磯村勇斗 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「磯村勇斗」

2015/09/16

「今年が役者としてのスタート元年目の前の仕事にしっかり取り組んでいきたい」

磯村勇斗

現在公開中の映画『ガールズ・ステップ』で、石井杏奈ちゃん演じる主人公・あずさの幼馴染、池辺保を演じている磯村勇斗くん。10月4日スタートの『仮面ライダーゴースト』(テレ朝系)にも出演が決定! 俳優になる夢を追って上京し、デビューという夢を掴みとった彼に、現在の心境をたっぷりと語ってもらった。



磯村勇斗
まず、芸能界を目指すきっかけから教えてください。
「中学2年生のとき、学校の授業の課題で友達と自主制作の映画を作ったことがきっかけです。『ヌマヅの少女ハイジ』という15分ぐらいの作品で、脚本もカメラも自分でこなし、ハイジ役も自分で演じました(笑)。それを学校で上映したときに、すごくたくさんの拍手をもらったんです。演じて面白いうえ、こんなにも評価してもらえるなんて、なんて楽しいんだろう。この楽しさを感じるには、俳優になるしかない!と思いました」
俳優になるために、どうしようと考えました?
「一刻も早く東京に出て活動したいと思ったので、『中学を卒業したら東京に出たい』と両親に伝えましたが、『せめて高校だけは卒業しろ』と猛反対されて。それで地元の高校に進学しましたが、役者をやりたいきもちが抑えられず、“どこかで演技の勉強ができないかな?”と考えました。それで、いくつかの地元の劇団に『演技を教えてください』と電話をして、『いいよ』と言ってくれた劇団に、週1日で通ったんです。初めて舞台に立たせてもらったのは、高校2年の冬。アントン・チェーホフの『プロポーズ』という脚本で、30歳の男性を演じたんです」
その後、東京の大学の演技科に進学。このときにはご両親も賛成してくれました?
「いえ、修羅場でした(笑)。本当は、大学に進学せずにプロダクションや劇団に入りたくて、みんなが受験勉強している間、雑誌やインターネットでどんなプロダクションがあるかを調べていました。でも、両親は猛反対で……。反抗して数日家に帰らなかったりもしましたが、『自分には夢がある。やりたい道を進みたいから応援してほしい』と伝えて、最終的には『演技の勉強が出来る大学へ行く』ということで了承してもらえたんです。 最近になって、やっと両親も温かく応援してくれるようになりました。葛藤やケンカもあったけれど、送り出してくれた両親のためにも頑張ろう!と思いますね」
磯村勇斗

磯村勇斗
大学生活はいかがでした?
「実は大学は2年半で中退してしまいました。大学でも1年に数本の舞台はあったのですが、結局は学生の授業。4年間も大学にいたら、自分の熱意がどんどん失われていく気がしたし、毎日に満足できなくなったんです。“もっと外の世界を観たい”“いろんなものを吸収したい”“一刻も早くプロとしてやっている方と一緒に演じたい”という気持ちでいっぱいになり、結局、中退しました。その後は居酒屋やカフェでアルバイトをして、生活費を稼ぎながら、チャンスを探し求めていました。大学の友人やその御縁で知り合った演出家さんに声をかけてもらって、オーディションを受け、たくさんの舞台に立たせていただきました。そういう活動を続けていた中で、出演していた舞台を観た今の事務所の方に声をかけていただき、去年から所属しています」
それからは、テレビドラマにも出演されるようになりましたね。
「はい、去年の『事件救命医2〜IMATの奇跡〜』が初のテレビ出演です。テレビの現場が初めてだったので、撮影当日はヒヤヒヤしました(笑)。でも。元々は映像でやりたい気持ちが強かったので、同時にすごく嬉しかったです。自分の出演作は録画をして、すべてチェックしています。何度も芝居を観て、反省したり次につなげたりと、日々、努力です」
事務所に所属するまで、何年もかかりましたが、どんな気持ちで続けていましたか?
「もちろん、1日も早く、役者だけで稼いで、食べていきたかったし、“なんで居酒屋やカフェで働いているんだろう”って悔しい思いもしました。そんなときは、大学の友人と将来の目標を語りあって刺激をもらったり、一人暮らしで大変だから、とバイト先の皆さんから余った食材をいただいたり……。周囲の支えがあって今があるんだなと感謝しています。大変なこともありましたが、いい経験をさせてもらえたなと。何よりも“役者を続けるのは甘いものではない”と、身を持って知れてよかったです」
さて、『ガールズ・ステップ』で映画もデビュー。いきなりヒロインの幼なじみ・池辺保という重要な役を演じていますが、どんな気持ちで臨みましたか?
「撮影当時はまだ映像の経験もほとんどなく、しかも、届いた台本を読むと、台詞もたくさんあって、すごく緊張しました。実際、現場でも川村泰祐監督からはかなりダメ出しをされて……。主演の石井杏奈ちゃんは当時17歳で、僕は22歳。高校生の役なので、河村監督には『若く見えない』と何度も指摘されました。でも、言われたことを意識すると芝居が崩れるし、演技が硬くなってしまう。かなり悩んだし、悔しい思いをしました。当時の自分のすべての力を出して取り組んだので悔いはありませんが、もう一度、撮れるなら撮りたいですね(笑)。今でも役作りや演技でつまずくと、川村監督から言われた一つひとつの言葉を思い出します。初心に戻ることで、今、目の前にある壁を乗り越えられることって、結構あるんです」
共演者の方たちの印象は?
「主演の杏奈ちゃんをはじめ、クラスメイト役も若い方ばかりだったので、若さのパワーをたくさんもらいました(笑)。映画のメインキャラのグループ“ジミーズ”たちとは控室もよく一緒になったので、休憩時間は人狼ゲームで盛り上がったりしていました」

