山田裕貴 | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「山田裕貴」

2018/07/23

「“自分はダメだ”と思うことは、自分自身の可能性に蓋をしてしまう。ダメじゃないと思えるまで、努力をするしかない」

山田裕貴

撮影/mika 取材・文/根岸聖子

瀬戸康史、志尊淳、山田裕貴らが所属するワタナベエンターテインメントが、10〜22歳までの男性を対象とした『BOYSオーディション2018』を開催。『デビュー』では、現在放送中のドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』をはじめ、映画『万引き家族』、『虹色デイズ』、『あの頃、君を追いかけた』主演など、話題作に次々と出演する山田裕貴にインタビュー。今や映画やドラマに引っ張りだこの山田だが、デビュー前には「ワタナベエンターテイメントカレッジ」で芝居などのレッスンを受けつつ、エキストラや先輩たちの舞台の手伝いなどを経験。「悔しい想いをたくさんしてきた」と明かす、役者人生を振り返ってもらいつつ、諦めずに挑戦し続ける彼の原動力や、役者としての信念などを聞いた。

山田裕貴

――高校卒業後、「ワタナベエンターテイメントカレッジ」(WEC)に入学し、在学中に受けた『D-BOYSスペシャルユニットオーディション』(2010年)がきっかけで芸能界デビューを果たした山田さん。当時はどんな役者像を想像していましたか?

「WECに入った当初は、こんなふうにドラマや映画に出られるようになるとは、ぜんぜん想像もできなかったです。自分に対する過信は1ミリもなかったし、WECには同じように夢を持った人たちがたくさんいて、“芸能界に入れたとしても、活躍できるのはここにいる人間の一握りだけだろうな”と。厳しい世界だろうということは、肝に銘じていました。ドラマや映画とかで台詞をいただけて、ポスターに自分がいたりすることに対して、今でも不思議な気持ちになることがあります。一方で、『自分には無理なんじゃないか』とか『やっぱりダメかな』ということは、口にしないようにしていました。『絶対に自分は夢を叶えるんだ!』と自分に言い聞かせていました。そうしないと、心が折れてしまうと思っていたんです。オーディションだって、受けては落ちての繰り返しですから」

山田裕貴

――『D-BOYSスペシャルユニットオーディション』は、どんな心意気で臨みましたか?

「相当、自分を追い込みました。ちょうど同じ時期に、WEC内で開催される約200社のプロダクションが参加する“デビューオーディション”というのがあったんですが、それを受けずに『D-BOYSスペシャルユニットオーディション』1本に絞っていたので、僕には後がなかったんです。上京するときに、地元の友だちには『絶対にテレビに出るような役者になるから!』って宣言して出てきたのに、落ちたら(地元に)帰らなければいけない。そういう僕の覚悟を知っているから、友人たちもみんな協力してくれて、投票してくれたんですよね。事前のファン投票で1位を獲得できたのは、地元の友人たちのおかげです」

――その頃の夢を叶えて、今では出演する作品のジャンルの幅も広く、いろんな役柄を演じる“カメレオン俳優”とも呼ばれるようになっています。そうした立場に憧れる読者も多いと思います。

「まだまだですが、そう言っていただけるのは、素直にありがたいですし、嬉しいです。もともと、僕は『人気者になりたい』とか『お金持ちになりたい』とか、そういう欲は全然なかったんですよ。純粋に、俳優という職業に惹かれて飛び込んだだけで」

山田裕貴

――『D-BOYSスペシャルユニットオーディション』では、惜しくもグランプリを逃したものの、急遽設けられた『D-BOYS部門』のグランプリを受賞。そのとき、山田さんは大粒の悔し涙を流されていました。そのように、これまでに心が折れそうになったこと、挫折しかかったことも、なくはないと思いますが。

「そのオーディション途中の合宿審査で、『(自分の)弱みを見せないから何も伝わってこない』と言われたことがあって。あのときは、涙が出るくらい悔しかったんです。当時は19歳とかでまだまだ未熟だったし、“ちょっと見ただけなのに、何がわかるんだよ! 俺のこと何も知らないくせに”と思っていたんですが、今になってみるとその言葉の意味を理解できる。変に格好つけなくていいってことだったんですよね。もっと、わかりやすく言って欲しかったなぁ(笑)。当時は、言われたことの意味もわからないし、訳がわからなくなってしまって、悔しくて、オーディションのファイナルの日まで、毎日10kmくらい走っていました。答えもわからないし、ごちゃごちゃ考えてしまうのがイヤで、とにかく当てもなく無心で走って発散するしかなかったんですよね(笑)」

