染谷俊之 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「染谷俊之」

2017/04/12

「ロックスターになりきった気持ちで、心置きなくカッコつけて撮影ができた」

染谷俊之

ミュージカル『テニスの王子様』、舞台『弱虫ペダル』、舞台『刀剣乱舞』など2.5次元舞台に欠かせない俳優であり、近年は声優としても活動する染谷俊之が、写真家と俳優のコラボ写真集シリーズに挑戦、『月刊 染谷俊之×小林裕和』をリリースする。“写真”という新たなフィールドでの表現について語った。


染谷俊之
「染谷俊之がロックスターに!!」という写真集のコラボテーマは新鮮ですね。
「普段の自分とは全然違う内容なので、企画の話を聞いたときは嬉しかったですし、すごくやってみたいと思いました。これ、実は全部1日で撮影したんですけど。毎カット違う自分になれるのが楽しかったですね。どんな衣裳を着るのかは事前に知らされていたんですが、どんなメイク、髪型になるのかは知らなかったので。毎回驚きの連続でした」
70年代から現代まで、時代ごとのロックファッションを表現するというテーマを聞いていたんですが、思った以上に変身していて。
「そうですね、新しい自分を見せられました。ブリティッシュ・パンクのシチュエーションでは地毛を逆立てまして、“こんなに人の髪の毛って立つんだ”って(笑)。その直後に、ニルヴァーナのカート・コバーン風で撮るときには、さらさらヘアーに一気に戻ってという感じで。本当に1ページ1ページ、1種類1種類まったく違う、新しいことに挑戦した僕を楽しんでほしいです」
メイクも素に近いものからガッツリ変身したものまであって。お気に入りのカットは?
「L'Arc〜en〜Cielさん風にヘアメイクした写真は、編み込みのウィッグをつけたりして、自分とはかけ離れていて面白かったので気に入っています」

染谷俊之
衣装も各パートでガラッと変わっていて面白い。
「革ジャンに和服を重ね着っていう斬新な衣装があったりして。衣装さんもすごく楽しんでやってくださって、“あ、ここにこれを足したほうがいいね”とか、その場でアドリブで着けたりして撮影をしました」
撮影のときに苦労したことはありますか?
「パンクとグランジは2月初旬に、半分屋外の倉庫みたいなスタジオで撮影したので、めちゃくちゃ寒かったです。壁に寄りかかっているカットは、壁が鉄板なので、キンキンに冷えていて……。でも、カメラマンの小林(裕和)さんも撮影中に上着を脱ぎはじめてくれて。“これは俺も頑張らないと”って思いました」
撮影の間は、それぞれのロックスター像を演じる感じだったんですか?
「普段、写真はけっこう苦手なほうなんですけど、この撮影は自分とかけ離れた感じだったので“カッコつけていいんだ!”って、素直にカッコつけて撮りました(笑)。撮影自体は嫌いではないんですけど……普段のインタビューの撮影だと決め顔の自分を客観視してしまって、恥ずかしいというか。今回はロックスターになりきった気持ちで心置きなくカッコつけてやれました」
染谷俊之
普段音楽はどんなものを聴かれるんですか?
「音楽は……。好きな音楽とかを言うのを恥ずかしいんです(笑)。好きな本とか言うものちょっと苦手で。冷蔵庫の中を観られているような感覚になるんです(笑)。なので、伏せさせてください。もちろん移動中とかは音楽を聴いています」
2.5次元舞台では、等身大の一般的な男性というより、様々な世界観のなかで、ご自身とかけ離れた役を演じられています。そんなお仕事の楽しさや面白さは?
「僕は非日常を味わうのがすごく好きなので、この仕事って毎日違うことをやりますし、毎日違う自分にもなって、違うところに行けて、毎日違う刺激を受けられることがすごく楽しいです。でも、お芝居をやる上では楽しんでやらないようにしています。自己満足になってしまうような気がするので。舞台が終わって振り返ったときに楽しかったなって思うようにしています」
「自己満足で芝居をしない」というのは、このお仕事で意識していること?
「結局、何のために頑張っているんだろうっていうところが大事だと思っていて。僕らの仕事って観に来てくださる人がいてやっと成立するので。“お芝居大好きです”というだけだったら、別に公園でやればいいだけの話。でもそうじゃない。何のためかと言えば、観に来てくれる人に楽しんでもらうためなんです。例えばすごく暗い気持ちだったのが明るい気持ちになってくれたりとか、その人の心にずっと残る作品になったり。すごく遠くから来てくれている人もいるし、お金がないのに観に来てくれている人もいる。そういう人のために頑張りたいと思っています」

