渡邉 剣 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「渡邉 剣」

2018/02/21

「僕は蓉一みたいに、堂々と『好きです!』なんて言えない。自分の中で確証が持てないと行けないタイプ」

渡邉 剣

年の差カップルの純愛を描いたBLコミックを原作とした映画『花は咲くか』。本作で映画初主演を務める渡邉剣に、初主演作への想い、役作りについて、BL作品に初挑戦した感想などを語ってもらった。

渡邉 剣
映画『花は咲くか』の主演に決まって、どのようなことを感じられましたか?
「主演と聞いて“僕が主演をする日が来たのか”という驚きが大きかったです。最初に、マネージャーさんから『コレ、読んでみて』と台本だけを渡されたんです。この作品に出るとかそういう話を聞かされる前に。作品の前情報は何もない状態で読み始めたんですが、読んでいくうちに“これは普段読むラブストーリーものとは少し違うぞ”と気が付いたんです。蓉一が桜井さんのことが好きだという想いを確かめるような言葉が出て来たときに、蓉一が思いを寄せる桜井さんって女性だったけ?男性だったけ? いや、男性か……、と何度か最初に戻って確認しながら読み進めていくうちに、“これはBL作品だ!”と気づいたんです」
台本を読んでどんな印象を抱きました?
「僕の中での“BLのイメージ”というのが、それまでは激しさがあったり熱がこもったもの、というものだったんですが、『花は咲くか』はすごく読みやすくて、BL初心者の僕が読んでもすんなりと世界観に入っていけたんです。役者だからか、やっぱり台本を読み進めていくと、“誰を演じたいか”と考えながら読んでしまうんです。それで、読んでいるときに“蓉一を演じてみたいな”と思ったんです。それを含めて、マネージャーさんに読んだ感想を伝えたら、一週間後に『映画の出演が決まりました』と言われて、それがこの作品だったんです」

渡邉 剣
原作を読んでの感想は?
「脚本を先に読んで、出演が決まったと聞いた後に原作を読み始めたんですが、映画は蓉一と桜井との物語にフォーカスを当てている感じですが、マンガの方は桜井と蓉一だけじゃなく、ほかの登場人物みんなをフィーチャーしている感じで、原作もすごく好きだなと思いました。気持ちの細やかな描写に、“蓉一、頑張れ!”とか“桜井さん、もっと蓉一に素直に気持ちを伝えてあげて!”と心が動きましたし、本当に少女漫画を読んでいるような気持ちで読んでいました。蓉一は最初のうちは本当にしゃべらないキャラクターだったけど、だんだんとコミュニケーションをとるようになっていくし。蓉一の大学の同期の藤本(塩野瑛久)が来たときにも、全然興味を示さなかったのがいつしか友だちとして認めるようになるし、自分の意見を素直に言うようになったり、人としての成長物語でもあるなと思っていて。桜井さんに出会ってからの蓉一の成長を、僕自身も読みながら感じていました」
蓉一はどんな人だと感じていらっしゃいますか?
「初めて読んだときは、自分の意見を言わないし、しゃべらないので、何を考えているかわからないなと思ったんですが、何度も読み込んでいくと、成長していく中で可愛らしい一面もあるなと思ったりもして。でもトータルして蓉一は物静かな人物だなと思いました。そこは僕と逆だなと。似ている部分ももちろんあるんです。自分の意見を伝えるのは僕自身もあまり得意ではないので。でも、僕に対して、おしゃべりな印象を周囲のみなさんは持ってくださっているので、そういう部分では蓉一と真逆かなと思いました。蓉一は他人と関わること自体が苦手ですけど、それに関しては、僕は苦手ではなくむしろ好きなので」

渡邉 剣
桜井に人生初めての恋をする蓉一。その役作りではどんなことを意識されましたか?
「僕自身は同性を好きになったことはないんですけど、蓉一自身は今までに好きな人ができたことがなくて、初めて恋をした相手がたまたま男性だっただけということなんだろうなと思ったので、単純に自分の初恋のときを思い出すような感じで演じていました。“好きとはどういうことなんだろう”と考えながら作品に臨みました」
ご自身の初恋のときを思い出して…とのことですが、どんな初恋だったんですか?
「厳密には、初恋は保育園のときだったんですが、そのときの感情とはちょっと違うのかな?と。保育園の頃の“好き”って、堂々と“好き好き”アピールができる感じだけど、小学校に上がると、好きって伝えたいけど、ちょっと照れが出てきたりして、でも、自然と見ちゃったり意識しちゃうような“好き”とか、そういう感情を自分の記憶の中から模索して、蓉一の気持ちに繋げていきました」

