平方元基 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「平方元基」

2016/10/26

「30年間の人生を振り返るコンサートだと考えていて。ダンディな色気も出していければ(笑)」

平方元基

現在上演中のミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』では、ロベスピエール/プリンス・オブ・ウェールズの2役に挑んでいる平方元基。『ロミオ&ジュリエット』でミュージカルデビューを果たした後、『サンセット大通り』、『ダンス・オブ・ヴァンパイア』、『王家の紋章』など、数々の人気ミュージカル作品に出演している、ミュージカル界の貴公子・平方が、ミュージカルデビュー5周年を記念したコンサートを11月16日に開催する。コンサートへの意気込みはもちろん、デビュー当時の想いなどをたっぷりと語ってもらった。


平方元基
ミュージカルデビューから5周年の節目となる今回のライブ。どんな内容になりますか?
「ミュージカルの集大成というよりも、僕自身の30年間の人生を振り返るコンサートだと考えています。『ロミオ&ジュリエット』、『エリザベート』など過去に出演したミュージカルのスタンダードなナンバーもありつつ、ポップスやジャズにも挑戦させていただきます」
ジャズ! 大人ですね!!
「はい。30歳になったし、ダンディな色気も出していければいいな、と(笑)。ただ、これば僕にとっても大きな挑戦です。やるからには中途半端な“ジャズ風味”の音楽ではカッコ悪い。ジャズのスペシャリストであるジャミン・ゼブさんやピアニストのハクエイ・キムさんたちのお力を借りつつ、作り上げていきたいです」
ミュージカルナンバーだけのコンサートにしなかった理由は?
「実はミュージカルには男性一人で歌えるナンバーが意外と少ないんです。あってもすっご〜く暗くて皆さんと盛り上がれない曲だったりね(笑)。それに、今回のライブはミュージカルファンの方限定ではないので、僕の歌を初めて聴く方々もいらっしゃると思うんです。であれば、ミュージカルの枠を超えて、多くの人が共感できる、効き馴染みのある曲も積極的に取り入れていこうと意識しました。役を通してではなく、素の平方元基が表現する初のコンサートなだけに、お客様とのセッションもすごく楽しみです」

平方元基
『Deview』という媒体なので、改めて、デビューしたころの話を聞かせてください。地元福岡でスカウトされたことがきっかけだったと伺っていますが、もともと芸能界を目指していた?
「それが、実は興味も知識も全くなかったんです。地元でホリプロの方に声を掛けられ、東京でオーディションを受けたのですが、気分はほとんど社会見学というか、東京観光(笑)。でも合格後は、この世界に入ることに迷いはありませんでした。母には上京する3日前にホリプロに所属することを伝え、住む家も決めずに東京へ来て。そこから半年間は、友人の家に居候しながらレッスンに通っていました」
突然、芸能界で頑張ってみようと思った理由は?
「正直、“生きるため”です。当時の僕は、家庭の事情で大学を辞めなくてはいけなくなってしまって。中退後、定職にも就かず、アルバイトを転々としていました。多くの大学生がそうであるように、僕も大学生活を謳歌し、就職して、幸せな家庭を築いて……と思っていたんです。ところが親の援助が途切れ、目の前で突然道が閉ざされた。今思うと、その当時は荒れていましたね。“学生”のブランドがなくなってしまったことが屈辱的だったし、フリーターでは一人暮らしもできない。そんな毎日の中で、人生が楽しいって思えなかった。今振り返るとただの甘えでしかないんですが、とにかく、新しい環境で生きたかったんです。しかも、芸能界に対して何の知識もなかったから、ホリプロに入ったら1週間ぐらいで、超お金持ちになれるのかなって思っていたし(笑)」

