佐生雪インタビュー | Deview-デビュー
[PR]

佐生雪/「個性を活かす事務所だから、『みんなと同じことをしたら受からない』という気持ちで臨みました」

西野カナ、二階堂ふみ、土屋太鳳、成田凌ら、アクター、モデル、タレント、シンガー、など、多彩な所属者を擁するソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)が、今夏全国の10代(22歳まで)に会いに行く「ティーンズオーディション2017」を開催する。約3年前のSMA夏のオーディションをきっかけにデビューのチャンスを掴んだ佐生雪さんに、オーディションのエピソード、応募を考えている人への応援メッセージをもらった。

佐生雪
Q メインキャストを演じた映画『人狼ゲーム ラヴァーズ』(2017年1月公開)は、精神的にハードな撮影だったのでは?
「1週間でギュッと詰め込んで撮ったんですけど、ちょっとおかしくなりそうでした。誰かが処刑される場面も自分が人を殺す場面もあって、どんどんお芝居の感覚ではなくなってきて、最終日は本当に『死にたくない!』という気持ちでした。でも私が演じた一香は強い子だから、監督に『カットがかかるまでは泣いたらダメ』と言われていて、アップを撮ったあとにワーッと泣いてしまいました。今までは“泣けない。感情が入らない”ということで悩んでいたのと真逆で、感情が入りすぎて、不思議な体験でした」
Q ロケの現場と泊まっていた施設が同じ建物だったそうですね。
「私と古畑(星夏)さんが屋上で言い争うシーンの声が、休憩していたみんなに『聞こえていた』と言われました。逆に、私が夜中に自分の部屋で歯を磨いていたら、殺されるシーンの叫び声がガンガン聞こえてきて眠れませんでした。それだけ大声を出して演じていたんですよね」
Q 今秋公開の、人力飛行サークルを舞台にした『トリガール!』では、メガネ女子役ということですが。
「面白い役で、監督と『ひと言もしゃべらないでいこう』と決めました。キラキラした土屋太鳳さん、池田エライザさんと正反対で、いかに地味さを追求するか(笑)。監督が持っている根暗な理系のイメージにこだわりました」
Q 演技的にはかえって難しそう。
「そうですね。どこに立てばいいのか? どう動いたらいいのか? 気持ちを表情だけで表現しないといけなかったので。自分は仲間に指示を出す役なんですが、声は出さない(笑)」
Q 女優を目指したきっかけは、堀北真希さんが主演したドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』だとか。
「小学4年生のときでした。小さい頃からテレビを一切観ない環境で、部屋で1人でおままごとをするか、公園で泥団子を作るか、暗い感じで過ごしてきたんですけど(笑)、たまたま家族が観ていた『イケパラ』を観たんです。お母さんに『この時間だけは遅くまで起きていてもいい?』とお願いして、毎週観ていました」
佐生雪
Q 堀北さんの男装ぶりに惹かれたんですか?
「昔から女の子にキャーキャー言われる男性が羨ましかったです。自分がキャーキャー言うんじゃなくて。堀北さんはめちゃめちゃカッコ良かったし、お芝居なら性別すら越えられることに感動しました。『私もやるしかない!』と思い、いろいろなドラマを観るようになりました。お医者さんのドラマ、弁護士さんのドラマ、学園ドラマ……。それでお母さんに『やらせてください!』と言って、オーディションを受け始めました」
Q それで、ソニー・ミュージックアーティスツの『HuA HuA』を受けたのが……。
「高校2年の夏です。オーディションはずーっと受けていましたが、なかなかうまくいかなくて、一時は諦めかけました。その頃に高校で知り合ったお洋服の好きな先輩が、サロンモデルに紹介してくれたんです。それで写真を撮られたり、少し人前に出る経験をして、やっぱりお芝居を人に見てもらいたくなり、『もう1回チャレンジしてみよう!』と受けたのが『HuAHuA』でした」
Q タイミングに加えて、SMAのオーディションということで惹かれるものもありました?