渡邉 剣
桜井さんにストレートに想いを伝えたり、蓉一が動くことで、この物語が展開していきますが、渡邉さんご自身は積極的に相手に想いを伝えるほう?
「僕は、相手が自分のこと好きだっていう確証が持てないと行けないタイプです。それまでは距離を感じ取りながら駆け引きしたり、けっこう粘ると思います。回りの人が見たら、“絶対いけるでしょ?”という感じでも、自分の中で“本当に大丈夫!”っていう確証がないとダメですね。だから、どちらかといえば、自分の気持ちをなかなか相手に伝えられない桜井さん寄りなのかなって。蓉一みたいに、あんなに堂々と『好きです!』なんて言えないです(笑)。そこは、羨ましいなって思います」
桜井はどんな人だと感じますか?
「大人のフリをしている子供だなと思いました(笑)。周りの目を気にしていて、本当はこう思っているけど、大人としてはこうしなきゃいけないというような考えに持って行こうとする。それって子供のままだからなんじゃないかと思いました」

渡邉 剣
桜井を演じた天野浩成さんはどんな方でしたか?
「すごく優しい方でした。僕とは20歳くらい離れているんですけど、気さくに話しかけてくださって、一緒にごはんを食べたりもして。素晴らしい方だなと思いますし、自分も40歳くらいになったときに、こういう人になりたいなと思いました。こちらからも心を開いていけるような、心の大きな方だったので、懐の深さを感じました」
そして今回は戦隊の先輩でもある塩野瑛久さんが、蓉一に興味を抱く大学の同級生・藤本役で出演されています。塩野さんと絡むシーンも非常に多かったですが、どのような印象の方でしたか?
「塩野さんは、JUNONボーイの先輩でもあるし、戦隊のグリーンの先輩でもあるんですよね(塩野は『獣電戦隊キョウリュウジャー』、渡邉は『動物戦隊ジュウオウジャー』)。撮影のときは、ずっとクールな方だなと思っていました。お話もしてくださるんですが、一歩引いた感じでいるなと思っていて。撮影が終わった後に、その話をしたら『あえてそうしていたんだ』と聞いて。演技に対してストイックな方なので、藤本はこの映画の中で割とそういう立ち位置でもあったから、現場では僕らとあまり話しをしないようにしていたんだなと思いました」
下宿でみんなで食べているシーンでも、親戚同士の蓉一、菖太、竹生に彼らの面倒を見ている吉富さん、という繋がりの深いメンバーに、彼らからの信頼も得ている桜井。そこに入って来た異物感みたいなものって藤本にはありますしね。
「そうなんです。藤本だけが空気が違いますしね。塩野さんのストイックな役作りもあって、それが(画の中に)出たと思います」

渡邉 剣
水石亜飛夢さん演じる竹生と小原唯和さん演じる菖太の従兄弟たちはいかがでしたか?
「菖太は可愛いですし、竹さんは大人で、原作のまんまな感じでした。現場ではみんな、仲良しでしたね。特に菖太(役の小原)は、天野さんからや吉富さん役の本宮泰風さんを含め、みんなから可愛がられていました。撮影のとき彼はまだ中学生だったので、『学校はどう?』『テストはどうだった?』とか、お兄さんたちからの質問攻めにあっていたり、『若いんだからもっといっぱい食べなさい!』とか、常にイジられたりしていました。映画初出演ということもあって、すごく緊張していたんですよね。なので、撮影の最初の頃は、みんなに対しても緊張が顔に出ていたりとかもしていたので、僕らに心開いてもらおうと、みんなで構っていた感じです」
初めての主演ということで、現場で特に心がけたことなどはありましたか?
「主演として、“現場を楽しくしたいな”という想いはあったので、共演者のみなさんはもちろん、スタッフのみなさんとたくさん話をしました。撮影機材の話やマイクのこととか、色々とお話を聞いたり、自分からコミュニケーションをとって、現場の雰囲気を明るくしようと心がけました」