山田裕貴

――一生懸命やっているのに、自分を否定された感じがしてくやしかったのでしょうか。

「でしょうね。ちょっと見ただけで、俺の何がわかるんだ!? と。でも、そこで悔しくて人目もはばからずに泣いていたことが印象に残ったみたいで、“あ、ようやく弱みをみせたな”と。挫折というのでは、その思い出がすごく残っています。そういう悶々した気持ちを日記にも書いたりしていたし、僕、意外と闇が深いんですよ(笑)」

――そういう気持ちも大事ですよね。悔しい思いをしたことはやっぱり忘れない?

「めっちゃ覚えてます。悔しい思いをしたことは何回もありましたし。現場ではよくイジられるタイプだったりするので、無茶振りにうまく応えられず、“期待はずれだな”といった反応をされたこともあったり。デビューして仕事をいただくようになってからのほうが、悩むことも頻度も増えました」

――それでも、芯の部分は決して折れなかった。くじけないために、どのような心がけ、マインドでいましたか?

「中学までやっていた野球を辞めて、自分の高校が甲子園に出ているのをスタンドで応援したときに、“なんで自分は野球を辞めてしまったんだろう”という自分の中での挫折を経験して。だからこそ、“次に自分でやると決めたことは絶対に死ぬまでやる”と決めていたので、どんなにツライことがあったとしても辞めるという選択肢はなかったです。あと、自分はダメだと思うことは、自分で自分の可能性に蓋をしてしまうことだと思うので、ダメじゃないんだと思えるまで、努力をするしかないと思っていて。台本を読み込むことだったり、自分なりの答えを出すまで考え抜くとか。自分の考えを貫けるよう、真剣に向き合ってきました」

山田裕貴

――芸能界を目指す読者の中には、それこそ、オーディションに挑戦しては落ちて……という繰り返しで、落ち込んでいる人もいます。選ばれないことに直面し続けると、心も疲弊してしまいがちですが、どう向き合ったらよいでしょう?

「そもそも、オーディションっていうのは受かるほうが奇跡だと思うんです。そりゃあ、受けるからには、受かるために全力で臨みますよ。みなさんもそうだと思うんですけど。だから、選ばれなかったときは、僕だってツライ(笑)。来年の連続テレビ小説『なつぞら』もオーディションだったんですが、朝ドラに関しては、5〜6年オーディションを受け続けていて。毎回受けるけど結果が付いてこなかったから、僕もオーディションに行くのが嫌になった時期もありました。でも、いつの頃からか朝ドラだから…この映画だから・・・とか、そういう風に考えないようになりました。1つの良い作品を作るということを頑張るためにオーディションに行くという感じになっていきました」

――自分の中で、“こうすれば受かる!”みたいな必勝法は、あったりしますか?

「たぶん、必勝法なんて存在しないんじゃないかな。ただ、印象を良くみせようとか、上手くやろうとするのは、違うのかなと思います。自分を客観的に捉えて、いかに自分自身を理解しているかが大切なんじゃないかなと。『D-BOYSスペシャルユニットオーディション』では、堀井新太がグランプリだったんだけど、彼は本当に、何も考えていなかったし(笑)、そこが逆にすごいなと思った。ファイナリストのみんなで『今日、何やる?』って話をしていたときも、『う〜ん、あとで何か思いついたことやる!』って。そういう人って強いんですよね。縛られていないし、発想が豊かで自由度が高い。今思えば、彼は純粋に、オーディションというものを楽しんでいたんです。芝居でも、シリアスな演技をしていても、演じること自体が楽しいって思えることってあるんです。そういう感覚でやっていたときのほうが、評判も良かったりする。だから、“受かる”とか“落ちる”とかに縛られず、のびのびとオーディションを楽しむ姿勢で臨むほうがいいと思います」

――所属するワタナベエンターテインメントが、現在オーディションを開催中です。山田さんにとってどんな事務所ですか?

