勧修寺保都 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「勧修寺保都」

2016/03/23

「まだまだ新人の僕ですが、自分にしか出来ない欣也を作って、いい舞台にしたいです」

勧修寺保都

寺山修司氏が美輪明宏さんのために書いた伝説的名作『毛皮のマリー』が7年ぶりに復活。これまでにも錚々たる役者が演じてきた絶世の美少年・欣也役に、オーディションの末、大抜擢された勧修寺保都くんに直撃インタビュー。


勧修寺保都
芸能界に興味を持ったきっかけは、何だったんですか?
「小さい頃からテレビが好きで、ずっと見ていたんです。そこで活躍している人たちに対して、“カッコイイな〜”って思っていて。当時は男性、女性限らずアーティストさんの歌真似や振りマネをしていたりとか、叔母(元モーニング娘。の後藤真希)の歌も歌ったりしていて、自然とダンスや歌に触れていたんです。成長していく中で、ドラマや映画にも触れるようになって、この世界ってカッコイイなって思っていました」
“挑戦しよう”と思ったのはどうして?
「弟(勧修寺玲旺)が先に『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』のオーディションを受けて。それがきっかけで芸能界で活動していく様子を見ていて、僕もだんだんやりたくなってきたんです。そこで、母に『受けてみたい』ということを話したら、雑誌を買えばエントリーシートがついてるよって教えてもらったので、自分で買ってきて応募しました」
勧修寺保都
『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』で印象に残っていることはなんですか?
「初めて応援して下さる方がついてくれたことですね。ファンの方々に出会えたことは印象的でした。審査が進んでいくなかで、ブログを書くんですが、僕の投稿に毎日コメントをくださる方がいたりもして。毎日1回更新出来るんですが、僕はそれを毎日かかさず更新するようにしていたんです。少しでもみなさんの目に留まるようにしたくて。“この人は毎日書いているな”って1人でも多くの人が見てくれたら嬉しいと思いましたし、あとは単純にブログを書くことが楽しかったというのもあって。だからその期間は楽しかったです」
約半年にわたる審査を経て、ファイナリストとして最終選考会へと進むわけですが、そのときの心境は?
「“ファイナリストの10名はこの人です!”という決定の瞬間は、授業中だったので、すぐには見られなくて。僕ら出場者とコンテストを楽しんでくださっているファンの方たちは、その発表を見るタイミングは一緒なんですよね。そのことも新鮮でした。休み時間になるなりサイトにアクセスしたんですけど、全国のみなさんが一斉にチェックするタイミングでもあったので、全然繋がらなくて焦りました。“やっと繋がった!”と思ったのと当時に、自分の名前があるのを見つけて。クラスのみんなにお祝いしてもらいました」

勧修寺保都
最終選考会ではどんなことを感じましたか?
「ファイナルのステージは“こんな大きなステージなのか”と驚きでいっぱいでした。しかも、テレビで見たことのある方たちがいっぱいいらっしゃっていて。司会を務めていたベイビーギャングさんもですし、歴代の受賞者のみなさんも来られている中で、自分も同じ舞台上に立たせて頂けるんだと改めて感じましたし、“この日のことは忘れたくないな”と思って、一つ一つのことを心に刻んでいきました」

勧修寺保都
その後、芸能界入りを果たしたわけですが、活動開始からわずか半年で、舞台『神様と過ごした10日間 2015』の主演に抜擢されたんですよね。
「事務所に所属してから、何度かオーディションは受けていたんですが、どれも通ることはできなくて。でも、毎回“オーディションを楽しもう”ということと、“何かを持ち帰る”ということを心がけていたんです。オーディションで失敗したとしても、その失敗を次に活かせばいいんだと思っていて。毎回、そういう気持ちでオーディションに臨んでいて、初めて受かったのが『神様と過ごした10日間 2015』だったんです。そのオーディションを受けた時点では主演だってことは知らなくて。合格して、顔合わせの時に『主演です』と言われて驚きました。初めての仕事だし、初舞台なのに主演って大丈夫かなって不安になりましたが、“選ばれたからにはやるしかない!”と、稽古に入ってからは不安を忘れて一生懸命に向き合いました。腹を括って臨んだので、楽しかったです」
主演舞台に続いて、ほさかようさんが主宰している、空想組曲Vol.12『小さなお茶会。』に出演。
「違う作品のオーディションを受けたとき、ほさかさんが見てくださっていて。そのオーディションには受からなかったんですが、それがきっかけで『小さなお茶会。』の出演オファーをいただいたんです。オーディションの時からほさかさんのことは印象に残っていましたし、お芝居のオーディションながら僕自身の内面を見て下さるように感じていたので、お話を頂いたときは本当に嬉しかったです。稽古でも本番でもすごく勉強になりました」

