芳根京子 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「芳根京子」

2015/07/29

「謙虚な気持ちや感謝の気持ちを忘れずにやると決めたからには、なにがなんでも続けていきたい」

芳根京子

現在放送中の金曜ドラマ『表参道高校合唱部!』(TBS系)で、主人公・香川真琴役を演じている芳根京子ちゃんに直撃インタビュー! 約1000人の中からオーディションで抜擢されたシンデレラガールの彼女に、初主演ドラマについてたっぷりと語ってもらいました。今、もっとも注目の新人女優“芳根京子”の魅力が明らかに!?


芳根京子
制作発表では、合唱も披露されていましたが、先生、生徒含め、すでにチームワークが出来上がってる印象でした。
「すごく仲良しです。撮影が始まる1ヵ月前から歌の練習をしているっていうのも大きいと思います。みんなで体幹トレーニングをしているんですけど、男子も女子も同じメニューなんです。私は筋力がないので、始めたばかりの頃はしんどくて。『ちょっと、タイム!』って言って、ひとりで休んでいたりすると、私のせいで秒数が伸びてしまうから、いろんなところから『芳根! ふざけんな!!』とか『ちゃんとやれ!』っていう声が飛んできて(笑)。そういう変な団結力が生まれているし、言いたいことが言い合える環境になっているなって思います。仲間として助け合うし、支え合うし、でも、ライバルとしてもぶつかれているなって」
芳根さん演じる“香川真琴“は、どんな女のコだ言えばいいですか?
「とにかく真っ直ぐですね!」
似ていますよね。“合唱が好きだ”っていう気持ちだけで、合唱部を立て直そうと奮闘する“真琴“と、共演者に『全力でぶつかれる』と言っている芳根さん。
「私も似ているところがあるなって感じていて。監督さんにも『オーディションのときに、真琴のまっすぐさを感じた』と言っていただいたんです。まわりから見て、“似ているな”“同じ気持ちでいるんだな”って思っていただけたことはすごく嬉しいし、私自身は、真琴のパワーに元気をもらっている部分もあって。監督さんやスタッフ、部員や先生の方々だけじゃなく、ドラマを観てくださる方々にも伝わるようにパワーを出していきたいなって思っています」

芳根京子
改めて、オーディションについてお伺いしてもいいですか。約1000人が受けたオーディションから主演に抜擢されたわけですが。
「まさか1000人も受けているとは思ってなかったし、主役を選んでいるということも知らなく受けていたんです。でも、なんでかわからないけど、何回も呼ばれるな……って思って(笑)。それまでのオーディションはだいたい3次審査くらいで終わっていたんですけど、このオーディションは8次くらいまであったんです。しかも、毎回、同じ台本を渡されて、同じ芝居を求められるんですよ。だから、7回目くらいのときに、思い切って、『どういうお芝居したらいいですか?』って聞いたら、『飽きちゃったよね?』って言われて。『いや、私が飽きたというより、何度も同じ芝居を見せて、飽きられてしまったら辛いなと思って。なにかありますか?』って聞いたんですけど、『いや、好きなようにやってください』って言われて……。どうすればいいのかわからなかったんですけど、なんかインパクトを残したいなと思ったので、ぜんぜん泣くシーンでもないのに、号泣してみたんです。でも、なんにも触れられなくて。『はい、ありがとうございました』って言われて……」
それは答えがわからないから不安になりますよね。でも、落とされるわけでもなく、何度も呼ばれるし。
「そうなんですよ。いいのか悪いのかわからないまま、何度もオーディションに通っていました。数を重ねるうちに、“もしかして?”っていう気持ちもあったけど、“期待しちゃいけない”って、自分の気持ちを抑えて、オーディションに参加していました」

芳根京子
じゃあ『主演で決まりました』って伝えられたときはどんな心境でしたか? その発表の瞬間がVTRにも収められていて、番組サイトでも紹介されていますが。
「『主演????』っていう感じで、頭の中がハテナでいっぱいになっていました。『TBSの金曜10時のドラマの主役です』って言われても、『はて?』っていう感じで理解できなくて。でも、監督さんやプロデューサーの方に、『すごく魅力的に感じたんです』っておっしゃっていただいたときに実感が湧いてきて。あとはもう、嬉し泣きでした」
“いつか連ドラの主演をやりたい”っていう夢はありました?
「長い目で見て、いつかはわからないけど、いずれやりたいという想いはありましたが、思ったよりも早くて。まだお仕事を始めてから3年も経ってない今、こんなに素敵な場所をいただけていることが不思議でたまらないし、感謝の気持ちでいっぱいですし、すごく幸せなことだなって思います。でも、ここで終わりではないので、ちゃんと目標は決めたいなと思っていて。とにかく今はこの作品に全力でぶつかって、ドラマの撮影が終わったときに、また一から、初心に戻って考え直そうと思っています」

