橋本祥平×植田圭輔 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「橋本祥平×植田圭輔」

2021/04/14

「芸能界で大事なことって、多少の尖りも必要だとは思いますが、ゴマをすることも大事だと思います」

橋本祥平×植田圭輔植田圭輔

――稽古場ではどんなコミュニケーションとっているんですか?

植田圭輔「ほぼマジでしょうがないことしかやってない(笑)。たとえば、駄菓子の『わさびのり太郎』ってあるじゃないですか。『わさびのり美味しいよな』って言って、祥平が『アレはわさび太郎ですよ!』って言って、『嘘だ!』ってあーだこーだ言っていて。調べたら“わさびのり太郎”だったんです。だから二人とも50点なんですよ。そんなやり取りとか本当にくだらない話ばっかりですね」

――3作品目となるお二人ですが、今回ならではのこだわりというのは?

橋本祥平「前回の三社鼎立は、とにかく体を張ったアクションが見どころの1つでしたが、今回、今のところ前回ほどの激しいアクションはそこまでないのかなと。まだ現段階ではアクション部分とかが完成されていないので、どうなるのかはわからないですが…。それこそ、今回は中身の部分、キャラクターの深さをどれだけ出せるのかという部分が大事になってくるのかなと。これまで3回役と向き合ってきた今回だからこそ、この『DEAD APPLE』で芥川の内面をもっとたくさん出して、映画ではこう捉えていたけど、舞台を観て“こういうとらえ方もあるのか”と思われるくらい、深堀できたらなと思っています」

植田圭輔「今回、これまでの文ステにはない演出のシーンが1つあって、それを僕が担当させていただくんですけど、そこは課題だなと。必ず成立させないといけないなと思っています。それと、原作の映画だけでなく、ノベライズなどで描かれている過去の話みたいなものがそれぞれのキャラクターにしっかりとあって。僕もいろいろと読ませていただいたりしているけど、それを踏まえた上で改めて今回の台本を見ると、意味合いや言葉の重さとかが変わることが本当に多くて。そういうのを自分なりにトレースしつつ、セリフや表現をしっかりと届けられたらなと思っています」

橋本祥平×植田圭輔

――文ステは物語の面白さはもちろんですが、役者のみなさんのお芝居や映像演出、アンサンブルの方々を交えた演劇的な表現だったり、いろんな要素があって面白い作品だなと毎回思いますが、お二人は、文ステならではの面白さ・魅力はどんなところで感じていますか?

植田圭輔「中屋敷さんの頭の中で感じてます。中屋敷さんの演出というか、発想というか、稽古を通じて、“うわ〜文ステやな”っていうのを感じています。今回もけっこう難しい表現だったり、“ここどうすんねん!!”っていう原作のシーンが多すぎるんですよ。でも、そういう部分もそうとう練られているし、稽古の進行が速い理由として、中屋敷さんが作品のことをすごく考えてくださっているっていうのが一番にあると思う。それがすごく伝わってくるし、中屋敷さんの愛をとても感じています」

橋本祥平「もちろん、中屋敷さんは真剣に演劇を作ってらっしゃると思うんですけど、どこかちょっと演劇で遊んで楽しんでいるっていうのも感じていて。それがとても伝わってくるので、こちらとしてもめちゃくちゃ楽しいし、面白いんです。その感じがきっと観てくださる方々にも伝わると思いますし、アンサンブルさんたちも一人ひとりがめちゃくちゃイキイキしていて、“全員で作っている作品”感が強いところが文ステの魅力かなって思います」

橋本祥平×植田圭輔橋本祥平

――異能を使ったバトルが繰り広げられる本作ですが、芸能界も自身の魅力や武器で生き抜いていかないといけない厳しいところでもあると思います。ご自身の武器やこれだけは負けたくないというのはなんですか?

橋本祥平「芸能界で大事なことって、多少の尖りも必要だとは思いますが、ゴマをすることも大事だと思います」

植田圭輔「祥平っぽいな〜!」

橋本祥平「“この人だ”って見極められる能力も必要だし、見極めたら全力でゴマをするっていう、諸先輩方に可愛がられることって、すごく大事なことだと思います。そういう部分に関しては、誰にも負けないぞ!って思っているんですけど、最近は年下の共演者も増えてきちゃっていて、ちょっと戸惑いつつありますが、まだしばらくはこのスタンスを崩さないぞ!って思っています(笑)」

植田圭輔「面白いな(笑)。でも、めちゃくちゃ大事なことだよね。僕は強みでいうと、負けず嫌い1本でやってきたので、それかな。あとは感受性。喜怒哀楽、全力で喜んだり、怒ったり、悲しんだり、楽しんだりっていうのができないと、表現者としても生き残っていけないかなと。自分たちはそういうつもりでやっていなくても、やっぱり優劣をつけられてしまう世界でもあるので、そういう部分で一喜一憂できないと、なかなか残っていけないのかなって思います。やっぱり表に立っている人間なので、悪いことを言われることもあるんです。でも、そういうときに、どう受け止めてどう乗り越えていくか。いい意味で、自分にとって必要のないものに対して、ちゃんと耳をふさげるかっていうのも大切な能力だと思います」

