百田夏菜子 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「百田夏菜子」

2020/06/25

「真夏の昼間に路上ライブした時、アスファルトがめちゃ熱くて。“夏の路上は裸足で歩かないほうがいい!”と学びました」

百田夏菜子(ももいろクローバーZ)

――そういった経験は、得るものも多かったのでは?

「真夏に駐車場の脇のスペースでライブしたことがあって。空きスペースがあればどこでもライブをやっていたので、スペースを探すことが、私たちの最初の仕事だったんです。自分たちでラジカセとマイクを持って、運動会みたいに、路上ライブをやる場所決めから始めて。日陰を必死で探していました。真夏の昼間に路上ライブした時、アスファルトがめちゃ熱くて。“夏の路上は裸足で歩かないほうがいい!”と学びました! あと、ビーサンでも底の薄さで直に熱さが伝わるので危険です。そういう発見とかはありましたね(笑)」

――大事な発見ですね!

「それでも当時はめっちゃ楽しかったんですよ! 今思い返すと、ももクロのデビュー前は、本当に変なことばかりだったと思いますが、そういう経験があったからこそ、より今がありがたく感じるのかなと。いろんなことを自分たちでやってみて、学んだことが今でも財産になっています。あの頃は、毎週末に代々木公園で路上ライブをやっていたんですが、そのときに配るビラも自分たちで作っていて。ライブ前に日程を合わせて、メンバー全員で集まって『ももクロ新聞』を書いていました。そういうのも図工の時間みたいで楽しかった。ももクロのライブは、作り込んだセットや世界観もあれば、今も変わらずそういう手作り感満載のライブも未だに多いんです」

百田夏菜子(ももいろクローバーZ)

――ももクロの活動が、「楽しい!」から「本気」に変わったのはいつ頃でした?

「代々木公園で路上ライブしていたときに、NHKホールがいつも見えていたので、『いつかこんなステージに立ってみたいね』って言っていたんですよね。でも、そんな風に言っていた当時は、正直、本気で立てるとも思っていなくて、まだ夢物語みたいなことを言っているだけだったんです。そんな時期に、AKB48さんの劇場公演に連れていってもらったことがあって。生でAKB48さんのステージを観て、“自分たちが足を踏み入れようとしているアイドルの世界って、こんなにすごくキラキラしているところなんだ!”って衝撃を受けました。そのときに、一緒に観に行っていたスタッフさんから『頑張らないとな』って言われたひと言を今でもすごく覚えています」

――アイドルの先輩たちに喝をいれられたと。

「私たちが目指そうとしている世界の、レベルの高さにびっくりしました。自分たちがやっていることとは別世界だなとも思いましたし、アイドルという世界の輝いているところを生で見させてもらって、自分たちも思うところがあって。私たち、今でもそうなんですけど、すぐに感化されて、真似したり、自分たちにも取り入れたりしました(笑)。ああいう風なライブをするにはどうしたらいいのかっていうのをみんなで話し合いながらやっていくうちに、小さなライブハウスでやらせてもらえるようになっていきました。それから、色んなアイドルイベントに呼んでもらえるようになったことにも影響を受けましたね。あの頃は“アイドル戦国時代”と言われていて、イベントに呼んでいただいたり、雑誌でもアイドル特集がよく組まれていて、そこで取り上げていただけたりするようになって。いろんなアイドルの方々とご一緒する機会も多かったんです。特に覚えているのは、当時、CCレモンホール(現:LINE CUBE SHIBUYA)のアイドルイベント(『アイドルユニットサマーフェスティバル2010』)で、共演したスマイレージ(現:アンジュルム)さんやSKE48さんのステージを観て、『自分たちはまだまだダメだな……』って、メンバーみんなで反省しました」

百田夏菜子(ももいろクローバーZ)

――確かにあのイベントは、皆さん、仕上げてきましたよね。

「自分たちも相当な刺激を受けて、本気で頑張らなきゃなと思いました。アイドル同士って、バチバチしたライバルをイメージする方も多いかもしれませんが、実際は、アイドルをやっている本人もアイドル好きな人が多いですし、私たちもアイドルが好きだったので、尊敬しあってお互いのステージを見ていたりします。共演したアイドルの皆さんのように、こんな楽しいステージを届けられるようになったらいいなと思いました。その時には、すでにそういった思いは芽生えていましたね」

――15年の間で、 “ももクロ”の転機になった出来事って何でしょう?

「ももクロとして、転機になった出来事っていうのはいくつかあるんですが、NHKの『MUSIC JAPAN』のアイドル大集合SPで呼んでいただいたことは大きかったと思います。AKB48さんとの初めての競演であり、ももクロとして初めてのTV出演だったんです。トップバッターで、『行くぜっ!怪盗少女』を披露させていただいて。番組がオンエアされた後の次のライブが、ショッピングモールでのライブだったんですが、今まで見たことないぐらい、お客さんの数がすごく増えたんです! 少しずつ、応援してくださる人が増えてきているなって感じていた頃ではあったんですが、一気に1,000人近くの方に来ていただけて、TVの力ってすごいなって思いました。あとは皆さんに知ってもらえたという意味では、第1回目のTIF(TOKYO IDOL FESTIVAL/2010年)に呼んでいただけたことも大きかったですね。アイドルファンの人たちが、私たちのステージを観て、興味を持ってくださって。今でもファンの方に『TIFで初めて見たのが好きになったきっかけです』と言われることがあります」

百田夏菜子(ももいろクローバーZ)

――いろんな人により多く知ってもらえることが、ももクロにとっての転機だったんですね。

「いろんなイベントに出ることや対バン相手に呼ばれることによって、広い層の方々に知っていただけたのかなと。自分たちの単独ライブもだんだん大きな会場になってきましたし。イベントに出演することが重なって、グループとしての転機に繋がったと思います」

――百田さん、個人としての転機は?

「やっぱり、朝ドラ(NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』)に出演させていただいたことは大きかったです。毎日のように、TVで観ていただけて、『ももクロの子』から、役名の『良子ちゃんだ!』と声をかけていただく機会も増えましたし、ご年配の方からも声をかけていただくことが増えて新鮮でした。それと、本当に個人的な転機としては、『お前が(ももクロの)リーダーな』と言われた日かな(笑)。当時は、リーダーをやるっていうのが本当に嫌だったし、自分の中でもいろいろと迷いがあって。その後もしばらくは“何で私が?”と思いながら過ごしていました。でも、リーダーを任せてもらったことで、リーダーの役割というものをわからないなりに、少しずつ物事を見る目線も変わってきたと、今になって思います。今でもポンコツですが(笑)」

――ポンコツリーダー(笑)。

「私、やらなくていいことはやらない人だったんですよ。本当にな〜んにもやらないんです! そんな過去の自分を考えると、リーダーになったことで、人として成長させてもらったなと思います」

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