芳根京子
そもそも、芳根さんがこのお仕事を始めたきっかけはなんだったんですか?
「スカウトです。それまでも何度かスカウトしていただいたことはあったんですけど、人見知りが激しいし、正直、当時はそんなに興味がなかったんです。その頃は吹奏楽部に入っていて、朝練が毎日あったから、いつも夜9時には寝てしまっていて。だから、テレビやドラマを観る機会自体が少なくて、スカウトされても、あまり興味を持てなかったんです。でも、高1の夏に、文化祭で映画を作ることになって、友達とふたりで脚本を書いたんです。やり始めたらすごく楽しくなっちゃって、結局、監督と編集もやったら、周りからの評判がすごくよくて、賞ももらって。ちょうどその頃に、今の事務所の方に声をかけていただいたので、お芝居をする側というよりも、作ることに興味があって。“本当のドラマや映画はどうやって作ってるんだろう?”という好奇心で、事務所に足を運んだのが、この世界に入るきっかけです」
作り手側の興味だったんですね。16歳で事務所に入ってからはどんな生活が待っていましたか?
「最初の1年間は楽しいと思う余裕もなく、“言われたからやっています”という感じでいたかなと。もちろん、自分が関わった作品が完成して、みんなに観てもらえて嬉しいっていう気持ちはあったけど、高校を卒業したら料理の専門学校に行こうかな?という気持ちもあったんです。でも、2年目を迎えるときに、マネージャーさんと『この仕事を本当にやっていきたいのかちゃんと考えてないといけない』という話をするなかで、やる気が出たというか……。私、すごい負けず嫌いなんです。自分が始めたことは手を抜きたくないし、やるからには全力でやりたいって思うようになって、スイッチが入ったんです。その次に受けたオーディションが、映画『向日葵の丘・1983夏』で、役をいただいきました」

芳根京子
常盤貴子さん演じる多香子の高校時代を演じた作品。
「その物語が、文化祭で映画を作るお話だったんです! それも知らなかったんですけど、2次のオーディションに行ったときに、監督さんから学校の思い出を聞かれて。『文化祭で映画を作って、監督と脚本と編集をやりました』って言ったら、監督さんが『この映画は、文化祭で映画を作って監督をやる話なんだよ』ってびっくりされていて。文化祭で映画を作る経験なんてそんなにないじゃないですか。自分と重なる部分が多い役柄だったので、現場ではすごく自然にできたし、お芝居ってこんなに自由にやっていいんだっていうのを感じました」

芳根京子
そのあと、去年の夏にはNHKの連続テレビ小説『花子とアン』にも出演してますね。
「ずっと観ていた作品だったし、たくさんのすごい俳優さんが勢ぞろいしていたので、『向日葵の丘・1983夏』で学んできたこと、吸収してきたことを出せるというか、力試しできる場所だなと思って。自分の今の全力を出そうと思って、精一杯やったんです。そこからはもう、一直線です! 気持ちが揺らぐこともなく、好きなことを全力でやらせていただいているっていう感覚になって。ただ、いくら自分がやりたいからといって、できるお仕事ではないっていうことも学んでいる。簡単な気持ちでは続けられないこともわかっているし、謙虚な気持ちや感謝の気持ちを常に忘れずに持っていたいし、やると決めたからには、なにがなんでも続けていきたいなって思っています」
そのあと、『幕があがる』の映画と舞台があり、今回のドラマでも共演する志尊淳くんとの青春映画『先輩と彼女』の撮影もありましたよね。
「はい。映画『幕があがる』では、自分の力を発揮したいという想いがあって、『先輩と彼女』は私にとっては初の恋愛ものなので、“挑戦”という気持ちで、とにかくぶつかっていこうと思っていました。舞台ではまた吸収するものが違っていたので、すごく新鮮な気持ちがありました。そう考えると、この1年はすごく濃かったし、いろんなジャンルを全力でやらせていただける場をもらえたなと思います。その全てを、このドラマ『表参道合唱部!』にぶつけるべきなんだろうなって感じています。いままで学んだこと、吸収してきたことを出し切る場所を与えていただいたというか……これで終わりじゃないので、集大成ではないんですけど(笑)、自分の中ではそのくらい大きい、一生心に残る作品になるだろうなと思っています」

インタビュー・終
撮影/booro(BIEI)取材・文/永堀アツオ

Profile

芳根京子
よしね・きょうこ●1997年2月28日生まれ、東京都出身。ジャパン・ミュージックエンターテインメント所属。現在放送中のドラマ『探偵の探偵』に出演中。8月22日公開の映画『向日葵の丘-1983年夏』、10月17日公開の映画『先輩と彼女』への出演も決定している。

INFORMATION

表参道高校合唱部!
表参道高校合唱部!

金曜ドラマ『表参道高校合唱部!』
毎週金曜 午後10:00〜 TBS系

勉強、恋愛、人間関係などなど、いつも何かが足りないような不安と隣り合わせで落ち着かない……。そんな居心地の悪い思いで不協和音を奏でている高校生たちが“合唱大好き!”という破天荒なヒロインと出会い、“合唱”に巻き込まれていくうちに、本当に輝ける場所を見つけていく青春ストーリー。 主人公のヒロインを含めた高校生役のメインキャストをオーディションで選抜し、演技力はもちろんのこと、歌唱力やカリスマ性を兼ね備えた次世代スターをキャスティング。舞台となる表参道高校へ転校して合唱部を立て直そうと奮闘する主人公・香川真琴を、約1000人ものオーディションから選ばれた芳根京子が演じる。 日々悪戦苦闘する爽やかでほろ苦い青春群像はもちろん、ドラマへの出演が決定して以降、まさしく部活のように練習を重ねている彼女たちの“歌声”による合唱で、各話に名曲が登場することも注目!

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