橋本祥平×植田圭輔植田圭輔

橋本祥平「あと、これは本当に失礼な話とかじゃなくて、植田さんは160cm台の役者さんでは、間違いなくトップなんですよ」

植田圭輔「身長の低さがってこと?(笑)」

橋本祥平「そうじゃなくて!(笑)。ただ、それも絶対に武器だと思います。160cm前後で誰か良い役者いないかなって探したときに、必ず第一候補にあがる。コンプレックスかもしれないけど、それって武器だなと」

植田圭輔「確かにね。今はめちゃくちゃ武器になっている。だって、祥平と並ぶと祥平はちゃんと大きいし、俺、ちゃんと小さいもんね」

橋本祥平「はい!(笑)。そうなんですよ。植田さんと並ぶと、ちょっと自分大きいなって思っちゃう」

植田圭輔「横並びで見るときにいつも思うんだよね。俺自身は祥平とはそんなに変わらないつもりでいるんだけど、パッケージとか見ると、“あ、こんなに違うんだ”って」

橋本祥平「コンプレックスを抱えている人ってきっと多いと思うんですけど、意外とそれを長所として伸ばすべきだったりもするんですよね」

植田圭輔「本当にそうだね」

橋本祥平×植田圭輔

――コンプレックスが唯一無二の武器になる可能性がある世界ですよね。では最後に、芸能界を夢見る読者に向けて、お二人が夢を叶えるために大切だと思うことを教えてください。

橋本祥平「自分の夢をずっと掲げていたら、自然とそっちの方向に向かうって、僕も人から聞いたことがあって。けっこうそれって当たってるなって思います。『こういう作品をやってみたい』とか、そういうことをマネージャーさんはじめ、周りに対して言ったり、言葉にすることで、そっちの方向に導いてくれる人が現れたりする。なので、強く想うことと、言葉にすることはけっこう大事なのかなって思います」

植田圭輔「祥平とちょっと近いかもしれないけど、助けてくれる人に全力で甘えることだったり、そこに対してきちんと感謝できることだったりが大事なのかなと。そういうことを1つずつ積み重ねていくとで、自分がなりたい将来像に近づいていくのかなと。あと、けっこう大事だなと思うのは、ちゃんと人の話を聞けること。言われたくない助言やダメ出しみたいなことに対して、『なにクソっ!』って思ったとしても、弾いてしまってはダメ。一旦自分のフォルダに入れることができないと、いつまでも変わらないと思うんです。そういう柔軟性も大事だと思います」

PROFILE

橋本祥平(はしもと・しょうへい)●1993年12月31日生まれ、神奈川県出身。キャストコーポレーション所属。近年の主な出演作は、舞台/ミュージカル『封神演義-目覚めの刻-』主演、 舞台『機動戦士ガンダム 00 -破壊による再生-』主演、舞台「文豪ストレイドッグス」、『幽☆遊☆白書』、『舞台版PSYCHO-PASS サイコパス Chapter1―犯罪係数―』、『巌窟王 Le theatre』主演 、「KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-」主演、『GHOST WRITER』、アニメ/劇場版『王室教師ハイネ』、超次元革命アニメ『Dimensionハイスクール』、『アルゴナビス from BanG Dream!』、映画/『ツナガレラジオ〜僕らの雨降りDays〜』、映画「文豪ストレイドッグス BEAST」主演など。6月には舞台「ARGONAVIS the Live Stage」への出演も控える。

植田圭輔(うえだ・けいすけ)●近年の主な出演作は、舞台「文豪ストレイドッグス」、『おそ松さん on STAGE』、MANKAI STAGE『A3!』、劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪、舞台『鬼滅の刃』、朗読劇 蒲田行進曲完結編『銀ちゃんが逝く』、リーディングステージ「法廷の王様」、舞台「チョコレート戦争〜a tale of the truth〜」、朗読劇「私立探偵 濱マイク」-我が人生最悪の時-、ドラマ/『パパ、はじめました』、『REAL⇔FAKE』、『チョコレート戦争〜朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり〜』、映画/『クロガラス1・2』、『三大怪獣グルメ』、アニメ/『王室教師ハイネ』主演、『pet』主演など。11月・12月上演の舞台『ワールドトリガー the Stage』、2022年公開の映画『MANKAI MOVIE「A3!」〜AUTUMN & WINTER〜』への出演が決定。

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Information

舞台「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE」

【大阪公演】2021年4月16日(金)〜18日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
【東京公演】2021年4月23日(金)〜5月5日(水・祝)日本青年館ホール

原作:映画「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE」
脚本:朝霧カフカ
脚本協力:内田裕基
演出:中屋敷法仁
協力:春河35

出演:
鳥越裕貴 桑江咲菜 橋本祥平 植田圭輔 田淵累生 岸本勇太 村田 充 ほか

文豪ストレイドッグス©舞台「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE」製作委員会

第五弾となる今作では、2018年3月に劇場版として公開された映画「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE」を舞台化。
登場するのは、異能力を持つ探偵集団「武装探偵社」の中島 敦、太宰 治、泉 鏡花ら、ヨコハマの裏社会に巣食う「ポートマフィア」の芥川龍之介、中原中也ら、地下組織の盗賊団「死の家の鼠」の頭目であるフョードル・D、今作の鍵を握る謎に包まれた異能力者・澁澤龍彦。
異能力者たちが自ら命を断つという不可解な「ヨコハマ連続自殺事件」の発生に端を発する、過去から現在まで、それぞれの思惑、悔恨、因縁が重層的に絡み合う、霧深き物語を描き出す。

◆公式サイト:http://bungo-stage.com/

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