染谷俊之
『Deview』という媒体でもあるので、改めて俳優の仕事を始めたきっかけについて教えてください。
「所属事務所の社長がブティックを経営していて、そこに母親が買い物に行ったときに、その方が芸能事務所の社長もやっているって聞いて“うちの子どうですか?”って写真を見せたことがきっかけです」
ドラマ『ウォーターボーイズ』を観て俳優に興味を持ったとか。
「僕、学校がすごく好きで、学園モノの作品もすごく好きなんです。『ウォーターボーイズ』を観た時に、“なんで自分は演じる側に居ないんだろう?”って、演じる側の大変さもまったく気にしないで思っちゃって。興味はすごくあったんですが、一度それは置いといて、学校に携わる職業に就きたいと思って教師を目指していたんです」
“学校が好き”というのは面白いですね。
「会社員になったことがないからわからないんですけど、学校ではいろんな人と出会えて、いろんな刺激があるんじゃないかなって思うんです。例えば担任になったらそのクラスで一つのドラマが生まれたりとか、僕、バレーボールやっていたので、バレーボール部の顧問やってみたいなとか。卒業式では生徒がみんな泣いて……そういうのを味わいたいって思っていたんです。青春っていう感じで(笑)」
今のお仕事で、ある意味、常に青春を体験できているのでは?
「確かに、そうかもしれないですね。青春を味わえているっていう感じはします。いろんなところから集まった役者さんと、互いに刺激を受け合って……という空間は学校に近いというか。似ているっていったら怒られちゃうのかな。僕は仕事として稽古場に行っているので、楽しんじゃいけないって思っているので。でも、どこかで稽古場を楽しんでしまう部分があるのは、学校の文化祭の準備期間みたいなものに、ひょっとしたら似ているのかもしれないですね」

染谷俊之
役者として8年活動してきて、ターニングポイントになったことは?
「ミュージカル『テニスの王子様』という作品に出演させていただいたときは、たくさんの方々に知っていただけて、それがきっかけで、その後いろんなお仕事のお話をいただくようになりました。横浜アリーナで運動会やったり、さいたまスーパーアリーナでライブとか、そんな空間を経験できたことはすごく刺激になりました」
舞台俳優として注目を集めて、今年も途切れなく舞台出演が続きますが、舞台ならではの楽しさは?
「舞台はお客さんの反応がダイレクトなので、例えば千秋楽のカーテンコールでスタンディングオベーションをしてもらう瞬間には、それまでの努力が報われたなという思いで感動しますね。ほかではなかなか味わえないこの感動を、作品をやるたびに味わえるのは、プレッシャーはありますけど、すごく楽しいところだなって思います」
これだけ様々な作品で多彩な役柄を演じるには、たくさんの引き出しが必要になりそうですね。
「毎回新しいチャレンジが多くて、出くわすたびに“お、マジか!?”って思うんですよ。そういうときは、朝練を頑張ったり、稽古場に残って練習したり、家に帰っても勉強したりと、努力するしかないですね。またいつかその引き出しを使えるときが絶対くるので。『歴史をもっと深く知りたくなるシリーズ』という作品に出させていただいているんですが、そのときは原作小説をめちゃくちゃ読みこんで、その後に、関連する違う書物を読んだりします。小説だけですと一方の目線でしか描かれてなかったりするので、ほかの角度からその出来事を捉えるようにしています。歴史上の出来事も、こちら側の目線で描くとこの人は悪人だけど、別の目線で見たら良い人みたいな。そういう部分は時代モノの面白いところだと思いますね」