「そうですね。いろいろな事務所の特色を、私はよく『ここは白だな』『赤だな』とか色で考えるんです。でも、SMAは色が出てこなくて。いろいろなジャンルの、いろいろなタイプの方がいたので、『ここなら何かの枠にあてはめず、自分に合った方向で行けるのかな』と思って受けました」
Q 改めて芸能界に挑戦ということで、相当気合いを入れて臨んだんでしょうね?
「でも、書類を送るときはお母さんのほうが熱が入っていて(笑)。『その写真を送るの? 大丈夫?』みたいな。当時はサロンモデルで髪をバシバシ切っていたのが伸びかけて、中途半端な長さのキノコ頭でしたけど、私は考えすぎるとダメだから『それ以上言わないで!』と。それに私、すごいあがり症で。書類審査に通ったものの、二次審査の歌とお芝居は緊張で頭が真っ白。とりあえず全力でやったので、きっと良いところを見つけてくれたんでしょうね。まさかの最終審査まで行けました。人数がすごく絞られたなかの1人に入って」
Q 何人くらい残っていたんですか?
「20人前後だったと思います。舞台に上がったら、前に審査するスタッフさんたちがズラーッといて、カメラが真ん中にあって『ここでやるのか……』と思いましたね」
佐生雪
Q 特に何かアピールしたことはありました?
「やっぱり個性を活かす事務所だと思ったからこそ、『みんなと同じようなことをしたら絶対受からない』というのが頭にありました。まず『女の子がしなさそうなことをやろう』と考えて、私はロックバンドが好きだから、2次審査ではONE OK ROCKさんの『アンサイズニア』を歌いました。シャウトから入って、頭を振りながら。最終でも審査員の人たちが私のファンのようなつもりで、『Rock,Scissors,Paper』を『ウオーッ!!』みたいな感じで、『これでもか!』というぐらいヘドバンして(笑)、インパクトは残せたと思いました」
Q あがり症というわりには大胆に。
「もう『やらなきゃ!』と。曲が始まれば『どうにでもなれ!』って感じでした。お芝居のほうが緊張したのを覚えてます。2人1組か3人1組で短いお話を演じて」
Q 事前にたくさん練習したんですか?
「めっちゃしました。最後の台詞は自分で考えることになっていて、お母さんとひたすら『なんて言ったら印象に残るだろう?』と話し合って。私は筋トレやボディコンバットというエクササイズが好きなので、『やりすぎて筋肉ムキムキになっちゃうよ』みたいなことを言って、ポーズを取った記憶があります」
Q 合格してSMAに所属してからも、正解だったと思いました?
「そうですね。私のマネージャーさんは特に礼儀に厳しくて、しっかり叩き込まれましたけど、普通に守るべきことを守れば『あれはダメ』『これをやれ』と言われることはなくて、居心地がいいです。お芝居のレッスンや今はダンスレッスンも受けられるし、映画監督さんが教えてくれるワークショップに行けることもあって、すごくサポートしてくれます」
Q もともと演技の経験はなかったんですよね?
「だから最初は台詞を読むだけでいっぱいいっぱいで、いまだにオーディションではあがってしまい、台詞がパーンと飛んだりもします。それをいかに出さないようにするか? 台詞だけ捉えるのでなく、役として発するところまでたどり着くにはどうしたらいいのか? 鍛えてもらっています。あと、レッスンの前に映画を観る時間もあるんです。今まで見たことがなかったようなお芝居とか、勉強になります」
Q どんな映画を観ました?
「私が一番記憶に残っているのは、樹木希林さんの『あん』ですね。すごく深みがあって、お芝居をしているのでなく、本当に人と人が喋ってる、本当にその状況にいるように感じました。勉強するつもりなら、台本を想像して『どうお芝居するんだろう?』『どんな言い方をしてくるだろう?』と観るのが正しいのかもしれませんけど、『あん』はただ映画に観入ってしまいました。すごく記憶に残って『いつかああいうお芝居をしたい』とずっと思っています」
佐生雪
Q デビューがコカ・コーラ『ネームボトル』バンド篇のCMだったんですよね。
「あれもオーディションは緊張しすぎて、ニコリとも笑えず、ひたすら真顔でベースを弾く振りをしてコーラを飲んだら、場が盛り上がらなかったので、『これはマズい』と思い『もう1回カンパーイ! ウェーイ!』みたいな感じで一生懸命騒ぎました。マネージャーさんに『ダメでした……』と電話したら、まさかの合格。あとで現場で聞くと、1人のスタッフさんから『ずっと無表情だったけど、笑えば可愛い』という押しがあったそうです」
Q そのCMがテレビで流れるのを自分で観るのは、どんな気分でした?
