瀧内公美 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「瀧内公美」

2014/11/20

世の中の為になり、映画館を守っていける女優になりたい/瀧内公美

瀧内公美

初の主演映画『グレイトフルデッド』が公開中の女優・瀧内公美さん。破壊力満点のブラックコメディは、数々の海外の映画祭でも大絶賛! 彼女の女優人生の幕を開けた1作目の強烈な役どころから、一本筋の通った目標まで、ほかにはいないタイプの新人女優の想いを語ってもらったよ。

瀧内さんは本誌『デ☆ビュー』きっかけでスターダストプロモーションに所属したそうですね。
「そうなんです、雑誌の後ろについてる履歴書で。ホントにもう、これまでに何枚この履歴書を使ったか(笑)。だから今回『デ☆ビュー』さんにインタビューしてもらえるって聞いて、すごく嬉しかったんですよ」
スターダストプロモーションに所属が決まった当時は23歳、
決して早いスタートではなかったと思いますが。
「たしかに、うちの事務所ってティーンのコの募集が多いですからね。私が受けたのは『どんな芝居でも挑戦する女優を募集』という企画で、応募年齢も高かったんです」


瀧内公美

瀧内公美

どんな芝居でも、って。まさに主演映画『グレイトフルデッド』の役どころじゃないですか。
「本当ですよね。いきなりものすごい強烈な役で。実はこれが私にとっての映画デビュー作なんです。撮ったのが2年くらい前で、この11月にやっと公開になったんですけど。まだ芝居を始めて4ヵ月くらいで、右も左もわからない頃でした」
右も左もわからない頃に、あの狂気を表現するってすごいですよ!
「ありがとうございます?(笑) この役はオーディションだったんですけど、演技審査が映画のワンシーンで、釘で相手の目を刺した後に、血だらけになった相手の目に訴えかけるというシーンでした。朝10時半からのオーディションだったんですけど、朝にやることじゃないですよね(笑)」
監督が瀧内さんに決めた理由を、「ギラギラしてたから」とおっしゃってました。
「してたと思います。ほかにも受けてる女優さんはたくさんいて、テレビでよく観る方もけっこういらっしゃったんですよ。一方の私は芸歴もないからプロフィールも薄っぺらで。何としてもこの役を掴まなければ、この先がないという焦りがすごかったんです。監督に『ここで私を拾わないと、一生後悔しますよ』なんて言って(笑)。今考えると、何の後悔だ!?って思いますけど」
ベテラン俳優の笹野高史さんに殺されそうになったり……。役作りは大変そうですが。
「役作りも何もわからない頃だったので。監督には自由にやってくださいって言われてたんですよ。でも、周りにはけっこう迷惑をかけたと思います。カメラ前じゃないところでも、演じたりしていたので。その分、精神的にも体力的にもキツくて、毎日首がつってる状態でした。よく笹野さんが肩を揉んでくださいましたね。『パンパンだねえ』とか言って。笹野さんってすごくタフなんですよ。朝6時から翌朝10時まで夜通し撮影してても、全く状態が変わらない。やっぱり長く役者をやってる方はすごいなと思いました」


瀧内公美

瀧内公美

本作は海外の映画祭にもたくさん出品されて。外国の方の反応はどうだった?
「アメリカ・テキサス州の映画祭に参加させてもらったんですけど、ビックリしたのが皆さん爆笑して観てるんですよ。たしかにブラックユーモア満載の作品ですけど。何か反応するたびに『オーマイガ!』とか声に出されていて。日本だと『上映中はお静かに』じゃないですか。そのへんの感覚やリアクションの違いが面白かったですね」
約2年前の自分をスクリーンで観てどうでした?
「太ってるな〜って(笑)。いや、監督に太れって言われたんですよ。クランクイン前に舞台に出ていて、追い詰められてたせいかオーディションのときより痩せてしまったんです。で、監督に『そんな痩せた女優だと役に合わない』って言われて、1ヵ月で5kgくらい太りました。でもスクリーンで観るとショックですよ〜。お腹の肉、乗っかってる!って(笑)」
女優魂じゃないですか! でも女優ってやっぱり大変なことも多い?
「うーん、でも私はデビュー前のほうが苦しかったです。夢を叶えるために必死で、なのに前が見えない日々で…。だから今はすごく幸せですよ。役を掴むためにはオーディションを勝ち取らなければいけないんですけど、それも自分の性格に合ってる気がするんです。与えられた仕事をただこなしていくだけじゃ全然やりがいを感じられなくて。たぶん私“戦う女タイプ”なんです」
カッコイイ! ちょっといないタイプの女優さん!
「監督にも“野良犬女優”って言われました(笑)。でも、もうちょっと質のいい犬になりたいです。盲導犬とか警察犬みたいな、世の中の役に立つ女優になれたらいいなと思ってます。シネコンが増える一方でミニシアターや単館映画館がどんどん減ってるじゃないですか。私は単館系の映画がすごく好きで。だから映画館を守っていける女優の一人になるのが目標なんです」

インタビュー・終
撮影/北山美穂子 取材・文/児玉澄子


Profile

たきうち・くみ●1989年10月21日生まれ、富山県出身。スターダストプロモーション所属。『デ☆ビュー』を読んで現在の事務所に応募、合格。2011年より女優として活動を開始し、映画、テレビ、舞台ほか、ソナーポケットやナオト・インティライミなどのMVにも出演。初の主演映画『グレイトフルデッド』が現在公開中。また出演する映画『横たわる彼女』が12月から公開。

INFORMATION

グレイトフルデッド

現在公開中!
主演映画『グレイトフルデッド』

他人の孤独をウォッチングして心の平穏を保つ“孤独ウォッチャー女”の冴島ナミは、今まさに孤独死を迎えようとしている、頑固一徹な爺さん・塩見三十郎(笹野高史)を観察し続けていた。だが、ある日塩見は信仰深く、若く美しいスヨン(キム・コッピ)に出会い生きる希望を手に入れ、生命力を取り戻していく。それを見たナミは怒りに震えある行動に出る・・・。超高齢化社会という重たい背景を吹き飛ばすような、破壊力満点のブラックコメディが誕生!
全国順次ロードショー中。12月6日(土)横浜ニューテアトルにて舞台挨拶予定。

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