渡邉 剣
その作中に出て来る水川家はとても印象深い建物でしたね。古い日本家屋で。
「すごく古い建物なんですけど、原作の水川家に負けないくらいの雰囲気で、すごくキレイな建物でした。建物自体の秘めたる空気のようなものを感じましたね。“ここに蓉一は住んでいるんだな”と、作品の世界観にすんなりと入っていけました。蓉一の部屋に入ったときも、“美術をやっている人なんだな”と実感できたというか、芸術家ってこういう神秘的なところでやるのかなって思いました。元々、美術が好きだったので、すごく楽しかったですし、セットの醸す雰囲気に入ることでより役に入りやすかったと思います」
そんな渡邉さんはデビューから四年目。これまで様々な作品に出演されてきましたが、その中で感じた“芝居の面白さ”とはどんなところでしょうか。
「“面白い”なと素直に感じられるようになったのは、本当に最近です。『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』に関しても、自分から応募したわけではなかったので、最初のころは“役者とはどういうことなんだろう”と考えながらやっていて。ここ1年くらいで、“俳優って楽しいな”と感じることができるようになったんです。普通では経験できないことがやれるというのは魅力だなと。たとえば、今回のような大学生役も出来れば、僕はまだやったことはないですがサラリーマン役も出来る。ヒーローに変身だって出来るんですよね。現実離れした世界にも行けるし、いろんな人を演じられるのは楽しさの一つだなと思っています。あと僕の中ではいろいろな人と関わることができるのがすごく楽しいなって思います。座組みごとに携わる方も変わってきますし、僕は現場が大好きなので、その方々といかにコミュニケーション取ることができるかというのが、僕の中での勝手な楽しみなんです。最初の頃は緊張して、周りの方々と話をしたりできなかったですが、この仕事ってたくさんの人と関わっていかないと上手く進んでいかないとも思ったので」

渡邉 剣
主演映画で幕をあける2018年。どんな年にしたいですか?
「デビュー四年目ということですが、三年経ったということをまだまだ実感できていなくて、振り返ると本当に一瞬だったなと感じています。でもここまでたくさんの現場に関わらせ頂いたので、2018年は主演映画も公開されますし、これまでは“新人”という感じでしたが、もっと成長して“主演”の名に見合うだけの実力をつけていって、もっともっとたくさんの作品に携わりたいと思います。あとは学生ではない役も演じてみたいです。社会人とかスーツが似合うような役もやってみたいです」
そんな夢を抱く渡邉さんから、「夢を叶えるために必要なこと」を伺いたいです。
「諦めないということじゃないでしょうか。僕はどちらかというと諦めの早い方なんですが、それでも仕事に対しては“諦めちゃいけない”という想いを持って臨んでいます。それと“こうなってやるんだ”という理想の自分像、ビジョンをきちんと明確にすることも大事かなと思います。諦めた時点でその夢は叶う可能性を絶たれるわけですから。今、これを叶える、と想うことに意味があると思うので、自分はやれると思って頑張って欲しいなと思います」
最後に、『花は咲くか』の見どころアピールをお願いします。
「この物語の恋愛は、とてもピュアなんです。恋愛映画は駆け引きやドロドロしたものも多い印象ですが、そうではない、純粋に“好き”という想いをぶつける作品なので、そこを見てもらいたいです。それと出てくる景色がとても綺麗なので、それも見どころでもあります。さらには蓉一という一人の人間の成長物語でもあるので、そういう部分も楽しんでもらいたいと思います」

インタビュー・終
撮影/mika 取材・文/えびさわなち スタイリスト/ NAOKI YAMADA(TOKYO)ヘアメイク/山下由花

映画『花は咲くか』主演・渡邉 剣が、夢見るデビュー読者にエール

Profile

渡邉 剣
わたなべ・つるぎ●1996年7月16日生まれ、福岡県出身。ホリエージェンシー所属。『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』ファイナリスト。2016年『動物戦隊ジュウオウジャー』(EX)ジュウオウエレファント/タスク役で注目を集める。そのほか、映画『みんな好いとうと♪』、『明日の約束』(CX)などに出演。

INFORMATION

『花は咲くか』
『花は咲くか』
©2018 東映ビデオ
©日高ショーコ/幻冬舎コミックス

映画『花は咲くか』
2018年2月24日(土)より、池袋HUMAXシネマズほかロードショー

誰もが一度は経験する「恋」の葛藤を描く、年の差カップルの純愛ラブストーリーを描いた、累計発行部数35万部超えのBLコミック『花は咲くか』を実写映画化。
≪story≫
広告代理店に勤める37歳のサラリーマン・桜井和明(天野浩成)は、CM撮影で赴いた古く美しい日本家屋で一心に花の絵を描く19歳の美大生・水川蓉一(渡邉剣)と出逢う。 この家の持ち主でもある蓉一は、他人に興味がなく親しい友人すらいなかった。同居している従兄弟の竹生(水石亜飛夢)や菖太(小原唯和)を心配させていたが、屈託なく話しかけてくる桜井にだけは心を開くようになる。
二人の気持ちは次第に絡み合っていくが、桜井は蓉一との年齢差や同性同士という現実を前に、二人の関係を先に進ませることができないでいた。まるで自分を避けているかのような桜井の行動に動揺し、苛立ちを感じる蓉一。さらに蓉一に好意を寄せる美大のクラスメイト・藤本(塩野瑛久)も現れる。
そんな中、桜井に大阪転勤の辞令が下る。はっきりとした答えが出せない二人に刻一刻と決断の時が迫る―。

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