平方元基
(笑)。それじゃあ一からレッスンを積むことになり、面を食らったのでは?
「いや、それが逆で、泥臭い世界を経験できたのは、とても刺激的で幸せでした。レッスンに来ている人の中には中学生や高校生もいて、俳優の卵たちが、苦しんだり泣いたりしながら、必死で生きていたんですよね。そんな、“生きなきゃいけない”という強迫観念ってなかなか経験できないでしょう? それまでの僕は恋愛に現を抜かすほうが、おしゃれでカッコイイと思っていた、(ドラマの)『オレンジデイズ』に出てくるような大学生だったし(笑)、彼らと一緒に稽古をするなかで、これが俳優の人生なのかなと気づけたし、僕も乗り越えなければいけないと思ったから。必死に生きることのカッコ良さを知ることができました」
でも、23歳からのスタート。焦りはなかった?
「もちろん、時間の猶予もチャンスも少ないことは自覚していました。だって、僕と同じ年で経験も実力もある人はたくさんいるし、ならば経験値の少ない僕をキャスティングする必要はないでしょう? 精神的にものすごく辛かった時期はあったけれど、結局、焦っても仕事はもらえない。だから、レッスンに通い、オーディションを受け……と目の前のことだけに注力しました。僕の場合、知識や経験がなかった分、変なプライドを持たなかったのも良かったと思います。意地を張ったり、自分が考えた演技プランみたいなものにこだわったりもしなかったし。……うん、そうだね。目の前のことだけをひたすら必死にやってきて、今ここにいるのだと思います」

平方元基
そして2011年に『ロミオ&ジュリエット』でミュージカルデビュー。しかも、ロミオのライバル、ティボルト役をオーディションで射止めました。当時、すでにミュージカルの仕事をやってみたいと思っていた?
「まったく考えていなかったです。事務所の先輩のミュージカル作品を2、3回観たことがある程度で、すごく重そうな衣装だし、歌って踊って芝居して……と、“大変そうだな〜”と思ったぐらい」

平方元基
では、その後、ミュージカルの世界を突き進むことになった理由は?
「今思うと、『ロミオ&ジュリエット』の1年前から出演していたテレビの歴史バラエティ『戦国鍋TV〜なんとなく歴史が学べる映像〜』がきっかけです。当時の共演者は皆、すでにキャリアを積み始めていたし、技術や能力の差などを感じて悔しい想いをすることもありました。だけど、当時、本格的なミュージカルの舞台に立っていた出演者は、まだ、一人もいなかった。“ならば、僕はここでやっていこう”と決めたんです。共演者だった矢崎(広)や(村井)良大らとは今でも一緒に舞台に立つことがあるけれど、僕もこのミュージカルの世界で戦ってきた、と胸を張って言えるようになった。『ロミオ&ジュリエット』で、心を決めてよかったと思います」
ミュージカル俳優である魅力はどこに感じる?
「俳優の先輩たちはとにかくエネルギーがあり、常に “何か”と戦っている。その気概があるからこそ、何千人というお客様の前に立てると思うし、どんな緊張感もドリャーッ!!押し返す力になるんです。そういう姿が、カッコイイ」

平方元基
大舞台で演じるには、それだけパワーが必要なんですね。
「特に大きな劇場になると、大勢のお客様の熱量を跳ね飛ばすぐらいの力がないと、逆に吸い取られてしまいます。例えば『王家の紋章』では、台風が直撃した日も98%の席が埋まっていたんですね。それを見た山口祐一郎さんが『今日のお客さんは特に熱量がすごいぞ』とおっしゃられていて。本当にそのとおりで 、“台風が来たって、楽しみにしていた作品を絶対に観るぞ!!というお客様側の熱量が伝わってきたんです。本当に観客の持つ熱量は、僕らの気持ちを押し上げるし、それが舞台は観客と一緒に作り上げるものだと言われる所以であり、醍醐味なんだと実感しました」
それにしてもこの5年という短い間に、『エリザベート』『レディ・べス』『王家の紋章』など、帝国劇場で上演される大作に次々と抜擢されています。緊張や怖さを感じることは?
「怖くはないけれど緊張はしますよ、毎回。幕が上がる前、無意識のうちにブルブルと手が震えることもあるしね。でも、出始めのころは大舞台でライトを浴びる代償を知らなかったので、“厳しい稽古が終わった先には、楽しい本番が待っている!”と思っていました(笑)。でも実際は、『下手なヤツは下手』と容赦なく評価される世界で。お客様や、スタッフの方々から厳しい言葉をたくさんもらってきたけれど、辞めたいと思ったことはないです。ミュージカルは自分を魅力的に見せられる場所だなと感じていてるし、これからも舞台に立ち続けていきたい、大事にしたいと思っています」