勧修寺保都
そして今回、『毛皮のマリー』の美少年・欣也役をオーディションで勝ち取りました。こちらのオーディションはいかがでしたか?
「会場に入った瞬間、美輪明宏さんが座っていらしたので、“美輪さんだ!”とまず最初に感動しました。その後は、実際に美輪さんとお芝居をする審査があって。“こんな貴重な体験が出来ることってないな”と思いました。その後も美輪さんが笑顔で質問して下さったりもして。元々、そんなに緊張するタイプではなかったんですが、この時はすごく緊張していて。でも、美輪さんがすごく優しく接してくださったので、緊張もだんだん解れて。帰り際に美輪さんから『サンキュー』と言っていただいたことが嬉しかったです。“受かったらいいな”と思いながら帰ったのを覚えています」
約300倍の倍率の中、見事合格。これまでも様々な方が演じられてきた欣也を演じることになりましたね。
「合格した時はビックリしすぎて、数秒くらい思考停止してわからなかったです。“え!? 本当ですか?”って信じられなくて。嬉しかったけど、ビックリの方が大きかったです。オーディション倍率が300倍だったっていうのも後で知って。歴代の欣也は、錚々たる先輩方が務めていらっしゃっているので、“今回の欣也はあんまり良くなかったね”とは絶対に言われたくないですし、今までよりも良いものが作れたらなって思っています。まだまだ新人の僕ですが、自分にしか出来ない欣也を作って、いい舞台にしたいと思いながら稽古に臨んでいます。僕が演じる欣也は、お母さんに溺愛されていて、18年間一度も外に出たことのない少年。あることがきかっけで、外の世界があることを知り、“自分は閉じ込められていたんだ”と気付く。今まで何も疑わずにいたお母さんへの想いが変化し、揺れ動く感情を表現していくかなければいけない役どころです。いままで演じてきたことがない役柄なので、そこを表現できればなと思っています。ベテランの俳優さんがたくさんいらっしゃるので、すごく貴重な経験をさせていただいていますし、すごく楽しいです!」
美輪さんはどんな方ですか?
「すごく優しい方です。その場その場での僕の感情を汲み取ってくださって、緊張している僕を笑わせてくださったりもして。美輪さんといると自然に笑顔になってしまう、本当にお母さんみたいな方です」
勧修寺保都
舞台経験を重ねていっていますが、勧修寺さんが思う舞台の魅力とはなんでしょうか?
「引き返せないところが、弱みでもあるし強みでもあるのかなって思います。失敗したりしてもそれを失敗だと思わせないのも面白いんですよね。たとえば、セリフを間違えたとしても、アドリブでその場を笑いに変えたりしてしまう。映像だと間違えたら撮り直しってなるけど、舞台はそうはいかない。一度始まってしまったら引き返せないけど、それが舞台の面白さだと思います。舞台の上で呼吸しているからこそだと思うので、そういう世界を作れるのが面白いと思っています」
今後の目標や目標は?
「今までになかったような役者になりたい。“この人にはこの役かな”ではなく、“この人ならどんな役も出来るんじゃないかな”と思われるような役者になれたら嬉しいです。イメージが付かないようにしたい。“この人にならこれもやらせてみたいな”と言われるようにふり幅を広げて、色んな役が出来るようになりたいです」

勧修寺保都
芸能界デビューを目指している『Deview』読者へのメッセージをお願いします。
「僕がオーディションを受けたときに心がけていたのは、ありのままの自分を見てもらうこと。オーディションの時って、みんな自分をよく見せようとすると思うんですけど、“僕ってこんな人なんです”というのを、カッコつけずに素直に、等身大で伝えることは大切だと思います。嘘をつかずに、ありのままの自分を出すことを心掛けるといいと思います。頑張ってください!」

インタビュー・終

撮影/草刈雅之 取材・文/えびさわなち 衣裳協力/VANQUISH【問合せ先:03-5738-8368】

Profile

勧修寺保都
かんしゅうじ・たもつ●1996年12月5日生まれ、東京都出身。YG ENTERTAINMENT JAPAN所属。2014年『第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』ファイナリスト。2015年11月に舞台『神様と過ごした10日間 2015』(主演)で俳優デビューを果たす。その後、ほさかよう主宰の空想組曲vol.12『小さなお茶会。』などに出演。今作では、約300倍の倍率を勝ち取り、欣也役に抜擢された注目の新人俳優。

INFORMATION

『毛皮のマリー』

『毛皮のマリー』
【東京公演】4月2日(土)〜17日(日)新国立劇場 中劇場
【東京公演】4月27日(水)〜5月3日(火・祝)PARCO劇場
【神奈川公演】5月28日(土)・29日(日)KAAT神奈川芸術劇場
そのほか、宮城、福島、新潟、静岡、愛知、大阪、福岡で上演

作=寺山修司 演出・美術=美輪明宏 出演=美輪明宏/勧修寺保都/木村彰吾/若松武史/梅垣義明 ほか

寺山修司が美輪明宏のために書いた伝説的名作が、美輪明宏の演出・美術・主演で、7年ぶりに上演される。寺山幻想演劇×美輪ワールドの金字塔! 妖しく哀しい物語が頽廃美あふれるゴージャスにして魅惑的な世界として描かれる。 美輪が演じる美貌の男娼・マリーに過保護に育てられ、外の世界を知らず、蝶を追いかける絶世の美少年・欣也役には、オーディションを勝ち抜いた19歳の若手俳優・勧修寺保都が抜擢された。過去にはいしだ壱成、及川光博、吉村卓也らが演じてきた重要な役どころを演じる。

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