「自分の意志を尊重してくれて、やりたい方向性でやらせてくれているところ。きちんと芯があって自分を持っている人は伸びる事務所なんじゃないかなって思います。たとえば、同期の前山剛久は“2.5次元舞台を極める”って、自分のやりたいことを追求している。進んでいるジャンルは違えど、同期の仲間とはそんな話もできますし、お互いがそれぞれの道で頑張っている姿も励みになります」

山田裕貴

――こんな後輩が来てくれたらうれしいなと思うのは?

「個性的な子。普通にスンとしていてカッコイイというよりは、個性のある役や芝居ができる子と一緒に仕事がしてみたいなって思います。イケメン俳優と言っていただけることもとてもありがたいことですが、僕自身は、個性派俳優だと思っているので、そういう個性派で雰囲気のある人と一緒にやりたいなと。あと、僕は自分からはなかなか誘えないタイプなので、人懐こい人だと嬉しいです(笑)。話も真剣に聞きますよ。僕も、先輩たちには助けてもらいましたから。(柳下)大さん、城田(優)さん、ズッキー(鈴木裕樹)さんに陳内さんをはじめ、他の人たちにも、事務所に入りたての頃は本当にお世話になりました」

――7月といえば、17日スタートのドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』に出演されますね。撮影していて、どんな印象を受けましたか?

「まだ撮影日数は5日間くらいではあるんですけど、台本がすごく面白くて。ドラマでは、生活が困窮しているために生活保護を受けている人たちが、就労して生活を立て直すのをサポートする、という職を描いています。今、自分は充実していない、幸せじゃないなと感じている人にぜひ観てほしいなと思います。人生のキレイなところではない部分を描いているドラマって、そうそうないと思うので。生活保護受給者を支えるケースワーカーに焦点を当てるという題材自体が、とても素敵な作品だなと思いました。僕が演じる七条竜一という人物は、吉岡(里帆)さん演じる主人公・えみると同じ新人ケースワーカーで、母子家庭育ちのマザコンという役どころです。ちょっとプライドが高い部分もあるのですが(笑)、七条や新人ケースワーカーの仲間たちも、主人公えみると同じように、相談者を通じて成長していく物語えもあるで、楽しみに観て頂きたいです」

山田裕貴

――デビューから途切れることなく、ドラマや映画に出演されていますが、役者としての目標というのも変化してきた感じですか?

「そうですね。今は俳優として、より多くの人に知ってもらう、作品を観てもらえるようになることに力を注いでいる感じです。昔はそこまで意識していなかったけれど、そういうことも必要なんだなとすごく今感じていて。自分が出ていることで、その作品を観てみようと思ってもらえるような役者にならないとなって思っています」

――最後に、オーディションを受けようとしている人にメッセージをお願いします!

「オーディションを受けることに対して、そんなに気負う必要はないと思います。芸能界って楽しそうだなっていう、ちょっとした興味でも、踏み込んでみたら意外とアツくなれるかもしれない。悔しい思いをしたことで、エネルギーが湧くこともあります。夏休み期間だし、試しにオーディションでも受けてみるか!ぐらいの感覚でいいと思います。迷っているぐらいなら、やってみたほうが早い。結果はどうであれ、挑戦したことで何かに気づける可能性もあるので、ぜひ行動に移してみてください」

話題作に次々と出演中の俳優・山田裕貴、芸能界デビューを夢見る読者にエールを送る

Profile

山田裕貴(やまだ・ゆうき)●1990年9月18日生まれ、愛知県出身。ワタナベエンターテインメント所属。2011年俳優デビュー。その後、ドラマや映画、舞台等で活躍。近年の主な出演作は、ドラマ/『3人のパパ』(TBS)、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)、『僕たちがやりました』(関西テレビ)、『伊藤くん A to E』(毎日放送)、『ホリデイラブ』、『特捜9』(共にテレビ朝日)、映画/『二度めの夏、二度と会えない君』、『亜人』、『あゝ、荒野 前編・後編』、『デメキン』、『となりの怪物くん』、『万引き家族』、『虹色デイズ』など。7月17日スタートのドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』(関西テレビ)に出演するほか、映画『センセイ君主』(8月1日公開)、『あの頃、君を追いかけた』主演(2018秋公開)、2019年前期 連続テレビ小説『なつぞら』(NHK)が控える。

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