野村周平 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「野村周平」

2015/05/27

「アニメが好きでよく観ていたしいつかやってみたいと思っていたので嬉しかった」

野村周平

ドラマ『若者たち2014』(フジ系)や、映画『ビリギャル』、舞台『禁断の裸体』など、数多くの話題作に出演している、注目の若手俳優・野村周平が、アニメーション映画『台風のノルダ』で声優に初挑戦! 新進気鋭のクリエーターが集結するアニメスタジオ・スタジオコロリドの最新作に挑んだ彼に直撃インタビュー! 初のアニメ声優体験や、後輩との共演について、芸能界デビューからの5年間を振り返ってもらいました。

野村周平
まず、初のアニメ映画声優のオファーを受けたときの心境から聞かせてください。
「もともと、アニメが好きでよく見ていたし、最近は特に俳優さんが声優をすることも多くなっているじゃないですか。なので、いつかやってみたいなと思っていました。自分は俳優だけではなく、“声だけ芝居ができるのかな”っていうことに興味があったし、ずっとチャレンジしたいなと思っていたので、すごく嬉しかったです」
実際に初めてアフレコを体験してみてどんなことを感じました?
「やっぱり、やったことがないお仕事だったので緊張したし、とても難しかったです。まず、体を動かせないっていうのが大変で。アフレコの時にちょっとでも動いちゃうとその音が入っちゃうじゃないですか。だから、まっすぐに立ったままで、しかも、声に全ての感情を入れないといけない。映像だと、目の動きやちょっとした仕草で伝えられる部分も全て声だけで伝えなきゃいけないっていうのは難しかったです。あと、口の動きに合わせて言わないといけないっていうのもあって」
すでに芝居がついてる絵に役者が合わせるっていう作業ですよね。
「そうですね。こっちがアニメーションの動きや口に合わせてやらないといけない。だから、対話をしている場面でも自分の間ではいけないのが、最初は気持ち悪いというか、ちょっとした違和感があって。とにかく、“難しいな、大変だな”っていうのがいちばんの感想です」
楽しさもありました?
「日常生活で言わないような声……例えば、振り向いて、『あっ』と驚くとか。息遣いも含めて、細かい声を入れるのが印象的でした。“アニメの声優をやってるんだ”っていう実感があったし、普段とは違うおもしろさがありました。あと、スタジオで収録できるから、そういう点では楽だなって思いました(笑)。映画やドラマだと遠くにロケに行くこともあるけど、声のお仕事はスタジオで全部終わる。外見も関係ないし、なんならスエットとかパジャマで行くこともできるし。さすがにパジャマでは行ってませんけどね(笑)」
野村周平
(笑)。本作で演じた東シュウイチという人物像についてはどう捉えました? 短編アニメーションなので、そこまで本編ではバックボーンは描かれてませんが。
「まず、中学生っていうところに、ちょっと不安を感じて。僕の声って、明らかに声変わりしたなっていう声じゃないですか(笑)。家で試しに高い声を出してみたりもしたんですけど、やっぱり無理で、そこは悩みながらやった感じです。彼自身は自分発信ができない男の子で、感情をあまり表に出さないけど、内心はとてもナイーブで、すごく気むつかしい。弱い子というか、中学生だから、まだ気持ちがちゃんとできあがってない男の子だなって思いました」
幼じみの西条ケンタとの友情が描かれてます。
「こんなに美しい友情はなかなかないですよね。僕は、はっきり自分の想いを言うタイプなんで、こんなにギスギスした感じにもならないけど。ただ、自分の気持ちと裏腹なことを言っちゃって、すれ違ってしまうという感じはわかるなって思います」
野村くんの中学時代は?
「楽しかったな〜!っていう記憶しかないですね。僕自身の性格はどっちかというと、東よりも西条のほうが近くて。自分でいうのもなんですけど、男気があって、友達想いで、はっきりと物事を言うところは似てるなって思う。でも、西条ほど性格は良くないし、まっすぐでもない(笑)。だから、こういう素直で美しい友情を見ると、いいなと思うし、現実世界にはない分、憧れますね」
野村周平
西条役は、昨年に開催された『アミューズオーディションフェス2014』で発掘された後輩の金子大地くん。そして、謎の少女・ノルダ役は、同オーディションのグランプリ、清原果耶ちゃんが声優を務めるなど、後輩とも共演。
「僕はもう引退かなと思いました(笑)」
いやいや(笑)。野村くんは、5年前に同じくアミューズの全国オーディションでグランプリを受賞している直属の先輩じゃないですか。いろいろ教えてあげる立場というか。
「これがね、映画やドラマの現場であれば、『なにか分からないことあったら言えよ』って言えますけど、今回は僕も初めての声優だったから、何も言ってあげられなくて。アフレコのときに金子くんと一緒だったんですが、『ちょっとセリフ合わせしておこうか』って声をかけて、一緒に本読みをするくらいしかできなかったです」
共演してみてどんなことを感じました?
「まぁ、オーディションで賞を勝ち取ってるだけあって、もとから才能があるのはわかってますからね。それに、普通にしっかりしていたと思います。面白かったのは、金子くんが僕が持っていったのど飴を勝手にばくばく食べていて。たぶんね、差し入れと勘違いしたんだと思うんですけど、肝っ玉座ってるなって思いましたね(笑)」
あははは。きっと緊張してたんだと思いますよ。
「きっと緊張してたんだと思う。水を飲む量も半端じゃなかったから。そんな金子くんを見ていて、5年前の自分もこんなんだったなって思いましたね。知らないことばかりで、テンションがあがっちゃうっていう(笑)。周りに気も遣わずに、自分が思ったことだけを素直に行動に移す、みたいな。『これから辛いこといっぱいあるだろうな。いろんなことを経験するんだろうな。頑張ってください』って心の中で言っておきました」
声に出して言ってあげてないんだ(笑)。野村くんにとって、グランプリ受賞からこれまで、どんな5年間でした?
「ほんとにいろんなことがありましたね。仕事がぜんぜんなかった時期もあったし、事務所にやたら怒られる時期もあったし。今も怒られてますけど(笑)、たくさんのいい経験ができたなって思います。僕もバカだったから、分からないことがいっぱいあったけど、人の気持ちや考え、現場の居方や仕事のやりかたを自分で1つずつ気づいていったんです。誰から教わるとかではなく、自分で気づいていけたのがよかったかなと思っていて。ま、結構、波乱万丈でしたけど」

