松田凌×鈴木勝吾 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「松田凌×鈴木勝吾」

2020/04/07

「稽古場では先輩方から、言葉で教えられることではなく居住まいから教わることがとても多い」

松田凌×鈴木勝吾

――錚々たる先輩方の存在はいかがですか?

鈴木「すごいです。いろんな意味ですごい。技術、センス、存在感という芸事の内容についてもそうですし、最初に印象的だったのは、制作発表会見でけっこうみなさん、おちゃらけるんですよ。いい意味での肩透かしを食らった感覚がありました。結果はどうあれ僕はバチバチするのかなと思っていたし、一人ずつどんな話をするのだろうと思って自分の言葉を考えていたんですが、案外みなさん余裕を持って、笑いを交えながら話をしていたから、すごいなって思いました。ビシッと決めてもすごいとは思ったんでしょうけど、さらに上をいく、余裕を出していらした。気合を入れていった自分はまだまだ若かったなと思いました。もちろん、稽古に入ればまたすごいですし。若手としてもそういったものも吸収していきたいと思いました」

松田「今、勝吾くんが言っていたことと同じようなことを僕も感じていました。器が違うなって。そんな中で稽古に入ったときに、あの余裕を持って会見の空気を和ませてくださった方とは一変して、稽古場では自分たちの空気をビシッと引き締めてくれるんです。言葉で与えるわけじゃなくて、いろんな僕らの想像もしえないくらいの経験をされた上で僕らの前に立っている。立ち返って“ちゃんとやる”。慣らしてからやるとか、その場の空気から“こうしてみよう”と作るのではなく、もう今、本番でもおかしくないなってくらいの気持ちを持って臨んでいらっしゃるんだと感じさせられるし、そういうものを見せられると身が引き締まるし、そうあるべきなんだと思うんです。言葉で教えられることではなく居住まいから教わることが多くて、いつか自分もそうなっていかなきゃいけないなって思いました。それと差し入れが小粋なんですよ! 優しさとおちゃめさをみなさん持っていらして、羨ましいなって思います」

松田凌×鈴木勝吾

鈴木「あとはストレートでやってきている俳優とミュージカルでやってきている俳優は色が違うんだなというのも感じました。どちらも素敵なんですが、積み重ねて来た色の違いを感じさせてもらっています。家に帰るとその日に持ち帰ったものについてすごく考えるんですけど、ミュージカル適正や芝居適正ってあるんだろうなって考えたりもします」

松田「確かにそう考えると今回ごちゃ混ぜかもしれないです。立つ人たちも作る人たちも、多方面から集まってきている。うちら若手も含めて。本来スムーズに進む道かもしれないけど、そういう意味ではスムーズには進まない。それが本番では面白いものになっているのかもしれないです」

――若手キャストはWキャストとなっておりますが、『スクアドラ ロッサ』のチームには、お二人のほか、平野良さんと井澤勇貴さんがいらっしゃいますね。先日の会見で『気心の知れたメンバー』とおっしゃっていましたが、チーム感はいかがですか?

鈴木「凌しかり、井澤勇貴しかり、平野良しかり、本当に気心知れたメンバーで、こういうことがあるから役者を続けていてよかったと思うんですよね。プライベートでも仲の良い仲間と、こうしてまたこの現場で一緒にやれるというのがめちゃくちゃ嬉しいです。井澤&平野はミュージカル『憂国のモリアーティ』でも一緒でしたしね」

松田「巡り巡ってまた共演できるというのは本当に嬉しい。ミュージカル『薄桜鬼』をやっていたメンバーだったり、勇貴については『メサイア』でも一緒でしたし。各々が共演してきた仲間でもあり、今回はWキャストチームの片側を一緒に担う。3人のチームメイトの名前を聞いたときに“これは安心だな”と思いました。気心が知れているだけに自分たちのチームの中でも切磋琢磨できると思えました」

松田凌×鈴木勝吾

――その中でも、お二人は共演回数も多く、付き合いも長いと思いますが、改めて「こういうところをリスペクトしている」というと、どんなところですか?

松田「全部です!(即答)」

鈴木「先に言うなよ! 俺もそう言おうと思っていたのに!!(笑)」

――そこをぜひ詳しくお願いします(笑)。

鈴木「凌はすごくなっている。ただ100のレベルを持っているとしたら、120にはなっていないんです。マイナスの部分も増えているから(笑)」

松田「あははは(笑)。それは見抜いてくださってる! 僕、最近思うことがあるんですけど。役者はそれぞれの現場で表現や芝居や、さまざまに蓄えを作っていくんだと思うんです。僕もどの現場でも蓄えを作っている。自分で言うのもなんですが、抜群に吸収力も高い。ただ次の現場に行くとそれを全部無くしているんですよね。それが最近の悩みでもあるんです。蓄積ができない。“もうこの皮はいいや”って脱皮しちゃうんですよ。持っていたいという自分の気持ちとは裏腹に……(苦笑)」

鈴木「でも残っているもんだよ。何かしらかのタイミングで思い出される。それを残しておこうとか無くなちゃったとか思うかもしれないけど、2年後とかに“あ〜、残っていたんだ!”って思うこともあるよ、きっと」

松田凌×鈴木勝吾

松田「そう言ってくれるから、心に刻んでおくんだけど。でも勝吾くんが言うようにマイナスな部分も増えてきているし……」

鈴木「大丈夫。そのマイナスも含めて愛しているから。愛すべきキャラクターだから。プライベートな話になると、(松田から)連絡が返って来るようになったし、あと遅刻をしなくなったよね」

松田「僕、本当にどうしようもなかったんです。そういうのが祟ったのか、人との繋がりが全然なくなっちゃって。だからもう僕、愛しすぎている先輩みたいな方も少ないんです。なぜレスをすぐにするかというと、もう連絡をくれる人がそんないないから(笑)」

鈴木「あははは(笑)」

松田「前はそんなだらしない自分でもいろんな人に愛されていたんですけど、今では全然来ないです。だから、勝吾くんにはすぐに返信してます!」

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Information

ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』
2020年4月13日(月)〜5月11日(月)明治座

※新型コロナウイルスの影響で、4月13日(月)から4月15日(水)までの公演は中止。
◆詳細は公式サイトへ:https://www.cesare-stage.com/

『罪男と罰男』©惣領冬実・講談社/ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』製作委員会

原作:惣領冬実『チェーザレ 破壊の創造者』(講談社「モーニング」連載)
原作監修:原 基晶

脚本:荻田浩一
演出:小山ゆうな
音楽:島 健

出演:
中川晃教
宮尾俊太郎(Kバレエ カンパニー)
<スクアドラ ロッサ> 松田 凌 平野 良 井澤勇貴 鈴木勝吾 (Wキャスト)
<スクアドラ ヴェルデ> 山崎大輝 風間由次郎 近藤頌利(劇団Patch) 木戸邑弥 (Wキャスト)
藤岡正明 / 今 拓哉 丘山晴己 横山だいすけ / 岡 幸二郎
別所哲也 ほか

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