染谷俊之
“俳優を本気でやっていく”とを決意した瞬間は?
「僕の場合は“徐々に”ですね。エキストラをやっていたときに、けっこうキツイ経験をしたんです。真冬のプールで泳がされて、上がってみたら、メインキャストさんの近くにだけ温かいストーブがあったり。早朝にかなり遠い現場に現地集合で行って、長時間待たされたあげく、自分のシーンはパッと終わって現地解散とか。そんな現場をたくさん経験したことで“クソ〜っ”て思ったことで火が付いたかもしれません。けっこう負けず嫌いなので」
そういう経験を重ねてきたからこそ努力も苦にしない。
「雑草魂みたいなものはありました。当時は全然お金がなかったので、すごく遠い現場まで自転車で通ったりもしていましたし。舞台の稽古に行ってから深夜のバイトを朝までやって、1〜2時間寝てまた舞台の稽古行って、終わったらダッシュでまたバイト行って……ということもやっていたので。そのおかげで今の自分のキャパがすごく広がって、けっこう何でも耐えられるっていうのはあります」
そんな染谷さんの今後の野望は?
「今、舞台や映画のほかに声優もやらせていただいたり、いろんなことをやらせてもらっているんですが、自分は何でもやりたいと思っています。それぞれに難しさもあって。できなくてまた“くそ〜ッ”ってなっているんですけど、何にでもチャレンジして、何でもできるようになりたいと思っています」
なかでも特にやってみたいことは?
「声優については、最近、やっとやり方がわかってきて。最初はレッスンも受けずに現場に入ったので、マイクワークも、(アフレコ現場)のルールもわからないので、怯えながらやっていたんです(笑)。でも、周りの共演者の方々にごく優しく教えていただけたので、お仕事があれば声優にもどんどんチャレンジしていきたいなって思います」

染谷俊之
今回ロックスターを表現しましたが、音楽活動は?
「音楽もいいですね……でもバンドとかはキツいかも。いや〜、やっぱり音楽はいいかな(笑)。“ロックスター”というのは夢ではありました。文化祭の後夜祭とかでバンド組んで“イエ〜〜イ♪”みたいな感じには憧れていて。気持ちいいんだろうなって。そういう感覚はこの写真集でちょっと味わえたかな(笑)」
最後に、デビューを目指している読者に向けてメッセージをお願いします。
「頑張ったら頑張った分だけ報われるけど、頑張っても報われない部分もある。すごく不思議であいまいな感じ。でも、やるならとことん頑張らないとダメな世界だなって思います。だからこそ、今できることはなんでもやったほうがいいと思います」

インタビュー・終
撮影/booro(BIEI)

Profile

染谷俊之
そめや・としゆき●1987年12月17日生まれ、神奈川県出身。GFA所属。2008年より俳優として活動をはじめ、その後、舞台、映画などで活躍。近年では俳優のみならず声優としても注目を浴びる。主な出演作は、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン、舞台『弱虫ペダルインターハイ篇 The Second Order 』、舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺、・映画『カニを喰べる。』『羊を数える。』など。4月29日公開の映画『マスタード・チョコレーショ』に出演。さらに、6月8日から上演される主演舞台「剣豪将軍義輝〜戦国に輝く清爽の星〜」(後編)、7月29日から上演される主演舞台『グランギニョル』、映画『お江戸のキャンディー2』(今夏公開)が控えている。

INFORMATION

『月刊 染谷俊之×小林裕和』
4月15日(土)発売/2800円+税
発行:Mファクトリー/販売:イーネット・フロンティア

『ガンバ!!』
『ガンバ!!』
『ガンバ!!』

人気ムック写真集『月刊』シリーズのプロデュースを手掛ける、写真家・小林裕和氏による舞台俳優とのコラボシリーズ最新作。
普段はフェミニンさが魅力の染谷が、合計7着におよぶロックファッションに身を包み、時に男性的に、時にミステリアスに、今まで見せたことがない一面を見せ、シド・ヴィシャスやカート・コバーンなどのロックスターをリスペクトしたルックで、“俳優・染谷俊之”として、ロックとファッションのヒストリーを紡いでいく。
さらに「Vivienne Westwood」や「Paul Smith」「HERMES」などのメゾンコレクションでチームディレクターを務めたMASA HONDAがヘアを担当。グラム・パンク・Blitz kids・グランジ・ヴィジュアルロックをテーマとした、ファッションアートブックとなっている。

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