野村周平
教わらないようにしてたっていうのは?
「自分で考える必要があるなって思ったんです。僕自身、意外とおしゃべりが好きなんですけど、おしゃべりしてると楽しいだけで終わっちゃうんですよね。だから、現場では黙って、まず、人を見て、現場を観察して、研究することが大事だなって思って」
最後に、ドラマ、映画、舞台、CMと幅広く活躍されている野村さんが思う“夢を叶えるために必要不可欠なこと”とは?
「この映画のセリフに『好きなことから逃げると後悔するぞ』っていうセリフがあって。本当にそうだなって思ったんですよね。東は、本当に野球が好きだったのかどうかも分からなくなっていて。“西条がいるからやってたんじゃないか?”って考えたりもしてるけど、好きだったからこそ、西条とケンカしたんだと思うんです。だから、まず、自分が本当に好きかどうかを考えること。そのあとで、本当に好きなのであれば、後悔しないようにやり続けるべきだと思います。オーディションでは、自分の内側までさらけ出して、後悔しないようにやって欲しい。ただ、ホントにね、美しくてキラキラした世界ばかりではないので、ちゃんと考えてからチャレンジして欲しいですね。週休2日でもないし、ゴールデンウィークや夏休みもない。逆に仕事がないと、ずっと休みになっちゃうから(笑)」
ネガティブな発言のように聞こえますが(笑)、夢を叶えた人のリアルな声っていうことですよね。野村さんは、2010年に役者デビューを果たしてから5年が経ちました。今、新たな夢も描いてます?
「今はもう1回、声優をやりたいですね。本当にいろんなアニメを観るし、アニメが好きなんですよ! 今回は中学生だったけど、年相応の役もやりたしし、変な役もやってみたい。もう1回と言わずに、これからも機会がいただければやっていきたいなって思います」

インタビュー・終
撮影/草刈雅之 取材・文/永堀アツオ

Profile

野村周平
のむら・しゅうへい●1993年11月14日生まれ、兵庫県出身。アミューズ所属。『若者たち2014』(フジテレビ系)など、ドラマや映画・舞台に活躍中の若手俳優。公開中の映画『ビリギャル』に出演。6月20日公開の映画『愛を積むひと』に出演。6月3日に主演映画『日々ロック』のBlu-ray&DVDが発売される。

INFORMATION

台風のノルダ
台風のノルダ

(C)2015 映画
「台風のノルダ」製作委員会

映画『台風のノルダ』
6月5日(金)より全国にて3週間限定ロードショー
配給:東宝映像事業部

新進気鋭のクリエイターが集結する、現在注目のアニメスタジオ・スタジオコロリド。前作『陽なたのアオシグレ』以来2年ぶりとなる最新作。舞台はとある離島、文化祭前日の中学校。幼いことからずっと続けていた野球を辞めたことがきっかけで、親友の西条(さいじょう)とケンカした東(あずま)は、突如現れた赤い目の少女・ノルダと出会う。「“地の渦”と“空の渦”と“私”が一つに繋がれたとき、この星は生まれ変わる…」その頃、観測史上最大級の台風が学校を襲おうとしていた――。

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