尾上松也×百田夏菜子 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「尾上松也×百田夏菜子」

2021/03/05

「初めての挑戦で難しかったけど、この作品をきっかけに今でも続けているくらい、ピアノが大好きな楽器になりました」

尾上松也×百田夏菜子

――百田さんはピアノを弾くシーンもありました。

百田「初めて挑戦させていただいて。ちゃんと弾くのと同時に、美しく弾くっていうのを研究しながら、“どうやったら綺麗に見えるかな”って考えながらやったんですけど、すごく難しかったです。私はピアノを弾いたことがなかったので、最初はもう、ドレミファソラシドの弾き方から教えていただいて。かなり攻めた曲だったので、これを弾けるかなって不安だったんですけど、弾いているうちにすごく楽しくなってきて。この作品をきっかけに今でも続けているくらい、ピアノが大好きな楽器になりました。ただ、撮影の時はやっぱり大変でしたね」

松也「百田さんにはピアノという課題があって、柿澤くんもピアノを弾くシーンがありますし、石田ニコルさんはアコースティックギターの弾き語りがあって。みなさん、役ごとにそれぞれがチャレンジをしていたんですけど、僕はそういうのがなかったんですよね」

――いや、ラップがあったじゃないですか。劇中で銀行員として、TEEDA(BACK-ON)提供の「Numbers」を披露してました。

松也「謎に英語だったりもしてね(笑)。でも、こういう機会でないとやらないことなので、単純に楽しかったです」

――他にも、歌で感情を表現するシーンがたくさんありましたね。

百田「歌うシーン、めちゃめちゃ楽しかったですよね」

松也「楽しかったですね。ミュージカルというわけではないので、音楽劇? なんていうの?」

尾上松也×百田夏菜子

――ミュージカルコメディではないのですか?

松也「ではないんです! あくまでもミュージカルではなく、<新感覚ポップエンターテイメント>ということでやらしていただきたい(笑)。もちろん、ミュージカルのようにお芝居からの流れで歌うところもあれば、完全に音楽に振り切っちゃうところもありますし、突如、音楽が登場するところもある。本当に監督が好きなように描いている作品なんです。音楽も含めて、流れもすごく斬新ですが、演じてみると気持ちもちゃんと繋がりましたし、歌うシーンは楽しかったですね」

百田「私は自分ではなく、役として歌うのも新鮮でしたし、だからこそ、普段、歌ってる歌の感覚や歌い方と違うものがあって。“吉乃が歌ったらどんな歌になるかな”って考えながらやってました。ただ、香芝さん=松也さんの歌がすごく心に届いて。香芝はすごくまっすぐな役なんですけど、物語上ではそのまっすぐさが吉乃には届かない。スッって避けられちゃうんですけど、届きそうになった時があって(笑)。“いかん、ここは届いちゃいかん!”って思いながら、あえて心に蓋をしたりしていて。そういうのも難しかったですけど、リハの時から全力で歌ってくださって、その熱が映像でも伝わっているので、だいぶ、感動しました」

――香芝と吉乃のデュエットナンバー「鼓動の理由」もありましたね。

百田「私は普段、メンバーとしか歌ってなくて。男性の方と声を重ねるっていう機会があまりないので、それもすごく新鮮でした。今回、同じメロディをいくだけじゃなくて、いろんなラインにいったり、間にセリフに言ったり、歌い分けもちゃんとあって。それが、全部、新鮮だったんですよね。松也さんの声と自分の声が重なるのも、実際にやってみないとどうなるかわからなかったし、合わさった時にこんなふうに1つの声になるんだっていうことにすごく感動しました」

松也「映画の中でも大掛かりなセットでしたし、最終的に僕、水を被るシーンもあったので(笑)、僕の中では山でしたし、とても思い入れが深いシーンになってますね。デュエットはあの曲くらいで、あとは、僕が一方的に歌ってるから」

百田「<♪Bメロはじまっちゃいますよ〜>とか。あれ、めっちゃ面白いですよね」

松也「幻想の中ですけど、吉乃さんと唯一、いい感じになれるシーンですからね。だから、緊張しましたし、ドキドキしましたけど、美しく撮ってくださったので映像を見た時は感動しました」

尾上松也×百田夏菜子尾上松也

――歌の部分も含めて、完成した映画を観てどう感じましたか。

百田「監督の頭の中はこうなってたんだって思いました。撮影はしたんですけど、撮影した後もどんな作品に仕上がるのか想像しきれない部分が残っていたんです。でも、それが完成して、絵になったときに、すごく面白いものになっていて。なんか……想像を超えてきましたね。自分も撮られてはいるけど、観るのもワクワクしましたし、知らないシーンもたくさんあったので、繋がって観たときに、自分がやってきたことも繋がって、1つの作品になっていたことがすごく嬉しかったです」

松也「最初脚本を読んだ時は、“これをどうするんだ”という気持ちと、“これをどうにかしてみたい”という楽しみがあって。撮影をしている中でも、長期にわたって、みんなで試行錯誤しながらやってきて、キャストの皆さん、スタッフの皆さんが1つの方向に向けてやっていこうという気持ちがあった現場だと思います。とはいえ、急に音楽が出てきたり、いろんな要素が出てきたりするので、自分たちは気持ちを繋げて演じていたつもりですが、実際にどうなっているのかは、全部、撮り終えても想像しきれない部分がありました。ですが、今、百田さんがおっしゃったように、完成した作品を観て、全てが繋がっていると、制作した側である我々が思えた。それは、観ていただく方に提供するという意味でも大きいことだと思います。あまり見たことのない、いわゆる物語や映画のセオリーにとらわれてない作品になっていて。本当に監督がやってみたかったことを具現化している感じがしましたし、その中にきちんと、誰しもが感じる普遍的な感覚が織り込まれている。そして、シリアスなシーンもあれば、香芝と吉乃さんの切ない恋模様を、音楽でポップに昇華している。そういう意味では、それぞれが自分のことと照らし合わせつつ、明るく楽しく観やすい映画になったのかなと思います」

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映画『すくってごらん』
3月12日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

『すくってごらん』©2020映画「すくってごらん」製作委員会 ©大谷紀子/講談社

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世界初の金魚すくいを題材とした漫画『すくってごらん』(大谷紀子/講談社)を、映画初主演の尾上松也×映画初ヒロインの百田夏菜子で実写映画化。思い描いていた順風満帆なエリート銀行員人生から外れ、荒んだ気持ちを抱えて左遷の地にやってきたプライドは高いがネガティブな男・香芝誠が、世界一静かで優雅なスポーツといわれる「金魚すくい」や、それを取り巻く人々と出会い、仕事に恋に奮闘する姿を描く。

◆公式サイト:sukuttegoran.com

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