められているものに対して、いつまでも真摯でいたいなと思っています。それが2.5次元の舞台であろうと、ストレートの作品、映画、ドラマであっても、役者以外の仕事であっても。求められなくなったら終わりかなと思っているので、求めてもらえるように続けていくこと、与えていただく仕事を全力で続けていくことを一番大事にしていきたいです」

インタビュー・終

撮影/草刈雅之 取材・文/舘野玲果 ヘアメイク/伊熊美砂

Profile

植田圭輔
うえだ・けいすけ●1989年9月5日生まれ、大阪府出身。2006年の『第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』ファイナリストに選出されたことをきっかけに芸能界入り。2007年にサンシャイン劇場にて上演された舞台『少年陰陽師〈歌絵巻〉-この少年、晴明の後継につき-』にて主演を務め注目を集める。ほか代表作に、舞台『弱虫ペダル』シリーズ(真波山岳役)、舞台『K』シリーズ(八田美咲役)などがある。5月には舞台『曇天に笑う』(曇空丸役)、7月に舞台『K -Lost Small World-』、9月に舞台『インフェフェルノ』(リッカ役)に出演する。植田圭輔公式チャンネル「うえちゃんネル」好評配信中。

INFORMATION

『戦国無双』
(C)久保帯人/集英社・RMBLEACH製作委員会2016

舞台「戦国無双」〜四国遠征の章〜
6月29日(水)〜7月4日(月)AiiA 2.5 Theater Tokyo

原作:「戦国無双」シリーズ(コーエーテクモゲームズ)
脚本:米山和仁 演出:吉谷光太郎

2004年にPS2ゲームとして発売されて以降、長年に渡り愛される大人気アクションゲーム『戦国無双』シリーズの舞台化第2弾。
舞台「戦国無双」〜関ヶ原の章〜から約1年。ファンからの熱い声に応え、第2弾となる本作では信長が討たれた本能寺の変を軸に、ゲームのなかでも人気の高い中国の章・四国の章を完全舞台化。信長の亡き後、天下統一に動き出した羽柴秀吉の夢実現に向けて、側近である石田三成を筆頭に藤堂高虎、大谷吉継らが奮闘する様を描く。主演は前作から続投となる三成役の植田圭輔。共演者には、同じく物語の中心人物となる高虎役を秋元龍太郎、吉継役を和田雅成が前公演から引き続き演じるほか、本作からの新キャラクター、新たなキャストも加わりさらなる進化を遂げる。原作ゲーム同様の爽快なアクションシーンはもちろん、天下統一をかけた武士たちの熱きドラマにも注目だ。

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