磯村勇斗
10月からは『仮面ライダーゴースト』に出演されます。これもオーディションで出演が決まったんですよね?
「はい。何ヵ月も何度もオーディションで戦っていました。マネージャーさんから『出演が決まった』と言われたときはもう、放心状態で、嬉しすぎて、言葉も出なかったです。今は撮影の真っ最中ですが、帰宅するたびに“10月から放送されちゃうよ! 子どもたちに見られちゃうよ!!”って一人でキャッキャと興奮しています(笑)」
演じるアランという役どころについて教えてください。
「謎の男と行動を共にする謎の若者です。まだ謎だらけなんです!!」
ライダーの敵なのか味方なのかもわからないと聞いていますが(笑)。
「そうなんです。演じている僕自身もまだ謎です! 今はストーリーが進むたびに、“アラン”というキャラクターのヒントを一つひとつもらい、0の状態からパーツを徐々に組み立てている感じです。役作りの過程がRPGみたいなので、毎回、台本が届くのが楽しみだし、すごくやりがいがあります」


磯村勇斗
現場の雰囲気はどうですか?
「スタッフさんは仮面ライダーシリーズを手掛けてきた方ばかりなので、すごく役者を盛り立ててくださるし、いい緊張感を持ちつつ、楽しく撮影に臨んでいます。ゴースト役の西銘駿くんをはじめ、キャストは同世代が多いので、撮影前後はしょうもない話で盛り上がったり、写真を撮り合ったりと本当ににぎやか! 皆、すごく仲がいいので毎回、楽しいです」
今まで経験したテレビドラマとヒーローものとの違いはありますか?
「役作りでは自然な演技というよりも、子どもが観てもわかりやすいように、個々のキャラクターをより明確に演じます。僕の演じるアランはシリアスで感情が出ないキャラですが、目線や台詞の言い回しで、冷酷で、謎な存在感をなるべく強調しています。特撮ならではの撮影方法も面白いですね。先日、初めて仮面ライダーが戦うシーンの撮影を見させていただいたのですが、武器から光線がビャー!と出てこないことに、一瞬、驚いてしまって(笑)。 だけど、銃を向けられた怪人は“うわぁやられたぁ〜”という感じで、無言でもだえ苦しんでいる(笑)。そういうシーンはCGだとわかってはいたけれど、“こうやって作っているのかー!”と新鮮な驚きだったし、勉強になりました」
最後に将来の目標を教えてください。
「今の僕は本に例えると、目次をめくり、やっと本文の一ページ目を開いたあたり。まさに、今年が役者としてのスタート元年だと感じています。まずはジャンルを問わず、様々な作品に出て、一つひとつ、目の前の仕事にしっかり取り組んでいきたいです。また、うちは両親が洋画好きだったので、僕も子供の頃からハリウッド映画ばかり観ていたんですね。だから、いつかハリウッド・デビューするのが目標です!」

インタビュー・終

撮影/宮坂浩見 取材・文/長島恭子

Profile

磯村勇斗
いそむら・はやと●1992年9月11日生まれ、静岡県出身。ドリームプラス所属。『事件救命医2〜IMATの奇跡〜』(テレ朝系)でデビュー。10月4日スタートの『仮面ライダーゴースト』(テレ朝系)にアラン役で出演が決定。

INFORMATION

ガールズステップ
ガールズステップ

映画『ガールズ・ステップ』
9月12日(土)より全国ロードショー

配給:ワーナー・ブラザース映画

幼いころにいじめられたトラウマから、誰に対しても調子よく接してしまう高校2年生のあずさ(石井杏奈)。ある日、あずさはひょんな出来事から、ダンス部を結成する羽目に……。一緒に集められたメンバーは、クラスに友達のいないボッチで地味な4人。根暗の愛海(小芝風花)に勘違い女の葉月(小野花梨)、それからガリ勉の環(秋月三佳)にヤンキーの美香(上原実矩)。通称“ジミーズ”と呼ばれる面々だった。更に、コーチとしてやってきたケニー(塚本高史)は、とにかくチャラいしなんか胡散臭い。元々友達のいない“ジミーズ”にチームワークなど芽生えるはずもなく、ダンスも散々。だが、失敗を重ねながらもひたむきに挑む彼女たちに、まさかの友情が芽生えはじめ……!? それぞれに悩みを抱える女子高生たちの、可愛らしい成長の瞬間“ガールズ・ステップ”=『自分の殻を破る瞬間』を描いた、王道のガールズエンタテインメント!!

(C)宇山佳佑/集英社 (C)2015「ガールズ・ステップ」製作委員会

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