「自分がテレビのなかにいるのが本当にビックリ。友だちからも『観たよ』『あれは雪?』って連絡がきて、『やったぁ!』という気持ちでした」
Q SMAはもともと音楽系の事務所ですが、最近は女優勢の活躍が目覚ましくて。そういうのも刺激になります?
「土屋太鳳さん、橋本愛さん、二階堂ふみさん、黒島結菜さん……。すごい人がどんどん出てきて。そんな先輩たちに何とか続けるようになりたいと、いつも思っています。事務所が女優にも力を入れているからこそ、後輩もどんどん来るので、越されないようにというプレッシャーもあります」
Q 同じ事務所で仲の良い人はいますか?
「武田梨奈さんと仲良いです。何度か映画で共演させていただいて、昨日もずっとLINEをしていました。一緒にごはんを食べに行ったりもします。芯を持っている人なので、私が何か失敗して相談すると真剣に考えてくれるし、『それは良くないから、こうすべきだよ』とか、教えてもらうことが多いです。本当に大切な存在です」
Q 今年のSMAオーディションからまた後輩が入ってきますが、審査を受けるに当たってのアドバイスはありますか?
「誰でも『自分はこうなりたい』という理想はありますけど、そういう自分には事務所に入ってからいくらでもなれるので、オーディションでは今の自分を最大限に生かすことが大事だと思います。スタッフさんたちも個性を見たがっているように私は感じていて、作り込んだものは個性ではなくなるから。あと、特技披露があるなら猛練習することをオススメします。パーフェクトで行けるように。そしたら緊張せずに『見て!』っていう気持ちになれます。私もボディコンバットを披露したので、オーディション前は夜中にお母さんと公園に行って練習しました」
佐生雪
Q ヘドバンして歌う練習も(笑)?
「それはカラオケボックスで(笑)。受けるか迷っている人もいると思いますけど、あれこれ考えるより『どうにでもなれ!』でいいのかも。オーディションを受けることによって、いろいろなことがわかるから、まずは第一歩を踏み出してください。あまり力まず『これが私です』というのを見せたら、SMAは受け止めてくれます」
Q 佐生さんの次の一歩は?
「『人狼ゲーム』で人を殺す役をやったことに影響を受けて、サイコパス的な役をやりたいです。やったら自分がどうなるのか、興味があります。遠い夢としては、大きい映画で主演をしたいです。あと、今、英語を勉強しているので、海外でも活躍していきたいです。インドネシア版の『ポカリスエット』CMに出演しているんですが、現地では大きい看板に私がダーンと出ているらしくて、インスタグラムに地元の方から『毎日見て頑張らなきゃと思ってます』とかコメントをいただいてます。今やってることを切らさず、いろいろ人に知ってもらいたいです」
佐生雪(さそう・ゆき)
1997年4月12日生まれ、神奈川県出身。2014年、SMA40周年特別企画:HuAHuA四重奏「アクトレース」に合格しSMAに所属。コカ・コーラ『ネームボトル』バンド篇CMでデビュー。大塚製薬のインドネシア現地法人の制作する『ポカリスエットCM』、映画『人狼ゲーム ラヴァーズ』(2017年1月28日公開)、9月1日公開の『トリガール!』、LiSAの『LittLE DEViL PARADE』のミュージックビデオ等に出演。
撮影/mika 取材・文/斉藤貴志
ソニー・ミュージックアーティスツ全国オーディション SMAティーンズオーディション2017 みかんせいじん大募集!!! 未完成なキミに会いたい! アクター/モデル/タレント/シンガー/etc.大募集
SMAティーンズオーディション2017
≫ 応募する
伊波杏樹
「第2回アニストテレス」準グランプリ
≫ 伊波杏樹インタビューを読む
×