池田純矢×夏川アサ | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「池田純矢×夏川アサ」

2022/10/12

「自分の恥ずかしい部分や醜い部分も含めて、今の自分が乗せられるすべてで勝負しようと思った」

池田純矢×夏川アサ

俳優の池田純矢が作・演出を手掛けるエン*ゲキ#06 即興音楽舞踏劇『砂の城』が、いよいよ10月15日より幕を開ける。これまでも様々な革新的作品を発表してきた「エン*ゲキ」シリーズ。その全てを糧に満を持して挑むのは、どこまでも自由な新境地。“即興音楽舞踏劇”と題し、即興で音楽を奏で、舞うという革新的な試みに挑戦する。『Deview/デビュー』では、作・演出の池田に加え、本作のオーディションで類まれな歌唱力と透明感を示し、初舞台にしてヒロインに抜擢された夏川アサにインタビュー。本作への思いやカンパニーの雰囲気、オーディションでの互いの印象などを聞いた。

池田純矢×夏川アサ池田純矢

――様々なフィールドで活躍されているキャストが揃っている本作ですが、カンパニーの雰囲気はいかがですか?

池田純矢「僕の作りたい稽古場っていう感じではあるので、僕は居心地良いですけど、アサちゃんはどう?」

夏川アサ「私は舞台自体初めての経験なので、最初はドキドキしながら稽古に挑んでいたのですが、みなさんとても温かくて。池田さんが集めた方々だからかもしれないですけど、私が全然できなくてパニックになっていると、すかさずフォローしてくださったり、アドバイスをしてくださったり、話を聞いてくださったり…本当に支えてもらってばっかりです。それと、稽古場ではみんなあだ名で呼びあったりしているので、すごく親しみのあるカンパニーだなって思います」

池田純矢「そうだね。それこそ升(毅)さんは大先輩ですけど、みんな『ますにぃー』って呼んでるしね。自分の考えとして、舞台上や座組というものに関しては、“誰が上、誰が下”っていうのはないと思っていて。もちろん、先輩・後輩はありますし、年齢とかもあるとは思うけど、やっぱり板に立つ時点で命を預けあう存在だと思っているので、それが先輩であれ、後輩、アンサンブル、演出部の1人のスタッフであれ、全員フィフティーフィフティーの関係だと思っているんです。それってすごく難しいことだとは思うんですが。たとえば、本作みたいに、僕が作家であり演出家でもあるっていう状態だとなかなか難しいことかもしれないけど、でも先生みたいには決してなりたくないんです。先生と生徒ではなく、イチ人間として接しているというか、僕も演出をするときに、“自分はこういう風に解釈していて、こういった流れを作りたい”というようなことは言いますけど、それは指定ではないので」

池田純矢×夏川アサ夏川アサ

――全員が対等な関係で、1つの作品に向き合って切磋琢磨するような。

池田純矢「基本的には、俳優さんからのアイディアもいただきたいですし、より良くしていくためには、壁であったり上下関係みたいな垣根はいらないし、ないほうがより良いクリエイティブにはなると思っています。なので、そうできるように心がけて稽古場ではいるつもりです」

――今作は、“誰もが楽しめる王道ストーリー”といった、これまでのエン*ゲキシリーズとは一線を画す、異色の作品だと思うのですが、どのような経緯で生まれたものなのでしょうか?

池田純矢「僕は絵画や音楽もそうですが、芸術分野がすごく好きで、“芸術”という分野に自分が身を置きたいというところが1つあって。アートと呼べるものを自分が作るとしたらなんだろうって考えたときに、やっぱり演劇なんだろうなって思ったんです。これまでのエン*ゲキシリーズは、間口を広げて、子供から大人まで誰でもウェルカムで、誰が来ても楽しめる遊園地みたいな、そんな作品を作りたいという思いでやってきました。そのうえで、僕はアート・芸術という分野に関しても1つの娯楽・エンターテインメントだと思っていて。今までは自分の好みプラス、見ていただくお客様がとっつきやすいよう、かみ砕いた表現だったり、わかりやすい比喩だったり、わりと本質の部分をオブラードに包みながらやってきました。でも今回は、自分の中にある“良く見られたい”とか、“すごいと思われたい”“うまい脚本だと思われたい”とか、そういったところを一旦全部捨てて、本当の本当の本質という部分だけを書こうと思って。自分の恥ずかしい部分や醜い部分も含めて、今の自分が乗せられるすべてで勝負しようって思いました。かつ、台本にのせるのはあくまでもセリフで、そのセリフには裏側があったり、裏の裏があったり、いろんなものがある。そこの深みというか、物語の根底にある部分というものをしっかりと築いていきたい。そこから俳優陣には自由にやっていただきたいなと思っています。それがその即興性という部分だと思います」

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Information

エン*ゲキ#06 即興音楽舞踏劇『砂の城』

東京公演:2022年10月15日(土)〜30日(日)紀伊國屋ホール
大阪公演:2022年11月3日(木・祝)〜13日(日)ABC ホール

砂の城

作・演出:池田純矢
出演:中山優馬
岐洲匠 夏川アサ 野島健児 池田純矢 鈴木勝吾
升毅
佐竹真依 高見昌義 永森祐人 真辺美乃理 森澤碧音
ピアノ演奏:ハラヨシヒロ

■ストーリー
「僕らは、間違いを犯した―。」

颯爽と吹き抜ける風が、右に、左に、軋む大木に吊られた亡骸を揺らす。
その瞳は虚無だけを映すようで、しかし生を渇望するようでもある。
それでも"今"は彼を置き去りに、なにもなかったように過ぎていく−。


国土を砂地に覆われた大海の孤島、アミリア―。
街はずれの農地に暮らすテオはこの日、人生の門出に立っていた。
領主・アッタロスの娘で、幼馴染のエウリデュケと念願の婚礼を迎え、晴れてひとつの夫婦となるのだ。 共に育った親友のアデルらも歓声を挙げ、全てが幸福に満ち溢れていた。
時を同じくして、宮廷では国王崩御の報せが舞い踊っていた。
王位継承権を持つ太子・ゲルギオスはこの機を逃すまいと、最高文官である宰相・バルツァと共に邪な策を練る。 しかし、先王の遺言によってこれまで隠匿されていた「王家の血を継ぐ庶子」の存在が公然の事実となる。 玉座を確たるものにせんと、ゲルギオスは秘密裏に謀殺を企てるが…。
そんな折、テオらの暮らす地に王国からの勅令軍が訪れた事で、エウリデュケの従者で奴隷の男・レオニダスこそが、王家の血を継ぐ高貴な者であることが判明する。
この日を境に、交わる事のなかったテオとレオニダスの運命は強く結びつき、次第に幸福だった日常は"砂の城"のように脆く、崩れ堕ちてゆく…。
誰もが迷い、誰もが苦しみ、抗いようのない悲哀と憂いに縛られながらも其々が選んだ道は、果たして正しかったのか、それとも―。

◆公式サイト
https://enxgeki.com/

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