平方元基
今、ミュージカル界は同世代の役者さんの活躍が目立ちます。彼らはどんな存在?
「ん〜、正直、他の役者のことはあまり気にしていません。……あ! でも、Wキャストで同じ役を演じてきた(古川)雄大やマモ君(宮野真守)にはやっぱり特別な愛情を注いでいるかな。雄大とは役が重なりすぎて、鼻息荒く“ライバルだ!”と感じていた時期もあります。でも、今は彼が別の作品で生き生きと演じている姿と見ると、純粋に嬉しいです。なかなかお互いの舞台を観たり会ったりする機会がないけれど、彼も『◎◎の舞台が決まったんだってね、頑張ってね』とメールをくれますよ。マモ君は、今は声優として確固たる地位を築いているけれど、実はすごく苦労人なんですよね。彼のキラキラ輝いている姿と見ると、僕もこれから先、どんな試練があろうとも、その先を目指して進んでいこう、という勇気をもらえます」
最後に。デビューを夢見る『Deview』読者に向けて、夢や目標に必要なことは何でしょう?
「“素直であること”ですね。わからない、出来ないと認めない限り、前に進めない。出来ないのは何故か?と考えないと問題は解決できません。素直に生きてれば、夢や目標からも、大幅にはずれない。嬉しい、楽しい、悲しい、辛い。その気持ちを素直に受け止めて生きることが大事だと思います!」

インタビュー・終

撮影/草刈雅之 取材・文/長島恭子

Profile

平方元基
ひらかた・げんき●1985年12月1日生まれ、福岡県出身。ホリプロ所属。ドラマ『神の雫』(日テレ系)、『魔女裁判』(フジ系)、『東京リトルラブ』(フジ系)などに出演後、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』でミュージカルデビュー。その後、『エリザベート』、『マイ・フェア・レディ』、『サンセット大通り』、『ダンス・オブ・ヴァンパイア』など、数多くのミュージカル作に出演。現在上演中の『スカーレット・ピンパーネル』では、ロベスピエール/プリンス・オブ・ウェールズの2役を演じている。2017年は、4月・5月にミュージカル『王家の紋章』、7月・8月にミュージカル・コメディ『キス・ミー・ケイト』、10月・11月にミュージカル『レディ・ベス』が控えている。

INFORMATION

「平方元基 Music is Dandy」

「平方元基 Music is Dandy」ミュージカル・デビュー5周年を迎えて
11月16日(水)渋谷区文化総合センター大和田さくらホール

『ロミオ&ジュリエット』でミュージカルデビュー後、様々な人気ミュージカル作品で主要な役を演じ、圧倒的な存在感で観る人を魅了し続けている、ミュージカル界の貴公子・平方元基がミュージカル・デビュー5周年を記念したコンサートを開催。
ゲストには、メンバー全員が絶対音感を持ち、ジャズ・コーラスをルーツに世界レベルのハーモニーを生み出す実力派ジャミン・ゼブ。そして、ジャズをメインに美しく繊細なタッチと超絶テクニックの演奏力を誇るピアニスト、ハクエイ・キムをミュージックディレクターに迎え、それぞれのフィールドでいちばん輝いているアーティスト同士の異色のコラボから醸し出す、男のロマンをダンディにスタイリッシュにお魅せする最高にお洒落な一夜限りのプレミアムコンサート。

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